金正恩氏「つらい悲しみ」 中国人観光客死亡の北朝鮮バス事故に

金正恩氏が負傷した中国人観光客に話しかけているとする写真。朝鮮中央通信(KCNA)が発表した

画像提供, AFP PHOTO / KCNA VIA KNS

画像説明, 金正恩氏が負傷した中国人観光客に話しかけているとする写真。国営・朝鮮中央通信(KCNA)が発表した

北朝鮮南西部の黄海北道で22日バス事故が発生し、32人の中国人観光客と4人の北朝鮮人が死亡したことを受け、同国の最高指導者である金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は23日、「つらい悲しみ」を表明した。

政府が厳しく統制する北朝鮮メディアが否定的なニュースを報じるのはまれで、金氏が事故そのものを認めるのはさらに異例。

中国は北朝鮮の主要な政治的友好国であり、最大の貿易相手国でもある。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は「(金氏は)予期しなかった事故が自分の心につらい悲しみをもたらしたと語った」、「血縁者を奪い去られた家族を思うと、金氏は悲しみを抑えられなかった」と報じた。

金氏は中国の李進軍・駐北朝鮮大使(右から2番目)に「悲しみ」を伝えた

画像提供, AFP PHOTO/KCNA VIA KNS

画像説明, 金氏は中国の李進軍・駐北朝鮮大使(右から2番目)に「悲しみ」を伝えた

金氏は負傷した乗客を病院で見舞うところを撮影された。KCNAは金氏が「治療について個人的に説明を受けた」と伝えた。

また、金氏は平壌の中国大使館も訪れ、李進軍・駐北朝鮮中国大使に面会し「心からの哀悼の意を伝えた」という。

中国と北朝鮮は長期間にわたって友好関係にある。金氏の素早い負傷者訪問とその迅速な報道は、中国国民の間にある同氏の印象を守る手段の一部とみられる。

中国人観光客は北朝鮮を訪れる外国人観光客のおよそ80%を占め、北朝鮮政府の重要な外貨獲得源となっている。

金氏は3月、北京に習近平国家主席を訪ねた。金氏が2011年に指導者となって以来、知られている限り初めての海外訪問だった。

中国は北朝鮮に対する食料や燃料支援の事実上全てを担っているほか多くの支援策を実施しており、同国の最も重要な友好国だと考えられている。

北朝鮮は最近、全ての核・ミサイル実験を停止すると発表した。また、南北首脳会談や米朝首脳会談の実現にも動いている。

(英語記事 Kim Jong-un's 'bitter sorrow' as bus crash kills Chinese tourists)