露、シリアに化学兵器の国際管理を提案 米大統領も評価
(CNN) シリアで化学兵器が使われたとしてオバマ米政権が軍事介入を主張している問題で、ロシアのラブロフ外相が9日、シリアのアサド政権に化学兵器を国際管理下に置くよう求める案を提示した。シリア側もこれを歓迎すると述べ、オバマ大統領は「前向きの展開」と評価した。
ロシア案の発端は、ケリー米国務長官の訪問先ロンドンでの発言だった。ケリー長官は9日、ヘイグ英外相との共同記者会見で対シリア攻撃を回避するためにアサド政権ができることは何かとの質問に、「アサド大統領が来週中に化学兵器をひとつ残らず国際管理下に置くこと」と答えた。長官は一方で、これは「不可能なシナリオだ」との見方を示した。
米政権内部では長官の発言を「失言」と批判する声が上がり、国務省報道官らはその後釈明に追われた。サキ報道官は発言の趣旨が「事実をもてあそぶ独裁者が化学兵器を差し出すとは思えないことを示す点にあった」と説明。「化学兵器を差し出す気があるならとうの昔に応じているはずだ」と語った。
ケリー長官はロンドン出発後、帰国便の機中でロシアのラブロフ外相と電話会談した。米国務省幹部によると、ラブロフ外相はこの中でケリー長官の発言を取り上げ、長官は「まじめな提案があれば検討する」と答えたという。