少数民族の数千人が漂流 東南ア諸国は受け入れ拒否
(CNN) ミャンマーで迫害が伝えられる少数民族のロヒンギャ族が、密航業者の手配する船でマレーシアやインドネシアなど東南アジア諸国に大量に押し寄せている。マレーシア政府はCNNの取材に対し、漂着した難民は送り返すと宣言した。
人道支援団体によれば、マラッカ海峡や周辺の海では安全な受け入れ先を求めて数千人が粗末な船で漂流しているという。
こうした難民についてマレーシアの内務副大臣はCNNの電話取材に対し、「歓迎はできない」「もし歓迎し続ければ、ミャンマーとバングラデシュから何百人も何千人もやって来るだろう」と語気を強めた。
国際移住機関(IOM)は14日、女性や子どもなど350人の乗った船が密航業者に見捨てられ、タイ当局が対応に当たっていることを明らかにした。しかしタイが上陸を認めるかどうかは不明。この船は、先にマレーシア当局が食料と水を提供した後に引き返させていたという。
ロヒンギャ族はミャンマーのイスラム系少数民族。何世代にもわたって同国に住んでいるにもかかわらず、仏教徒が多数を占めるミャンマーでは隣国バングラデシュからの不法入国者として扱われ、差別を受けてきた。
ミャンマーやバングラデシュからマレーシアとインドネシアに漂着した難民は10日以来、1600人を超えた。タイ当局はマレーシアとの国境に近い同国南部の密航業者の拠点摘発に乗り出しており、このため密航業者は難民船をマレーシアやインドネシアに送り込むようになっている。イスラム教徒が多数を占める両国は、かつてロヒンギャ族に同情を寄せていた。