【超徹底ユーザーレポ】そんなに大騒ぎするほどの出来栄え? iPhone 4を使い倒して、本音で斬ってみました!

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    【超徹底ユーザーレポ】そんなに大騒ぎするほどの出来栄え? iPhone 4を使い倒して、本音で斬ってみました!

    戻れない世界に足を踏み入れたことだけは間違いない...

    それは良い意味でも悪い意味でもあるんですけど、iPhone 4のパワーは、やっぱり大きすぎますね。きっと無事に早めにゲットできた多くのギズ読者の皆さまだって同じだと思うんですが、早々と米GIZMODO編集チームでマイiPhone 4を入手したジェイソン君は、とにかく朝から晩まで、すっかり家族もあきれちゃうほど使い倒してみましたよ。あっ、ちなみにジェイソン君は奥さんとハッピーマリッジライフを送ってきたはずが、このiPhone 4が家庭に持ち込まれて以来、奥さんは置いてけぼりで不機嫌極まりないんだとか。

    まぁ、奥さんがアップルLOVEじゃなかったのがジェイソン君の不幸の始まりかもしれませんが、それはさておき、ギズで最もヘビーにiPhone 4を使いまくってくれたことに敬意を表しまして、もう歯に衣着せぬバッサリと斬り込む物言いにて、超ユーザー目線なレビューを届けてもらいましたよ。いろいろと各誌からレビューが溢れかえっている状態ではありますけど、やっぱりボクらが一番気になるのは、本当に日常的な利用シーンで使ってみた時の正直な感想でもありますもんね。

    ではでは、iPadの時も好評だった超徹底ユーザーレポを、また今度はiPhone 4にて長文ですが公開しちゃいましょう。これからiPhone 4のゲットへと動き出すにも、今回は見送ることにするにも、絶対に読んでて損はないかもしれません。続きから、どうぞご覧くださいませ~

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    まずは、ちょっと内輪の話になってしまうかもしれませんけど、米GIZMODO編集チームとして大きく期待が外れたポイントから見てみましょう。それは、まさかのディスプレイの大幅なる性能アップです。

    Retinaディスプレイという新名称で、人間の目でピクセルを見分けることができる限界を超えた高精細なディスプレイを初めて手に取った時は、予想外の驚きでした。確かに今までもiPhone 4より高精細なケータイがあったという指摘は存じ上げておりますが、でも、いざあのiPhone 4の大画面で体感しちゃいますと、マジでキレイすぎって感嘆の声が出ること間違いなしですね。iPadの画面の美しさとは、また違った驚きを味わえるんだと思いますよ。

    正直にRetinaディスプレイで良かった点を列挙しますと、表示が非常にシャープです。テキストの読みやすさは格段に上がりました。当然ながら、動画も写真も美しいです。屋外での視認性も増したことが感じられます。

    ただ、このRetinaディスプレイを装備したiPhone 4を使えば使うほど、人間というものは正直でして、やはり不満が出てきます。そう、もっともっと上を求めてしまうんですよね。だって、限界を超えた高精細と謳われているんですよ。でも、ユーザーインターフェース(UI)は、なんら古いiPhone 3Gとだって、そんなに大きくは変わりません。高精彩な表示に対応するはずが、ディスプレイに映っている情報量は、特にRetinaディスプレイじゃない旧モデルよりもアップしたりはしてませんよ。1画面でチェックできるメールの件数は、やっぱり物足りなく感じます。iPodのUIだって、3年前から大きく変化してはいません。RetinaディスプレイだからこそできたというiPhone 4のUIがないと、長く使い倒せば使いまくるほど、寂しい気持ちになっちゃうかもしれませんね...

    そうは言っても、現時点でRetinaディスプレイに匹敵する美しい画面のスマートフォンが簡単には見つからない以上、やっぱりiPhone 4には満足すべきでしょうか。他にも納得のポイントは多数あることですしね。

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    そのまま外見について、ツラツラと書いてみることにいたしましょう。今回のiPhone 4へのモデルチェンジは、実際に手にすると、そのデザイン変更のインパクトの大きさが、いろいろな側面から感じ取れますね。まずはポケットからiPhone 4を取り出す時に、これまでとは決定的な違いがあります。どうせなら格好良くiPhone 4を取り出して、手に握った瞬間から使い始めたいじゃないですか。ササッと出してきたわりには、あっ、こちらは裏側だったなって、ディスプレイの表側に裏返す動作だけは避けたい...

    でもね、ここにこだわったジェイソン君は、何度も表裏の触り具合を確かめて、目でチェックしなくても裏返さずに手に持てるようにしたいと思ったんだそうですけど、どれだけ繰り返してもうまくいかなかったみたいです。どちらも滑らかなタッチで指紋が付きやすいですね。両面ガラスボディーの肌触りは気に入りましたが、これまでのモデルよりも、輪をかけて落としたらすぐに壊れてしまいそうです。さらには、薄いので、油断すると、すぐに落下させちゃいそうです。

    あっ、分かってるんですよ。もうこうやって書けば書くほど、何と言われるかだなんて。ケースを付けたらいいじゃん。そうしたら、表裏も判別しやすくなるだろうし、汚れにくく、滑り落ちにくくなるだろうしねって。でも、ボクは裸族なんですよ。ほら、iPhone 4っていうのは、ナチュラルなむき出しボディーのままだからこそ、最も美しいデザインだと思うんですよね。

    もしアップルが、皆にケース入りで使ってほしいんだったら、最初からバンパーなり、他の何らかのラバーorプラスチックケースなんかをセットして売ってくると思うんですよ。でも、これまでもそうしてこなかったのは、アップルが本当は裸のままiPhone 4のボディーを見せて使ってもらうのが一番いいって思ってるからじゃないでしょうかね。だから、当面はこのままジェイソン君もケースの装着を頑なに拒みつつ使い続けるみたいですよ。

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    さてさて、発売直後から大問題になってきているiPhone 4のアンテナ受信感度に関するトラブルなんですけど、これはユーザーであれば、だれでも必ず直面するんじゃないでしょうかね。といいますか、もしかするとiPhone 4の発表前リークなんかよりも、明らかに深刻ではないでしょうか。だって、iPadの良いところって、ユーザーのスタイルに柔軟に合わせられるデバイスの登場だったと思うんですよ。それが、今度はiPhone 4のアンテナに、ユーザーが通話の時のスタイルを無理やり合わさせられるという矛盾ぶりです!

    実際にアップルが提唱する握り方で、アンテナに触れてブロックしちゃうことがないように電話をかけ始めるとします。最初はいいんですよ。でも、このアップルが指定する持ち方が自分の自然な通話スタイルだっていうユーザーなんて、世界にどれほどいるんでしょうか? 数分間通話しているうちに、すぐにいつもの自分の持ち方に戻ってしまって、あっ、アンテナに影響が...という悲劇を、非常に多くのユーザーが経験せざるを得ないでしょうね。というか、ケースなしでアンテナに影響を及ぼさない持ち方を続けようと思うと、スルッとiPhone 4を滑り落とす危険性が格段に上がっちゃいそうですよ。ちなみにアンテナの本数が十分で、電波の強い場所で通話中であれば、ちょっとした受信感度の低下で通話が切れるところまではいかず、音質の低下のみの影響で済む場合が多いですね。

    音声通話について、他に気づいた点としましては、噂に違わぬノイズキャンセリング機能の快適性を実感できちゃいましたよ。よっぽどうるさい場所で通話する時くらいしか、その威力を確かめることはできなさそうですが、これはかなり重宝しそうです。

    ただし、iPhone 4になってからの最大の難点は、アンテナ問題に加えまして、通話中のミス操作の多さかもしれませんね。耳にiPhone 4を当てて通話中に、いつの間にか顔に触れてしまうのか、通話が終わったら、変な操作が繰り返されちゃっていた形跡があるんですよ。これまでのiPhoneのモデルでは、こういう問題の発生は少なかったのにな。やっぱり持ち方を変えさせられるせいでしょうか? 今後のソフトウェアアップデートに期待したい面でもありますね。

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    さて、アップルがiPhone 4のキラー機能に位置づけている「FaceTime」ビデオ通話についても語ってもらいましょう。実は米GIZMODO編集チームは、野郎どもに限ってiPhone狂でございまして、中でもジェイソン君は親友のマット君とFaceTimeで仲良し通話のテストを繰り返しましたよ。

    「マットの顔が、これでもかってインパクトで高精細なディスプレイに表示されます。その音質、画質は最高ですね。いや、こんなにもキレイに映るとは予想外だったんで、FaceTimeが切り開いていくであろう今後の新しい世界には期待しちゃいそうです。まさにフェース・ツー・フェースの臨場感でしたよ。

    ただね、ダチの野郎の顔がキレイにドアップで出てきて、それが長時間途切れずに表示されるからって喜ぶ人はいないだろうなぁ。せめてかわいい彼女でもないと、目のやり場には困りますよ。きっと、マットにFaceTimeでかけるのは、今回が最後になるような気がするね...」

    はい、まさにドンピシャな感想をありがとうございました。世の多くの人が、意外とFaceTimeはキラー機能のようで凡機能でしかないと考える理由も、ここにあるような感じがいたします。楽しそうなんだけど、実際のところで使い道はね~。ただし、ほとんど説明書なんてなくても速攻でFaceTimeにつなげられる便利さは、さすがはアップルだなってうならされたんだとか。

    ところで、FaceTimeが、現時点ではWi-Fi環境でしか利用できないってことに関しましては、多方面で大きな弱点として取り上げられてもいるようですが、ジェイソン君の正直な気持ちは、Wi-Fiだけでのみ使えるくらいがちょうどいいのではっていうものですね。

    「iPhone 4を買ったよって言うと、ほとんどの人の反応が、あのFaceTimeとやらを見せてくれって頼んでくるんですよ。そんなの困りますよね。で、あっさりと断れちゃうわけです。いやぁ、見せてあげたいのはヤマヤマなんだけど、ここにはWi-Fiがないからねってね」

    ふむふむ。これは最初のうちはいいかもしれませんよね。そのうち3G環境でもFaceTimeが自由につながるようになるかもしれませんしね。

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    iPhone 4のベスト機能に挙げられるものって、それはユーザーによっていろいろだと思うんですが、ジェイソン君が最も気に入ったのはカメラだったようですね。小さな性能アップなのかもしれませんが、たとえば、フラッシュLEDの搭載は、これまでのiPhoneのカメラよりも大きく世界を広げてくれます。撮影シーンが一気に増えましたね。オートフォーカスも使いやすいですし、反応が速い気がします。ホワイトバランスの調整ができたら、もう言うことなしでしょうかね。

    そして絶対に手離せないのが、「iMovie」アプリでしょうね。購入にはApp Storeで600円の投資が必要ですが、これは間違いなく神アプリでしょう! ほんの数年前まで、一部のハイエンドなコンピューターくらいでしかできそうになかったことが、撮影から編集、アップロード公開に至るまで、すべてこの小さな小さなiPhone 4のみで完了してしまうというのは、なんともスゴい時代になってきましたね。編集はスムーズですし、書き出しやアップロードも快適ですよ。

    実はジェイソン君は、いつも日本で買ってきた三洋電機のデジタルムービーカメラを持ち歩いていて、動画の撮影に使いまくってたわけですけど、iPhone 4の画質レベルであれば、デジカメを別に持ち歩く生活とはオサラバできそうで、かなり身軽になるって喜んでますよ。確かに、そこそこのコンデジならば、もうiPhone 4で十分でしょうからね。よほどの撮影シーンがあるという日以外は、iPhone 4のみで過ごしてみようと考え中です。

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    が、ここまでわずか1週間ほど使い倒しただけだったのですが、最後に深刻な問題発生に気づきましたよ。HD動画に音楽に電子ブックに写真にと、もう次から次へとiPhone 4に取り込みまくっていると、そうなんです、空き容量の問題が! このマルチメディアが豊富な時代には、とりわけiPhone 4の強みも容量を食いそうなコンテンツばかりですし、32GBのフラッシュドライブだなんて、あっという間にいっぱいになってしまいます。きっとすぐに使い倒したくても空きがなくなって、使い方をセーブしないといけない問題が常に付きまとうことになるんでしょうね。

    ジェイソン君はヘビーユーザーに位置づけられるのかもしれませんけど、でも、きっとiPhone 4の最大の問題点は、フラッシュメモリー容量の不足になると思いますよ。いろいろと使いたいのに、これをiPhone 4に保存すると残りの空きは...だなんて、いつも気にしないといけないのって痛すぎです。1人1人のユーザーに、コンテンツの取捨選択が求められていると言えばそれまでなのかもしれませんけど、なんでもドカドカと取り込んでおいて、後から自由に使えるスタイルが最も望まれているとも言われます。アップルさん、iPhoneのフラッシュドライブの大幅な容量アップを、ぜひとも早めに実現してくださいね。

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    いかがでしたか? なんとも取りとめもなくユーザー目線で書き倒してきましたが、当然ながら、いろんな残念なポイントなんかが浮き彫りになりつつも、でもiPhone 4ならではの魅力も伝わってきたのではないでしょうか。

    これからiPhone 4を買うべきかどうか? その質問に直面している人にアドバイスするとすればって尋ねてみますと、ジェイソン君の答えは明白でした。

    「フリックにタッチにスワイプ。もしこれまでiPhone 3GやiPhone 3GSを使ってきたユーザーがiPhone 4に触れるのであれば、各操作のスピードアップは一目瞭然だと思いますよ。新しいプロセッサーの採用とメインメモリの増強のパワーは大きいですね。

    それからバッテリーの性能アップも見逃せません。ボクみたいに使い倒すぜってユーザーでさえも、あれれ、まだこんなにも本当にバッテリーが残ってるのって驚かされることがあります。Bluetoothはオフにして使ってましたけどね。

    iPhoneユーザーだったら、買い替えても満足できるのは間違いないでしょう。他の携帯電話ユーザーだって、きっとiPhone 4にして損はないと思いますよ」

    ドドンと背中を押してくれましたね。かなりまだゲットまでの道のりは厳しいみたいだけど、あきらめずに再挑戦しますかね...

    あっ、でも、最後に注意を一言。iPadは、これまでPCなんてろくに使ったことがない高齢者にだって使いやすいと評判ですが、ジェイソン君は、逆にiPhone 4に関しては、自分の親には絶対に買うなってアドバイスしたんだそうです。

    「ウチの親は、ボクなんかと違って、まだ1日に何度も音声通話を利用します。やっぱりiPhone 4は、電話としての使い方をメインにする場合は勧めにくいですよね。アンテナ受信感度ゆえの持ち方の制限まであったり、これまでのケータイよりも電波が弱かったり、そもそもお年寄りでも使いこなしやすい機能ばかりがそろってるわけでもないですしね。だから、今のケータイで満足してるんだったら、無理してiPhone 4に乗り換えようだなんて、いくら周りで話題になってるからってよしたほうがいいって言っといたんですよ」

    なるほど。これもまた正直な気持ちなのかもしれませんね。なんといっても、いつも操作方法やトラブルで親から呼び出されてばっかりでも困りますしね。これは参考にしようと思います。やっぱり年代によっては、iPadの世界から入っていってもらったほうがいいかな~

    Jason Chen(原文/湯木進悟)

    UPDATE : 間違いを修正しました。ご指摘のコメントありがとうございます!