CurlのRIA技術紹介
RIAシステム 構築ガイド Essential 2
RIAコンソーシアムが発行したRIAの普及促進や開発に関するガイドライン『RIAシステム 構築ガイド』の2008年版である『RIAシステム 構築ガイド Essential 2』をWeb担向けに特別にオンラインで公開するコーナー。
Curlとは
エンタープライズRIAプラットフォームCurlは、現在のWebアプリケーションの問題や課題を解決し、高度かつ複雑なユーザーインターフェースをもつシステムの構築を可能にする言語/開発/実行環境です。Curl言語は、HTMLのようなテキストフォーマットから高パフォーマンス3Dグラフィックス、Javaのようなオブジェクト指向までを単一の言語で広範囲に開発することができます。またCurlが提供する範囲をクライアントサイドに特化することで、サーバとの疎結合を実現させます。このことにより、サーバサイドはOS、言語を問わず、あらゆるサーバ製品との連携が可能になり、既存の環境や既存のDB資産を効率的に活用、また、クライアントからは直接サービスを提供するサーバにアクセスすることができます。
1995年にMIT(米国マサチューセッツ工科大学)で次世代のWeb開発言語として研究されたCurlは、1998年に米国Curl社を設立、日本語版は03年に提供しました。04年に住商情報システム株式会社がCurlの全知的財産権(特許、商標登録、ソースコード等)を所有、現在では住商情報システムの100%関連企業として米国Curl社がR&D拠点、株式会社カールが日本国内における販売及びマーケティングを行っています。日本国内(08/Q1時点)におけるCurlの採用実績は、大手企業の基幹システムを中心に350社以上になります。
クラサバの高度な操作性をそのままWebアプリで提供。(1)~(4):従来型のWebシステム同様、サーバにアプリケーションを一元管理。起動時にソースをダウンロードし、JITコンパイル。業務ロジックもクライアントサイドに持たせることで、クラサバ同様のレスポンスが提供。(5)~(6):サーバへ非同期アクセスでデータを取得。必要な際にアクセスするのでサーバ負荷の軽減や通信量の削減が実現。
エンタープライズRIAとして
Curlは、企業が必要とするセキュリティ、大量データ処理でのハイパフォーマンス、洗練されたユーザーインターフェースを提供し、企業レベルのRIAを提供します。
- C/Sシステムと同等の速いレスポンス
大量のデータ処理が行われる業務システムにおいても、Curlは「ローカルデータベース」のような速いレスポンス力を実現し、操作処理の待ち時間を最小限にとどめます。 - 堅牢なセキュリティ
セキュリティレベルの設定を用いて、ローカルフォルダのアクセス権限や個人情報へのアクセスを制限するなど企業レベルの情報漏洩対策を実現させます。 - 開発、保守・運用コストを削減し、企業TCOを低減
優れた統合開発環境(IDE)と柔軟なプログラミングモデルを提供し、大量かつ複雑な画面でも、クライアントのリソースを活用することでサーバの負荷を軽減、TCOを低減します。 - オフラインでも業務を止めない環境
「突然のサーバダウンで業務が続けられない!」といった問題も、Curlのオフライン機能を用いることで、サーバがダウンした場合でも業務の完全停止を防ぎます。 - 高いメンテナンス性を提供
Curlの実行環境(RTE)は、クライアントPC上で複数のバージョンが共存できるので、他のソフトウェアに見られるような実行環境のバージョンアップにともなう既存アプリケーションの修正が不要になります。 - 様々な利用者環境への対応
マルチOSプラットフォーム環境に対応し、Windows以外にもMacOS、Linuxでも動作可能。サーバ側はOSに依存しないなど、様々な利用者環境のニーズに対応します。 - レガシーシステムからのマイグレーション
既存のレガシーシステムを、操作性をそのままにWeb化できるCurlは、既存DB資産の継続利用と再教育が不要になりますので、システムの移行コストを削減することができます。
Curlアプリケーションの開発に際して
- 統合開発環境Curl IDE
無償で提供するCurl IDEには、テキストエディタの他、画面作成パレットに部品を貼り付けながら作成するVLE(ビジュアルレイアウトエディタ)、インタラクティブHELP機能などがあります。また、Eclipse版も提供しています。 - Curlデベロッパーセンター
Curlの基本からサーバ間連携など幅広い技術情報を提供しています。「Curl開発者ガイド」では、Curlが提供する8,000種類を超えるAPIの解説やサンプルなどを掲載しています。 - Curl Apps Gallery
Curlで開発した自作アプリケーションの投稿サイト「Curl Apps Gallery」は、ITエンジニアがCurlの製品開発や運用の段階で必要となる技術情報を継続的に有効利用できます。投稿されたアプリケーションはオープンソースで提供されます。 - Curlのオープンソースプロジェクト<SourceForgeにて公開>
エンタープライズRIAの拡大とオープンソースコンポーネントライブラリの共通リポジトリ構築を目的にCurlはオープンソースプロジェクトを推し進めています。これまでに、
などを提供しています。
- 杉浦 睦子/SUGIURA Mutsuko
- 株式会社カール
この記事は、RIAコンソーシアムが発行した『RIAシステム 構築ガイド Essential 2』の内容を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです。※掲載されている内容は2008年12月発行時点のデータに基づいています。
RIAコンソーシアムの活動記録とも言える本ガイドは、RIAの普及促進、開発に関するガイドライン、課題解決などについて、マネージメント、ユーザーインタフェース、テクノロジーの3つの視点からみた、それぞれのテーマについてまとめています。
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