インドと中国といえば、いずれも核保有国。その両国が先日、合同軍事演習をやった。ただし、その内容には不思議なほど「軍事」感は薄かった。演習の名称は「ハンド・イン・ハンド(手をつないで)」。一緒に早朝からヨガをやったり、キャンプファイアをやったり……。仲良しだから、ということではなかった。
インド北東部メガラヤ州。標高1500メートルほどの高地にあるインド陸軍の宿営地が、2週間におよぶ合同軍事演習の現場だった。参加していたのは、中国とインドそれぞれの陸軍から、約130人ずつ。12月中旬、筆者は特別に取材を許された。
「テロリストが民家を占拠した。合同軍で人質を解放する」
そんな説明に続いて、この日の訓練が始まった。ヘリコプターを使って部隊を投入したり、民家を取り囲んで銃撃をしたりして、人質を解放するという想定だ。射撃訓練や、互いの軍が保有している武器の情報共有、過去のテロ事件の研究なども一緒にやっていた。
「相互理解を深めるための演習だ。インド軍は演習が終わると寝るが、中国軍はヌンチャクで鍛えている。そんな文化の違いも学んでいる」
取材に応じてくれたインド陸軍大佐は、合同演習の意義をそう力説した。
■両軍でキャンプファイア…
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