『ゆるゆり』 向日葵&櫻子「ようやく嬉しい卒業式」






…私達も後3日で卒業だね。

卒業した3日後に受験…もう、みんな進路は決まっちゃったんだよね。

先輩たちは一年前、同じ高校に行った。
歳納センパイは最後の追い込みで合格しちゃったよね。
仲間だと思ってたのに…。

あかりちゃんと、ちなつちゃんも同じ高校に行くし…うらやましい。

…ねぇ、向日葵。すごいね、偏差値トップの高校なんだよね。生意気っぱい。

…私は、バカだから。これで、お別れだね。


 
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 00:26:02.69 ID:ndQ4LJWy0
…私達も後3日で卒業だね。

卒業した3日後に受験…もう、みんな進路は決まっちゃったんだよね。

先輩たちは一年前、同じ高校に行った。
歳納センパイは最後の追い込みで合格しちゃったよね。
仲間だと思ってたのに…。

あかりちゃんと、ちなつちゃんも同じ高校に行くし…うらやましい。

…ねぇ、向日葵。すごいね、偏差値トップの高校なんだよね。生意気っぱい。

…私は、バカだから。これで、お別れだね。





4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 00:30:06.94 ID:ndQ4LJWy0
会長の私としては、バカな生徒の教育は仕事ですから…

今まで、あなたの家庭教師をしてきましたけど…はぁ。やっぱりバカみたいですわね。

…途中から自分の勉強が忙しくなって、家庭教師をやめてしまった事は申し訳ないと思ってますの。

…まぁ、これで…

今度こそ終わりですわね。あなたと私の腐れ縁も…。

…せいせいしますわ。家が隣とはいえ、学校が違えば生活も変わる…。

…あと3日…ですわね。





5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 00:33:52.32 ID:ndQ4LJWy0
~朝~

向日葵(…進路が決まってからいつも、こんな調子ですわ…)ドキドキ

向日葵(いつも通りですわよ…)ドキドキ

向日葵「櫻子ー?学校に遅れてしまいますわよー?」

・・・・・・

撫子「上がっていいよー櫻子なら部屋で寝坊決め込んでるはずだから」

向日葵「…お邪魔しますわ」ガチャ

向日葵(…おそらく、家に上がることも減るんですわね…卒業したら)





6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 00:36:18.64 ID:80PELrEE0
既に胸が苦しい





7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 00:36:42.10 ID:ndQ4LJWy0
~櫻子の部屋~

向日葵「…櫻子…?」

櫻子「~!?」ガタッ

向日葵「…あなた、起きていたんですの!?返事ぐらいしなさいな!」

櫻子「うっ、うるさいなぁ!朝の勉強してたんだよっ!」

向日葵「…多分、大丈夫ですわよ。櫻子なら受かるはずですわ…」

櫻子「…あーあ。余裕だね向日葵は。私の方が偏差値低いってのにさぁ」

向日葵「…何か言いまして?」イラッ





10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 00:40:05.56 ID:ndQ4LJWy0
櫻子「いやいや、会長の座も取って、偏差値トップの高校に入学する向日葵様には」

櫻子「頭が上がりませんよーっだ!」

向日葵「…あなた、前まで家庭教師をしていてあげた事、もう忘れましたの?」

櫻子「…そっちこそ覚えてる?最後に残した言葉が…」

「櫻子では、無理ですわ…。ごめんなさい」

櫻子「なんだよ!櫻子では、って!誰でも腹立つよ!!無神経すぎ!!」

向日葵「…そ、それは何度も謝ったじゃありませんの…」





11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 00:42:55.75 ID:ndQ4LJWy0
向日葵「それに、私だって一生懸命…」

櫻子「…分かってるって…っ」

櫻子「…それは、分かってるんだよ…」グスッ

向日葵「…櫻子?」

櫻子「だからっ!!期待に答えれなくてっ!!悲しくてっ!!朝から泣いてたんじゃぁん!!」ポロポロ

向日葵「…!!」

櫻子「しかも最後は…櫻子では無理…っ…そんなの、分かってたっつーの…っ」ポロポロ

向日葵「さ、櫻子…」





15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 00:47:31.83 ID:ndQ4LJWy0
櫻子「…」ポロポロ

向日葵「…」

櫻子「…あーあ…朝からケンカとか泣けるわー…」グスッ

向日葵「櫻子、私は…その。家庭教師をきたのは…」

櫻子「このケンカも、もうすぐ終わりかー。あーうれしっ!」フキフキ

向日葵「…何ですってぇ?」イラッ

櫻子「…さ、行こっか巨大っぱい」

向日葵(…!…櫻子…)

向日葵「まったく…ホント、失礼な子ですわね…」





16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 00:49:27.95 ID:ndQ4LJWy0
~登校~

櫻子「…」テクテク

向日葵「…」テクテク

櫻子「…っ」テクテク

向日葵「…」テクテク

櫻子(き、気まずい…)

向日葵(いつもはバカみたいにうるさいのに…変なところで繊細な子ですわね)

向日葵&櫻子「…」テクテク





17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 00:52:08.01 ID:ndQ4LJWy0
~教室~

向日葵&櫻子「…」ガラッ

あかり「あ!二人ともおはよ~」

ちなつ「おはよー」

向日葵「…ちょっと櫻子、机が近いですわ」

櫻子「仕方ないじゃん隣なんだから」

向日葵「とことん邪魔な子ですわね」

櫻子「…あーそうですかっ!」ガタンッ

あかり「…け、険悪ムード…?」

ちなつ「少し前からこうだけど、卒業が近づいてから特にひどいね…」





20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 00:57:20.43 ID:ndQ4LJWy0
~卒業式の練習~

「会長の挨拶。古谷向日葵、前へ」

向日葵「はい!」ガタッ

櫻子「…」ギロッ

向日葵「!」

向日葵(何ですの…自分が会長になれなかったからって…)

「古谷?早く前へ出ろ」

向日葵「あっ、はい!」テクテク

「本番では失敗は許されないから気をつけろよー」

向日葵(櫻子のせいですわ…!とことん邪魔をする子ですわね…!)





21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 01:01:19.23 ID:ndQ4LJWy0
~昼休み~

向日葵「ちょっと櫻子っ!卒業式のあなたの態度、何ですの!?」

櫻子「…は?何のこと?」

向日葵「あなた、ニラんできたじゃありませんの!集中が途切れましたわ!」

あかり「ま、まぁまぁ…落ちついt」

櫻子「あーあ…そんな事してないのになぁ。そんなに私って邪魔?」

向日葵「そっ…そうではなく…ニラんできたから…!」

櫻子「…なに、朝から。今日は当たりがキツイね?」

向日葵「なっ…大体、あなたは何でそんなに冷静ですの!気持ち悪い!」





23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 01:04:14.03 ID:ndQ4LJWy0
櫻子「…なんかケンカするのバカらしくなってさ」

向日葵「…!!」

櫻子「向日葵も普段から言ってたじゃん。疲れるって。ウンザリだって」

向日葵「そ…それは…そういう意味ではなくて…」

櫻子「ふーん。じゃ、どういう意味?」

向日葵「…そ、それは…それは…っ」プルプル

櫻子「…あのさ、向日葵。もう、私に構わなくていいから」

向日葵「な、ななな…構う!?何を言っt」

櫻子「…だってそうじゃん」





25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 01:08:23.68 ID:ndQ4LJWy0
櫻子「自分の時間を削ってまで家庭教師して」

櫻子「毎朝ウンザリした顔で迎えに行って」

櫻子「…私みたいなバカに足引っ張られてるんだ。そりゃウンザリするよね」

向日葵「ちょ、ちょっと…櫻子?様子がおかしいですわよ?」

櫻子「…昨日から考えててさ。やっぱりこの方がいいと思う」

櫻子「絶交しよ。私といても迷惑なだけだしっ」

向日葵「…絶交……どういう意味ですの…?」

櫻子「まんまの意味だけど」





32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 01:13:41.32 ID:ndQ4LJWy0
向日葵「…縁を切る、という意味ですの?」

櫻子「そうだよ。向日葵ならすぐわかる事じゃん」

ちなつ「ちょ、ちょちょちょっとストーップ!シャレになんないよ櫻子ちゃん!?」

櫻子「私、今回は本気なんだよね。今まで、ヘラヘラ生きてきて」

櫻子「そのせいで会長にもなれなくて、勉強もできなかったけど」

櫻子「…今回は…本気なんだよ…向日葵…?」ジッ

向日葵(…そうですわ。どうせ別の道を歩むのだから…構わない…ですわ)

向日葵(…しょせん櫻子ですし!!!)





36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 01:17:34.50 ID:ndQ4LJWy0
向日葵「…はいはい。櫻子ですものね」

櫻子「…?」

向日葵「バカはこういう強引な別れ方しか出来ない…そういう事ですわ!!」

櫻子「…!!またバカって言いやがってぇ…!!家庭教師の時もそうだよ!!」

櫻子「いっつもバカにして!!私を申し訳ない気持ちにするんだぁ!!」ダンッ

向日葵「助けてもらっといて…何ですの!?ワガママにも程がありますわっ!!」

櫻子「…あーもういい聞きたくない。給食の時、机離してね」プイッ

向日葵「そうするつもりでしたわよっ!!櫻子のバカっ!!」プイッ





37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 01:21:51.32 ID:ndQ4LJWy0
~放課後~

櫻子「…」ブッスー…

向日葵「…」ムスッ

あかり「あ、あはは…もうすぐ卒業なんだから仲良くしようよ~」

ちなつ「…あかりちゃん。そっとしとこうよ。帰って勉強しよ?」

あかり「そ、そうだね…またね二人とも!」

ガラガラ…ピシャ

櫻子「…」スクッ

向日葵「!…どこに行きますの?」

櫻子「帰るんだけど。てゆーか話しかけるの禁止。あ、あとおっぱいも」

向日葵「…うるさいわね」

ガラガラ…ピシャ





39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 01:26:11.52 ID:ndQ4LJWy0
向日葵「…いいですわよ。どうせ私は挨拶の練習がありますし…」スクッ

向日葵「…?何か足に…?」

向日葵「…これ…落し物ですわ」

向日葵「生徒手帳…?誰のもの…」ペラッ

向日葵「…!…私と櫻子の写真…?」

向日葵「…櫻子は本当にバカですわ。卒業間近に生徒手帳を落とすなんて…」

向日葵「…ひ…」

向日葵「卑怯…ですわ…っ!」ポロポロ

向日葵「…あああぁ…櫻子ぉ…っ」ポロポロ





42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 01:30:27.72 ID:ndQ4LJWy0
~櫻子の部屋~

櫻子「…あーあ。疲れた」ボフッ

櫻子「ったく…誰のせいだよ…バーカ」

櫻子「…あーもう!卒業も間近だし、珍しく掃除でもしよっかな!気分転換になるし!」ムクッ

櫻子「よーし!後で向日葵に自慢…いやいや、家族に自慢しよう!」ゴソゴソ

櫻子「うっわー…きたねぇー…ここら辺もヒドイな…整理整頓は大事だねー…」ゴソゴソ





50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 01:37:37.20 ID:ndQ4LJWy0
~~~~

櫻子「…ん。これ向日葵に借りてたシャーペンだ」ゴソゴソ

櫻子「うわ、小学校のアルバム!やたら向日葵とペアで映ってるんだよねー…」ゴソゴソ

櫻子「あ、これ向日葵にもらった手袋だ。引き出しにしまってたかぁー…」ゴソゴソ

櫻子「これも向日葵の…げっ、私と向日葵の写真…」ゴソゴソ

櫻子「…あーコレ懐かしい…向日葵と取り合ったっけ…」

櫻子「…ん?てゆーか私の部屋なのに向日葵の私物多すぎでしょ…」

櫻子「くっそー…あ、そうだ」

櫻子「…向日葵のものは全部捨てちゃおう!もう関係ないし!」





52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 01:41:10.40 ID:ndQ4LJWy0
櫻子「今からゴミ出したら明日の朝に回収されるはず…よ~し…」

櫻子「捨ててやる!向日葵のもの全部!!」

櫻子「燃えてきたぁ!燃えるゴミだけにっ!!」グッ

櫻子「…」シーン

櫻子「ツッコミが欲しい…いやいや」

櫻子「とにかく、集めて集めて…」ゴソゴソ

・・・・
・・・
・・






53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 01:46:06.85 ID:ndQ4LJWy0
~向日葵の部屋~
ガチャ…バタン

向日葵「やはり挨拶の練習は疲れますわー…」

向日葵「どうしましょう…この手帳…わたすに渡せませんわ…」

向日葵「…そういえば、私と櫻子の写真ってこれ以外にありましたっけ…」

向日葵「…そう、これは整理整頓…必要な行為ですわ」ゴソゴソ

向日葵「…あ、これ櫻子の0点の答案。なぜ私の部屋に…」ゴソゴソ

向日葵「…これは一緒に遊園地に行った時に一緒に買ったキーホルダー…気持ち悪くて付けてませんけど」ゴソゴソ

向日葵「…えっ!?私と櫻子のアルバムっ!?こんなに大量に写真が…」ゴソゴソ

向日葵「…って、私の部屋なのによくもまぁ、こんなに櫻子の私物が…不愉快ですわ」ゴソゴソ





56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 01:49:17.62 ID:ndQ4LJWy0
向日葵「…そうですわ!絶交した人の私物や写真があるなんて不自然ですわっ!」

向日葵「…そういえば明日の朝にゴミ回収だったはず…ちょうどいいですわ」

向日葵「捨てるべきですわ…関係ない人の私物なんて…」ゴソゴソ

向日葵「…根こそぎ捨ててやりますわ…」ゴソゴソ

・・・・・
・・・
・・






59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 01:54:27.28 ID:ndQ4LJWy0
~翌日、向日葵の部屋~

向日葵「…」ムクッ

向日葵「うーん…昨日は大量にゴミを運んだから疲れましたわ…」

向日葵「…8時に回収…という事は、あと一時間で処分…」

向日葵「せいせいしますわね…」

ヒュッ…ペラッ

向日葵「…あ。生徒手帳の写真…いっそこれも捨てれば良かったかも…」

向日葵「…?裏に何か書いてある…?」

「向日葵と私のベストショット!いえーい!!」

向日葵「…」

向日葵「な…なんですの?この知性のかけらもない文は…」





61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 01:59:13.90 ID:ndQ4LJWy0
向日葵「わ、わざわざベストショットだなんて…」

向日葵「…でも確かに、この時は楽しかったですわね…」

向日葵「…別に、思い出を残すぐらいは良いのかもしれませんわね…」

向日葵「…」

向日葵「…自分で自分が良く分かりませんわ…櫻子以上にバカかも…」

向日葵「…はぁ。急ぐべきですわね…!」タッ

ガチャ…バタン

向日葵「急いで着替えて…まだ行けるはずですわ…!!」バタバタ





63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 02:02:33.89 ID:ndQ4LJWy0
~櫻子の部屋~

櫻子「…むにゃ?」パチッ

櫻子「おおう…ぐっすり寝ちゃった!時間は…!?」

櫻子「…なーんだ。まだ七時か…ん?」

櫻子「ああっ!!ゴミ出すの忘れてたっ!!」

櫻子「うおー急いで着替えてゴミを回収してもらわないと!!」ガシッ

櫻子「…うっ、ゴミ重っ…向日葵めぇ…!」

櫻子「うおおお…!!」





65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 02:06:44.26 ID:ndQ4LJWy0
~ゴミステーション~

向日葵「はぁっ…まだ回収は…はぁっ…されてないですわね…!」

向日葵「…」ゴソゴソ

向日葵「く、臭いですわ…ゴミを漁る事になるなんて…」ゴソゴソ

向日葵「…?」ゴソゴソ

向日葵「…ない…ないですわ…!確かこの辺りに放り投げたのに…!!」ゴソゴソ

向日葵「はぁっ…はぁっ…」ゴソゴソ

向日葵「うっ…櫻子ぉ…」ポロポロ

向日葵「櫻子っ…!!どこですの…!?」ポロポロ

向日葵「櫻子ぉ…っ」ゴソゴソ

櫻子「…はぁ…はぁ…うわ。ゴミ荒らしが居る…」





68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 02:10:38.35 ID:ndQ4LJWy0
向日葵「はぁ…何で無いんですの…!!」ポロポロ

櫻子「…あのー…すみませーん…どいてくれませんかー…?」

向日葵「櫻子ぉ…っ!!櫻子ぉ…っ!!」
ポロポロ

櫻子「…ちょ…もしかして向日葵…?何してんの…?」

向日葵「どこ…どこ…!!」ゴソゴソ

櫻子「聞いてねー…仕方ないなぁ」

向日葵「ない…ない…!!櫻子ぉ…っ!!」

櫻子「…向日葵さーん!!櫻子ならココに居ますけどぉーー!!!」





189:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 18:36:50.98 ID:ndQ4LJWy0
向日葵「来てしまいますわ…!!回収車…!!」ゴソゴソ

櫻子「なっ…向日葵さーん!!会長の向日葵さーん!!!」

向日葵「嫌…思い出まで消えてしまうのは…嫌ですわ…!!」ゴソゴソ

櫻子「…もういいや。とりあえず放り投げて学校行っちゃお…」ポイッ

向日葵「…櫻子…櫻子…」ゴソゴソ

櫻子「…気持ち悪っ…」ダッ

ブルルルルル…

櫻子「…あ。回収車だ…」

向日葵「…!!!」ゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソ

櫻子「ちょ、ちょいちょい…」





194:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 18:41:43.64 ID:ndQ4LJWy0
ブルルルルル…キッ。ガチャ…バタン

向日葵「あっ…」

回収員1「…?あの、何してるんですか?」

向日葵「い、いえ。これは…その」

櫻子(…いいもん。こんな所に隠れてないで学校行っちゃえばいいんだ…)コソコソ

回収員2「…おい。これ…ゴミ荒らしだろ…どう見ても」ボソッ

回収員1「…すみません。何をしていたかだけ、お答え頂ければ…」

向日葵「そ…その。間違えてゴミを捨ててしまいまして…」

回収員1「…でも、関係ないゴミまで、めちゃくちゃになっているようですが?」





197:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 18:46:42.85 ID:ndQ4LJWy0
櫻子(…これは…そうだ!向日葵の困り顔を拝みたいだけ…)ドキドキ

向日葵「はぁ…夢中になってしまいまして…」

回収員2「…あのさぁ。正直に答えてくれよ。ゴミ荒らしだろ?」

向日葵「い、いえ!そんな事は!」

回収員1「おい。落ち着け…」

回収員2「早く帰りてーんだよ!おい、小娘。お前ただのゴミ荒らしだろーが?ん?」

向日葵「…本当に自分のゴミを探していただけですの!」

回収員2「あーはいはい。それだけで、ここまでならないから」

回収員2「もう8時。制服を見る限り…中学生だろ?ダメだな~学校をサボってゴミ荒らしだなんてさぁ」

櫻子(…なに?あのオッサン…向日葵は違うって言ってんじゃん…)イラッ





201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 18:51:36.24 ID:ndQ4LJWy0
向日葵「違いますのに…!」

回収員2「ゴミ荒らしって、けっこうアウトなんだぞ」

回収員1「…その通り。申し訳ないですが、ゴミを回収したら学校に連絡させてもらいますね」

向日葵「…!!」

回収員2「あーあ。それじゃー積み込…」

向日葵「やめてください!!」ガシッ

回収員2「…あ?」ギロッ

向日葵「私と櫻子の思い出が詰まったゴミ袋がどこかにありますの!それを見つけるまで…!!」

櫻子「…えっ…?」

回収員2「あのさぁ…ゴミ荒らしさんよ。ワガママが過ぎるから。ほら、学校行ってタップリ怒られてきな?」





206:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 19:00:28.61 ID:ndQ4LJWy0
向日葵「お願いします!!」ペコリ

回収員2「…なんだっけ?サクラコちゃんとの思い出?そんなの知るか」ゴソゴソ

向日葵「お願いします!!お願いします!!」ペコペコ

回収員1「…黙って仕事しろよ2…」

回収員2「こんなバカな小娘が必死になるヤツなんて…そいつもバカなんだろうな!」ケタケタ

向日葵「…何か言いまして?」ピクッ

回収員2「だってバカなヤツって固まるもんだろぉ!?そんなヤツらの思い出なんてどーでもいいから。どいてろ!」ケタケタ

向日葵「…あなた、櫻子のこと何もご存知ないくせに…」ワナワナ

櫻子「な、なに熱くなってんの。あのおっぱいは…」





209:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 19:06:18.84 ID:ndQ4LJWy0
向日葵「…櫻子は、勉強出来なくて暴れん坊でワガママで…」ワナワナ

回収員2「…ほー。お前みたいなヤツなんだなぁ…」ケタケタ

向日葵「…そのクセ、変に繊細で気遣いばっかりで手を焼かされて…」ワナワナ

回収員2「…そこ邪魔なんだけど。どけバーカ」

向日葵「…櫻子は…優しい子ですわ。一生見守りたくなるような…」ワナワナ

回収員2「…さっきから聞いてもないのにペラペラペラペラ…うっせーなぁ!」ドンッ

向日葵「きゃっ…」ドサッ

櫻子「…ひ、向日葵…」

櫻子「~!いやいや…へへ、良い気味だ…は、ははは…」





214:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 19:11:12.62 ID:ndQ4LJWy0
回収員2「ん…お、これじゃねーの?お前が言ってた袋…」ゴソ

回収員2「アルバムみたいなの、いっぱい入ってるし」

向日葵「…そ、それですわ!返してください!!」スクッ

回収員1「…」ゴソゴソ

回収員2「どーっしよかなぁ。あ、土下座しろよ。そしたらゴミ荒らししてた事も黙っといてやるよ!」ケタケタ

向日葵「なっ…」

櫻子(…プライド高いからなぁ向日葵は…するわけ…)

向日葵「…お願い、します…っ」ペタン

櫻子(…しやがったぁ!?向日葵がぁ!?)





237:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 19:55:57.26 ID:ndQ4LJWy0
回収員2「…ど、土下座しやがった」

向日葵「お願いします…お願いします…」

回収員2「…あーあ。つまんねー…ほらよ」スッ

向日葵「!…ありがとうごz…」

回収員2「…なーんてな」ポイッ

櫻子(…!?)

ドゴシャッ…メリメリ…

向日葵「…?」ポカーン

回収員2「見たか?お前の思い出ってヤツ…もう回収車の中でぐちゃぐちゃになってるけど?」ケタケタ

向日葵「え…カイシュウシャ…?オモイデ…グチャグチャ…?」ポカーン

回収員2「けっ…ショックで固まってやがんのか?」ケタケタ

櫻子「…あ・の・ク・ソ・ハ・ゲぇ…」ワナワナ





240:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 19:59:39.37 ID:ndQ4LJWy0
回収員1「2…お前遊びすぎ。ラストスパートかけるぞ」ゴソゴソ

回収員2「へいへい…」ゴソゴソ

向日葵「…あれ…袋は…?回収員さん!返して下さるんでしょう?」

回収員2「あ…?言っただろーが。回収車の中でグチャグチャだって!」

向日葵「…?…!…っ…ウソ…櫻子…絶交して…もう私には…」

向日葵「あれしかないのに…」ペタッ

向日葵「…」ボーゼン

櫻子「…っ!!向日葵…」

櫻子「向日葵…向日葵…っ!」ポロポロ





242:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 20:05:06.75 ID:ndQ4LJWy0
向日葵「櫻子…櫻子…っ!」ポロポロ

櫻子「向日葵…向日葵…っ!」ポロポロ

回収員2「よーし…回収完了。次行くか」

向日葵「…待って下さい…返して…櫻子を…」ガシッ

回収員2「…」ピキッ

向日葵「返してもらうまで…私は許しませんわよ…」

回収員2「…っらぁ!!いい加減にしろクソガキぃぃぃっ!!」バキッ

向日葵「…」ドサッ…ムクッ

向日葵「…返してください」ガシッ

回収員2「ちっ…っらぁ!おらぁ!!離しやがれっ!!」バキッバキッバキッ

向日葵「…」ドサッ…ムクッ

櫻子(向日葵…っ!血出てるじゃんっ…やめてよぉ…お願いだからっ…!)ポロポロ





249:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 20:09:47.84 ID:ndQ4LJWy0
向日葵「…っ…私はぁ…っ!!」ポロポロ

回収員2「…っ…おらぁ!!」バキッ

向日葵「櫻子がぁ…大好きだからぁ…っ!!あきらめたくないからぁ…っ!!」ポロポロ

櫻子「…ひま、わり…ひま…わりぃ…!!」ポロポロ

回収員2「さっきまでの上品な口調はどこいったんだぁ!?」バキッ

回収員1「…程々にしとけよ、2」

向日葵「1番好きだからぁ…!!」ポロポロ

回収員2「…っらぁ!!!!」バキッ!!

向日葵「っ…あ…ああ…」ドサッ

回収員2「はぁ…はぁ…やっと終わったか…」

櫻子「…ちょっと待ってよ…クソハゲぇ!!」スッ





253:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 20:15:59.86 ID:ndQ4LJWy0
回収員2「…あ!?まーた中学生かよ!?なんだよ、まったく…」ハァハァ

櫻子「…向日葵に謝れ!!」ズイッ

向日葵「…さく、らこ…?…だ、ダメ。来ちゃダメですわ…うっ…」ゲホゲホ

櫻子「向日葵…私、バカだから。向日葵の守りたいものぐらい分かるけどさ」

櫻子「止まれないのが私なんだ」キッ

向日葵「さく、ら…こぉ…っ。ダメ…たまには言うこと聞きなさい…」

回収員2「…はぁ。お前が噂のサクラコちゃん?流石、バッカみたいな面してんなぁ?」ケタケタ

櫻子「謝れ!!向日葵に謝れ!!」

回収員2「あ?向日葵ってこいつのこと?仕方ないだろ。仕事の邪魔するゴミなんだから」ケタケタ





260:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 20:21:07.78 ID:ndQ4LJWy0
櫻子「~っ!!いいから謝れよっ!!!!!!」

回収員2「…バーカ。行こうぜー1」

回収員1「お前が早く車に乗らないから待ちぼうけなんだけど…」

回収員2「今いk…あ?」

櫻子「謝るまで許さない!!」ガシッ

向日葵「櫻子…やめ…」

回収員2「…分かってやってるんだよな…?…っらぁ!!」バキッ

櫻子「っ…謝れ…」ムクッ

回収員2「ああ!?何でゴミに謝らなくちゃいけねーの!?」バキッバキッバキッ

櫻子「…ふぅーっ…ふぅーっ…謝れ…!」

向日葵「櫻子…!やめなさい…!」ポロポロ





265:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 20:26:01.87 ID:ndQ4LJWy0
回収員2「…」バキッ!!!!!

櫻子「っ…」ドサッ

回収員2「よっしゃ終了~…行くぞーあースッキリしたぜ~…」

櫻子(許さない…!!立たないと…!!)ヨロヨロ

向日葵「だめ…櫻子…いい加減に…」ポロポロ

櫻子(…あ。酒ビンの破片?すごい尖ってる…)

櫻子(…)スッ…

向日葵「ちょっと…櫻子?何を…」

櫻子「大丈夫。足を刺して動けなくするだけだから…死なせないから。謝るまで、さ」ハァハァ

向日葵「そ、そんなことしたら…受験がどうなるか分かってますのっ!?」





268:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 20:30:38.35 ID:ndQ4LJWy0
櫻子「殺しはしないんだから…大丈夫大丈夫…」ハァハァ

向日葵「やめなさいっ…!!」スクッ…フラフラ

櫻子「…ごめん。私バカだから…おりゃあああああ!!」ダッ

回収員2「ちっ…まだ…」

ドスッ…

回収員2「…ってええええ!?」ガクッ

櫻子「向日葵に謝れよっ!!!!!!」フラフラ

回収員1「…あーあ。警察が見たら…どっちが悪く見えるんでしょうね?」

回収員1「足から血を流してる方…顔が多少腫れてる方…連絡しますね?」ピッ

櫻子「関係ない…!!謝れっ!!!」





271:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 20:35:31.94 ID:ndQ4LJWy0
向日葵(…櫻子…そこまで…)

向日葵(こうなったら…)

向日葵「…櫻子。それ、貸しなさい」

櫻子「…?立てるの…?」

向日葵「ちょっと吹っ切れましたわ。ほら、貸しなさいな」パシッ

櫻子「ちょっ何する気」

回収員1「連絡しました。あと10分もかからないそうでs」

ドスッ…

向日葵「…ごめんなさい。ハゲの方をこれ以上刺したら死にそうですから…」

回収員1「っ…も、もう連絡したんですよ…?前科を増やしたいんですか…?」ガクッ

櫻子「向日葵…何で…!?」





276:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 20:40:30.75 ID:ndQ4LJWy0
向日葵「…櫻子。私は…あなたが…好きって事ですわ」

櫻子「…!?///…な、ななな何言ってんのっ!?質問に答え…」

向日葵「櫻子…櫻子…」ギュッ

櫻子「~っ!!ちょ、苦し…」

向日葵「あら、抱きしめるぐらい良いじゃありませんの」

櫻子「…あのさ、今やることじゃな…」

向日葵「嫌ではない…という事ですわね?」ギュッ

櫻子「ちょ…あの…この…っ…」

櫻子「…向日葵…っ!!絶交とか言ってごめん…!!」ポロポロ

向日葵「…櫻子…!!」ギュウウウ





280:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 20:45:45.63 ID:ndQ4LJWy0
櫻子「私も好きだよ向日葵…っ!!」ポロポロ

向日葵「ふふ、知ってましたわよ…」ギュウウウ

櫻子「向日葵ぃ…!!」ポロポロ

向日葵「櫻子…本当に落ち着く…私の居場所はあなた以外にあり得ませんわ…」ギュウウウ

櫻子「…ごめん…私は、あっさり向日葵との思い出を捨てちゃってさ…向日葵はあんなに必死だったのに」

向日葵「…ホント、考える事は同じですわね…思い出なんて、これから作ればいいんですわ」ギュッ

櫻子「で…でも…私達にこれからなんて…ないじゃん…っ」ポロポロ





283:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 20:53:12.31 ID:ndQ4LJWy0
向日葵「…何の為に私が刺したのか…分かってないようですわね」ギュッ

櫻子「…?」

向日葵「…足を刺した。そして、私達は未成年…おそらく私達は少年院行きですわ。」ギュッ

櫻子「…ど、どーいうこと?」

向日葵「まぁ、青少年保護育成条例の対象には外れてはいますけど…少年院行きは間違いありませんわ」ギュッ

櫻子「む、難しいんだけど」

向日葵「…私達は高校に行けないかわりに…一緒の所に行く。そういうことですわ」ギュッ

櫻子「…向日葵。よく分かんないけどさ…また私のために無茶したの…?」





285:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 20:57:18.99 ID:ndQ4LJWy0
向日葵「…いえ。私の意思ですから」

櫻子「…バカっ!!そういうのやめてって言ったじゃん!!」

向日葵「な…なんですって!?私はあなたの事を思って…!!」ギャーギャー

櫻子「余計なお世話だよー!トップの高校あきらめんの!?」ギャーギャー

キキーッ!ガチャガチャ

警察「警察だ!!」

回収員2「き、来やがった…あいつらが刺してきたんだぁ…!」

警察「分かりました!!おい、お前ら!!大人しくしろ!!」

ギャーギャーギャーギャー

警察「…ん?」





289:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 21:01:56.08 ID:ndQ4LJWy0
向日葵「大体あなたは、人の気持ちを考えるって事を知りませんわ!」

櫻子「あーそう!向日葵もねっ!!」

ギャーギャーギャーギャー

警察「おい!!大人しくしろ!!」

向日葵「あ…まさか少年院でも、この調子ですの!?」

櫻子「向日葵のせいでねっ!!」

ギャーギャーギャーギャー

警察「ちょ…お前ら!!!」

ギャーギャーギャーギャーギャーギャー

警察「…監視を続けろ。囲んでおけ。じきに降伏するだろう…凶器は酒ビンの破片だけだしな」

「はい!!!」





292:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 21:05:33.28 ID:ndQ4LJWy0
~1時間後~

向日葵「はぁはぁ…憎い子ですわ…」

櫻子「…はぁはぁ…」

警察「…ところで、回収員さん。なぜ、あの二人は顔が腫れているんですか?」

回収員2「あ?ああ…足を刺されたから正当防衛ってやつ?それでボコボコにしたんだよ」

警察「…ほう。足を刺されて歩けないのにボコボコ…すごいですねぇ」

回収員2「ああ!俺は強いからさぁ!あいつらの最終手段は、刺すしかなかったってワケだ」

回収員1「…死ね。2…」

警察「はぁ…ということは、ボコボコにしてから刺されたと…」

回収員2「おうよ!」ケタケタ





295:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 21:10:01.88 ID:ndQ4LJWy0
警察「ところで、回収員さん。歩けない状態でボコボコにしたのか、歩ける状態でボコボコにしたのか」

警察「どっちですか?」

回収員1「それh」

回収員2「そりゃ、もちろん歩ける状態だわな!あのゴミどもを一掃だよ!」ケタケタ

回収員2「まさか刺されると思わなかったけどなぁっ!!」イライラ

警察「なるほどなるほど…では、正当防衛をしたのはあの子達…そういうことですか?」

回収員2「ああ!破片を使うなんて流石バカのやる事は…」

回収員1「2死ね2死ね2死ね2死ね2死ね2死ね2死ね2死ね2死ね2死ね2死ね2死ね2死ね」

警察「この仕事を長年続けるとね…大体分かるんですよ。どっちが悪いのか正しいのか…ね」





299:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 21:15:36.22 ID:ndQ4LJWy0
警察「作戦変更!その子達はほっとけ!回収員どもを逮捕だ!」

「了解!」

回収員2「あっ!?何で…ちょ、近づくなゴミども…」ガチャン

回収員1「死ねよ2…」ガチャン

警察「それじゃー行くか。パトカー出してくれ」

回収員2「ちょ、何でだよ!?ああ!?」ドンドン

ブルルルルル…

向日葵「はぁはぁ…櫻子…いい加減やめません…?」

櫻子「はぁっ…はぁっ…わ、私もそうしようと思っていたところだ、ふふふ」

向日葵「ウソ言わない!」

櫻子「ウソじゃねーしっ!」





303:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 21:19:11.87 ID:ndQ4LJWy0
向日葵「それにしても…あら?回収員が居ない…?」

櫻子「ホントだ。夢中で気づかなかった」

向日葵「…どうせなら、学校に行って皆さんに挨拶しましょう。どうせ少年院行きですし」

櫻子「…えー。遅刻だし嫌だ」

向日葵「ワガママ言いませんの!」

櫻子「へいへい…」


・・・・・・
・・・・
・・






307:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 21:23:08.62 ID:ndQ4LJWy0
~昼休み~

向日葵「…結局、櫻子のせいで昼休みの侵入…」

櫻子「べっ、別にいいじゃん!犯罪者だし!?」

向日葵「…そうですわね。この方が、友達に会いやすいですし…」

あかり「…あっ」

ちなつ「ん?どうしたの…って二人とも!卒業式の練習、大分進んじゃってるよ!?」

向日葵「はぁ、まぁ…」

櫻子「えへへ」

あかり「笑ってる場合じゃないんだけど…あっ。向日葵ちゃん、西垣先生に呼び出しくらってるよ?」

向日葵「…行ってきますわ」

あかり「うん、また後でね!」ニコニコ

ちなつ「ちゃんと午後は来てねー」





308:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 21:26:39.37 ID:ndQ4LJWy0
~理科室~

ガラッ

向日葵「何で櫻子まで…」

櫻子「いいじゃーん」

西垣「…少し黙れ。二人とも」

西垣「…古谷。お前、自分が何をしたか…分かってるか?学校に目撃情報がはいったんだが…」

向日葵「!…ええ。当然ですわ」

西垣「ほう。そのうえで堂々と遅刻か?」

向日葵「…はい」

西垣「…古谷。お前は仮にも会長だ。ゴミ荒らしをしたあげく遅刻なんて…」

向日葵「…ごめんなs」

西垣「素晴らしいじゃないかぁ!!」キラキラ

櫻子「ええー…」ドンビキ





312:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 21:31:23.93 ID:ndQ4LJWy0
西垣「流石、松本や杉浦の後釜だ!この時期に学校をサボるなんて…素晴らしい!」

向日葵「…ああ、そうですか」

西垣「それだけだ!もうじき、ここは爆発するから出ていけ!」ニッ

向日葵(…?刺した事は報告されていないんですの…?)

櫻子「向日葵!行くよっ!!」ガシッ

向日葵「ああ…はいはい…」タッ

ドカーン

・・・・・・
・・・・
・・






314:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 21:34:56.42 ID:ndQ4LJWy0
結局…その日は卒業式の練習を放課後まで残ってこなして。

遅くまで待っていてくれた三人と下校。

赤座さんや…まさか吉川さんまで待っていてくれたとは意外でしたわ。

櫻子は…相変わらずでしたわね。

でも…なぜ、今すぐにでも問題が取り上げられないのか。

今頃、警察に事情聴取でも受けているべきでは?

…私は、不安ですわ。





315:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 21:39:23.69 ID:ndQ4LJWy0
今日は、悲しいような嬉しいような。
そんな日だった。

思い出を潰されて…その上、人まで刺して。向日葵まで…

その時はすごく嬉しかった。
でも…バカの私に付き合ってる向日葵にすごく、申し訳ない。

本当にこのままで良いのだろうか…互いの将来を潰してまで一緒に居ることが正しいのだろうか。

…約半日。バカの私が考えて捻り出した答えは…

やっぱり、こんなのおかしい…だった。





317:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 21:43:30.77 ID:ndQ4LJWy0
~卒業式前日、向日葵の部屋~

向日葵「…はぁ。結局眠れやしませんでしたわ…」

向日葵「…まぁ、多分今日の内にはバレるでしょうね…大丈夫大丈夫…」ブツブツ

向日葵(…櫻子を迎えに行きましょう)

・・・・・
・・・
・・






318:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 21:46:09.91 ID:ndQ4LJWy0
~櫻子の家~

向日葵「さくらk…」

撫子「寝坊決め込んでるから入っていいよ」

向日葵「…はぁ。お邪魔しますわ…」ガチャ

向日葵「…この家に上がるのも最後…ですわよね」

向日葵(そう考えると、何か重いものを感じますわね…)





319:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 21:50:31.23 ID:ndQ4LJWy0
~櫻子の部屋~

ガチャ

向日葵「櫻子ー?」

櫻子「~!?」ガタンッ

向日葵「…また起きていたにも関わらず返事しませんでしたの?」

櫻子「あ、あはは…ちょっとね…」

向日葵「勉強、なんて言いませんわよね?いや、言わせませんわ」ズイッ

櫻子「ち、違う違う!ほら、離れてよ邪魔っぱい!」

向日葵「…な、泣いてましたの?」

櫻子「!!…泣いてねーよっ!!」

向日葵「いや、このまえも似たような事が…」





321:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 21:55:09.35 ID:ndQ4LJWy0
櫻子「いや、何でもないってば!」

向日葵「…正直に言わないと嫌いになりますわよ」

櫻子「えっ」

向日葵「私、ウソをついているかどうか分かるんですの…」

櫻子「う、ウソだぁ!」ヘラヘラ

向日葵「…」ジッ

櫻子「…う。は、話せばいいんでしょ…」

向日葵(やっぱりバカですわこの子)

櫻子「はー…まぁ落ち着いて聞いてね」

向日葵「…卒業式目前で遅刻するわけにはいきませんわ。少し急ぎましょう」

櫻子「心の整理がまだついてないのに…ゴホン」





322:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 22:00:04.17 ID:ndQ4LJWy0
櫻子「…実はさ…昨日刺した事、全く警察は気にしてないらしいよ」

向日葵「…?どういう事ですの?」

櫻子「昨日の夜に警察が来てさー…言われた。セイトウボウエイ?だったかな」

向日葵「ちょ…何で私の家には来ませんでしたの!?真横ですのに!?」

櫻子「…私の口から伝えて欲しい…って言ってたけど」

向日葵「…」

櫻子「明日、問題なく卒業だね。私達」

向日葵「…!!!なんですって!?」





324:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 22:06:22.33 ID:ndQ4LJWy0
櫻子「…だから、一晩中泣いてたんだ。それだけ」

向日葵「っ…今からでも、前科を作れば…っ!」

櫻子「…で、向日葵。ここからが本題なんだけど」

向日葵「何であなたは変な時に冷静ですの…!!!」

櫻子「私達、やっぱお別れだよ。向日葵の気持ちはありがたいけど」

向日葵「…いやいや、何を言ってますの。昨日はあんなにノリノリだったじゃありませんの」

櫻子「昨日からずーっと考えてたんだよっ!!」

向日葵「じゃあ、何でお別れなんて選択になりますの!?」





327:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 22:09:22.45 ID:ndQ4LJWy0
櫻子「向日葵の足を引っ張りたくないから!以上っ!!」

向日葵「足なんて引っ張ってませんの!!私の意思だって言ったでしょう!?昨日、決着はついたはずですわっ!!」

櫻子「…あのね、向日葵。好きな人のために自分の可能性を潰すのって…どうかと思うよ?」

向日葵「なっ…櫻子のクセに何を…」

櫻子「いくらバカでも分かるって。こんなの間違ってる」

向日葵「…な…なんですの…」

向日葵「何を言ってますのっ!!」ダンッ

櫻子「…」





329:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 22:14:37.96 ID:ndQ4LJWy0
向日葵「お別れなんてウソだって…まだ、一緒に居られるって…」

向日葵「そう思ってましたのに!突然…あんまりじゃありませんの!?」

櫻子「…ごめん。もっと早く言うべきだった…」

向日葵「なっ…本当ですわ!櫻子のバカ!!」

櫻子「…うん。私、バカだから…決めたら、止まらないんだよね」

向日葵「…これじゃ、まるで私がワガママ言ってるみたいですわ…!!立場が逆ですわ…!!」ポロポロ

櫻子「…うっさいなぁ…せっかく大人に振る舞ってるのに…」ポロポロ

向日葵「…ごめんなさい…でも…っ」ポロポロ

櫻子「向日葵…高校、頑張ってね。ほとんど会えなくなるけど…」グスッ





330:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 22:18:48.95 ID:ndQ4LJWy0
向日葵「…もう、ダメなんですのね…決めてしまったんですのね…?」

櫻子「…ごめん。やっぱ、これが1番だと思うな…」

向日葵「…まぁ、バカの櫻子にしては、良いこと言ってますわよ」

櫻子「…バーカ。邪魔っぱい」

向日葵「…」

櫻子「…」

・・・・・・・・・・・

向日葵「…さて。学校、行きましょうか」スクッ

櫻子「!」

向日葵「どうしましたの?遅刻しますわよ?」

櫻子「あ…わ、分かってるもん!バーカバーカ!!」

向日葵「まったく…」





331:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 22:23:10.37 ID:ndQ4LJWy0
~~~~

向日葵「…」テクテク

櫻子「…?」テクテク

向日葵「櫻子。袖が乱れていますわよ」

櫻子「あっ…!?ああ、うん…」

向日葵「…まったく。気をつけなさいな」

櫻子「分かってるってー…」

櫻子(…もっと泣くと思ったのに。向日葵…)

向日葵「…」テクテク

櫻子(意外と冷静だなー…まぁ、私はこの方が良かったしー…)

櫻子(悔しくない悔しくない!悲しくない悲しくない!)

向日葵「…櫻子。また袖」

櫻子「ん!?あ、ああ…」





333:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 22:27:18.28 ID:ndQ4LJWy0
~放課後~

あかり「向日葵ちゃん櫻子ちゃん!一緒に勉強しない?」

向日葵「ああ…すみません。この後、挨拶の練習があるんですの…」

ちなつ「あ、そっか。向日葵ちゃんが居たらはかどるとおもったんだけどなー…」

櫻子「…」ムスッ

あかり「櫻子ちゃんはどう?」

櫻子「…向日葵を待つ」

ちなつ「ぷっ…そっか」クスクス

櫻子「笑わないでよ!」

ちなつ「ごめんごめん…まぁ、今日は二人にしてあげよっか」

あかり「そうだね~」ニコニコ

櫻子「そ、そんなんじゃないから!」

向日葵「…では、ごきげんよう」

ガラッ…バタンッ





335:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 22:31:12.06 ID:ndQ4LJWy0
櫻子(なんだよ向日葵のやつ…朝に泣いて以来、全然悲しそうにしないじゃん)

櫻子(…なんか、すごくむなしい…)

あかり「櫻子ちゃんっ!元気だして!」

櫻子「おわぁ!いきなり何!?」

あかり「きっと向日葵ちゃんだって辛いよ!ガマンしてるだけだよ!」

櫻子「…ふん。別に気にしてないしー」プイッ

ちなつ「向日葵ちゃん、トイレでこっそり泣いてたよ」

櫻子「マジっ!?」ガタッ

ちなつ「ウソ」

櫻子「おい!!」

ちなつ「…ぷっ」クスクス

櫻子「笑うなーー!!!!」





338:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 22:38:45.00 ID:ndQ4LJWy0
あかり「…」ニコニコ

ちなつ「まぁ、後悔のないように行動した方がいいんじゃない?」

櫻子「いやいや…別に悩んでないから」

ちなつ「私も告白となると勇気でなくて。結衣センパイに告白したかったんだけどなぁ…」

櫻子「でも、今でもたまに会うんでしょ?そんなに悲しむこともないと思うなぁ」

ちなつ「…学校が違うだけで、全然会えないんだよ?けっこう辛いよ?」

櫻子「ぐ」

ちなつ「思ったより、今まで一緒に居た時間が長い事に気付く…よりによって、別れた後にね」

櫻子「…そんなモンかな」

ちなつ「そうそう。だから…せめて、後悔のないように動くの」

櫻子「むむむ…でも、何をすればいいか分からないし…」





341:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 22:43:39.90 ID:ndQ4LJWy0
ちなつ「それは知らなーい。自分で考えて」

櫻子「えぇー…1番大事なとこ…」

ちなつ「だって二人の問題だし。あとは頑張ってー」

あかり「頑張ってね~」ニコニコ

櫻子「…ありがと」

ちなつ「…じゃあ…また明日!」

あかり「卒業式かぁ…」

ガラガラ…バタンッ

櫻子「…したいこと…今は…」

櫻子「…とにかく、思い出作り方ですな!今日は存分に向日葵を振り回そう!」





344:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 22:48:53.87 ID:ndQ4LJWy0
~2時間後~
ガラッ

向日葵「…櫻子。待っていたんですのね」

櫻子「当たり前でしょ!これから、買い物行こうよ!」

向日葵「…家で明日の挨拶の練習もしなければいけませんし、勉強もありますから…」

櫻子「え?そんなの後でいいじゃん」

向日葵「そうはいきませんわ。高校に行くと決まれば…油断大敵ですわ」

櫻子「いやいや、高校に行くと決まれば思い出作りでしょ!フツー!!」

向日葵「…あなたのフツーと私のフツーは違いますの」





346:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 22:52:07.09 ID:ndQ4LJWy0
櫻子「…ちょ、冷た過ぎない?」

向日葵「そんなことないですわ。さぁ、帰りましょう」

櫻子「…いやいやいやいやいやいや」

向日葵「まったく、さっきから何ですの?」

櫻子「冷たい!!氷か!!氷っぱい!!」

向日葵「…帰りますわよ」

櫻子「だめ!!思い出作るんだよーー!!!」

向日葵「…言ってなさいな。私は先に帰りますから」ガラッ

櫻子「ちょ…待ってよー!」スクッ

バタンッ

・・・・
・・・
・・






350:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 22:57:00.78 ID:ndQ4LJWy0
~~~

向日葵「…」テクテク

櫻子「…ねぇ、向日葵。ちょっとぐらい…」

向日葵「ダメですわ」

櫻子「…ケチ」

向日葵「…あ。櫻子。そういえば、あなたの生徒手帳を拾ったんですわ」ゴソゴソ

櫻子「え」

櫻子(まさか…あの恥ずかしい写真も見られた…!?)

向日葵「はい。ちゃんと物の管理はしなさいな」

櫻子「…あれ?向日葵、これ…写真はさまってなかった?」

向日葵「いえ?生徒手帳だけですけれど」

櫻子(うっそー…すっごく気に入ってたのに…)ガーン





351:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 23:00:54.26 ID:ndQ4LJWy0
櫻子(見られなかったのはいいものの…くそぅ…)

向日葵「さ、早く帰りますわよ」

櫻子「…ねぇっ!向日葵!」

向日葵「…なんですの?」

櫻子「しゃ…写真撮りに行かない!?」

向日葵「…時間がないからダメですわ。帰り…」

櫻子「ほら、アルバムとか全部なくなってさ!!写真とか全部なくなっちゃったじゃん!」

向日葵「…」

櫻子「それぐらい、良いでしょ?ね?ね?」

向日葵「…ダメですわ」テクテク

櫻子「…ちょいちょい。それは流石にヒドイんじゃないの?」





352:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 23:04:05.65 ID:ndQ4LJWy0
向日葵「…時間がありませんから。明日、撮ってもらえるじゃありませんの」

櫻子「いや、そうなんだけどさ…それじゃ意味ないっていうか…」

櫻子「その…普段の私達の写真が欲しいなー…なんてね」

向日葵「…」テクテク

櫻子「ぐっ…」

櫻子(…後悔のないように…!!)

櫻子「向日葵!!ほら、行こっ!!」ガシッ

向日葵「…櫻子。私は後悔のないように行動したいんですの」パシッ

櫻子「えっ。じゃあ、行こうよ」





354:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 23:08:49.50 ID:ndQ4LJWy0
向日葵「私は…櫻子に勝って会長になりましたわ。なら…櫻子に失礼のないように、きちんと挨拶を成功させるべきですわ」

櫻子「…いや、私は…」

向日葵「勉強もそうですわ。櫻子が背中を押してくれたんですもの。絶対に受かって学力を伸ばさないと…」

櫻子「…私は、思い出を作りたい」

向日葵「…私は、失敗は許されませんの。櫻子の期待に応えるためにも…」

櫻子「…今、私が求めてるのは…そんなことじゃない!」

向日葵「それでも、ですわ。私が求めてるのは…思い出作りではありませんわ」

櫻子「…でも、最後なんだから…」

向日葵「受験生だって一発勝負ですわ」

櫻子「う」





355:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 23:11:03.44 ID:ndQ4LJWy0
向日葵「…分かりましたわね?違う道を歩むなら…」

向日葵「それぞれ、互いに迷惑をかけずに行動するべきですわ。互いの後悔のないように」

櫻子「う。う。」

向日葵「…じゃあ、帰りましょうか」

櫻子「ぐぅぅ…分かったよぉ…向日葵のバカ…」

向日葵「…」テクテク

櫻子(…ま、向日葵の言うことも…あってるのかな…)





357:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 23:13:24.45 ID:ndQ4LJWy0
~向日葵の部屋~

向日葵「…」ペラッ

向日葵「この写真は…」

向日葵「…ごめんなさい、櫻子。私がもらいますわね…」

向日葵「生徒手帳にはさんで…お守りですわ」

向日葵「…さて、勉強ですわ…」


・・・・
・・・
・・






359:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 23:15:57.43 ID:ndQ4LJWy0
~櫻子の部屋~

櫻子「…向日葵のバーッカ!!」

櫻子「くっそぅ~~!!!!」バフバフ

櫻子「向日葵は勉強できても、あーいう所で頭悪いんだよっ!!おっぱい 野郎っ!!」バフバフ

櫻子「あー…もう寝るし。寝てやる」

花子「…櫻子うるさいし」

撫子「ほっとけ」

・・・・
・・・
・・






362:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 23:18:55.91 ID:ndQ4LJWy0
~卒業式当日、向日葵の部屋~

向日葵「…結局、一睡も出来ませんでたわ……」

向日葵「うぅ…頭がガンガンしますわ…何で寝れないんですの…」

向日葵「…はぁ。緊張しますわー…」

向日葵「…櫻子を迎えに行かないと…」





364:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 23:22:22.05 ID:ndQ4LJWy0
~櫻子の家~

向日葵「櫻子ー?」

撫子「あ?向日葵ちゃん。櫻子なら…」

向日葵「寝坊を決め込んでるんですわよね。お邪魔…」

撫子「先に行ったよ」

向日葵「…ぇええぇえええっ!?」

撫子「いやいや、そんなに驚くこと?」

向日葵「えええええ…えええええ…」

撫子「…んじゃ。今日の卒業式、私達も行くから」

バタンッ

向日葵「ウソ…櫻子が寝坊せずに…いえ、問題は…」

向日葵「無視されたことですの…」

向日葵「…うぅ…」





365:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 23:25:15.31 ID:ndQ4LJWy0
~教室~

ガラッ

向日葵「…櫻子?」

あかり「あ、向日葵ちゃん。はい、コサージュ」

向日葵「ああ…ありがとうございます。その、櫻子は…?」

ちなつ「屋上でパン食べてくるってさー」

向日葵「…な、何ですのあの子は…」

あかり「とりあえず、行ってきなよ~屋上。式までまだ時間あるよ?」ニコニコ

向日葵「…はぁ…分かりましたわ」





367:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 23:28:16.87 ID:ndQ4LJWy0
~屋上~

ガチャ…

櫻子「…きたか、おっぱい魔人よ」

向日葵「…朝はどうしたんですの?」

櫻子「…向日葵!勝負だ!!」

向日葵「はい!?」

櫻子「ここに二つのパンがある!早く食い切った方の勝ち!!」

向日葵「…卒業式も間近なのに…何を」

櫻子「ドン!!」モグモグ

向日葵「ちょっ!?ずるいですわよっ!?」モグモグ

櫻子「ふっ…早いもの勝ちだー、」モグモグ





373:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 23:32:06.61 ID:ndQ4LJWy0
向日葵「むっ…このパン意外に大きいですわ…」モグモグ

櫻子「…」ススス…

向日葵「…」モグモグ

櫻子「とりゃ!」パシャ

向日葵「きゃ!?な、何ですの!?」

櫻子「っしゃー!写真ゲットだぜー!」

向日葵「…」ポカーン

櫻子「おおー。前の写真より良いかも。向日葵は少ししかめっツラだけど…私達らしさが出てる!」ニコニコ

向日葵「…まさか、これのために…」





376:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 23:35:09.44 ID:ndQ4LJWy0
櫻子「んじゃ、教室行きますかー」モグモグ

向日葵「…早食い競争は私の勝ちですから」

櫻子「そんなのどーでもいいですから」モグモグ

向日葵「くっ…なぜか悔しいですわ…!」

櫻子「…向日葵」モグモグ

向日葵「なんですの?」

櫻子「がんばってね」モグモグ

向日葵「…当たり前ですわ」





380:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 23:40:21.25 ID:ndQ4LJWy0
~卒業式~

「会長の挨拶。古谷向日葵、前へ」

向日葵(うぅっ…ここにきて眠気が…)

「…古谷向日葵?前へ」

向日葵「!…は、はい!」

「礼」

向日葵「…」ペコリ

向日葵「…今日は私達の門出を祝うかのような満開の桜が…」ペラペラ

向日葵(…よし!覚えてますわ…)

向日葵「…最初の行事はスキー合宿でした。入学当初、ぎこちない私達を…」ペラペラ

櫻子(うわー…全部覚えたんだ。普通は紙を用意するのに…)

櫻子(…ホントに、頑張ったんだなぁ…向日葵)





385:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 23:46:13.62 ID:ndQ4LJWy0
向日葵「そしてっ…」フラッ

向日葵(…!…)

向日葵「そこで私達が学んだのは…平和の心…でした…」フラフラ

櫻子(…?)

「…なんか様子おかしくない?」ザワザワ
「なんか今にも倒れそう…」ザワザワ

向日葵「そして…今。私達は…っ」ガタンッ

向日葵(た、倒れてはなりませんわよ…古谷向日葵!)

向日葵「これから…先生に教えてもらった…教訓を胸に…」フラフラ

向日葵「七森中を…旅立っていきます。七森中生徒会会長、古谷向日葵」

パチパチパチパチパチパチパチパチ

櫻子(すげー…)





388:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 23:52:25.02 ID:ndQ4LJWy0
「では、席へ戻ってください」

向日葵「はい!」フラフラ

向日葵「…っ…」

向日葵(こんなに私の席遠い…視界が歪んで何が何だか…)

「…あの子、変な方向に行ってるぞ」ザワザワ

「ねぇ…ちょっとヤバイんじゃない…?」
「じゃ、じゃあお前いけよ」
「やだよ…変な目で見られたくないし…」
ザワザワザワザワザワザワ

櫻子(…)ガタッ

櫻子「しゃーないなぁ…」スッ

「あれ、誰か出てきた…」ザワザワ

向日葵(やだ…失敗したくありませんの…)フラフラ

櫻子「おい、おっぱい」ボソッ

向日葵(…櫻子の声?)

西側「…大室。席へ戻れ。私が保健室に運んでおく…」ボソッ





398:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 00:05:49.90 ID:bG18+bdT0
向日葵「…」ハァハァ

櫻子「先生。私が運びます」

西垣「お前はいたって健康だろう!卒業式に出ろ!」

櫻子「…後悔のないように行動したいんです。向日葵みたいに」

向日葵「…櫻子…」ハァハァ

櫻子「卒業式よりも、こっちの方が大事ですから。じゃ、そーいうことで。ほら、つかまって、おっぱい」ガシッ

向日葵「…ありがとう…」ハァハァ

西垣「…はぁ。また私は校長に怒られる出番か…マイクっと…」

西垣「えー皆さん。今、出て行った二人は制服を着た保護者です。ご心配には及びません」

「やだ…何言ってるのあの人…」ザワザワ
「思いっきり挨拶してたのにな…」
ザワザワザワザワザワザワザワザワ

西垣(ミスった…)





400:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 00:09:00.67 ID:bG18+bdT0
~保健室~

向日葵「はぁ…はぁ…」ドサッ

櫻子「…お疲れ」

向日葵「ぐっ…ごめんなさい。櫻子を巻き込んでしまったようですわね…」

櫻子「いやいや、私が勝手にしたことだし。ほっとけ」

向日葵「…櫻子…」

櫻子「あーもうっ!いいから寝ろよ!」

向日葵「っ…言われなくても寝ますわよ…まったく、人がせっかく感謝してるのに…」ブツブツ

櫻子(…今、楽しいな…)





403:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 00:12:35.71 ID:bG18+bdT0
向日葵「…すぅ…すぅ…」

櫻子「寝るの早っ!私かよ!」

向日葵「うるさいですわ」パチッ

櫻子「寝ろよ!」

向日葵「言われなくても…」ブツブツ

櫻子「今度こそ寝ろよ!」

向日葵「はいはい…逆に眠りにくいですわよ…」

櫻子(うーダメダメ。寝かせてあげなきゃダメなのに、つい口を出してしまう…)

櫻子(…向日葵…ずっとこうしていたいよ…)





404:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 00:17:34.02 ID:bG18+bdT0
~数分後~

向日葵「すぅ…すぅ…」

櫻子「今度こそ寝たか…」

櫻子「…向日葵って、寝顔は可愛いよね」

櫻子「…ちょっとナデちゃおーっと…」ナデナデ

櫻子「おおーすごい髪サラサラだ」ナデナデ

向日葵「ん…」ゴソゴソ

櫻子「…っと。やり過ぎは禁物…」

ヒュッ…

櫻子「…ん?ポケットから何か出てきた…?」ペラッ





406:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 00:22:04.35 ID:bG18+bdT0
「向日葵と私のベストショット!!いえーい!」

櫻子「…これ、私の写真じゃん!!ちょっと向日葵!!」ユサユサ

向日葵「っ…う~ん…なんですの…?」

櫻子「これ!!私の生徒手帳に挟まってた写真だよね!」

向日葵「…さぁ、何のことやら…」

櫻子「…あーもういいや。あげるよ向日葵に。私は屋上の写真があるし」

向日葵「…いいんですの?」

櫻子「いいよー別に…起こしてごめん」

向日葵「…櫻子。あなたのおかげで挨拶…成功させる事が出来ましたわ」

櫻子「…向日葵の努力だって」





407:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 00:25:48.30 ID:bG18+bdT0
向日葵「いいえ。あなたのおかげですわ」

櫻子「…そりゃ、どういたしまして」

向日葵「思えば…会長のことも高校のことも…あなたに背中を押されたから…」

櫻子「マジか」

向日葵「これから、それが無くなると思うと…やっぱり、寂しいですし…心細いですわ」

櫻子「…私も。向日葵が居たから生徒会に入ろうと思えたし…」

櫻子「…正直、向日葵に頼りっきりだったし…」

向日葵「今日は素直ですわね?」

櫻子「向日葵もだろー」





416:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 00:36:20.61 ID:bG18+bdT0
向日葵「…まぁ、後悔のないように行動ですからね」

櫻子「…」

向日葵「今日ぐらいは、素直になるへまきかもしれませんわ」

櫻子「お、良いこと言うじゃん」

向日葵「…褒めますわね、今日は…」

櫻子「まぁねー」

向日葵「…あなた、本当は大人しいんですの?」

櫻子「いや、その…」

向日葵「?」

櫻子「泣きそうでさ…っ」プルプル





417:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 00:41:23.93 ID:bG18+bdT0
向日葵「…櫻子…」

櫻子「…やっぱり、嫌なもんだね…違う学校になるって」

向日葵「そりゃそうですわよ。生活リズムが変わりますし…」

櫻子「私さ…向日葵と二人でダラダラしてるのが好きだから…きっついなー…」

向日葵「…私も、ですわ…」

櫻子「…きっつい…なー…っ…」ポロポロ

向日葵「…泣かないでくれます?」

櫻子「…ごめん…」ポロポロ

向日葵「…謝りながら泣かないで欲しいですの…」ポロポロ





563:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 19:25:12.20 ID:bG18+bdT0
櫻子「…っあー!もう!泣かないって決めてたのに…向日葵のおっぱいが目に染みたじゃん!」フキフキ

向日葵「なっ…あなたは本当に…空気を読むということを知らないみたいですわね…?」フキフキ

櫻子「その様子だと、元気なったみたいだね」

向日葵「…まぁ。異常に寝不足だっただけですから…まだ歩けそうにはありませんけど」

櫻子「…ちょうどいいや」ニヤ

向日葵「…ちょうどいい?」

櫻子「ちょーっとジッとしててー…」ズイッ

向日葵「な、何ですの?」





568:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 19:29:34.77 ID:bG18+bdT0
櫻子「あー。動かないでって!」

向日葵「何をする気か言いなさいな!」

櫻子「言っとくけど、別に嫌がらせとかじゃないから」

向日葵「だから、何を…」

櫻子「…もういい!おりゃ!」ガシッ

向日葵「な…何ですの…」

櫻子「後悔のないようにしたいからさー…」ズイッ

向日葵(さ、櫻子の顔が近づいてくる…ま、まさか…)ドキドキ

櫻子「…」ドキドキ





572:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 19:36:53.04 ID:bG18+bdT0
向日葵「…櫻子。好きですわ」

櫻子「!…わ、私も!」

向日葵「…」ドキドキ

櫻子「…」ドキドキ

向日葵「は、早くしなさい」

櫻子「えっ!ああ…ご、ごめん」ズイッ

向日葵(…櫻子…)

ガラッ

向日葵&櫻子「!?」ガタンッ

あかり「向日葵ちゃん櫻子ちゃん!大丈夫!?」

ちなつ「もう卒業式終わっちゃったんだけど…あれ?」

ガタンッガタガタ

ちなつ「…あれ。何してたの二人とも~?」クスクス





574:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 19:43:19.80 ID:bG18+bdT0
向日葵「いえ!別に!」

櫻子「そうだよ!キスとかじゃないからね!あはは!」

ちなつ「…」クスクス

向日葵「櫻子のバカぁ!」バシッ

櫻子「いたっ!…な、なぜだ…」

あかり「…だ、大丈夫みたいだね…///」モジモジ

ちなつ「あかりちゃん、このぐらい当たり前だよ?」

あかり「そっ、そうなの!?」

ちなつ「そうだよー。…じゃあ、二人とも。お邪魔虫達は高校のセンパイと勉強してきますねー…」クスクス

あかり「あ、待ってちなつちゃん!じゃあね、二人とも!今度会ったらゆっくりお話しようね!」

ガラガラ…バタンッ

向日葵&櫻子「…」ポカーン





577:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 19:49:49.33 ID:bG18+bdT0
櫻子「…えーと。も、もう一回?」

向日葵「…萎えましたわ…元気にはなりましたけど」

櫻子「…あっそ。んじゃ帰る?」

向日葵「そうですわね。勉強もありますし」

櫻子「…フェイント!」ガシッ

向日葵「なっ!?や、やめっ…」

櫻子「…」チュー

向日葵「…~!!!!」

櫻子「…っ…」

向日葵「っ…んっ…」

櫻子「…ぷはぁ」パッ

向日葵「…ちょ、いきなりなんて…ムードってものが…///」





579: 忍法帖【Lv=31,xxxPT】 :2011/10/26(水) 19:50:53.49 ID:D4/6JjA+0
キマシ





582:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 19:57:02.81 ID:bG18+bdT0
櫻子「さて、帰るかおっぱい」

向日葵「ちょ、話を聞きなさいな!こんなアッサリしていいことだと思ってますの!?」

櫻子「…思ってないよ。一生忘れないから。今のこと」

向日葵「…あ、あら?」

櫻子「向日葵とキス出来て良かった。うれしかった!」ニコッ

向日葵「…あなたは、卑怯ですわ…本当に」

櫻子「いやー向日葵はまだまだ修業が足りないね。ほら、帰るぞコラ」

向日葵「…はいはい…」ゴソゴソ





585:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 20:04:44.22 ID:bG18+bdT0
向日葵(櫻子…いつも最後はあなた)

向日葵(…高校のことも、キスのことも…あなたが後押ししてくれたから)

向日葵「…櫻子…今からあなたの家に行きたいですわ」

櫻子「お。勉強したいとか言ってたクセに、寂しくなった?」

向日葵「…受験まで、あなたの家庭教師をしますわ。今度は怒りませんから」

櫻子「…ダメ。私の勉強と向日葵の勉強じゃ釣り合わないし…」

向日葵「…じゃあ、今日だけでも」

櫻子「…よかろう。今日だけだぞ」

向日葵「…どうも」





586:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 20:08:02.98 ID:bG18+bdT0
~櫻子の家~

ガチャ

撫子「あ。卒業式で出て行ったバカだ。あ、向日葵ちゃんは違うけど」

櫻子「うるせー!看病してたの!」

向日葵「ごめんなさい。お邪魔しますわ」

撫子「どーぞ。イチャつくなら静かにイチャつけよ?」

櫻子「んな事しねーから!」

向日葵「…お邪魔します」ペコリ





587:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 20:11:28.20 ID:bG18+bdT0
~櫻子の部屋~

櫻子「ふー…」

向日葵「…さて。始めますわよ」

櫻子「ん?」

向日葵「ん?じゃありませんわ!勉強!」

櫻子「えー!?帰ってきたばっかじゃん!つーか本当にやるのっ!?」

向日葵「当たり前ですわ。さぁ、席につきなさい」

櫻子「…向日葵もかなり空気読めないよねー…」ボソッ

向日葵「何か言いまして?」ギロッ

櫻子「目が怖いから!やる、やるから!」





589:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 20:18:10.01 ID:bG18+bdT0
~5時間後~

櫻子「も、もう無理…休憩」

向日葵「あら。もうバテたんですの?」

櫻子「あ、当たり前だー…てゆーかさ、向日葵、自分の勉強もしなよ…」

向日葵「いえ、心配ですし」

櫻子「…あのさー…何回も言うけど、そういうのやめてって。大丈夫だから」

向日葵「…本当ですの?」

櫻子「本当本当。だから自分の家に帰って勉強しなよ」

向日葵「…櫻子。やはり、あなたの方が空気が読めませんわ」

櫻子「んだとぉ!?」

向日葵「ここで私が帰ったら、これから…こうする事も無くなるんですわよ?」





590:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 20:24:09.14 ID:bG18+bdT0
櫻子「…あ」

向日葵「それでも、いいんですの?」

櫻子「ま、まぁ…もう足引っ張りたくないし…それでも…」

向日葵「…優しい櫻子のことですもの。そう言うと思って、もう最後の言葉は決めてありますの」

櫻子「…最後って…えっ…」

向日葵「私、高校でも生徒会に入るつもりですし、高校が高校ですから…勉強も大変ですわ」

向日葵「おそらく、こんな…二人の時間は高校が始まったら無くなりますわ」

櫻子「だから、最後…?」

向日葵「ええ。よく聞いて欲しいですわ…。実は、式の挨拶と一緒にこの話の練習もしてたんですの」





594:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 20:31:55.78 ID:bG18+bdT0
櫻子「…ふぅー…」

向日葵「櫻子。今までありがとう。会長を勤めてこれたのも、あなたのおかげですわ」

櫻子「いやいや…」

向日葵「黙って聞いてなさいな」

櫻子「…あー分かりましたよ…」

向日葵「私は、あなたが世話のかかる子だと思ってましたわ。でも…いつも最後はあなたが後押ししてくれましたわ」

櫻子「…」

向日葵「あなたは優しい子ですわ。それでいて、本当に強い子だから…私なんか居なくてもやっていけるはずですわ」

櫻子「…そんなっ…ことないよ…」ポロポロ





596:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 20:38:43.44 ID:bG18+bdT0
向日葵「バカでワガママでお子ちゃまで…それでも、相手を元気づけることしか頭にない」

向日葵「そんな、素敵なあなたが…大好きでしたわ。出来ればずっと一緒に歩きたかった…」

櫻子「や…やめてよ…」ポロポロ

向日葵「高校に行っても、素敵なあなたで居て欲しいですわ。それを見守るのは私じゃなくても…ずっと、変わらないでいてください」

櫻子「…うん…うん…っ!!」コクコク

向日葵「…今まで…あり、がとう…私も…頑張りますから…っ…」ポロポロ

向日葵「お別れ…ですわ…っ…」ポロポロ

櫻子「…練習したクセに、結局泣いてるじゃん…はは…」ポロポロ





599:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 20:45:42.15 ID:bG18+bdT0
向日葵「ご…ごめんなさい…」フキフキ

櫻子「…んじゃ、私からも。練習してないけどさ…」フキフキ

向日葵「…はい」

櫻子「えーと…私のために今までありがとう。前科まで作ろうとしてくれて、ありがとう」

櫻子「卒業式の挨拶、素敵だったよ。向日葵は人のためになると必死になるよね。クッキー作る時とかさ…」

向日葵「…っ…」

櫻子「…す、好きだったよ。元気でね。…短いけど以上!」

向日葵「…まさか、あなたも練習したんじゃありませんの…?」ポロポロ

櫻子「んなワケないじゃん…もう、泣かないでよ」

向日葵「ええ…ごめんなさい」フキフキ





603:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 20:51:36.97 ID:bG18+bdT0
向日葵「櫻子…ありがとう」

櫻子「…ほら。もう満足でしょ?帰って勉強しないと駄目なんじゃない?」

向日葵「…最後に。これ…返しておきますわ」スッ

櫻子「…これ、私と向日葵の…写真?いいの?」

向日葵「まぁ、元々はあなたの物ですし…渡しておくべきかと」

櫻子「…あっ!じゃあ私からもこれ…!!」ゴソゴソ

向日葵「…?何を探してますの?」

櫻子「新しいノート…」ゴソゴソ





604:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 20:55:25.23 ID:bG18+bdT0
櫻子「まぁ、忙しくなるって言ってもさ…これなら…」ゴソゴソ

櫻子「…はい、これは私の分。これは向日葵の分」スッ

向日葵「?」

櫻子「あー空気読めないなぁ!交換日記だって!これなら毎朝ポストに入れるだけでいいでしょ?」

向日葵「…櫻子にしては名案ですのね」

櫻子「忙しくてもちゃんと一日にあったこと報告しろよ!」

向日葵「はいはい…」

櫻子「へへ…」





605:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 21:00:14.92 ID:bG18+bdT0
向日葵「じゃあ、私は帰りますわね。ちゃんと勉強しますのよ」

櫻子「…そっちこそ、サボんなよー」

向日葵「それでは…まぁ、たまには、ゆっくり出来る時間があるはずですわ」

櫻子「うん。分かってるから」

向日葵「高校が違っても、時間ぐらいつくれるはずですから…」

櫻子「はいはい!もう行けよ!別にずっと一緒に居なくても平気だし!」

向日葵「…はいはい。しっかりね」

バタンッ

櫻子「…最後まで失礼だな。ま、勉強始めるかなー…」





609:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 21:09:19.60 ID:bG18+bdT0
~受験当日~

楓「頑張って、お根ちゃん」

向日葵「ふぅ…ええ。行ってきますわ」

バタンッ

櫻子「…よっ」

向日葵「あら、櫻子?あなた、受験は…?」

櫻子「いや、ちょっとねー…はい、これ。お守り」ペラッ

向日葵「こ、これパン食い競争の時の写真…?」

櫻子「じゃっ。私はこっちだから」タッ

向日葵「あっ…。三日ぶりですのに…」

向日葵「…まぁ、櫻子なりの優しさですわね」





611:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 21:15:51.58 ID:bG18+bdT0
~合格発表~

向日葵「…受かりましたわ。まぁ、手応えはありましたけど…」

向日葵「櫻子…」

向日葵「まぁ…交換日記で聞けば…そう。日記で…」

~~~~

櫻子「っしゃあー!受かった!」

櫻子「ん…合格者は説明会?早くない?」

撫子「この学校はそうなってる。じゃ、安心したし先に帰ってるな」

櫻子「んー…すぐに報告しに行きたいんだけどな…行ってくる」





613:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 21:24:02.18 ID:bG18+bdT0
向日葵・3月15日

あなた、受かりましたの?
報告しに来なさいって書きましたわよね?

櫻子・3月15日
受かったー!
どうせ向日葵も受かったよね?
説明会で忙しくて聞けなかったわー!

向日葵・3月16日
良かった…どちらも受かりましたわね。
色々あって27日から4月1日まで暇ですの。
暇、あります?

櫻子・3月16日
今日から26日まで暇だから会えない?
今日も家に居なかったけどさ…





615:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 21:29:00.78 ID:bG18+bdT0
向日葵・3月17日
春休みは無理そうですわね。
また暇な日、書いていきますわ。

櫻子・3月17日
うわー最悪!
私、4月1日から本格的に学校始まっちゃうし!

向日葵・3月18日
あ、私も4月1日からですわよ?
…今日は説明会ですの。
ちゃんと宿題しなさいね。

櫻子・3月18日
うん、私も暇な日書いていく!
最近会ってねーし!





619:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 21:34:59.59 ID:bG18+bdT0
向日葵・4月3日
生徒会に入りましたわ。
あなたも入ったらどうですの?

櫻子・4月3日
生徒会に入った!
この学校の生徒会はすごい忙しいみたい。
今週は会えないなー…

向日葵・4月4日
分かりましたわ。
来週の土曜日は?

櫻子・4月4日
入ったし!
てゆーか交換日記で質問ってやりにくいな!
ややこしいから暇な日つくって直接会わないとね!





621:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 21:39:16.10 ID:bG18+bdT0
向日葵・5月5日
もう我慢できませんわ。
同棲しましょう。

櫻子・5月5日
ヒマな日、まだ作れないの?
まぁ仕方ないけどさー…一日しか会えてないじゃん…
そんなに勉強忙しいの?

向日葵・5月6日
ええ、寝る暇も惜しんで励んでますわ。
ところで、同棲しましょうか。

櫻子・5月6日
同棲!?
無理無理!家族の生活ってモンがあるしさ…で、ヒマな日ないの?





627:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 21:44:26.07 ID:bG18+bdT0
向日葵・5月7日
そうは言っても、本当に時間がありませんの…。
同棲のことですけど、ごめんなさい。
無茶でしたわね…

櫻子・5月7日
そっか。仕方ないなぁ。
同棲の事はもう読んだよね。
うおー交換日記やりにくいな!

向日葵・5月8日
寂しいですわ…

櫻子・5月8日
向日葵の高校すごいなぁ。
同棲のこと、ごめん。
私も気持ちは分かる…。





629:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 21:49:13.93 ID:bG18+bdT0
向日葵・7月3日
昨日は楽しかったですわね。
とは言っても、高校に入ってから5回目…
思ったより少ないですわね…

櫻子・7月3日
あー昨日で分かっちゃった。
やっぱ向日葵いないとダメだ。
高校卒業したら同棲しない?
必死に勉強するから同じ大学行こうよ…

向日葵・7月4日
もちろんですわ!!!!

櫻子・7月4日
もちろんですわ!!!!
とか書いてくると思うから、家族と話つけといたぜ!
大学に入ったら下宿オッケーだってさ!





633:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 21:53:32.89 ID:bG18+bdT0
向日葵・7月5日
うっ…何で分かりますの…まぁ、いいですわ。
私も家族と話をつけましたわよ!
○○大学に行こうと思ってますの!

櫻子・7月5日
やっぱりか(笑)

向日葵・7月6日
顔が真っ赤になりましたわ…

櫻子・7月6日
○○大学…よっしゃ!まかせとけ!
バカなめんなよー!!なんてね





640:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 22:01:22.20 ID:bG18+bdT0
~約三年後~

向日葵「さて…行ってきますわ」ガチャ

楓「行ってらっしゃーい」

櫻子「行ってくるー」ガチャ

撫子「おー。そういや卒業式だったな」

花子「…撫子はいつになったら家から卒業するのか…」

撫子「ビデオカメラ用意するか」ゴソゴソ


向日葵「…あら、櫻子。同じ時間に家を出るなんて珍しいですわね」

櫻子「おー。今日は卒業式だから早に家を出たんだー」





641:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 22:06:19.57 ID:bG18+bdT0
向日葵「ところで、勉強は大丈夫なんですの?あなたには合わせませんわよ?」

櫻子「大丈夫だって!一年から猛勉強したから!」

向日葵「…あらそう。それでは…」タッ

櫻子「んーじゃ」タッ

向日葵「そろそろ、なんですのね…」ブツブツ

櫻子「まぁ、高校も楽しかったけどさ…やっぱ向日葵いないと寂しいな…」ブツブツ

向日葵&櫻子「…」

向日葵&櫻子(…ようやく嬉しい卒業式)




~おわり~





646:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 22:11:00.60 ID:siYpF88x0
長い間乙でした
良かった





657:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 22:36:12.82 ID:AWn6zZfw0








とりあえずまとめたよ





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