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おかゆ(お粥)の作り方。
米から&ご飯から、それぞれの
手順をていねいに解説

おかゆ(お粥)の作り方。米から&ご飯から、それぞれの手順をていねいに解説

自分や家族の体調が優れないときはもちろん、小さなお子さんや高齢の方などが食べることも多いおかゆ。「米から作るのは時間がかかりそう」と思うかもしれませんが、米から炊いたおかゆは格別のおいしさです。今回は、米から作る基本のおかゆや、炊いたご飯や冷凍ご飯、パックご飯を使った時短のおかゆの作り方を紹介。水加減や加熱など、押さえておきたいポイントとあわせてお届けします!

米(生米)から作る、
基本のおかゆ(お粥)の
作り方

今回、作り方を教えてくれた江口恵子さんによると、米からおいしいおかゆを作る最初のポイントは、米の十分な浸水です。浸水が足りないと米の中心に火が通るまでに時間がかかり、形がくずれやすくなるので、米にしっかりと水を吸わせてふっくらと仕上げましょう。また、加熱中に混ぜる回数が多いと、粘りが出てしまうので注意が必要。火加減は弱火で、やさしく煮てください。なお、加熱するうちに水分が蒸発して減っていくので、味付けを工程の最後に行うのもポイントです。

基本のおかゆの材料(2人分)

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1/2合(90ml)
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700〜900ml(好みに応じて調整)
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ふたつまみほど
写真:左:基本のおかゆの材料

基本のおかゆは五分粥の分量。米の量1に対して水の量が10が基本ですが、食べ応えがほしい人は、水を少なめに。

基本のおかゆの作り方

写真:米をとぐ
1
計量した米をざるに入れ、ボウルに重ねて置き、水を張った中でとぐ。米の量が少なくてとぎにくいときは、数か所を指先でつまみ上げるようにする。力を入れすぎると米が欠けるのでやさしく。2回ほど水を替えたらざるを上げて水けをきる。
写真:ざるをあげる
写真:米を浸水させる
2
水けをきった米と水を鍋に入れ、約20分浸水させる。
写真:鍋を火にかける
3
ふたをせずに鍋を火にかけ、強火で沸騰させる。
写真:沸騰したら火を弱める
4
沸騰したら、鍋の水面が静かに動くくらいになるまで火を弱める。
写真:あくを取る
5
あくを取りながら、約20分煮る。この間に1度、軽く混ぜる。
写真:軽くかき混ぜる
写真:塩を入れる
6
火を止めて塩を入れ、ひと混ぜしたらふたをして5分〜10分、蒸らす。
写真:ふたをして蒸らす
写真:ふたを開け、ひと混ぜする
7
ふたを開け、ひと混ぜする。
写真:完成
8
完成。
Point

米をとぐ際にざるとボウルを使うのは、欠けた米などの不要物を水と一緒に流すため。米のかけらが残っていると粘りが出てしまい、のりのような仕上がりになりがちです。乾いた米は水を吸いやすいため、ぬかのにおいを移さないよう、最初の水はすぐに捨てるようにしましょう。

火にかけている間にあくを取り除くことで雑味が抑えられ、すっきりとした味わいに。火を止めてからふたをして蒸らすことでふっくら仕上がり、蒸らさないと米の粒感が際立ちます。どちらにするかはお好みで。

冷凍ご飯で作る、時短の
おかゆ(お粥)の作り方
(冷やご飯や
パックご飯でも)

ご飯からおかゆを作るときは、冷凍の有無に関わらず温めてから使うのがポイント。温めることでご飯がほぐれやすくなって時短できるうえに、加熱むらを抑えられて粘りが出にくくもなります。なお、サラッとしたおかゆが好きな場合は、雑炊のように温めたご飯を流水で洗ってから調理しても良いでしょう。

冷凍ご飯で作る、おかゆの作り方

写真:解凍したご飯と水を鍋に入れる
1
冷凍ご飯を解凍し、電子レンジの600Wで1分〜1分30秒加熱した後、水と一緒に鍋に入れて軽くほぐす。分量は2人分で、ご飯100g、水250ml。
写真:鍋を火にかける
2
鍋を火にかけ、強火で沸騰させる。
写真:沸騰したら軽く混ぜて火を弱める
3
沸騰したら軽く混ぜて火を弱め、ふつふつと泡が出る状態で7〜8分煮る。
写真:塩を入れてかき混ぜる
4
火を止め、塩ふたつまみほどを入れてかき混ぜる。ふたをして5分蒸らす。
写真:完成
5
完成。
Point

冷凍ご飯での作り方を紹介しましたが、冷やご飯でもパックご飯でも作り方は同じ。ご飯が凍っていたり、冷めていたりしても作れますが、所要時間や仕上がりを考えると先に温めておくのがおすすめです。なお、加熱時間はご飯の炊き加減や鍋の保温性によっても変わってくるので、水分量などの様子を見ながら作ってください。

パックご飯の場合

温めたあとは、「冷凍ご飯で作る、おかゆの作り方」と同じ手順でOK。

写真:パックご飯

電子レンジで作る時短おかゆ(2人分)

体調がすぐれないときなどに助かるのが、火を使わなくて済むレンジ調理。もちろん、おかゆも手軽に作れます。

写真:耐熱ボウルにご飯と水を入れる
1
大きめの耐熱ボウルに温めたご飯、水を入れる。分量は2人分で、ご飯100g、水250ml。
写真:全体を軽く混ぜる
2
全体を軽く混ぜる。
写真:電子レンジで加熱する
3
ラップをふんわりとかけ、電子レンジの600Wで3分加熱する。
写真:軽くひと混ぜする
4
軽くひと混ぜしてラップをかけ直したら、電子レンジの600Wで様子を見ながら2分ほど加熱する。
写真:塩を入れ、ひと混ぜする
5
塩をふたつまみほど入れ、ひと混ぜする。やわらかくなっていたらラップをかけ直し、そのまま約10分蒸らす。
写真:完成
6
完成。
Point

冷凍ご飯から鍋で作るときと分量は同じですが、レンジ加熱の場合は鍋よりも蒸発しにくい分、水気が多い仕上がりになります。ボウルなどの耐熱容器は、吹きこぼれを防ぐために大きめのものを使って。ラップは加熱中に蒸気で破れてしまわないよう、ふんわりかけるようにしましょう。1回目の加熱の後にひと混ぜするのは、加熱ムラを抑えるため。2回目の加熱時間は2分としていますが、レンジの機種などによって誤差があるので、様子を見ながら調整してください。

電子レンジで作る時短おかゆ(1人分)

作り方の大まかな流れは2人分のときと同じ。大きめの耐熱ボウルに温めたご飯100gと水130 mlを入れ、全体を軽く混ぜたらラップをふんわりとかけ、電子レンジの600Wで3分加熱します。加熱後、塩をひとつまみほど入れ、ひと混ぜしたらラップをかけ直し、そのまま約10分蒸らせばできあがりです。

全粥、五分粥、
三分粥……
おかゆ(お粥)の
水加減について解説

おかゆは水分量によって、呼び名が変わります。基本的な作り方は同じですが、食感や喉ごしなどが違ってくるので、お好みや体調に合わせて使い分けましょう。

●全粥(五倍粥)

米の量1に対し、水の量5でつくったおかゆ。米の5倍の水を使うことから「五倍がゆ」とも呼ばれています。重湯はなく、やわらかいご飯のような仕上がり。江口さんによると、米の形がある程度残っていて存在感があり、バランスが良くて「米のおいしさを改めて実感できる味わい」とのこと。
写真:全粥(五倍粥)

●七分粥(七倍粥)

米の量1に対して水の量は7と7倍なので、「七倍がゆ」とも。全粥よりさらにやわらかく、少量の重湯もあります。病気の回復期に用いられることが多いほか、ご飯らしさは残っているので、朝食にいただくのもおすすめ。
写真:七分粥(七倍粥)

●五分粥(十倍粥)

米の量1に対して水の量が10で、別名は「十倍粥」。今回の記事では「基本の作り方」として紹介したもので、おかゆと重湯の比率が5:5となることから「五分がゆ」の名が付いています。舌と上顎で潰せるほどの柔らかさなので、歯ぐきの腫れや歯列矯正などで噛めないときにも重宝するはず。
写真:五分粥(十倍粥)

●三分粥(二十粥)

おかゆと重湯の比率は3:7となる三分粥。米と水の量の比率が1:20のため、「二十粥」とも呼ばれます。主に胃腸が弱っていたり、どうしても食欲が湧かなかったりして、しっかり食べられない人向け。
写真:三分粥(二十粥)

●重湯

三分粥や五分粥のおかゆから米を取り除いた液体を「重湯(おもゆ)」と呼びます。水分と炭水化物を同時に摂ることができ、胃にやさしいことから日本では古くから流動食として知られています。
写真:左:重湯

米を煮たおかゆの上澄み液が重湯。断食後の回復食として用いられることもあります。

おじやと何が違う?
おすすめの鍋は?
おかゆ(お粥)に関するFAQ

おかゆのこと、もっと知りたい!そう思った方に向け、おかゆに関する疑問を一問一答形式にして、江口さんに教えてもらいました!作るときはもちろん、おかゆの知識としてもぜひお役立てください。

Q.おかゆとおじや、雑炊って何が違うの?

A. ざっくり説明すると、おかゆは後から味を付けるのに対し、おじやや雑炊は味付きのスープで煮ているという違いがあります。米から作るのも、雑炊などよりおかゆのほうが圧倒的に多いですね。また、「おじや」と「雑炊」は、地域や家庭によって言い方が違うだけで、実は同じものという説もあります。

Q.おかゆを作るときは土鍋がいい?それとも普通の金属鍋?

A. 生米から作る場合はご飯を炊くときと同じで、厚みがあって蓄熱性に優れた鍋ならふっくらと仕上がります。保温性が高い土鍋や、鋳物製の鍋もおすすめ。なお、おかゆは作るときに吹きこぼれやすいので、どんな素材の鍋でも大きめのものを使うようにしてください。

Q.おかゆのカロリーは?

A. 基本的には米と水しか使っていないので、同量の米で炊いたご飯と同じカロリーと考えれば良いでしょう。一方、同じ重量のご飯とおかゆで考えると、おかゆのほうが水分は多いため低カロリーとなります。100gあたりのカロリーは全がゆが65kcal、白いご飯が156kcal。ただし、おかゆはご飯に比べて腹持ちが良くないので、カロリー制限をしたい場合は食べすぎや間食に注意しましょう。

Q.作ったおかゆが冷めてしまった……。温め直しはできる?

A. 温め直しはできますが、やはりできたてのほうがおいしいですよね。時間が経つと水分を吸ってしまうので、ベチャッとした食感にってしまいます。温め直す場合、鍋を使うなら弱火にして、焦げないように注意しましょう。電子レンジなら600Wで1分加熱を。それでも足りない場合は、様子を見ながら10秒刻みで加熱してください。なお、一晩おく場合は冷蔵庫で保存して、翌日に食べ切るようにしましょう。

Q.玄米もおかゆにできる?

A. 玄米からおかゆを作ることはできますが、時間はかなりかかります。というのも、玄米は浸水に5時間〜8時間は必要です。炊飯時間は30分くらいですが、おかゆにするとなると1時間くらい煮る必要があります。

米から作るおかゆ
(お粥)は意外と簡単!
いつもの食事に
取り入れてみては?

おかゆは体調が悪いときだけでなく、朝食や夜食としてもおすすめです。体が温まるので、寒い時期にもぴったり。「生米からおかゆを作るのはハードルが高い」と感じる人もいるかもしれませんが、そのおいしさは十分挑戦する価値があると思います。ご飯から作ったおかゆもおいしいですが、米から作るとそれ以上の味わい。甘みがあって米のうま味もしっかりと感じられるし、難しい工程もないので、ぜひ一度試してみてください。

ホームクッキング編集担当より

米と水のみというシンプル極めた料理だからこそ、手順が大切になってくるおかゆ。ぜひコツをおさえて、体を整えたいときなど、ご自身のメンテが必要な時に記事の存在を思い出してもらえればうれしいです。塩の代わりに、「 いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ 」を数滴足らすのもおすすめ!しょうゆがふわりと香って、満足度もアップしますよ♪(編集担当・市川)

写真:江口恵子さん

教えてくれた人 江口恵子さん

料理家、フードスタイリスト、 All About「家事」ガイド 。雑誌や広告、Webなどでレシピ提案やスタイリングを行うほか、企業のレシピ開発など、幅広く活躍。料理教室「 ナチュラルフードクッキング 」主宰、カフェ&デリ「ORIDO. 吉祥寺」オーナー。著書に『普段使いの器は5つでじゅうぶん。』(ジービー)などがある。

撮影/金田邦男
公開:2024年12月17日

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