カチカチに冷やした“金属球”で、コーヒーはもっと、美味しくなる

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カチカチに冷やした“金属球”で、コーヒーはもっと、美味しくなる
Photo: ヤマダユウス型

香りが豊かなら、趣味を楽しむ時間も豊かになる。

お値段1万9800円の高級なコーヒードリップスタンド「Paragon V2(パラゴン ブイツー)」を購入しました。神保町のめちゃうまコーヒー店「GLITCH COFFEE&ROASTERS」で使われているなど、かなり最新系のブリューイングデバイス。

最大の特徴は、冷凍させた金属球を使って抽出液を急冷させコーヒーの香気を閉じ込める「Extract Chilling」なるアプローチを用いている点。この科学みあふれるアプローチ、どんな味がするのか、わたし気になります!

デザインも美しい、絵になるコーヒーデバイス

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というわけでこちらが「Paragon V2」。

ドリップスタンドはドリップコーヒーを淹れる際に使うもので、コーヒー液を抽出するドリッパーや抽出されたコーヒーを受け止めるサーバーなどを設置します。モノによってはサーバーの上に直接置けるドリッパーなんかもありますね。


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「Paragon V2」の特徴が、アイスロックと呼ばれるこの金属球。

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コレをスタンドの中段部分に設置して使います。中段の受け皿には穴が空いており、抽出されたコーヒー液が落ちてきても下に流れていく構造です。

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すべてセッティングするとこんな感じ。下段の受け皿だけ左側にズラしてありますが、その理由もこれから説明していきましょう。

では、いざドリップ!

ヒンヤリした金属球が香りを逃さない

その前に、やっておくべき重要なことがあります。それは…。

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アイスロックを冷凍庫に入れて、キンッキンに冷やしておくこと! ドリップコーヒーを淹れるのにどうしてこんなことをする必要が…?

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その目的は、冷たいアイスロックにアツアツの抽出液を触れさせて、急速に温度を下げるため。これによりフレーバーの揮発を抑え、従来よりも多くの香気成分を液体に留めることができる、というアプローチです。

Video: Nucleus Coffee Tools / YouTube

抽出液を冷やすこの方法は「Extract Chilling」と呼ばれています。コーヒーの世界ってかなり研究が盛んで、世界的なバリスタが新しい器具やドリップ方法を開発したりと、何かと意欲的なんですよね。僕は最近コーヒーにハマったんですけど、コーヒー界隈のこうした攻め姿勢って面白いなと。

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ある程度のドリップが済んだら、器具を動かしてアイスロックを横にずらします。このときの液垂れを受け止めるために、下段の受け皿があるというわけ。よくできてるねぇ。

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アイスロックを外したら、あとは通常通りドリップするだけ。コーヒーはドリップ前半に15〜40%ほどの成分が抽出されるため、その前半のオイシイ部分を冷却で閉じ込めるというアプローチです。

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で、実際のところ味に変化はあるのかってところですが…あるんですわ、違いが!

「Paragon V2」で冷却させると、飲んでからの香り(レトロネーザルと呼ばれるもの)が一層深く感じられました。喉越しのまろやかさも増しており、冷却による味の変化はあるといえます。この味、美味し!

一方、通常ドリップ時よりも完成時の温度はわずかに低めです。試しにアイスロックを最後まで外さず抽出してみると、ぬるいコーヒーが出来上がりました。湯気も立っておらず、カップから香るコーヒーらしい香りが感じられない。

ある程度の香りを確保しつつ、香気成分を液体に留める。そのバランスを考えるなら、アイスロックを使うのは抽出し始めだけで良さそうです(ドリップしめの40〜50秒だけ冷却させてる動画をよく見かける)。このあたりは抽出時のお湯の温度や豆の焙煎具合など、他の要素も加味して調整できる点であり、コーヒーの奥深さにつながる点でしょう。沼への入口ってやつです。

コーヒー好きなら決して高い買い物じゃない

「Paragon V2」、ドリップスタンドとしてはかなりの高級品ですが、2024年買ってよかったアイテムに入れて良いほど気に入りました。アイスロック無しで通常ドリップもできるので、従来の冷やさないコーヒーもこれで淹れられますから。

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見た目も美しく、視界に入るたび「うち、パラゴンあるんだよなぁ…」とニヤニヤできるのもプライスレスな魅力。淹れてる時間も楽しいのがコーヒーであり、そんな自分をさらに好きになれるのが「Paragon V2」なのでした。良き買い物でした。

Source: Amazon

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