Diasporaは、「プライバシーに配慮した、個人でコントロールできる、何でもできるオープンソースのソーシャルネットワーク」というコンセプトで作られています。そこでは、ユーザーは自分自身で決めたルールに基づいて情報共有ができます。全ユーザーが、暗号化され、カスタマイズ可能な「ノード」をDiasporaネットワーク上に持ち、個人情報はユーザーのコンピューターの中にとどまります。これは、Facebookなど多くのサービスでは個人情報をサーバー側に書き込むのとは対照的です。
ニューヨーク・タイムズによると、彼らがそのアイデアをKickstarterというファンド募集サイトに投稿したところ、4月24日の募集開始後たった12日で、目標の1万ドル(約92万円)が集まったそうです。本記事翻訳時点ではさらに12万ドル(約1109万円)を超えてしまったとか!しかもKickstarterは少額単位のファンドを集めるサービスなので、このプロジェクトへの出資者も、その人数は全部で3000人以上にもなっています。
つまり、プライバシーに配慮したSNSへのニーズがそれだけ高まっているということでしょう。
では、実際のサービスはどんなものになるのでしょうか?彼らはすでに、自分たちのマシン上では骨組みレベルのサービスは動かしています。これから夏休みに入ろうとしているので、3カ月間はコーディングに集中でき、9月までには実サービスを開始するのが目標です。そのときには、以下が完了しているはずです。
- 「シード」(ユーザーのコンピューター)間のフルなコミュニケーション
- 完ぺきなPGP暗号化
- 主要な外部サービスからのスクレイピング(他のサービスに登録していた情報を再利用できるように)
- Diaspora APIのVersion 1をドキュメント付きで公開
- Diasporaの全コードをGitHubのレポジトリで公開
ソーシャルネットワークをイチから作るには膨大な作業が必要です。でも、Facebookの最初のコードだって、ハーバード大学の寮の一室で書かれました。Diasporaも同じように、彼らの学生生活の中からスタートし、作り上げられていくのでしょう。
ところで、冒頭の写真はニューヨーク・タイムズのWeb版にもありますが、紙版から一部削除されていたんです。それがこの、左の写真の黒板部分です。えーと、「TOUCH・GREP・UNZIP・MOUNT・FSCK・FSCK・FSCK・UMOUNT」って書かれてるみたいです。UNIXのコマンドの羅列、ですが、プログラマーの方にはよく知られたネタみたいですね。「さわって・さぐって・ジッパー開けて・マウントして・・・(以下、訳せません!)」なんて言葉が、ニューヨーク・タイムズに載っちゃったんですね~。やるなぁ。
Kyle VanHemert(原文/miho)