復興願う合唱曲、世界へ 阪神大震災30年

1995年2月、初めて「しあわせ運べるように」の合唱を披露する臼井真さん(手前左)と児童ら。下は2024年12月、同じ場所で当時の教え子らと約30年ぶりに合唱した=神戸市中央区(いずれも本人提供)
1995年2月、初めて「しあわせ運べるように」の合唱を披露する臼井真さん(手前左)と児童ら。下は2024年12月、同じ場所で当時の教え子らと約30年ぶりに合唱した=神戸市中央区(いずれも本人提供)
  • 1995年2月、初めて「しあわせ運べるように」の合唱を披露する臼井真さん(手前左)と児童ら。下は2024年12月、同じ場所で当時の教え子らと約30年ぶりに合唱した=神戸市中央区(いずれも本人提供)
2025年01月15日 03時35分

 阪神大震災からの復興を願う合唱曲「しあわせ運べるように」が国内外で歌い継がれている。神戸市の小学校で音楽を教えていた臼井真さん(64)が被災直後、あふれる思いを込めて作詞・作曲した。

 神戸市東灘区の自宅で出勤前の身支度中だった。地鳴りがして停電した瞬間、激しい縦揺れに見舞われた。家族は無事だったが1階はつぶれた。靴を取り出せず、スリッパのまま家族で灘区の親戚宅へ。学校に出勤したのは数日後。避難所運営に出遅れ、負い目を感じた。

 2週間後、テレビに映った繁華街・三宮の光景にがくぜんとした。学生時代、友人と待ち合わせた商業施設がつぶれ、見慣れた光景は失われていた。

 衝動的に浮かんだ歌詞を鉛筆で書き留めた。放心状態だった子どもたちへのエールを込め、10分ほどで一気に作詞作曲した。

 2月中旬、登校してきた子どもたちに、音楽室で教え始めた。歌は評判を呼び、ほかの学校でも歌われるようになった。新潟県中越地震や東日本大震災の後には、歌詞の一部を変えて被災地で歌われた。英語や中国語など、12の言語に翻訳もされた。

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