なんとなく不思議な英単語シリーズ。今日はjudgmentとjudgmental。
大体、dgmという三つの子音がつながっているスペルが変だ、という気もするんですが、それはまぁ置いておいて、
judgment=判断、判断力。人間が持つべき正しい資質
と、いい感じなのに、最後に「al」がついて形容詞になるといきなり
judgmental=なんでも自分の価値観だけで正否を決め付ける
という、いやな感じになるんですな。
たとえば。
テレビドラマのSex and the Cityで、主人公のCarrieは、とっくに別れた昔の彼氏(Big)とこっそり会っている。友達の間では、BigはCarrieにとって「悪い」男という定評。実はまたデートしていることをCarrieから打ち明けられた女友達のMirandaが、「Bigはだめ、絶対やめろ」と非難すると、Carrieが激怒して
「You are so judgmental!」
と怒鳴る、というシーンがありました。
「んなこたわかってても会わずにいられない、という切ない気持ちを酌みもせずに、悪いと決め付けるなんて、何様のつもり!!友達ガイがない!」
と怒ってるわけですね。
「かなえたい43の望み」なるサイトにも
Be less judgmental
というのがあります。「判断力がない人になりたい」わけではなくて、
「いろいろな価値基準を持った人をありのままに受け入れられる人になりたい」
ということなのでした。
思うに、judge=判断なわけですが、基本的に「自分なりに得られる事実に基づいて決断を下す。ただし絶対の真実は闇の中にあるままで、正解はどこにもない」という感じ。
(だから裁判官もJudgeなわけです。両方の言い分や、さまざまな証拠に基づいて判断するが、「本当に本当はどうだったの?」ということは、これはもう神のみぞ知る。)
で、あやふやな世の中で、きちんと判断しながら道を切り開くことが大事、という価値観が英語圏では強いように思うんですが、やはり行き過ぎるとだめ、って感じかな、と理解しております。はい。
judgment, イギリスでは e が入ってjudgement とつづることが多いようですね。e なしは17世紀の英訳聖書に起源があるらしく、そちらのほうが古いようです。確かに e 抜きでは不自然な感じがするせいで、英連邦圏では通常は e が入るようになったそうです。聖書、法律のコンテクストでは e 抜きが主流だそうです。アメリカでは e はとにかく入らない。 Spelling Beeの引っ掛け問題ですね。
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“Spanglish”(邦題『スパングリッシュ 太陽の国から来たママのこと』)の中に、
“Thank you for not judging me”
(L.A.の売れっ子シェフの家にメイドとして雇われた主人公-正確には「主人公の母親」?-が、シェフの妻の母親-娘夫婦と同居している-から言われる言葉)
(シェフの義母は元・有名なシンガーでアルコール依存症歴があり、現在もアルコール依存症気味で、おそらく娘を始め、周囲の人からからそのことで責められている、という設定)
という台詞あります。
映画の中でjudgeという動詞が使われると、同様な使われ方をすることが多くて、judgeという、(名詞や形容詞やなんかの)元になっている動詞自体が、(法廷以外では)専ら否定的なニュアンスを持っているのかな、とも思います。
(実際の生活から例を挙げれば、何かに対して罪悪感を感じている友人に、
“I can’t judge you”
と言葉をかけてなぐさめるのもちょうどそういう-judgeに否定的なニュアンスを込めた-用法ですよね。)
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連続投稿になりますが、
「(法廷以外では)」という部分を、
「(神が人を裁くという意味で使われるのと、法廷やなんかで法に則って裁かれるという意味に使われるの以外は」
と、この自己レスにて訂正させてください。
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chikaです。
確かに、judgeという動詞は良くも悪くも使われますねー。多分
judge 人
で、「誰かをjudgeする」という使い方のときは、裁判官(とか神様)以外だと悪いニュアンスが強いけれど、抽象的な事象をjudgeする、っていう使い方をするときは、ニュートラルに判断する、もしくは知恵を使って決断するというややいい意味に使われるってことないでしょうか・・・
ということで、
judge=使い方次第でよかったり悪かったり
judgment=割とよい意味に使われることが多い
judgmental=ほぼ必ず悪い意味
って感じかな、という気がするんですが。
StingのTomorrow We’ll Seeという歌に
Don’t judge me
You could be me in another life
In another set of circumstances
という歌詞があります。かなり好きなサビ。街に立つ男娼(たぶん・・・性別はambiguousですが・・)が主人公の歌です。
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台湾、中国など儒教の影響が強く、父権思想や親が過大な権力を持つ社会は正にこの単語がぴったり当てはまります。
私自身ホモセクシュアルの同性愛者なので、家族、親戚など彼らの価値観や信仰を押し付けられる苦しみや辛さは筆舌に尽くしがたいです。
学校でいじめに遭い、無責任の担任や私をいじめた獣のようなくそったれの連中にも当てはまると思います。
そもそも台湾人は自信過剰で日本人みたいに謙遜で他人に対する思いやりが非常に欠如しているのです。
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