【ぷらっとTOKYO】国内最大級の美しい礼拝所 代々木上原、坂の商店街も
おしゃれな高級住宅街のイメージがある東京都渋谷区の代々木上原で、日本のイスラム教徒が心を寄せる国内最大級の美しい礼拝所を訪ね、地域の人々でにぎわう商店街を歩いた。(共同通信=團奏帆)
東京メトロ千代田線と小田急線の代々木上原駅から西に約5分、井ノ頭通りを歩くと、突如、白い壁面と尖塔を持つ城のような建物が現れる。伝統的なオスマン様式建築の礼拝所「東京ジャーミイ」だ。
大理石の階段を上がれば、高いドーム天井に繊細なアラベスク模様やカリグラフィーが施され、ステンドグラスから日が差し込む礼拝堂の美しさに息をのむ。金曜礼拝など、多い時には参列者は100人を超える。
前身は1938年に建設された「東京回教礼拝堂」。ロシア革命時に日本に逃れたタタール人たちの心の支えとして生まれ、老朽化により2000年に建て替えられた。
再現された伝統的な応接間や小さな書店もあり、併設する「トルコ文化センター」にはハラルマーケットも。「世界一甘いお菓子」の異名を持つバクラワ、調味料や飲み物、精油などが所狭しと並んでいた。学校や病院、食堂、宿泊施設を併設するトルコの礼拝所と同じく、人々が交流する場として機能しているそう。
入り組んだ通りや坂道の多い住宅街を抜けると、駅の北東側に「上原駅前商店街」が広がる。飲食店や個人商店が軒を連ね、人々が行き交う。
小田急線の高架をくぐる急勾配の「旭坂」にあるのは「上原銀座商店街」。おおかた上った先に、創業90年を超える「太田屋豆腐店」があった。豆腐を切っていた店主に聞けば、朝7時から営業し、豆乳を中心に多くがすぐ売れてしまうのだとか。うの花コロッケを買ってかじると、素朴で優しい味がした。
【メモ】東京ジャーミイは午前10時(金曜は信徒以外は午後2時半)から午後6時まで、無料で見学できる。