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ユーザ中心設計のすすめ(第38回)―ユーザビリティテスト プリント
2009/09/08 火曜日 09:47:51 JST

さて今回は「ユーザビリティテスト」についての解説です。
これは、モニター(被験者)に参加していただき、製品やソフトウェア、WEBサイトなどの使い勝手(ユーザビリティ)を評価する手法です。通常、使い勝手を確認したい部分のタスクを事前に用意し、それをモニターに操作してもらうことによって使い勝手の問題点を抽出します。このテストの目的は問題点を明らかにすることによって、改善へと導くことです。

通常は、テストラボという施設を使って実施します。テストラボは、マジックミラーによって、テストルームと観察室の2つの部屋に仕切られています。テストルームには、モニターに入室していただき、司会者(モデレータ)の指示のもと、テストが行なわれます。もう一方の観察室には、問題点を発見する役割のユーザビリティエンジニアと、テストの対象物を設計・デザインした担当者が在席し、テスト状況を観察します。設計担当者は自分で設計した製品が「使えない様子」を目の当たりにするのです。

ユーザビリティ(使い勝手)をテストするといえば、インタラクションのあるケータイやデジカメ、カーナビのような情報端末が対象となる場合が多いのですが、ソフトウェアとは関係ないものもテストの対象となります。たとえば、みなさんがデジタルテレビを購入したとしましょう。自宅に持ち帰ってそれをアンテナに正しくセッティングするという作業もユーザビリティが大変重要です。この場合は、取り扱い説明書の「判りやすさ」を評価することになります。

それから、みなさんもおなじみの「所得税の確定申告書」といった各種申請書類にも「使いやすさ」が重要なポイントとなっています。実際に弊社にはこういった書類のユーザビリティテストの依頼もあります。変わったものでは、食品のパッケージの「開封のしやすさ」のテストもありました。

      図1: ECサイトのユーザビリティテスト実施状況
    ui-38-1.jpg
 
      図2:観察室の様子。マジックミラー越しにテスト状況を観察しつつ、
            モニターには、複数のカメラアングルの撮像が映し出されます。
    ui-38-2.jpg
ユーザビリティの高い商品にするには、「ユーザの視点」に立つことが一番重要です。みなさんの会社の製品、サービス、会社概要、パンフレット、WEBサイトは、「ユーザの視点」になってますでしょうか。

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                                                         過去記事一覧(第1回~第37回)
筆者プロフィール
鞆 幾也 (TOMO, Ikuya)
tomo.jpg1988年 金沢美術工芸大学工業デザイン科卒業。
1990年 株式会社ノーバス設立に参画。
2003年 株式会社ジー・テック・ノーバス設立。代表取締役に就任。
(2005年10月株式会社U'eyes Designに移管)
2005年10月から2007年9月まで株式会社U'eyes Designの上級執行役員に就任。
現在はU'eyes DesignのUCD上級コンサルタントとシニアアドバイザーを兼務。
医療機器のプロダクトデザインを行いつつ1996年頃よりユーザインタフェースデザインの業務をスタート。
特に1998年頃から携帯電話の操作仕様設計から画面のグラフィックデザインまで数多くの端末の開発支援をおこなう。
UCD開発支援の実績としては鉄道自動券売機(オムロン製)がある。


 
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