7月10日、11日に虎ノ門ヒルズで開催されたMIT Media Lab @ Tokyo 2014。ギズモードでは2日間にわたってカンファレンスに参加してきました。
登壇したのは、MITの所長を務める伊藤穰一氏、副所長の石井裕氏、パティ・マース氏、スプツニ子!氏をはじめとするMITの豪華メンバー。そしてトヨタやオリンパス、ソニーといった共同開発企業など世界の最前線で活躍する方々でした。
今回のカンファレンスのテーマは「逸脱によるイノベーション」。新しい革新を起こすヒントは「ちょっとわからない」「ちょっとなじめない」という逸脱に宿っているのです。
カメラ、楽器、車…さまざまなテクノロジーとデザイン、アートが結びつく場所として開催されたこのイヴェント。一部を紹介します。
Webカメラ×インターネットでヒトの内面を可視化する
高性能なWebカメラを使って人の感情や生体変化をリアルタイムで提示できるという研究。これが応用できれば、遠隔地に向けての授業や診察なんかも可能になりそうです。
記事:MIT開発:人の感情と生理状態をカメラで測定できる時代がやってくる?カメラのオープンソース化への一手となりえる? オリンパスとMITのチャレンジ
カメラもオープンソース化の時代がすぐそこに来ています。スマホに連携させるアプリ開発はもちろん、片手撮影に特化したものなど、自分のニーズにぴったりなカメラを開発できる日が来るかもしれません。
記事:カメラ新時代。オリンパスとMITによるオープンプラットフォームカメラ私が今欲しい情報は街が教えてくれる。街はビッグデータ進化中
大阪で既に実施されているソーシャルシティ。エリアではユーザが「その時」「その場所」で欲しい情報が瞬時に提示されるのです。このテクノロジーを2020年に照準を合わせて東京でもこのプロジェクトが始動します。
記事:ビッグデータは都市を変える? ソーシャルシティ東京、この夏始動しますモノと生命。対立する2つの調和がイノヴェーションを生む
LEXUS DESIGN AMAZING 2014でデビューした「TRANSFORM」。これを切り口に今まで石井教授が手がけてきた、オブジェクトに息を吹き込む作品たちがリプレゼンテーションされました。温度のない「モノ」が人の感情に訴えかけてくるその神髄は「アウフヘーベン」という思想。
記事:モノが生命を宿すとき。MITの石井教授が手がけるイノヴェーションの神髄世界最速の義足。テクノロジーでヒトの可能性がもっと大きく
ソニーコンピューターサイエンス研究所の遠藤謙氏、杉原行里氏、為末大氏が手がける義足プロジェクト「Xiborg」。パラリンンピックに出る選手と五輪にの選手間のギャップを埋める義足を開発しています。東京五輪の際には義足ランナーが世界最速記録を打ち出しているかもしれません。
記事:MITの研究が「走り」の常識を変える。2020年東京パラリンピックで目指す義足の革新描いて触れると「音」が出る。日常をハックする源泉は「童心」
チャレンジ4年生のふろく「電気実験ミラクルステッキ」。黒鉛でできた芯で書いた線を触れ、同時にもう一方の手でペン本体の金属部分に触れると音が出るデヴァイス。このベースとなったMITのプロジェクトでは、身の回りの全てモノを楽器にしたり触れると音が出るペイントを作っています。
記事:MITの技術を使ったチャレンジ4年生の「ふろく」とその哲学ここで紹介したものは全てではないのですが、本当に興奮するような話ばかり。「空気を読む」とこは確かに集団行動において必要なスキルです。でも、それだけではイノヴェーションは起きません。ときには「逸脱」して世界を違った眼で見てみると、きっともっとヴィヴィッドな日常が待っているはずです。
source: MIT Media Lab @ Tokyo 2014 , Loftwork
(嘉島唯)