うつけ者アイムソーリー

クマの正体はシャドウ。
てっきり彼が現実世界にいることが、霧を呼び込んで菜々子を死に至らしめたのかと思ったら全然関係なかった。
じゃあ前回彼が消えることで菜々子が息を吹き返したのはなんだんたんでしょう。まさかここにも因果関係なし？

彼の悩みも葛藤も、なんだかさらっと流された感じで感情移入する間もなく解決してしまった。まあ今更クマの悩みに付き合ってる暇も尺もないってことですね。不憫な奴よ……。


陽介が河原でいきなり俺を殴れといいだした時はなんでそうなるのか分からなくてポカーンとしてたが、その後で本人が｢空回り｣と言ってたので安心した。ああ、なんでもいいから整理をつけたかったのね。
陽介は自分を卑下しすぎなきらいがあるが、彼には彼なりの美点が多くあるのだから劣等感を感じる必要はないのだ。モテないけどな！


さて、真犯人足立はどんなクソヤロウかと思ったらただのクソヤロウだった。
大人になって、社会にでたのに世の中は何一つ自分の思い通りにはならない。こんな世界はつまらない、だからクソだ。

彼はある意味で純粋だ。自分の欲望がそのまままかり通るものといまだに信じている大きな子供だ。
だからこそ、テレビの中の全てが自分の思うままにできる世界にのめりこんでいった。クソッタレな世界を思う存分ぶち壊す、幼稚な破壊願望をぶつけて悦に浸り快楽を欲しいままにしている。

彼のシャドウと足立本人の言動には何一つ違いがない。彼もまた己の心の闇を受け入れた人間だった。
しかし、悠達と決定的に違うのは、本当に受け入れただけでそれを克服し前に進む努力を一切していないことだ。
人間には正の面も負の面も存在し、その両方を受け入れて生きていかなければいけない。しかし、受け入れるだけではただ堕ちていくだけなのだ。

そこからの足掻きこそが、人間が生きていく上で本当に大切なこと。

足立は心の闇を受け入れ、そのまま闇に呑まれてしまった。丁度この辺のことは、ヴァンガードでもやってるからなかなか興味深い。

足立のペルソナはマガツイザナギ。その姿からも分かるように、足立と悠は合わせ鏡のような存在なのだろう。
都会から田舎に飛ばされ、不満を抱いていたという足立。
その感情は、河原で陽介が話していたように転校生である悠たちも当然に持っていたものだ。
彼らのスタート地点は同じ、ただそこで自分を変える努力ができるかが、道の分かれ目だったのだ。
一歩間違えれば自分もああなっていたかもしれない存在を前に、悠はどういう行動を取るのか。その結末を見届けたいと思う。

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