コンゴ反政府勢力「全土掌握を目指す」 国連は人道危機を警告
(CNN) アフリカ中部のコンゴ(旧ザイール)で、東部の主要都市ゴマを制圧した反政府武装勢力「M23」は21日、コンゴ全土を「解放」する計画を明らかにした。
地元の記者によればM23の広報を務めるカザラマ中佐はゴマの競技場で、歓呼する数百人の群衆を前に「われわれはブカブ、キサンガニ、最後には首都キンシャサまで進軍し、政府を打倒する」と述べた。政権打倒後は選挙を行う予定だという。
21日には商店も営業を再開し、ゴマには日常生活が戻りつつある。M23は学校や銀行に対し手も、授業や営業を再開するよう呼びかけた。また、M23はゴマの警官や政府軍兵士に対し、反乱軍に加わるよう呼びかけている。
一方、国連のミース特別代表は21日、キンシャサから国連安保理にコンゴ情勢について説明を行った。
「(ゴマのある)北キブ州などコンゴ東部の治安状況はこの数日で非常に悪化しており、数十万人のコンゴ国民を巻き込む大きな人道危機が起きている」とミース特別代表は語った。
M23はゴマと近郊のサケを占領しているが、国連の平和維持軍の支援を受けたコンゴ国軍の「強い抵抗」に遭っているという。だがM23の戦力は「外部の支援」によって強化されてきたようだとミース特別代表は言う。
「M23が占領した他の地域で見られるように、ゴマの占領により、殺人や未成年者を含む一般市民の強制的な徴兵など深刻な人権侵害の増加を招く大きな危険がある」とミース特別代表は指摘。国連には、M23にとって邪魔になる人物が即座に処刑された例が数多く報告されており、性的暴力の危険も高まっているという。
国連安保理は20日、M23と同組織を外部から支援する勢力に対する制裁を求める決議を採択している。