MythTV on PS3 Linux

PX-TV402U に使われている WISchip GO7007 の Video4Linux2 用ドライバは ここから入手できます。 現行バージョンの 0.9.8 ではカーネル 2.6.16 に対応しており、 PS3 Linux のカーネルでもコンパイル自体は特に問題なくできました。 udev 対応スクリプトも付属しており、 USB コネクタを挿すだけでモジュールの読み込みから ファームウェアのダウンロードまで自動でやってくれます。

しかしながらこのままではまだ使えません。 Wii Remote をいじったとき に問題になった 32bit userland/64bit kernel で必要な互換 ioctl ルーチンが go7007 ドライバではまったく実装されておらず、自分で書く必要があります。 また Video4Linux2 用互換 ioctl ルーチン (drivers/media/video/compat_ioctl32.c) がかなりいいかげんで、同様に追加したり書き直したりしたところがたくさんありました。 いちおう動いてはいるようですが、まだ挙動があやしいのでテストが必要です。 もちろん ppc64 userland にしてしまえばこんな苦労はしなくてすむわけなのですが…。

MythTV のほうはというと何もすることがなくて、 www.debian-multimedia.orgというサイトで Debian パッケージ一式が開発されており、 また powerpc 用バイナリも提供されていたので、次の apt-line を加えて apt-get install mythtv とするだけですみました。

deb http://www.debian-multimedia.org etch main

なお GO7007 からは MJPEG/MPEG1/MPEG2/MPEG4 のストリームしか取りだせないので、 xawtv のような単にキャプチャイメージを表示するだけのアプリケーションは使えません。

あとはまったのは、XMLTV (テレビ番組表ソフト) で必要だった Debian の kakasi の辞書パッケージが、 じつは arch dependent だったために PS3 では kakasi が暴走して使えなかったということでしょうか。 こちらは kakasi の deb を rebuild しなおして解決。

感想としては、やはり MythTV がとにかくすごくて、 インターネット番組表による録画予約やタイムシフト視聴など、 HDD レコーダにある機能がひととおり実現されているのにびっくりしました。 WMD を使えば Wii リモコンでのオペレーションも簡単に実現できてなかなか快適です。

ただ現状の PS3 Linux ではやはりスペックが不足ぎみで、実用とするには苦しいのが残念。 まあこれは今後のチューニングしだいでいくらでも改善できそうです。 とりあえず CELL 用 FFmpeg でも作りつつ、 RSX が使えるようになるのを待とうか、といったところでしょうか。

PS3 に USB 接続された PX-TV402U/JP。ラックに置き場所がないので実験中は床の上。それにしても PS3 に IEEE1394 インタフェースがないのが惜しまれる。	MythTV のキャプチャカード設定。額縁状態なのは Xorg がオーバースキャン解像度 (576x384) のため。しかしせまくなりすぎて結局下のボタンが画面からはみでて見えなくなっており、いたしかゆしである。
新春の番組表。HDD レコーダとしての機能がひととおり実現されているのはすごい。	テレビの視聴では PX-TV402U/JP がエンコードした録画クオリティ (1500Kbps とか) の MPEG4 ストリームを表示することになるので、画質はあまりよくない。タイムシフト視聴は実用レベル。

例によってパッチなどは Wiki ページのほうにまとめておきます。 あと GO7007 ドライバの Debian パッケージも後で作ることにします。 ファームウェアバイナリが入ってるので non-free かな…。