中国人の恋人に核情報を漏らす 元米陸軍将校を逮捕
(CNN) 米司法省は21日までに、恋愛関係にあった中国人女性に核兵器や他の軍事機密情報を漏らしたとして米陸軍の元将校(59)を逮捕、訴追したと発表した。
米ハワイ州ホノルルの連邦裁判所文書などによると、女性は27歳でスパイ行為の罪などで訴追されていない。学生ビザ(入国査証)を持ち、米国には合法的に滞在していた。
元将校のベンジャミン・ビショップ被告の審理は既に始まっている。機密文書を自宅で違法に所持していた罪にも問われた。司法省当局者は被告の訴追は長期化が予想される捜査の初期段階の措置とし、事件の関与者全員の調べを続けているとも述べた。
漏えいした情報が米の国家安全保障にどの程度の打撃となるのかは不明。ただ、核兵器関連の他、戦略的な核システムの配備、外国で発射された短中距離弾道ミサイルに対する米国の探知能力、環太平洋地域での米国の早期警戒レーダー網などに関連した情報が漏れたという。
2人はハワイ州で開かれた会議で初めて出会っていた。女性が機密情報の入手を狙い、特定の個人に的を絞っていた可能性もある。
司法省当局者などによると、2人は2011年6月ごろから恋愛関係にあり、当局に気付かれないように付き合いを続けていた。被告の行動に不審を抱いた連邦当局が盗聴、見張りを続け、自宅捜索にも踏み切っていた。
弁護士や政府当局者によると、被告の軍役は29年間で、その後も陸軍予備役に入っていた。最近は軍関連の契約企業に勤めていたとされる。
弁護士は被告の長期の軍役などを挙げ、米国に意図的に被害を与える行為には関与していないと主張している。有罪が確定すれば最大で禁錮20年の刑が言い渡される可能性がある。