リベリア、ミャンマーが脱落し世界中がメートル法に切り替わっても未だにイギリス植民地時代の名残りでヤード・ポンド法を頑なに使い続けるアメリカ。
もうこんなことやめてメートル法にしようぜ、という請願が昨年暮れホワイトハウスの目安箱「We the People」に出され、米Gizmodoも「そうだそうだ! 今どき帝国単位なんて時代錯誤もいいところだ! 換算も面倒だし、マイル、ヤード、ポンド、ガロン、オンス、華氏...覚えきれない、いい加減にしてくれ!」と控え目に支持してきましたが、あの件でついにホワイトハウスから正式回答が出ましたよ。
ホワイトハウスからの回答はひと言で言うと、使いたいなら自由に使ってくれ、というもの。ホワイトハウス的にはそもそもアメリカはずっとメートル法だったって言うんですね。
曰く、「商業・貿易で使う基本単位の定義はすべて」メートル法を使用している、大英帝国単位系(ヤード・ポンド法)と併用することで米国は
「真のバイリンガル国家」
たりえるのだ、と言うのです。そんなバイリンガル要らねーって思っちゃいますが、まあ、ポイントは、メートル法でも帝国単位でも国民は好きな方を使ってよいというのがホワイトハウスの公式見解だということ。さらに一歩進んで、ホワイトハウスはメートル法使用を推奨までしてるんですよ!
結局この国におけるメートル法使用は国民の選択に委ねられています。アメリカ国民には今後も引き続き、自分自身と目的に応じたベストな選択をし、両システム間をシームレスに行き来する術を身につけるようお勧めします。
この国の(単位)法は自主選択制であり、その中で選択する力を持つのは消費者です。従ってメートル法が好ましいと思う人は家のデジタル体重計の単位をキログラムにし、温度計を摂氏にしてください。料理はリットルとグラムで行い、GPSはキロメーターに設定してください。
こう述べた上でホワイトハウスは回答を、このように締め括っています。
「メートル法がいい人はメートル法で暮らしてください」
寛容なように聞こえますが、要は、みんな好きにしてくれ、米国政府がメートル法に正式に移行することは一生ないからさ、ということですよね。むぅ...なんという怠慢。えーと、計量カップは1カップ何クォート・何オンス・何ガロンなんだっけ...???
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CASEY CHAN(原文/satomi)