てっきりNASAから学ぶんかなーと思ってたら、NASAが日産から学びたいんだとか…びっくり。
日産とNASAが市街のみならず別の惑星も射程に含めた自動運転車の開発で向こう5年間の提携を結ぶことを明らかにしました。
日産はカリフォルニア州サニーベールに自走車研究のハブ「日産総合研究所シリコンバレーオフィス」を開設して2年です。NASAエイムズ研究センターがあるのは車で10分ぐらいの隣市マウンテンビュー。開発の大半はこのシリコンバレーで行います。
NASAが欲しいもの
NASAは言うまでもなく技術革新では最先端のプレイヤーで、火星に探査機(写真が凄腕のキュリオシティ)飛ばして転げ回せるほどなわけですが、こと自動運転にかけては日産の方が一枚上手です。そこにNASAは並々ならぬ興味を示している様子。
NASAエイムズ研究センターのPete Worden所長はワイヤードにこう意気込みを語っていますよ。
「うちは火星に探査機を1台もってます。これがそんなに自律とは呼べない代物でね」「これからもっと宇宙の奥、もっともっと危険な場所に行くにあたって、自律走行の技術はどうしても加えなければならないところです」
そこで日産リーフをNASAエイムズ研究センターで実験して習得を目指す、というわけですね。
なぜ隣のグーグルではなく日産?
でも自走車だったらNASAから3歩の隣でグーグル本社も朝から晩までやってるのに、なぜグーグルではなく日産を選んだのか? 少々腑に落ちませんよね。
グーグルはNASAエイムズ研究センターが所有する巨大格納庫と滑走路を60年間リースすることで契約を結んだばかりです。不仲ということも考えにくいし…。
その辺の事情はよくわかりませんが、ひとつ注目しておきたいのは、同じ自走車は自走車でも日産のアプローチはグーグルとはだいぶ違うということです。グーグルはゼロから自走車開発を進めてきました。
一方、日産は2020年までに既存の高級セダンに1,000ドル(12万円)も上乗せすれば自走の高級セダンにアップグレードできるようなものの実現を目指しています。
NASAは? 宇宙の車に自律走行の技術を「加えたい」と言ってましたよね? こう考えてくると、自動運転機能をアドオンとして位置づける日産に白羽の矢が立つのは自然の流れと言うこともできそうです。
まあ、グーグルはグーグルでこれからも宇宙の妙な夢を追いかけ続けて(宇宙エレベーター、ホバーボード、テレポートなどなど、Xラボは失敗の山との噂ですが)、NASAから借りた隣の銅鐸みたいなハンガー・ワンで(何やる計画なのかはわからないけど)気が済むまでがんばってもらいたいと思います。
source: Wired
Image via AP / NASA
Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文]
(satomi)