高級マンションのペントハウスに住んでいるのに、巨大なテレビ画面のせいで夕日が見えない?
なら6万ドル(約900万円)で、LGの透明な77インチ、完全ワイヤレスの有機ELテレビ「LG Signature OLED T」を購入すればいいじゃないか。
本当に発売されるって
今年1月に開催されたCESにてお披露目された「LG Signature OLED T」。あのスケスケテレビが、本当に発売されることになりました。
一番の特長は、画面が透明であること。しかも完全ワイヤレス。部屋のどこにでも置けますね、いや実際に置く場所はないですが。4K・120HzのスマートTVとなっています。
サイズは、77インチの1種類のみ。6万ドルを支払える人なら、巨大透明テレビも置けるような広いおうちに住んでることだろうし、そもそもこのテレビが置かれるのにふさわしいのは、床から天井まで大きな窓があるような部屋に限るかと…。なお、テレビの背景を透明じゃなくしたいときは、付属の黒いスクリーンを出して従来の有機ELテレビのようにも使えるそうです。
テレビにこだわるなら、スタンドなどインテリアにもこだわるべきです。この透明テレビにはオプションのサイドシェルフがありますが、鉢植え、PS5、Xboxを立てて置けるくらいの幅しかありません。
このテレビには「Tホーム」と呼ばれるホーム画面が搭載されます。ホーム画面ではまだ透明に見えますが、アプリを開くと透明ではなくなりました。
また「Tバー」と呼ばれるものがメインメニューの下部に浮かび、時間、天気、ニュースの見出しなどが表示されるそうです。写真やアートを映しておくのに最適な「Tオブジェクト」常時表示モードが、この中だと一番優れている機能でしょう。
完全ワイヤレスですが、端子やチューナーのある「ZeroConnect Box(ゼロコネクト・ボックス)」から無線接続することで実現しました。ボックスは最大10m離れたところに設置可能。信号に干渉するものがない限り、ボックスをテレビの横に置いたり、近くのクローゼットに押し込んでおいてもOKです。
この透明テレビは、ドルビービジョンやドルビーアトモス、HDR10、HLG といったおなじみの技術をサポートしています。パネルには、最新α11 AI Processor 4Kを採用しており、LGのAI技術も組み込まれています。また、LG ゲーミングバーとG-Syncも搭載されており、さまざまなコンソールのVRR(可変リフレッシュレート)と互換性があります。
ユニットがスケルトンにもかかわらず、この透明テレビには通常のスピーカーが搭載されています。下向きのスピーカーの音質は良好で、典型的な高級テレビのクオリティだと感じました。
お分かりのとおり、LGの透明テレビは超高級ブランドもの的な商品で、一般の人向けには作られていません。
一方、特別版のUIを見ると、LGが将来的に透明な製品を、より低価格帯で増やしたいと考えていることが伺えます。LGの有機ELテレビは、筆者の今年のお気に入りのひとつですが、QNEDにはややがっかりといったところです。