海未「穂乃果のこと、好きですよ」(長編)【ラブライブ!】



1:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/28(日) 20:51:13.19 ID:hoCrztm+.net
海未「好きですよ…友だちとして」

海未「はぁ……」

海未(……虚しい)

海未ママ「海未さーん、学校に遅れますよ~」

海未「今行きます!」



~学校~



海未「おはようございます」

穂乃果「あ、おはよう海未ちゃん!」

ことり「おはよ~♪」

海未(まるで恋人のように、二人は手を繋いでいました)



 
5:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/28(日) 20:56:22.98 ID:hoCrztm+.net
海未「あはは、朝から仲が良いのですね」

穂乃果「えへへ♡照れるなぁ~」ギュッ

ことり「だって穂乃果ちゃんのこと大好きだもん!」ギュッ

海未「もう、そんなに抱き付いて、はしたないですよ」

穂乃果「ぶー、海未ちゃんお母さんみたい~」

海未「それより穂乃果、今日の国語の宿題は終わってるのですか? 見せてと言っても私は」

穂乃果「ふふーん♪ それなら昨日ことりちゃんの家でやってきたもーん!」

海未「……………そうですか」


8:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/28(日) 21:01:35.19 ID:hoCrztm+.net
海未「そういえば昨日、ことりの家に行くと言っていましたね」

穂乃果「海未ちゃんも来れば良かったのに~」

海未「いえ、私は…」チラ

ことり「?」

海未「二人の邪魔をするのも悪いですし」

穂乃果「あー!幼馴染なんだから、そんなこと言わないでよ!ね、ことりちゃん!」

ことり「うん、海未ちゃんもいた方が楽しいと思う♪」

海未「でも、二人は恋人なのですから」

穂乃果「お、大きい声で言わないでよぉ…!」

海未「……すみません」ニコ


9:名無しで叶える物語(かぶらずし)@\(^o^)/:2014/09/28(日) 21:05:00.17 ID:Jq6m1Zw1.net
もう付き合ってるんですか………


10:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/28(日) 21:07:29.83 ID:hoCrztm+.net
海未(それは先週のことでした)

海未(ことりが穂乃果に告白をし……最初は戸惑っていた穂乃果も、ことりの熱い想いに答え……今では)

ことり「穂乃果ちゃん♪」チュッ

穂乃果「わわっ!き、教室では駄目だよぅ~!」カアア

ことり「えへへ、穂乃果ちゃんが可愛かったからつい♡」

穂乃果「ば、ばかっ!」

海未「…………微笑ましい光景ですが、周りを気にして下さいね」

穂乃果「ほら、海未ちゃんも言ってるよ!」

ことり「てへ♡」

海未(はぁ……)


11:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/28(日) 21:13:00.56 ID:hoCrztm+.net
~昼休み~

ことり「海未ちゃん一緒に食べよっ♪」

海未「あ、はい…」

穂乃果「よーし!じゃあいっただっきまーす!」

海未「いただきます」

ことり「いただきまぁす♪」

穂乃果「うーん!美味しい!」

海未「あ、穂乃果、ほっぺにご飯が付いてますよ」

穂乃果「え、ホント!?」

ことり「ホントだぁ、可愛い♡」

穂乃果「ことりちゃん取って~!」

ことり「はぁい♡ぱく」

穂乃果「えっ!食べちゃったの!?」

ことり「美味しい~!」


13:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/28(日) 21:19:01.35 ID:hoCrztm+.net
海未「ごちそうさまでした」ガタッ

ことり「わっ、もう食べちゃったんだ」

穂乃果「どこ行くの?」

海未「おトイレに」

穂乃果「一緒に行く?」

海未「意味が分かりません!」

ことり「クスクス♪ 楽しいね♪」

海未「では失礼します。急いで食べては駄目ですよ」スタスタ

ことり「いってらっしゃ~い」

穂乃果「あ、ことりちゃんのそれ美味しそう~」

ことり「食べる?あーん♡」

穂乃果「あーん♡」

海未「………」スタスタ


15:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/28(日) 21:26:07.15 ID:hoCrztm+.net
~屋上~


海未「…………………グスン」

海未「うぇ……あぅ……うぅぅ…!」

海未「こんなの……うぐっ…つ、つらいに決まってるじゃないですかぁぁ……うええん……ことりのばかぁぁ……!」

海未「うぐぅぅ…ひっく…!平気なわけないじゃないですかぁぁ……」

海未「ひぐっ…くずっ…うぅ…」

海未「…………はぁ…ふー…」

海未「ぐすん……はぁー……ふー…」

海未「わ、私は園田道場の一人娘、園田海未です」

海未「こんなことで、泣いてちゃダメなんです……」


キーンコーンカーンコーン~♪


海未「戻りましょう……」


24:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/28(日) 21:48:37.56 ID:hoCrztm+.net
~放課後~

海未「今日の練習はここまでです。各自ストレッチを始めて下さい」

凛「やっと終わったにゃ~くたくただよ~」

海未「凛、私とストレッチしましょう」

凛「了解~♪ 最近海未ちゃんと組むの多いにゃ~」

海未「あはは、凛は嫌ですか?」

凛「嫌じゃないよ~ぐえっ!いてて!」

海未「ふふふ♪」

穂乃果「ことりちゃん一緒にやろー!」

ことり「うん♪押してあげるね」

穂乃果「お願い♡」


30:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/28(日) 22:46:45.33 ID:hoCrztm+.net
───────

穂乃果「今日も疲れたね~」

ことり「でも最近は涼しいからまだマシかも」

海未「もうすぐ秋ですからね」

穂乃果「秋か~……食べ物が美味しい季節だね♪」

海未「また穂乃果はそんなことばかり…太りますよ」ギロ

穂乃果「ひえ~海未ちゃん怖いよ~!ことりちゃん助けて~!」ササッ

ことり「え、え~!?」

海未「太ったらまたダイエットですからね」

穂乃果「うぅ……おやつ食べ過ぎないようにしなきゃ」

ことり「あ、じゃあ今日はカロリー控えめのおかしにしよっか♪」

穂乃果「うん!そうする!」

海未「あ、じゃあ私はここで…」


31:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/28(日) 22:51:41.36 ID:hoCrztm+.net
穂乃果「今日も来ないの?」

海未「逆に穂乃果はことりの家に行き過ぎです!ことりも迷惑でしょう」

ことり「え?そんなことないよ?海未ちゃんにも来て欲しいもん」

海未「…………で、ですが」

穂乃果「ことりちゃんもそう言ってるよ!いーこーおーよー!」グイグイ

海未「やめてください!」

海未「け、稽古がありますので!」ダッ

ことり「あ!海未ちゃん!」

海未(私はことりの言葉に返事をせず、その場を走り去りました)


34:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/28(日) 22:56:47.59 ID:hoCrztm+.net
海未(最近、穂乃果とことりはお互いの家によく行きます)

海未(恋人ですから、それが当たり前なのでしょう)

海未(2人は私も誘ってはくれるのですけれど………これ以上仲睦まじくする2人を見てしまったら私は……きっと…)

海未「………」

海未(だから最近は、こうして半ば強引に、一人で帰ることも多くなりました)

海未(ことりの呼び止める声が、胸に響きます)

海未「はぁ…!はぁ…!」

海未(気付けば一度も止まることなく、家に着いていました)


38:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/28(日) 23:04:40.79 ID:hoCrztm+.net
~次の日~

海未「穂乃果のことは……友だちとして、好きです」

海未「…………」

海未(この一週間、毎朝私は鏡に向かってそう言う)

海未(それから部屋を出て、支度をし、いつものように家を出た)

海未「それでは、行ってきます」



~学校~

穂乃果「海未ちゃぁぁん!」バッ

海未「!?」ドシーン

ことり「あ、海未ちゃんの下着可愛い♡」

海未「うわぁ!」ササッ


39:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/28(日) 23:09:18.60 ID:hoCrztm+.net
穂乃果「い、いてて……」

海未「あああ朝から何するんですか穂乃果!」カアア

穂乃果「聞いてよ海未ちゃーん!」

海未「もう、どうしました?」

海未(少しだけ、昔を思い出した)

海未(困ったような顔の穂乃果が私を頼って、後ろでことりが微笑ましそうに笑っている光景)

穂乃果「ことりちゃんが学校でちゅーしてくるのやめてくれないのぉ!」

ことり「えへへ♡」

海未「…………、……」

海未(視界がゆらりと、遠くにぼやけた)


43:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/28(日) 23:16:07.18 ID:hoCrztm+.net
海未「…!」ダッ

穂乃果「え…!海未ちゃん!?」

海未(ぼやけた景色を頼りに、私は走りだした)

海未(ああ…きっと、2人とも変だと思うでしょう)

バタン!

海未「はぁ…はぁ…ぅぅ…」

海未(トイレの中…漏れる声を抑える)

海未(次から次へと込み上げる気持ちが、瞳から零れて止まらない)

海未「~~っ!」

海未(心に去来した、昔の情景……決して戻ることはないのに……現実から目を逸らして、油断してしまいました)

海未「うぅぅ……あぅ…えぅ…!」

海未(これからずっと、耐えていかなければいけないのに)


49:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/28(日) 23:21:32.79 ID:hoCrztm+.net
トントン

ことり「海未ちゃん?」

海未「!」

ことり「海未ちゃん、だよね…?」

海未「……はい」

ことり「その……大丈夫?」

海未「大丈夫、ですよ……どうしました?」

ことり「ううん、何でもないの。ただ、急に走っていっちゃったからびっくりして」

海未「そうですか……すみません」

ことり「……じゃあ行くね」

海未「こ、ことり…」

ことり「ん、どうしたの?」

海未「………」

海未「すみません、すぐ戻ります」

ことり「うん、教室で待ってるね」


53:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/28(日) 23:29:41.14 ID:hoCrztm+.net
海未(遠ざかることりの足音を聞いてから、私はその場にしゃがみ込んだ)

海未「…………」


海未『────!』

ことり『────、─────』

海未『─────』

ことり『私、穂乃果ちゃんに告白しようと思う』

海未『───────』


海未「……っ!」

海未(あの時の私は、間違っていたのでしょうか)

海未(あの時ことりは、何故私にあんなことを言ったのでしょうか)


キーンコーンカーンコーン


海未(遠くに予鈴の音を聞きながら、私は止まらない涙を腕で拭った)


56:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/28(日) 23:40:13.60 ID:hoCrztm+.net
~教室~

ガラガラ

海未「……」

穂乃果「海未ちゃん!」ダッ

海未「穂乃果……すみません、急に吐き気がしてしまって…」

穂乃果「そ、そっかぁ…良かったぁ~!」

ことり「穂乃果ちゃん、さっきまですっごく海未ちゃんのこと心配してて…」

海未「ありがとうごさいます穂乃果。私は大丈夫ですので」ナデナネ

穂乃果「ほんと良かったよぅ~!」ウルウル

海未「……」ニコッ


57:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/28(日) 23:48:35.19 ID:hoCrztm+.net
~授業中~

穂乃果「……くぅ」zzz

ことり「ね、海未ちゃん見て」

海未「はぁ…まったく穂乃果は、また寝ていますね」

ことり「きっと海未ちゃんのことで安心したんだね……さっきまで、本当に心配してたから」

海未「ふふ、それは嬉しいですが、授業はちゃんと受けなければいけませんよ」

ことり「でも、可愛い顔で寝てる♡」

海未「………………ことりは、甘いんですから」

ことり「えへへ♡海未ちゃんがしっかりしてるから、反対になっちゃったのかな」

穂乃果「くー……」

ことり「しっかり者の海未ちゃんとのんびりした私が夫婦で、穂乃果ちゃんはその子供だねっ♪」

海未「へ、変なことを言わないで下さい…」

海未(ことりは何でそういうことを平気で言えるのでしょう……)

ことり「穂乃果ちゃんの寝顔、赤ちゃんみたい♡」

海未(あなたは……穂乃果と付き合ってるくせに…)


58:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/28(日) 23:56:57.37 ID:hoCrztm+.net
~昼休み~

穂乃果「いただきまーす」

ことり「いただきます」

海未「いただきます」

穂乃果「ね、ね、海未ちゃん。ことりちゃんのお弁当、美味しそうだと思わない!?」

海未「さっそく貰う気ですか?」

穂乃果「ち~が~う~よ~!美味しそうだよね!?」

海未「え、ええ…まぁ」

穂乃果「やりー!海未ちゃんに褒められたー!」

海未「?」

穂乃果「これ昨日、穂乃果が作ったんだぁ♪ 穂乃果のは、ことりちゃん作!」

海未「…………とても美味しそうですね」


59:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/29(月) 00:02:49.92 ID:fbvhD3LZ.net
穂乃果「えへへ、でしょ!?海未ちゃんにもあーげーる♡」

海未「ありがとうございます」

ことり「それじゃあ私のも、海未ちゃんにあげるね♪」

海未「あ、ありがとうごさいます……」

海未(嬉しいような、モヤモヤするような…)

ことり「穂乃果ちゃんにもあげるね」

穂乃果「あーん♪」

ことり「召し上がれ♡」

海未「当たり前のように食べさせてますね……、…!」

海未(あっ、つい心の声が…!)

穂乃果「もぐもぐ、海未ちゃんもあーんする?」

海未「わ、私は結構です!」


66:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/29(月) 00:11:23.10 ID:fbvhD3LZ.net
~放課後~


海未「では今日は三つのグループに分かれて練習します」

穂乃果「ことりちゃん、花陽ちゃん!行こっ!」

ことり「あん♡待って~穂乃果ちゃん!」

凛「海未ちゃん、希ちゃん!凛たちもいこっ!」

海未「…はい」

凛「それにしても、穂乃果ちゃんとことりちゃんは仲良しだにゃ~」

海未「まぁ、付き合ってますからね」

凛「凛たち三人の方が歌も踊りも仲良しも勝てるよう頑張ろう!」

海未「ふふ、何ですか、仲良しで勝つって」


104:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/29(月) 21:14:56.62 ID:fbvhD3LZ.net
~一時間後~

穂乃果「だよねだよね!やっぱり朝はお腹いっぱい食べないと元気出ないよね!花陽ちゃん分かってる~♪」

穂乃果「ことりちゃんも食べなきゃダメだよ?」

ことり「で、でも私は朝あんまり食欲なくて…」

穂乃果「もぅ、またそんなこと言うことりちゃんなんてこうだー!コチョコチョ~!」

ことり「やぁ!や、やめて~!」

穂乃果「待て待てー!あはは♪」

ことり「やーん!花陽ちゃん助けてぇ~!」

穂乃果「捕まえたっ♡」ギュー

ことり「やぁ、捕まっちゃった~♡」ギュー


105:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/29(月) 21:20:55.93 ID:fbvhD3LZ.net
~屋上~

海未「こら凛!なに寝転がってるんですか!」

凛「ぽかぽか陽気にゃ~」ゴロン

海未「もう!希を見習って下さい!早くストレッチを始めますよ!」

凛「すやすや…」クー

海未「……はぁ、もう、ちゃんと練習しましょう」

凛「むにゃむにゃ、分かったにゃ~」ジー

海未「……まったく、何を見てるんですか?」

凛「かよちんが下にいるから見てるんだ~」

海未「花陽が?ああ、あの三人は中庭で練習してるんですか」チラ


106:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/29(月) 21:26:47.48 ID:fbvhD3LZ.net
~中庭~

穂乃果「朝ごはんちゃんと食べるって言うまで離さないんだからね♪」ギュー

ことり「うわぁ~♡」

穂乃果「本気だよ」ジー

ことり「穂乃果ちゃん……」ジー

穂乃果「?」ジー

ことり「ちゅー♡」チュッ

穂乃果「!?」バッ

ことり「あっ離しちゃやだ~♡嘘付いたら、お仕置きですよぉ♪」ジー

穂乃果「ば、ばかばか!練習中なのに!花陽ちゃんだっているのに!」カアア

ことり「でも花陽ちゃん、今は空を見てるから大丈夫だよ♪」チュー

穂乃果「うぅぅ…もぅ…一回だけだよ…」ドキドキ

ことり「うん♡」チュー

穂乃果「ん!」チュッ


107:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/29(月) 21:35:04.83 ID:fbvhD3LZ.net
ことり「…………ふふ♡」ドキドキ

穂乃果「うぅぅぅ……死にそう…」ドキドキ

ことり「よぅし!じゃあ最後にストレッチしよっか!」

穂乃果「う、うん…おーい、花陽ちゃん」

ことり「あ、見てみて穂乃果ちゃん」

穂乃果「どしたの?」

ことり「ほら、屋上で凛ちゃんと海未ちゃんが見てる」

穂乃果「え、ええええええ!?じゃあ今の見られてたんじゃあ!」カアア

ことり「そうかも♡でも、今さら皆知ってるから、大丈夫だよ♪」

穂乃果「そ、そういう問題じゃないよぉ~!」




海未「…………はやくストレッチをしましょう」

凛「了解!かよちんばいば~い」フリフリ


108:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/29(月) 21:42:34.98 ID:fbvhD3LZ.net
───────

穂乃果「練習疲れた~!」

海未「毎日言ってませんか、それ」

ことり「ことりもクタクタ~」

海未「ことりまで……はぁ、気を緩めすぎですよ、二人とも」

穂乃果「海未ちゃん厳しいよ~」

海未「むっ」ギロ

穂乃果「ひぃ!」ビク

ことり「あはは。あ、そうだ♪ そこでアイスクリーム食べたいな♡」

海未「え?どうしたんですか急に」

ことり「ううん、何と無く。もうすぐそういう季節じゃなくなるから、最後に3人で食べたいなって」

穂乃果「あ、穂乃果賛成!」

海未「なら私も…」

海未(また食べさせ合いっこをするんでしょうか…)

海未(気が向かないと、思いました)


109:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/29(月) 21:49:04.09 ID:fbvhD3LZ.net
───────

穂乃果「ことりちゃんのちょうだ~い」

ことり「いいよ。は~い」

穂乃果「あーん、ぱくっ」

穂乃果「美味しい~」プルプル

ことり「えへへ♡穂乃果ちゃんのも貰うね」パク

海未「………あ、穂乃果……、私もその、一口頂いて宜しいですか?」

穂乃果「いいよ~あーん」

海未「うぇっ……あ、あーん…?」パク

海未(冷たくて甘い味が口の中に広がる)

海未「………」

海未(酷く落ち込んでいるんですね、私は)

海未(友だちと一緒に遊ぶことに対して気が進まないなんて……最低、です)

海未「……っ」


111:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/29(月) 21:53:55.61 ID:fbvhD3LZ.net
海未「ことり、穂乃果。すみません」

穂乃果「え?」

海未「今日は先に、帰らせてもらいます」

ことり「海未ちゃん、体調悪いの?」

海未「いえ、ただ………」

海未「……ただ、少しだけ、私も疲れていたようです」

穂乃果「だったら穂乃果たちも一緒に」

海未「平気ですよ。一人で大丈夫です」

穂乃果「え、でも…」

海未「大丈夫です」

穂乃果「……海未、ちゃん?」

海未「すみません、では失礼します」

ことり「海未ちゃん……」


112:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/29(月) 22:01:11.25 ID:fbvhD3LZ.net
海未「はぁ………」

海未(また今日も、一人で帰ってしまいました)

海未(昔の私なら、あり得ないですね)

海未(…………)

海未「…………でも、仕方ないじゃないですかぁ…」

海未(私だって、戻れるなら戻りたい…)

海未(私も一緒にいさせてって、言いたいですよ)

海未「はぁ……」

海未(何度目のため息でしょうか…心が痛んで、締め付けられて、止まらない)

海未(今さら変えられないものから目を背けたいけど、ずっと一緒にいたいんです……つらくても、一緒にいたいんです…)

海未(これって、いけないことなんでしょうか…)


116:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/29(月) 22:08:10.99 ID:fbvhD3LZ.net
穂乃果「海未ちゃん!」

海未(はっとして……振り返った)

海未「ほの、か……」

海未(そこにいたのは、どこか懐かしい笑顔を浮かべて、駆け寄ってくる幼馴染みでした)

穂乃果「海未ちゃ……え? な、何で、海未ちゃん泣いてるの?」

海未「………?」

海未(言われて、気が付く)

海未「あ、あれ…? あはは…あれ、おかしいですね…」

海未(もう自覚もなく、配慮もなく、そしてみっともなく、私の目から涙が零れていました)

海未(ああ……どうして?なぜでしょう、こんなにも、悲しい……)

海未「……ぅ、ぐすっ…」

海未(穂乃果にこんなところ、見せたくないのに…)


117:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/29(月) 22:19:23.29 ID:fbvhD3LZ.net
穂乃果「海未ちゃん!」

海未(……、…)

穂乃果「海未ちゃん!」

海未(一瞬だけ視界がブレたかと思うと、穂乃果の胸に包まれた)

穂乃果「海未ちゃん、つらいことがあったら穂乃果に言ってよ!」

海未「穂乃果…」

穂乃果「何でも…ひっぐ…ほ、穂乃果じゃ、頼りないかもしれないげどぉ……な、何でも、聞くからぁ…!」

海未「……っ」

海未(穂乃果の、大粒の涙が頭に落ちる)

海未(ぽつり、ぽつり……それは穂乃果の心の欠片が溶けた、雫のよう…穂乃果の気持ちがじかに伝わってきました)

海未「うぅ……ん、あ……」

海未(ああ……穂乃果、違うんです……きっと私が悪いから……上手くいかないのは私が悪いからなんです…)

海未「う……う…うぇぇん……うぇぇん……」

海未(不器用に、不恰好に、穂乃果の胸の中で、子どものように、私は泣いた)


121:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/29(月) 22:30:22.92 ID:fbvhD3LZ.net
海未(それから、ほんの数分だけ……私と穂乃果は泣いた)

穂乃果「………」

海未「………」

海未(泣き終わって、真っ先に冷静になったのは私のほう)

海未(恥ずかしくて、穂乃果の顔を見られません…)

穂乃果「海未ちゃん…あのね」

海未「っ!」ビクッ

穂乃果「最近、海未ちゃんの様子がおかしいなって……穂乃果、思ってたの」

海未「………そう、ですか」

穂乃果「海未ちゃんは穂乃果のこと頼りないって思うかもしれないけど、でもね」

穂乃果「穂乃果は海未ちゃんとことりちゃんのこと、一番大切に思ってるよ」

穂乃果「世界で一番、好きな人たち」

穂乃果「だから、悩みがあるなら、言って欲しい」

穂乃果「海未ちゃん、ねぇ……穂乃果は本当に本当に、海未ちゃんの泣くところなんて見たくないから」

穂乃果「笑っててほしいから」


123:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/29(月) 22:37:08.06 ID:fbvhD3LZ.net
海未(穂乃果はそう言って、私の頭を撫でた)

海未(いつもと反対ですね…)

海未「穂乃果……ありがとうございます」

穂乃果「ううん、いいの」

海未「穂乃果に一つ、聞いても良いですか?」

穂乃果「うん」

海未「………」

海未(小さく息を吸って、言葉を紡ぐ)

海未「穂乃果はなぜ、ことりと恋人になろうと思ったのですか?」

海未(ずっと聞きたくて、聞けなかったこと……勇気を出して、頑張った)

穂乃果「そ、それは………」


127:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/29(月) 22:59:20.83 ID:fbvhD3LZ.net
穂乃果「ことりちゃんのことが好きだから…」

海未(少しだけ口ごもりながら、穂乃果そう答えた)

海未「そうですか……」


ことり『穂乃果ちゃんのことが好き』


海未(ついこの間、私にそう言ったことりの顔と、重なる)

海未「それだけ聞けたら、私は十分です」ニコ

海未(精一杯の笑顔は、上手くできましたか?)

海未「心配をおかけしました」

穂乃果「あ、頭なんて下げなくていいよぉ…」

海未「では、帰りましょうか」

穂乃果「うん…♪」


128:名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2014/09/29(月) 23:01:08.49 ID:zAmmugYi.net
海未ちゃん・・・


130:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/29(月) 23:08:33.96 ID:fbvhD3LZ.net
海未(それから私と穂乃果は、あまり喋ることもなく、並んで帰った)

海未「穂乃果はここまでですね」

穂乃果「うん、じゃあね」

海未「…………って何してるんですか」

穂乃果「え?いや海未ちゃんを見送ろうと…」

海未「いいですから、早く家に入って下さい」

穂乃果「やだやだ、今日は見送るもん」

海未「もう、何なんですか……はぁ、分かりました」

穂乃果「♪」

海未「ではさようなら」クル

穂乃果「あ、海未ちゃんさ……」

海未「?」

穂乃果「最近スカートが少しだけ、短くなったよね…」

海未「……………ええ、まぁ」

穂乃果「……何でなの?」

海未「ちょっとした、気の変化というやつです」

穂乃果「そっか」

海未「ええ、では。また明日」


134:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/29(月) 23:33:27.47 ID:fbvhD3LZ.net
~翌日~

海未「穂乃果のことは、友だちとして、好きです」

海未(いつものようにそう言って……と考えたところで笑そうになる)

海未(まるで日課みたいに、言うのですから……何を考えてるのでしょうね、私は)

海未(制服を着て、朝食を食べて、家を出る)

海未「わっ」

海未(風が吹いて、スカートが舞う)

海未(慌てて押さえるのも、もう慣れました)

海未(前より、一巻き、二巻き…本当に少しだけ短くしました)

海未(おかげで風に煽られるし、転ぶと下着も見えてしまう…)

海未(オシャレというのも、大変なのだと思う、今日この頃でした)



~学校~

海未「おはようございます」

ことり「おはよう、海未ちゃん♪」

海未(ことりの機嫌が良いようです。どうしたのでしょうか?)


162: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/30(火) 21:33:34.02 ID:caA8Eizj.net
ことり「海未ちゃん、ねえ。聞いてくれる?」

海未(ぐいぐいと、袖を引っ張られて私は教室に入る)

海未「…ほ、穂乃果は?」

ことり「んー?穂乃果ちゃんはまだ来てないよぉ~」

海未「あ、そんなに引っ張らないで下さい…!」

ことり「えへへ♡」

海未(なんて、聞いているのかどうか…。果たして連れて行かれたのは、ことりの机の前でした)

ことり「昨日ね、す~っごく可愛い服のアイデアが浮かんだの♪ 絵に描いてきたから、はい!はやく見て♪」

海未「服、ですか…」

海未(いまだ困惑気味の私をよそに、ことりはにこにこ、嬉しそうに手元の紙束を捲るのです)

ことり「これとかね、海未ちゃんに似合うかな~って」

海未「か、可愛いですね……」

海未(ふわふわと、本当に可愛らしい衣装でした)


165: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/30(火) 21:43:00.79 ID:caA8Eizj.net
海未「に、似合いますかね…」

ことり「ぜーったい似合うよ!ことりが保証します!」

海未「あ、あはは…」

ことり「あ~ん♡はやく作りたいなぁ♪」

ことり「あ、でもそろそろ次の歌も作らなきゃだし、それに合わせた服も作らなきゃいけないんだよね~悩む~!」

海未「……………」

海未(それはもう、本当に嬉しそうに思案することりを見ていると……その純粋さに、眩しささえ感じます)

海未(悩みさえ楽しむことが出来る器……私にはありません)

ことり「真姫ちゃんにどんな曲作ってるか聞こうかなぁ………うん、そうしよう」

海未「あ、何か言いました?」

ことり「え?ううん、独り言っ」


166: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/30(火) 21:54:03.88 ID:caA8Eizj.net
ことり「………あ、それなら海未ちゃんにも聞こうかな」

海未「どうしました?」

ことり「うん、海未ちゃんって、新しい歌の歌詞とか考えてるかなって。ことりが作る衣装の参考にしたくて」

海未「あ、ああ……歌詞ですか」

海未(ドキッと心が高鳴る)

ことり「?」

海未「歌詞はその……良いものが浮かばなくて、最近はあまり…」

ことり「う~ん、そっかぁ……」

海未(思えば先週の事から、私は一度も作詞のことを考えてはいませんでした)

ことり「歌詞や曲のイメージと衣装が合えば良いなぁって思ったんだけど……」

海未「すみません」

ことり「あ、ううん。こっちこそ無理言ってごめんね」

海未(私を気遣ったのか、逆に謝られました……)

海未(自分がどんどん小さくなっていくような……情けない気分です)


167: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/30(火) 22:01:56.64 ID:caA8Eizj.net
海未(ことりと真姫は……μ'sの衣装係と作曲係)

海未(どちらが欠けてもアイドルとして成り立たなくなる……大黒柱)

海未(私とは違う……作詞はことりもしたことがありますし、ソロ曲などは各自でしっかりと考えています……)

海未(そういう意味では、2人とは決定的に違う…)

海未(私は酷く、小さい……何もない……)

海未(必要とされたいなんて思わないけど……それでも、私がいる意味って何ですか?)

海未(私は…)

海未「…………………はぁ」

海未(朝から、こんなに落ち込むなんて……いよいよ大変です)

穂乃果「みんなーおっはよー♪」ガラガラー

ことり「あ、穂乃果ちゃ~ん!」


168: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/30(火) 22:10:27.75 ID:caA8Eizj.net
~昼休み~


穂乃果「って聞いてる海未ちゃん!?」

海未「…………はっ!え?なな、何でしょうか!」

穂乃果「も~やっぱり聞いてないや!」

海未「す、すみません…少しぼーっとしてて……」

穂乃果「ちゃんと聞いてよぉ~海未ちゃんの話してるのに」

海未「は、はぁ……それで、どうしました?」

穂乃果「いや、このことりちゃんが考えた衣装、海未ちゃんのだけすっごく気合い入ってるなぁ~ってだけなんだけどさ」

海未「えぇ?」

ことり「海未ちゃんのこと考えてたらすっごくインスピレーションが湧いてきちゃって……♡」

穂乃果「あ、ことりちゃん認めた!ずるいやずるいや!」

ことり「てへへ♪」

海未「…………」


171: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/30(火) 22:17:28.50 ID:caA8Eizj.net
ことり「海未ちゃん?」ズイッ

海未「うわわ、なな何ですかことり」カアア

ことり「……………海未ちゃん、最近ぼーっとしてること多い」

海未「え、そうですか、ね……」

ことり「うん、今もぼーっとしちゃってた…」ジー

海未「そんなことは、ない……か、と…」モジモジ

海未(思わず目を逸らします)

海未(昔から、人にじっと見つめられると照れてしまうのは何故なんでしょう………?)

穂乃果「ごちそうさま~♪」

海未「…………ほ、穂乃果、良く噛んで食べましたか?」

穂乃果「食べたよ、もぐもぐしたもん」

ことり「あ、穂乃果ちゃん早~い!ことりも早く食べなきゃ!」

海未「…………」

海未(ふ、ふー………何とかことりの気が逸れたようです)


173: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/30(火) 22:26:49.70 ID:caA8Eizj.net
~放課後~

海未「ワンツー!スリーフォー!」

海未(思えばテンポキープの役割もありましたね)

海未「ファイブシックス!ゼブンエイッ!」

海未(…………)

海未「ことり!遅れていますよ!」

海未(冷静に考えてみれば、やはり今の状況は良くないと思うんです)

海未「凛!視線を合わせて下さい!」

海未(一人だけこんな気分では、皆に迷惑がかかってしまう……意味なんてなくても、私はみんなと一緒にいたい)

海未「穂乃果!大きく動いて!」

海未(だから、この気持ちにも…………)

海未「はい、ストップ!一旦休憩にしましょう!」

海未(正直になろうと思います)


175: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/30(火) 22:35:58.83 ID:caA8Eizj.net
────────────


穂乃果「みんなまた明日~」

海未「それでは、帰りましょうか」

穂乃果「うん!ことりちゃ~ん」

ことり「あ、ごめんね。私、今日は用事があって…」

穂乃果「えっそうなんだ……どうしたの?」

ことり「ううん、大した用事じゃないんだけど、ちょっと……」

穂乃果「………ふーん、そっか、分かった!じゃあまた明日!」

ことり「うん、ごめんね……海未ちゃんも、ばいばい」

海未「ええ、また」

穂乃果「海未ちゃーん、行くよ~!」ブンブン

海未「あ、もうあんなところに…待って下さい穂乃果!」タッタッ

ことり「……………」


176: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/30(火) 22:47:09.03 ID:caA8Eizj.net
───────


穂乃果「ことりちゃん、どうしたのかなぁ…」

海未「…………」

穂乃果「う~ん、気になるなぁ…何だか秘密事みたいな感じだったよね」

海未「…………」

穂乃果「ことりちゃんって、あんまり穂乃果たちに内緒で何かするって無いんだけどなぁ……」

海未「…………先ほどから、穂乃果はことりのことばかりですね」

穂乃果「………………え!そ、そんなにしてたかな?」カアア

海未(目が泳いで、頬が染まる。口は少し緩んでいた)

海未「ふふ、ずーっと、していましたよ」

海未(あ、だめ……また泣きそう……)

海未「ふふっ……、…っ!」

海未(私は穂乃果と同じように笑って堪える……笑えば、泣くことはないから)


181: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/30(火) 22:59:02.08 ID:caA8Eizj.net
海未「……ねぇ、穂乃果」

穂乃果「ん? どうしたの、海未ちゃん」

海未(穂乃果は昔からずっと変わらない)

穂乃果「?」

海未(無邪気で、健気で……)

穂乃果「海未ちゃん?」

海未「穂乃果……少し、聞いてくれますか」

穂乃果「…………?」

海未「ことりのことで言いたいことがあるんです」

穂乃果「ことりちゃんの…?」

海未「はい、先週の話なんですけれど」


182: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/09/30(火) 23:04:42.15 ID:caA8Eizj.net
海未「先週のこと、分かりますか」

穂乃果「え…っと、先週…?」

海未「ことりと穂乃果が付き合ったことです」

穂乃果「あ…うん……わ、分かるよ」モジモジ

海未「実はあの日、私もあの教室の前にいたんです」

穂乃果「え…?」

海未「2人が結ばれるところを、見ていたということです」

穂乃果「えええええ!?」カアア

穂乃果「どどど、どこから!?」

海未「それは………全部です」

穂乃果「えーっ!?」


192: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/01(水) 05:17:59.42 ID:QoKMeYrX.net
穂乃果「ほ、ほんと!?」ドキドキ

海未「すみません…まずはそれを謝りたくて……」

穂乃果「え、えっー……う、うん…それはいいけど…いやよくないけど!か、顔上げてよ……」

海未「…………」

穂乃果「あ、あはは……そっかー……海未ちゃん見てたんだ……」

海未「はい……」

海未「実はその、あの日2人があの教室にいることを知っていたので」

穂乃果「そうなんだ……な、何で?」

海未「……………あの日、ことりに相談されました」

海未「『穂乃果に今日、想いを伝えたい』と」

穂乃果「!」

海未「それは彼女なりに必死に悩んで…………辿り着いた答えのように、感じました」

穂乃果「うん……」ドキドキ


199:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/01(水) 21:27:48.22 ID:QoKMeYrX.net
海未「ことりは言ったんです」

海未「もう我慢できない、苦しい。切なくて、胸が裂けてしまいそうだと」

穂乃果「ことりちゃんが…」

海未「幼馴染である私には先に言っておきたかったと言われました。ごめんね、気持ち悪いよね、と。彼女は自虐的に笑うんです」

海未「そんな風に……そんな顔で、追い詰められたような彼女を見て……どうして責めることができるでしょう。どうして、背中を押さずにいられますか……?」

穂乃果「海未、ちゃん…?」

海未「突然そんなことを言われて、戸惑うのは当たり前でしょう? でも、あの時の私はああ言うしか無かった。まるで懺悔するように言葉を零すことりを、私は許すしか無かった……」

穂乃果「どういうこと…? 海未ちゃん、懺悔って、許すって……」

海未「ことりは、私に対して後ろめたさを感じていたようでした」


202: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/01(水) 21:35:51.46 ID:QoKMeYrX.net
海未「確信を持っていたわけでは無いみたいでしたが、抜けがけしたという思いがあったようです」

穂乃果「待ってよ海未ちゃん……穂乃果、海未ちゃんが何言ってるか分かんない…」

海未「きっとすぐに分かります」

海未(私は、穂乃果の手を両手で包む)

海未「ねぇ、穂乃果? 私とことりが変わっていっても……私は、あなたには変わって欲しくないと思っているんです」

穂乃果「海未ちゃん……」

海未「穂乃果」

穂乃果「………なぁに、海未ちゃん?」

海未「あなたは、昨日いってくれましたよね。私とことりが……世界で一番、大切だと」

穂乃果「うん、言った…」

海未「私もそうです」

海未「穂乃果とことりが、世界で一番……大切です」

穂乃果「………ホント?」

海未「ええ、本当なんです」ニコッ


203: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/01(水) 21:40:41.85 ID:QoKMeYrX.net
穂乃果「海未ちゃんは……穂乃果のこと…」

海未「あっ」

穂乃果「え?」

海未「早いですね。いつの間にか、家の前ですよ、穂乃果」

穂乃果「……ほんとだ」

海未「では、ここまでです」

穂乃果「…………」

海未「どうしました?」

穂乃果「今日も、海未ちゃんのこと見送る」

海未「いいえ、順番ですよ。今日は私がお見送りさせていただきます」

穂乃果「じゅ、順番なんて無いよぉ…」

海未「穂乃果が家の中に入るまで、動きませんよ」

穂乃果「むむむ……!」


204: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/01(水) 21:53:22.59 ID:QoKMeYrX.net
海未「今日だけは譲れません」

穂乃果「む~……」

海未「…………」ジー

穂乃果「うぅ………」モジモジ

海未「…………」ジー

穂乃果「うわーん!海未ちゃんのいけず~!」ジタバタ

海未「ふふ♪ 私の勝ちです♡」

穂乃果「…………ぷっ♪ ふふっ……もう、しょうがないなぁ、海未ちゃんは」

穂乃果「じゃあ今日はいいや。また明日っ」

海未「ええ、また明日」

穂乃果「あ、それと海未ちゃん」

海未「?」

穂乃果「やっぱりスカート丈は、前の方が良いと思うな」

海未「…………ああ、似合ってませんか?」

穂乃果「うーん………太ももがチラチラ見える海未ちゃんも可愛いけど、前の方が海未ちゃんらしくて穂乃果は好き!じゃーね!」タッ

海未「はい、さようなら」

海未「……………………」

海未(大きな声で、ただいま!と言う穂乃果の声を聞いてから、私は来た道を戻りました)


205: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/01(水) 22:02:27.31 ID:QoKMeYrX.net
───────


~あの日の教室~

ガラガラ

海未(教室の扉を開けると、ことりがいました)

ことり「海未ちゃん、来てくれたんだね」

海未(日が暮れて、教室にはオレンジ色の光が斜めに差しています)

海未(逆光で目を細める。ことりの顔を見ると、心なし表情が暗く思えました)

海未「ええ、改まって話があると言ったのはことりではないですか」

ことり「うん、そうだね…」

海未(えへへ。そう笑って、近くの席……(穂乃果の席ですね)に座ります)

ことり「うん、そうなんだ……海未ちゃんに、言いたいことがあるの」

海未「…………?」

海未(ことりの様子が少し、おかしいです)


206: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/01(水) 22:08:19.10 ID:QoKMeYrX.net
海未「ど、どうしました…?」

ことり「………」

海未(ことりが乾いたように微笑む)

海未(少し寂しそう、という感じでしょうか……それとも、何かを諦めたような、そんな表情)

ことり「きっと驚くと思う」

海未「え?」

ことり「きっと海未ちゃんは驚くと思う」

海未「ことり?あの…」

ことり「聞いてくれる…?」

海未「……」

海未(ことりは立ち上がり、スッと後ろに一歩下がりました)

ことり「…………私の想い」


208: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/01(水) 22:15:03.13 ID:QoKMeYrX.net
海未「…………」

海未(ただ事ではないのだろう、とその時初めて気付きました)

海未「分かりました」

海未(背筋を伸ばして、気を張っていく。どんな言葉でも受け入れる準備を整えます)

ことり「私ね、あのね……」

海未「………ええ」

ことり「その、海未ちゃんにだけは先に言っておかなきゃって思ってたの」

海未「そう、ですか……」

ことり「私には、好きな人がいます」

海未「え……?」

海未(ことりの顔が夕日に照らされて、赤く染まっていく)

ことり「ことりは……私は、穂乃果ちゃんのことが好きなんです……」

海未「……、…え?」

海未(聞き間違い、でしょうか…?)


210: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/01(水) 22:30:09.95 ID:QoKMeYrX.net
海未「ことり…?」

ことり「びっくり、するよね…」

海未「…っ」

海未(ことりの瞳が、私を撃ち抜く)

海未(強く染まる頬に、潤んだ瞳。私の喉は震えながら、言葉も上手く紡げない)

海未「あ……え…と……」

海未「ほ…ほん…とう、です……か?」

ことり「……うん」

海未(頭をガツンと強く打たれたような目眩が私を襲う)

海未「うぇっ…げほっ…!げほっ…!」

海未(次に吐き気が私を襲う。血の気が失せたみたいに、身体が震えた)

ことり「え、海未ちゃん、大丈夫!?」

海未(ことりが駆け寄って来て、私の肩に触れる)

海未「こ、ことり…あなたは……」

海未(今しがたの言葉を反芻する)

ことり『私は、穂乃果ちゃんのことが好き』

海未(──────うそ、ですよね……?)


214: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/01(水) 22:45:42.18 ID:QoKMeYrX.net
海未「うそ、ですよね……?」

海未(無意識に口から出ていた……ことりがハッとする)

ことり「うそじゃ、ないよ…」

ことり「私は穂乃果ちゃんのことが好きなの」

海未「でも────」

ことり「ずっと、穂乃果ちゃんに恋をしていたの」

海未「あ………」

海未(ことりの声も震えていた……いつの間にか、潤んだ瞳に涙が溜まって、今にも零れそう)

海未「そう、ですか…」

海未(ありったけの勇気を込めたんでしょう、私だからこそ話してくれたんでしょう)

海未(それはとてつもなく嬉しい、しかし同時に、私はまるで、裏切られたようで……)

海未「うぅ……くぅ…ぐすっ…!」

海未(私まで、泣いてしまいました)


215: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/01(水) 23:02:24.53 ID:QoKMeYrX.net
海未「はぁ…!はぁ…!あぐ、うぅ…!」

海未(必死に堪えようとする口の隙間から、漏れ出る嗚咽)

海未(いけない……いけない……泣いては、いけないのに…)

海未(ここで泣いて、ことりは何と思いますか? 海未、あなたの身勝手な想いが苦しめるのは誰ですか…?)

海未「ぐずっ…!うぇ…っ…!」

海未(ほら、ことりも泣いてしまったではないですか……海未、あなたは本当に救いようがない…)

ことり「ひっぐ…!ん……!」

海未(ああ────ああ、泣かないで下さい、ことり。どうか、お願いします……あなたが泣いたら、私はもっと悲しい……)

ことり「ごめんね…ごめんねぇ…!」

海未(何を、謝っているんですか…? あなたが謝るようなことは何も…)

ことり「やっぱり、気持ち悪いよね…ん、ぐずっ…ひっ、ひっぐ…ぎ、気持ち悪いよね……こんなの……!」

海未(ポツリと落ちる涙が、教室の床に落ちて、弾ける)

海未「や、やめてください……! そんなことを言わないで下さい…! うぅぅ……気持ち悪いなんて……ぞんなわけ……そんなわけ、ないじゃないですかぁぁ……!」

海未(私は駆け寄って、ことりを抱きしめた)

海未(────落ちた雫が、一つに重なりました)


216: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/01(水) 23:17:52.45 ID:QoKMeYrX.net
ことり「でも、私…私…もう堪えられないの…!」

ことり「胸が苦しくて、ぎゅーって締め付けて、毎日、泣いちゃうの…ひっぐ…、苦しいの…!」

海未「ごめんなさい、ごめんなさい……気付いてあげられなくて、ごめんなさい…!」

海未(二つの懺悔が、一つの涙に溶けていく)

海未(きっと、ことりは純粋すぎるのです)

海未「ごめんなさい……うぇぇん…!」

海未(大好きな親友の心に寄り添えないことが何より恥ずかしくて、私は泣いた)

ことり「海未ちゃんも…うぅ…ぐすっ、穂乃果ちゃんのこと……! 想ってるんだって見てて分かったの……! 」

ことり「でもぉ…!つらくて、胸が痛いの…!想いを伝えたいの…!」

海未「────っ!」

海未(私はことりを抱きしめた)

海未(ああ……こんな……こんな、温かい想いを止めることなんて、誰にできますか…?)

海未「グスン……あなたはほんとうに…優しいんですから……」

海未(私のためを思い、想いをひた隠してきた彼女のために、今度は私が、引く番です)


217: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/01(水) 23:29:30.64 ID:QoKMeYrX.net
海未「…………」

ことり「………」

海未「………」

ことり「………」

海未(あれから十数分が経ちました)

海未(抱き合った私たちは、そのままの状態で、床に座り込んでいます)

ことり「………」

海未(私の胸の中で、ことりがもぞもぞと動く)

海未「ことり」

ことり「…………はい」

海未「応援しますよ、穂乃果との恋を」

ことり「……………………うん、ありがと」ポフッ

海未(ことりは小さな声でそう言って、また私の胸に顔を埋める、甘えん坊になっています)

海未(ずっと一人で抱えてきたものを分かち合えたのですから、仕方の無いことかもしれません)

海未「落ち着くまで、こうしてて下さいね」

ことり「ん……うん…」

海未(頭を撫でると、ことりはくすぐったそうに、目を細めました)


219: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/01(水) 23:34:34.90 ID:QoKMeYrX.net
ことり「海未ちゃん……………あのね」

海未「はい、何ですか……?」

ことり「…………………………~~!」

海未(悶えるように、さらに顔を埋めることり。もう顔が見えません)

ことり「………海未ちゃん」

海未「はい。何ですか、ことり」

ことり「き………きょ……き…」

海未「き?」

ことり「………………………き」

海未「聞こえませんよ」

ことり「今日………告白、したい……」

海未「……………………そう、ですか」

ことり「………また逃げ出さないうちに、言いたい」

海未「良い心掛けです」ニコッ


222: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/01(水) 23:47:56.87 ID:QoKMeYrX.net
海未「ことりがそう決意したなら、きっと今日が告白日和、なのでしょう」

ことり「………………」

海未(耳まで、赤い……)

海未「ほら、それでしたら、いつまでも甘えてちゃダメですよ!起きて下さい!」

ことり「やだぁ!もう少しだからぁ!」

海未(ほ、本当に子どもみたいです……)

海未「これから、穂乃果の家に行きますか?」

ことり「…………」ブンブン

海未「行かないのですか……では、私を呼び出したときのように、ここに穂乃果を呼びますか」

ことり「………」コクッ

海未「では、早くして下さい。穂乃果が寝てしまいますよ」

ことり「…………うん」


225:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/01(水) 23:58:55.68 ID:QoKMeYrX.net
ことり「……………海未ちゃん、ごめんなさい」

海未「……何がですか?」

ことり「穂乃果ちゃんのこと、海未ちゃんも好きなのに……」

海未(………………………………)

海未「────────私は……」

海未(これを言ってしまうと、もう後戻りは出来ません……)

海未(でも…………)

海未(今だけは、泣き虫を我慢して)

海未「私は、穂乃果のこと好きですよ」

ことり「…………」

海未「親友として、ですけれど」

ことり「海未、ちゃん……!」

海未「…………ほら、はやく電話を掛けましょう」

海未(せめて、精一杯の強がりで。あなたの背中を押させて下さい)


267: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/03(金) 23:24:32.32 ID:XG5ktnSG.net
───────


ことり「うん…待ってる…ばいばい」ピッ

海未「……」

ことり「…………はぁ、緊張したぁぁ」ドキドキ

海未(それからことりは穂乃果に電話をしました)

ことり「も、もうすぐ来てくれるんだって」

海未「そうですか」

海未(顔を赤くしたことりが、私の横(穂乃果の席ですね)に座る)

ことり「海未ちゃん、私頑張る」

海未「ええ。応援した甲斐があったと、思わせて下さいね」

ことり「……………海未ちゃんは穂乃果ちゃんのこと…」

海未「もう、またそれですか?」


269: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/03(金) 23:30:17.79 ID:XG5ktnSG.net
ことり「だって…ずっと海未ちゃんは穂乃果ちゃんのこと好きだと思ってたから…」

海未「もうその話は無しです」

ことり「……でも」

海未「私にだって、好きな人はいますよ」

ことり「え?」

海未「ただ、穂乃果ではないというだけです」

ことり「え、え…? えぇ~~~!?」

海未「だからあなたが遠慮することなんて無いんです」

ことり「え、え!?ちょっと海未ちゃんそれって!」

海未「ふふ、驚きましたか?」

ことり「あ、あわわわ…!」

海未「ですから、ことりは何も気にしなくていいんです」ニコッ


271: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/03(金) 23:35:27.07 ID:XG5ktnSG.net
海未(心が痛い)

海未「え?それは言えません。秘密です」

海未(胸が痛い)

海未「秘密です!ことりの知らない人です!」

海未(嘘をつく)

海未「もう、今は私のことはどうでもいいでしょう?」

海未(……それでも、私は)

海未「自分のことだけ、考えて下さい」

海未(大好きな人が、一番幸せになれる道を選びます)

海未「………」

海未(私じゃとても、幸せにできそうにありませんから)


272: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/03(金) 23:40:42.17 ID:XG5ktnSG.net
ことり「そ、そうだね…自分のことだけ…」

海未「落ち着くときは深呼吸ですよ、ほら。さん、はい」

ことり「す─────」

ことり「は─────」

海未「………」

ことり「………」

海未「落ち着きましたか?」

ことり「うん、ありがとう。海未ちゃん♪」

海未「これなら、上手くいきそうですね」

ことり「う…それは、どう、だろ…」

海未「いっそのことキスでもすれば良いのでは?」

ことり「も、もう!からかわないでぇ~!」カアア

海未「あはは♪ すみません…」


274: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/03(金) 23:48:35.19 ID:XG5ktnSG.net
海未「でも本当に上手くいったら、ちゃんとμ'sのみんなに言って、祝福されましょうね」

ことり「そ、そうだね…みんなには、言わなきゃだね」

海未「その時は、思う存分イチャイチャしたところを見せて下さい」

ことり「うぅ……恥ずかしい」

海未「む、これは意外と大切なことですよ。2人ともきっと奥手なんですから、常日頃からそういうスキンシップを取らなければ…」

ことり「わ、分かったからもう言わないでぇ!恥ずかしいぃ~!」

海未「約束ですからね♪」

海未(なんだか、どんどん泥沼にハマってしまってる気がします)


277: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/03(金) 23:53:20.66 ID:XG5ktnSG.net
海未「さて、ではそろそろ穂乃果も来ると思いますし」

ことり「え、海未ちゃん? どこ行くの?」

海未「どこって、帰るんですよ。ことりの告白なのですから、私がいたらおかしいでしょう」

ことり「えぇー………まぁ、そうだけど…」

海未「………心細い、ですか?」

ことり「心細いよぉ……!」

海未「ああ、もう。泣くのは早いですよ」ヨシヨシ

海未「今はこれで、我慢してください」ナデナデ

ことり「ん……」


278: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/04(土) 00:01:35.72 ID:TKcp17qj.net
海未「では…そろそろ」

ことり「……うん」

海未(名残惜しそうにすることりを残し、私は教室を出た)

海未「………………………」

海未(結局、やっぱり気になってしまい。そのあとことりに内緒で2人の告白を覗いてしまった私でした)

海未(ああ……それにしても)

海未(顔を真っ赤にしたことりと穂乃果の可愛い顔を眺めていたとき、2人の間に長~い沈黙があり……)

海未(パニックになったのでしょうか、ことりがまさか本当にキスをするなんて……)


279: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/04(土) 00:06:40.35 ID:XG5ktnSG.net
───────


~校門前~


海未(そんな、つい先週のことを思い出しているうちに、私は穂乃果を見送ったのち、来た道を戻り学校に到着しました)

海未「………おや?」

凛「~♪」

海未(前から凛が歩いてきました)

海未「こんにちは、凛」

凛「………ん?あ、海未ちゃん」

海未「まだ学校にいたんですか」

凛「学校に筆箱忘れちゃって、取りにきたんだ~」

海未「あぁ、そうなんですか」

凛「うん」

海未「………」

凛「………」

凛「じゃ、凛もう行くね」

海未「あ……」

海未(私はなぜか、とっさに凛の手を掴みました)


281: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/04(土) 00:09:05.77 ID:TKcp17qj.net
凛「どうしたの、海未ちゃん?」

海未「あ、う…えっと…」

凛「悪いんだけど凛ね、これから嫌~な宿題しなくちゃだから、遊べないにゃ~」

海未(こちらに向き直した凛の手を、慌てて離す)

海未「えー……その…」

凛「あれ?海未ちゃん、何か浮かない顔してるにゃ」

海未「!」

海未(凛に指摘されて、自分の頬を触る)

海未「………あはは、確かに少し、表情が硬いですね」

海未(もしかして、緊張しているのでしょうか)


283: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/04(土) 00:12:37.69 ID:TKcp17qj.net
凛「このあと何かあるの?」

海未「ええ、大事な用事が」

凛「へー」

海未「ねえ、凛」

海未「良ければ私のこと、元気付けてはくれませんか」

凛「どういうこと?」

海未「どうやら私は今元気がないようなんです。だから、凛からほんのちょっとでも、元気を分けて貰えたらと」

凛「海未ちゃん、元気ないの?」

海未「ええ…少しだけ」


284: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/04(土) 00:15:35.09 ID:TKcp17qj.net
凛「そうなんだ……うん!もちろん良いにゃー♪」

海未「わっ!」

海未(言うが早いか、凛に抱きつかれました)

海未「り、凛!?」

凛「えへへ、海未ちゃん温かいにゃー♪」

海未「あ、あああの…!」

海未(元気付けるような言葉を…という意味だったのですが…なんて言う暇もありません…)

凛「ぎゅー!海未ちゃん元気になれー!」

海未「あはは……もう、あなたという人は」

海未(でも、ちゃんと元気を貰いました)


286: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/04(土) 00:28:48.51 ID:TKcp17qj.net
~教室~


ガラガラー

海未(凛とは校門前で別れ、私は目的の教室に辿り着いた)

海未「遅れてすみません、ことり」

ことり「あ、海未ちゃん。ううん、大丈夫だよ」

海未(あの日と同じような夕暮れの中、彼女は窓際に立っていました)

ことり「穂乃果ちゃんは?」

海未「………ちゃんと家まで送ってきました」

ことり「そっか…」

海未「……………」

ことり「……………あの」


292: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 00:12:55.61 ID:okH3/IVV.net
ことり「それで、話って…」

海未「ことりに言いたいことができたんです」

ことり「う、うん…」

海未「ずっと言えなかったこと……ずっと胸の中に秘めておこうと思っていたことがあります」

ことり「うん………」

海未(あの日、2人のためにこの身を引こうと決心しました……)

ことり「………」

海未「でも、私はそこまで大人じゃありませんでした」

海未「大人であろうとしても、強がっても、まだまだ未熟な子どもです…」

海未「い、今だって…!」グスッ

ことり「海未、ちゃん…?」

海未「ぐすん………もう、自分に素直に、なろうと決めました……」

海未「ことり……」

海未「あなたのことが、好きなんです」


294: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 00:19:59.32 ID:okH3/IVV.net
ことり「え……?」

海未(ことりが戸惑ったように、固まる)

海未「えへへ……き、急に言われても驚きますよね……、わ……私だって…本当は我慢できたら、どんなに良かったって……」

ことり「そんな……」ジワァ

海未「……っ! うぅ…!」ポロ…ポロ…

海未「こ、ことり…わ、私、最近スカートを少し短くしてみたんですよ…?」

海未(涙が、溢れてくる)

海未「これでっ…ことりの作る短いスカートの衣装だって…!着れるんです…!」ポタ…ポタ…

ことり「ふぁ…!うぅ…!」グスッ

海未「そしたら…!あ…あなたは!喜んで、くれますか…?」

海未(また、泣いてしまいました)


297: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 00:28:02.40 ID:okH3/IVV.net
海未「きっと上手に着てみます…!恥ずかしがらずに…そうしたら…私のこと、許してくれますか…?」

ことり「海未ぢゃあん…!」ポロポロ…

海未「私はあの時…!穂乃果のこと、親友だって言ったとき…」

海未「もしここで、穂乃果のことを好きだと言ったら……こ、ことりは……告白をやめるかもしれないって…グズっ…考えたんです…」

ことり「海未、ちゃん…!」

海未「最低ですよね…2人は私の親友なのに……そのどちらにも、裏切るようなことを、私は……!」

ことり「うわあぁん!うわあああん!」

海未(ことりはついにその場に座り込んでしまいました)

海未「こ、ことり…?」


301: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 00:33:52.48 ID:okH3/IVV.net
海未「なんであなたが…泣くんですかぁ…!」

ことり「だっで私…!だってぇぇ!」

海未「あ…あ…何で…ことり…あなたは何も悪くないのに…!」

ことり「私何も知らなくって…!うぐっ…!ひっ、海未ちゃんのこと傷付けたからぁ…!」

海未「そんな…、あなたがそんなこと、気にする必要なんて…グスッ…な、無いじゃないですかぁ…!」

ことり「うぇぇぇん…!海未ぢゃぁぁん!」

海未「うぅぅ…! 優しすぎますよ…ことり…!」


302: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 00:39:26.62 ID:okH3/IVV.net
───────


海未(それから…)

海未(ことりはずっとずっと、謝り続けました)

海未(ことりが謝ることなんて一つもないのに、私が悪いのに……)

海未(2人きりの教室…しかし、あの日とは決定的に違う涙が、流れては落ちる)

海未(今のことりを抱きしめる資格が、私にはありません)

海未(ただ、己の未熟さに歯噛みし、その空っぽの拳を、握り締めるだけでした)

海未(………………………)

海未(やがて泣き疲れたのか、目の周りを赤くしたことりがポツリと言いました)

海未(実は今日……ことりも私に話があったんだ、と)


303: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 00:47:04.01 ID:okH3/IVV.net
───────


海未「ことりが私に話……ですか」

ことり「………うん」

海未(暫くして、ことりは落ち着きを取り戻しました)

海未(私はと言えば、ことりの涙に面食らってしまい、ことりよりずっと冷静になっています)

ことり「今日は海未ちゃんに相談があって……」

海未「はぁ……」

海未(想いを打ち明けるとは、案外こういうものなのかもしれません)

ことり「でも……こんなこと、言っていいのかなぁ…」ジワァ

海未「あ、泣かないで下さいことり!私は大丈夫ですから、ね?」

海未(胸につっかえていた物がとれたかのように、すっきりしているんです)

ことり「うぅ、海未ちゃぁん……」


305: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 00:53:30.19 ID:okH3/IVV.net
海未(ことりは壇上で、体育座りで丸まっています)

海未(ぎゅっ、と膝を抱きしめました)

ことり「あのね…その…穂乃果ちゃんのことでね……だから…」

海未「ええ、大丈夫です。言って下さい」ニコ

海未(泣いていることりを見てはっきりしました)

ことり「その…えっと…」

海未(私の願うことはただ一つ、ことりが幸せになることだと)

ことり「海未ちゃんの話ばっかりして……ヤキモチ焼いちゃうの……」

海未「え?」

ことり「穂乃果ちゃんと2人きりのとき……穂乃果ちゃんが、海未ちゃんの話ばっかりするのぉ……」ポロポロ

海未「え……?」

ことり「うぇぇぇん…どうしよぉ…海未ちゃあん…!」

海未「………え?」


312: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 01:04:19.13 ID:okH3/IVV.net
海未「ちょ、ちょっと待って下さい…ことり…えっと」

ことり「どうしよう海未ちゃん…、穂乃果ちゃん、海未ちゃんのこと好きなのかなぁ…!ぐすっ!」

海未「え、え、えー……?」

海未(ぐるぐる、ぐるぐる……何が起こってるのか、分かりません)

ことり「家で遊んでるときもね…海未ちゃん何してるかなぁ…とか、海未ちゃんに怒れた…とかね、言うの…」

海未「それは…その……いつものことでは…」

ことり「だって私恋人なのに……穂乃果ちゃん、ちゅーするときぐらいしか……わ、私のことだけ見てくれないから…!」

海未「そ、それで……」

ことり「それに……ちゅーするのも、いつも私からだし…うぅ……穂乃果ちゃん嫌がるときあるしぃ……」

海未「いや、えっと……口ではそう言ってても、嬉しそうな顔してましたよ」

ことり「嘘だぁぁ!うわぁぁん!」ビエーン

海未「う、うーん……」


313: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 01:12:32.59 ID:okH3/IVV.net
ことり「けど本当のこと聞くのも恐い……こわいよぉ…!」

海未「なな、何言ってるんですかことり!穂乃果はあなたのことが好きに決まってるじゃないですか!」

ことり「ぐすっ……」

海未「そ、それにさっき穂乃果と帰ってるときはことりの話ばかりでしたよ!」

ことり「ほ、ほんとぉ…?」ウルウル

海未「うっ……ほ、本当です…」

海未(ことりの潤んだ瞳が私を見る……胸が高まって、熱くなりそうです)

海未「ご、ごほん!ですから!何も心配することなんて無いんですよ!」

ことり「海未ちゃん…ありがとぉ」ギュッ

海未「わ、わわっ!何して…!」

ことり「海未ちゃんの気持ち……すっごく嬉しかった……ありがとぉ」

海未「は………はひ…」ドキドキ


315: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 01:21:30.99 ID:okH3/IVV.net
海未(天然、なんですかー…!)

ことり「……明日、穂乃果ちゃんにちゃんと聞いてみる」スッ

海未「それが、いいと思い、ます…」

ことり「怖いけど、きっと大丈夫だよね…?」

海未「ええ。きっと大丈夫、です!」

ことり「えへへ♪」

海未(ことりは今日一番の可愛い笑顔を浮かべました)

海未「ことり、私のことは気にしなくて良いですかね」

ことり「それって…………」

海未「ただことりさえ良かったら、これからも親友として、仲良くして下さい」ニコッ

ことり「海未ちゃん…!」ウルウル


318: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 01:32:34.44 ID:okH3/IVV.net
海未「それでは…そろそろ帰りましょうか」

ことり「うん、そうだね」

海未(既に遠くの空が暗くなった頃、私とことりは学校から出ました)

ことり「海未ちゃん…手、繋いでもいい?」

海未「…………え?」

ことり「仲直りのつもりで、だめ?」

海未「いや…仲直りって、別に喧嘩してないでしょう」

ことり「最近、海未ちゃんずっと私に冷たかったから……」

海未「ええ!?つ、冷たくなんてしてませんよ!」

ことり「してたよ……分かるもん」

海未「す、すみません…そんなつもりは無かったのですが……」

ことり「だから、仲直り」ギュッ

海未「でも、あなたは穂乃果と…」

ことり「昔から、三人でよく手を繋いでたよ?」ギュー

海未「う……わ、分かりました…」ドキドキ


320: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 01:39:11.29 ID:okH3/IVV.net
海未(そのまま私とことりは、手を繋いだまま)

ことり「じゃ、ここまでだね♪」

海未「うぅ…恥ずかしくて死にそうでした…」

海未(最後まで歩きました)

ことり「海未ちゃん、ばいばい♡」

海未「え、ええ……また、明日」

海未(去っていくことりの後ろ姿を見送ってから、私は自宅に帰った)

海未「ただいま帰りました」

海未(長い…本当に長かった一日が、終わりました)

海未「疲れましたぁ……」


321: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 01:48:55.40 ID:okH3/IVV.net
海未(それから……私は夕食を頂き、日頃の稽古を行い、お風呂に入って……やっと、自室のベッドに倒れ込みました)

海未「はふぅ…………」バタン

海未(柔らかい枕に頭を埋めると、今日あった出来事が、ぐるぐる頭の中を巡り始めます)

ことり『これとか、海未ちゃんに似合うかなぁ』

海未(ことりが私のためだけに衣装を考えてくれたときは、にやけるのを我慢するのが大変でした)

ことり『最近、ぼーっとしてる』

海未(私のことをよく見ててくれたのが嬉しくて…)

海未『あなたのことが、─────』

海未(そして、告白……)カアア

海未「うぅ~!」ジタバタ


324: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 02:12:19.18 ID:okH3/IVV.net
穂乃果『海未ちゃんは……』

海未(ふと、穂乃果と別れ際のセリフを思い出した)

穂乃果『穂乃果のこと……』

海未「あれは…………」

海未「あはは……いえ、気にしすぎですよね」

海未(馬鹿な妄想はやめましょう)

海未「よっ…こら、せ…」

海未(ベッドから立ち上がる)

海未「あ、ついはしたない言葉使いをしてしまいました。いけないいけない」

海未(私は先週から今日までのことを思い出しながら、椅子に座り、机に向かいます)

海未「…………」

海未(無邪気だった昔と、親友を好きになった苦悩を胸に、ペンを握ります)

海未「…………」サラサラ

海未(久しぶりの作詞は、意外にもブランクを感じさせることなく、上手に始まりました)




   お   わ   り


325: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 02:12:44.93 ID:okH3/IVV.net
( ^ω^ )ひとまずここで一区切り、シリアスな話は終わりにゃ


327:名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 02:19:21.06 ID:+PWlL1A0.net
続くのかにゃ( ^ω^)?


329:名無しで叶える物語(黒酢)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 02:25:18.02 ID:byfFVpav.net
乙にゃ
また楽しみにしてるにゃ


342:名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 11:49:43.67 ID:mQ5V5pTC.net
こうやってラブマジが出来たのか


351: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 22:12:38.17 ID:okH3/IVV.net
~翌日~


海未「はっ…!」

海未(私は椅子に座ったまま、目覚めました)

海未「あ、いけない」

海未(時計を見て、慌てて支度を始めました)

海未母「海未さーん」

海未「今行きます!」


~学校~


海未「おはようございます」

穂乃果「あ、おはよー海未ちゃん」

海未(おや、ことりの姿が見えませんね)


355: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 22:23:53.57 ID:okH3/IVV.net
穂乃果「今日はいい天気だね~♪ 朝から眠くなるよ~」

海未「確かにお天気ですねぇ。良い日になりそうです」

穂乃果「………あ、なんか海未ちゃん元気になってる~」ウトウト

海未「え、なんですかそれ?」クスクス

穂乃果「それにスカートも戻ってるよぅ~」

海未「あー……今日は少し急いでたので」

穂乃果「そっちの方がいいね~」コクッコクッ

海未「ありがとうございます。ところで、ことりはまだ来てないんですか?」


356: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 22:28:59.48 ID:okH3/IVV.net
穂乃果「ん」

海未「ん?」

穂乃果「………」

海未「…………え?」

穂乃果「すぴー……zzz」

海未「ね、寝たんですか……」

穂乃果「………むにゃ」

海未「うーん……」

海未(まぁ、もう少ししたら来るでしょうけれど……)チラ

海未「ことりが遅刻ぎりぎりなんて、珍しいですね」


358: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 22:41:40.89 ID:okH3/IVV.net
キーンコーンカーンコーン


海未「………穂乃果、起きてください」ユサユサ

穂乃果「……んー」ムクリ

海未「授業が始まりますよ」

穂乃果「ふわぁ……朝礼は?」

海未「もう終わりましたよ」

穂乃果「えっそうなんだ」

海未「ねぇ穂乃果、ことりの姿が見えないんですが、知りませんか」

穂乃果「ことりちゃん? ことりちゃんなら……今日は風邪で休むってメールが来たけど」

海未「えっ…!」

海未(昨日の今日で、確かに顔を合わせるのは恥ずかしかったのですが……でも、私に連絡も無いなんて……)

穂乃果「ほらこれメール」

海未「ああ、本当ですね」

海未(というわけで今日は。穂乃果と過ごす、一日です)


359: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 22:47:47.36 ID:okH3/IVV.net
~授業中~


穂乃果「………」カキカキ

海未「………」チラ

穂乃果「………!」ピタッ

海未「………っ」

穂乃果「う~ん……」カキカキ

海未「………!」ガタガタ

海未(何ということですか……あの穂乃果が、真面目に授業を…!)ガタガタ

穂乃果「………」カキカキ

海未「あわわわ…!」


361: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 22:55:52.08 ID:okH3/IVV.net
───────

穂乃果「…っ」コクッ

穂乃果「はっ!危ない危ない!」カキカキ

海未「……」チラ

海未(ついに4時間目まで、一度も寝ることなく……)ウルウル

海未「穂乃果…立派になりましたね…」ウルウル

穂乃果「ふー……よし」カキカキ

海未(頑張って下さい、穂乃果…!)ジー

穂乃果「…………」カキカキ

海未「………」チラッ

穂乃果「できたっ」

海未「…!」パアア


362: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 23:00:42.68 ID:okH3/IVV.net
~昼休み~


穂乃果「ご飯が美味しい~!」

海未「ふふふ♪ 私のおかずもいりますか?」

穂乃果「いいの!?もらう~♡」パク

海未「これとこれもあげます!」ヒョイヒョイ

穂乃果「わ、わ~!海未ちゃんホント!?」キラキラ

海未「ええ、どうぞ」ニコニコ

穂乃果「今日の海未ちゃん優しい♡」パクパク

海未「……はっ!私のおかずが野菜だけに!」

穂乃果「ごちそうさまっ!」


363: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 23:12:46.56 ID:okH3/IVV.net
海未「ごちそうさま、です」

海未「ところで穂乃果」

穂乃果「ん?」

海未「今日はやけに勉強熱心でしたね」

穂乃果「うん、ことりちゃんにノート見せようと思って♪」

海未「あ……なるほど」

穂乃果「でもやっぱり、いつも見てる海未ちゃんのノートには敵わないや……難しいね」

海未「穂乃果……」

穂乃果「でも頑張って作る!」

海未「ええ、頑張って下さい」ニコ

海未(人のために頑張るときが一番いきいきしてる、穂乃果らしいと思いました)


364: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 23:23:02.45 ID:okH3/IVV.net
穂乃果「あ、でもやっぱりちょっとだけ……ノート見せて欲しいなぁ」ススス

海未「え、さっきの意気込みはどこへ?」

穂乃果「えへへ♪ お願い!」

海未「まったく、ふふ……しょうがないですね……」ペラ

穂乃果「やったぁ………あれ?」

海未「…………あれ?」

穂乃果「ノートが、真っ白…?」

海未「………はっ!」

海未(穂乃果のことばかり見て、自分のノートを書いていませんでした!)ガーン

海未「あ、あはは……」


367: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 23:32:36.09 ID:okH3/IVV.net
~放課後~


穂乃果「よし!それじゃあ練習行こう、海未ちゃん!」

海未「はい、行きましょうか」

穂乃果「れっつごー!」

海未(穂乃果は午後も寝ることなく、ついに放課後を迎えました)

海未「元気ですね、穂乃果は」

穂乃果「えー?だってそれだけが穂乃果の取り柄だもん!元気じゃなきゃ穂乃果じゃない!えへへ♡」

海未「ふふ♪」

海未(穂乃果を見ると自然と笑顔になります。ことりも、こういうところに惹かれたんでしょうね……)

穂乃果「海未ちゃん、じゃーんけーん!」

海未「え?」

穂乃果「ほい!」

海未「え、えっと…えい!」

穂乃果「わーい!穂乃果の勝ち!ぐーりーこー!」


377: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/05(日) 23:51:02.36 ID:okH3/IVV.net
穂乃果「屋上までこれで勝負しよ!」

海未「いや、え……それは……」

海未(通り過ぎる人たちがチラチラと私たちを見てきます)

海未(…恥ずかしいです!)カアア

穂乃果「ほら海未ちゃん!じゃーんけーん」

海未「あわわ…!」

海未(はっ!あ、あれは……!)

海未「穂乃果! ま、待ってください!」

穂乃果「ほいっ……え?」

海未「少し用事を思い出しました!」

穂乃果「え?」

海未「失礼します!」ダッ

海未(私は走ってその場を離れました)


378: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/06(月) 00:06:03.28 ID:5GVyvDfm.net
───────


海未「ふうー……」パタパタ

海未「………」チラ

海未(どうやら穂乃果は、そのまま屋上に向かったようでした。私がことりなら、穂乃果は追い掛けてきたのでしょうか?)

海未「ふふ。なんて、勝手ですね」

海未(私はきょろきょろと、先ほど見えた人影を探します)

海未「確かこっちに……」

海未「………んー」

海未「……あっ、いました」

絵里「………」ソワソワ


392: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/06(月) 22:00:44.95 ID:5GVyvDfm.net
絵里「はぁ……」

海未「……こんにちは」

絵里「っ!誰!?」ドキ

海未「海未です。何してるんですか?」

絵里「あ、何だ…海未じゃない」

海未「今、女の子と話してましたね」

絵里「う…見られた」

海未「ぷっ♪ まさかまた、ですか?」

絵里「ええ、お察しのとーり」

海未(絵里は困りつつも、少し嬉しそうにラブレターを見せました)


395: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/06(月) 22:11:33.39 ID:5GVyvDfm.net
絵里「最近穂乃果とことりが付き合い出して、校内でよくイチャイチャしてるじゃない?」

海未「ええ」

絵里「だからほら、μ'sってそういう集団なの!?って勘違いしちゃう子が増えたらしくて……ここのところ多いのよね」

海未「ああ」

絵里「んー……困るなぁ…困るわぁ…!」

海未(絵里はうーん、うーんと唸りながら、頭を抱えました)

絵里「あのね、海未」

海未「はい」

絵里「こういう手紙を直に渡してくる子ってね、みんな目をキラキラさせてるのよ。顔を真っ赤にさせて、声も震えちゃって、すごく可愛いの」

海未「はぁ」

絵里「面と向かって断れないの~!」

海未「あー」

海未(その気持ちは何となく、分かります)

絵里「……なんかさっきから空返事だけど、ちゃんと聞いてる?」


397: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/06(月) 22:24:42.28 ID:5GVyvDfm.net
海未「ふふ、聞いてます。絵里は年下に弱いところがありますからね」

絵里「えー?そ、そうかしら…」

海未「ええ、この前希が愚痴ってましたよ。絵里はよく後輩の女の子と街を歩いてるって」

絵里「えっ!何であの子が知ってるの?」

海未「本当なんですか…」ジー

絵里「ち、違う違う。私ってほら、目立つ見た目してるじゃない? だから外歩いてるとすぐ見つかって、流れで一緒に…みたいになるのよ」

海未「へぇ…絵里は案外、経験豊富なんですね」ニコッ

絵里「い、いじわる言わないでよ…」カアア


400: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/06(月) 22:37:32.16 ID:5GVyvDfm.net
海未(と、相変わらずモテる絵里をからかいながら、私は屋上に向かいます)

絵里「ねぇ、海未って私にだけいじわるなときない?」

海未(横に並んで歩く絵里が私の顔を覗き込みます。さっきのことを気にしているのでしょうか?)

海未「……そうですか?」

絵里「そうよ」

海未「そうかもしれません♪」クスクス

海未「絵里は上級生ですし、いつもしっかりしてますから。つい素の自分が出てるのでしょうか?」

絵里「えー……それって喜んでいいのかしら」

海未「私って結構、いじわるなんです」

絵里「やめてよ」

海未(絵里は笑いながら、そう言った)


402: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/06(月) 22:50:27.89 ID:5GVyvDfm.net
絵里「でも、穂乃果には厳しくて、ことりには甘いって感じよね、海未は」

海未「それは……穂乃果によく言われますね」

絵里「やっぱり♪」ニコッ

海未「でもそれは穂乃果がしっかりとしないからで…」

絵里「じゃあことりに甘くするのは理由があるの?」ニヤニヤ

海未「うっ……」

絵里「あら?」

海未(や、やり返されてる気がします…!)

絵里「ことりは可愛いもんね~♡ つい甘やかしちゃうのも、分かるな~?」

海未「……な、何ですか」タジタジ

絵里「ん~? んふふ♪」


406: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/06(月) 23:00:45.08 ID:5GVyvDfm.net
絵里「まぁ、なんていうか……悩み事があったらお姉さんが聞いてあげるわ、海未♡」

海未「も、もう!知りません!」プイ

絵里「あはは♪ 到着!」ガチャ

海未(絵里が扉を開けて、私たちは屋上に出ました)

海未「穂乃果、すみません遅れました」

穂乃果「あっ海未ちゃんやっと来た……って、あーっ!絵里ちゃんと一緒に来たの!?」

海未「えっ、はい」

穂乃果「ずるい!穂乃果のこと置いて行ったくせに!」

海未(なぜか穂乃果に怒られます)


413: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/07(火) 22:16:45.78 ID:VihLJnU+.net
穂乃果「もう絵里ちゃん、海未ちゃん取らないでよー」

絵里「え? あぁ、ごめんなさい」クスクス

海未「わっ!引っ張らないで下さい!」

穂乃果「えへへ、一緒にストレッチしよ♪」

海未「もう…服が伸びました」

穂乃果「穂乃果が押してあげる!」

海未「そうですか?ではお願いします…あ、いたっ…も、もっとゆっくり…お願いします…!」

穂乃果「はーい♪」グイー


415: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/07(火) 22:24:10.02 ID:VihLJnU+.net
穂乃果「いっちに~さんし~」グイグイ

海未「そっ…いえば、穂乃果…」

穂乃果「ん~?」グイー

海未「ごっ…んん、ことりは、その…大丈夫なん、ですか?」

穂乃果「うん♪ お昼にメールがきてて、結構平気みたい」グイグイ

海未「あっ…そ、れは…良かったです……はふぅー……」

穂乃果「に~にっさんし~」グー

海未「んっ…はぁ…ふー……ん…」

絵里「……」ジー

絵里「……海未って変な声出すわよね……んっ……って希、どこ触ってるの」


416: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/07(火) 22:37:04.88 ID:VihLJnU+.net
───────


穂乃果「はぁー!今日も練習疲れたよぅ~」

絵里「じゃ、さようなら二人とも」

穂乃果「絵里ちゃんばいば~い!」

海未「ええ、また明日」

海未(いつも通りに練習を終え、私と穂乃果は並んで歩き始めます)

穂乃果「んふふ~穂乃果のノート見たら、ことりちゃん驚くだろうな~♪ う~、早く見せたい!」

海未(まるで子供のような表情で穂乃果がはしゃいでいます。その姿はまさしく…恋する乙女です)

穂乃果「いっそ走っちゃおうかな……でも練習疲れたし……あぅ…そういえばお腹空いた……」

海未「買い食いは太る原因ですよ」

穂乃果「うぅ~……海未ちゃん厳しいよ~……」

海未(そういえば、穂乃果の初恋って、ことりなんでしょうか?)


417: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/07(火) 22:47:39.64 ID:VihLJnU+.net
海未(私の初恋は……たぶん、ことりですが)

海未「…………」ポッ

穂乃果「…海未ちゃん、顔赤いよ?」

海未「へっ?あ、ああ…!な、何でもありません!」カアア

穂乃果「えー?」ジー

海未「見ないでください!」プイッ

穂乃果「えへへ、やっぱり海未ちゃん、元気になってる?」

海未「えぇ…?どういうことですか?」

穂乃果「なんていうかスッキリした顔してる」

海未「そ、そうですか…」

海未(思い当たる節は、一つしかありません)

海未「ふふ♪ そうですね。ノドの奥につっかえていた物が取れた、という感じでしょうか」

海未(さすが、生まれる前からの幼馴染み……隠し事はできませんね♪)クスクス


419: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/07(火) 23:00:40.08 ID:VihLJnU+.net
海未「多分、ずーっと元気な穂乃果のそばにいるから影響を受けたんです」

穂乃果「ふーん………はっ!それじゃあ穂乃果が能天気みたいじゃん!」

海未「そんなことは言ってません………ぷっ、ふふ…!」

穂乃果「あ、海未ちゃん笑った!やっぱりそう言いたいんだ!うえーん!海未ちゃん酷いや!」

海未「ふふっ、い、いえ…褒めてるんですよ…!」

穂乃果「そんなのぜーったいウソだもん!」

海未「本当ですよ。穂乃果のそういうところは尊敬しているんですから」

穂乃果「えっ……ほ、本当?」

海未「本当です」

穂乃果「ホントにホント?」

海未「本当に本当、です」

穂乃果「んふふ……わーい!海未ちゃんに褒められたー!」

海未(コロコロと表情を変える穂乃果……そういう感情豊かなところは、本当に良いところだと思います)


421:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/07(火) 23:34:55.08 ID:VihLJnU+.net
海未「でも、それにしても穂乃果は今日、特別元気じゃないですか?」

穂乃果「へ?」

海未「ことりが休みなので、もう少し大人しくなるかと思ってたのですが」

穂乃果「………うーん」

海未(穂乃果は俯き、考えるそぶりを見せます)

穂乃果「う~……うん、海未ちゃんならいいよね」

海未「穂乃果?」

穂乃果「へへっ昨日ね、こんなメールが来たの♡」

海未「?」

海未(恥ずかしそうに頬を染め、穂乃果は携帯の画面を見せてくれました)

海未「これは…」

穂乃果「うん♡」

海未(ことりと穂乃果のメールのやり取りが映っています)

海未(最初は、ことりが穂乃果に『穂乃果ちゃんが一番好きなのって誰?』と聞く文面から始まっています)

海未(ことり、あなた明日聞くと言っていたのに……我慢できなかったんでしょうか…)


423: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/07(火) 23:48:00.93 ID:VihLJnU+.net
───────


ことり『こんばんわ。いきなりだけど変な事聞いていい?><』

穂乃果『こんばんわ! いいよ~!なになに?』

ことり『ことりは穂乃果ちゃんのことが大好きです!穂乃果ちゃんの一番好きな人は誰ですか!』

穂乃果『わっ!ホントにいきなりだね!』

ことり『うん、急にごめんね』

穂乃果『ううん、いいよ!穂乃果が一番好きなのは……』

ことり『一番好きなのは…?』

穂乃果『ことりちゃん!』

ことり『ほんと!?』

穂乃果『ホントだよ!大大、大好き~!』

ことり『穂乃果ちゃんありがとう~!ごめんね急に!ことりも穂乃果ちゃんのこと大好きだよ!』

穂乃果『えへへ♡穂乃果の方がことりちゃんのこと好き!』

ことり『ことりの方が穂乃果ちゃんのこと好きだよっ!』

穂乃果『穂乃果の方が!』

ことり『ことりだもん!』



海未(………みたいなやり取りが、長々と書いていました)

海未「穂乃果がはしゃいでる原因は分かりました…携帯、返します」

穂乃果「えへへ♡」

海未(はぁー…)


425: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/07(火) 23:56:01.74 ID:VihLJnU+.net
海未(なんだか胃がもたれてきました…)

海未「…ってこれ、本当にどこまで続くんですか」

穂乃果「えーどれくらいだろ」スッスッ


ことり『じゃあもう寝るね!』

穂乃果『うん!おやすみ!』

ことり『おやすみ!』

穂乃果『穂乃果の夢見てね♪』

ことり『わぁ!絶対見る!穂乃果ちゃんも、ことりの夢見てね!』

穂乃果『うん!じゃあね!』

ことり『おやすみ!』

穂乃果『おやすみ!ってまた言ってる~><』

ことり『ホントだね♪ もう返信しなくていいよ、おやすみ!』

穂乃果『え~ことりちゃんこそもう寝ていいよ~』

ことり『え~穂乃果ちゃんが───────』


穂乃果「あ、ここじゃないや。もっと先かな」スッスッ

海未「…………」


428: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/08(水) 00:03:04.81 ID:VihLJnU+.net
ことり『それじゃあ三時ちょうどにおやすみって送ろっか♡』

穂乃果『うん!了解!』

ことり『おやすみ♡』

穂乃果『おやすみ!また明日っ』


穂乃果「ここで終わりかな」

海未「さ、三時…?」

海未(まさか今朝、穂乃果が寝てたのは寝不足のせい…!?)

穂乃果「今度海未ちゃんも一緒に三人でメールしようね!」

海未「え、私もですか…?」

穂乃果「うん、三人だともっと楽しいんじゃないかなっ!」

海未「え、ええ……機会があれば」

海未(私、日を跨ぐ前には眠くなるのですが……)


445: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/09(木) 21:41:20.21 ID:HeecBtQf.net
───────


海未(その後、私と穂乃果はたわい無い話をしながら帰りました)

海未「………………………って穂乃果?」

穂乃果「なに?海未ちゃん」

海未「い、いえ……あの私、家に入りたいんですが」

穂乃果「へ?」

海未(穂乃果は私と腕を組んだまま、離してくれません)

穂乃果「なんのことだろー」グイグイ

海未「あ、ちょ…!何で引っ張るんですか!」ズルズル

穂乃果「えへへ♪ だって海未ちゃん、言っても聞いてくれないんだもん!」

海未「えっ?」

穂乃果「ことりちゃんの家に行くよ!」グイグイ

海未「え、えー!?」ズルズル


446: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/09(木) 21:47:16.00 ID:HeecBtQf.net
海未「やめてください!」

穂乃果「いいからいいから♪」

海未「嫌です!」

穂乃果「もう、たまにはいいじゃん!」

海未「いーやーでーすーよー!」

穂乃果「……海未ちゃん、そんなにことりちゃんに会いたくないの…?」

海未「えっ!? い、いやっ!そんなことは言ってません!」

穂乃果「じゃあいいじゃん!きっと穂乃果一人で看病なんて出来ないよぅ~!」

海未「さっきもう体調は良いって言ってたじゃないですか!」

穂乃果「あ、ことりちゃんの家見えたよっ!」

海未「ええ!?あ、あなたという人は……うぅ…!」


448: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/09(木) 21:55:32.82 ID:HeecBtQf.net
海未「……………」

穂乃果「海未ちゃん、機嫌直してよー」

海未「知りません」プイッ

穂乃果「もー…そんなに怒るとシワできちゃうよ?」

海未「ほ、穂乃果ぁ…!」ピクッ

穂乃果「ひっ!海未ちゃん怖い!」

海未「………はぁ」

海未(抵抗虚しく、私はことりの家の前にいます……)

海未「もういいです、今さら怒っても仕方ありませんし…………早く呼び鈴を押しましょう」

穂乃果「うん」

ピーンポーン

海未「…………」

海未(しばらく待つと、玄関の鍵が開く音がしました)


449: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/09(木) 22:03:19.48 ID:HeecBtQf.net
ことり「はぁい…って穂乃果ちゃん!?」

穂乃果「やっほー♡」

海未「こ、こんにちは……」

ことり「ううう海未ちゃんまで!?え、えっ何で何で!?」

海未(モコモコの、何だか温かそうな服を着たことりが出てきました)

ことり「え、え~!どうしよう、何にも準備してない~!」

海未「あ、いえお気遣いなく。すぐに帰り…」

穂乃果「ただいま!」

海未「…………」

海未(勝手知ったる我が家のように、穂乃果が家に入ります)

ことり「あ、すぐに飲み物取ってくるね!」

海未「え、あ……そんな…!」

ことり「海未ちゃんも中で待ってて!」

海未「あ…………はい」

海未(私の言葉を聞き終わる前に……パタパタとスリッパの音を鳴らして、ことりも中へと入っていきました)


451: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/09(木) 22:12:26.17 ID:HeecBtQf.net
~ことりの部屋~


ことり「お待たせ~」

穂乃果「わ~い!ありがと!」

海未「ことり……身体の方は平気なのですか?」

ことり「あ、うん……そこまで酷い熱じゃなかったから、平気」

海未「そうですか」ホッ

ことり「ただ咳が酷くて、今日は休むことにしたの……ごめんなさい」

海未「謝ることではありません。それに、その調子ですと咳の方もおさまっているようですね」

ことり「うん、心配してくれてありがとぉ♡」

海未「いえ」ニコッ

海未(元気そうなことりを見て、私は胸を撫で下ろしました)


452: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/09(木) 22:29:59.75 ID:HeecBtQf.net
穂乃果「もぐもぐ、このマカロン美味しいね~」

海未「あなたも心配しましょうよ…」

ことり「あ、あはは…♪」

海未(もう……やっぱり看病なんて最初から嘘で、ホントはおかしを食べたかっただけじゃないんですか? なんて思いながら)

海未「穂乃果、もう少し落ち着いて食べ…」

穂乃果「お昼に電話で話したから、ことりちゃんが元気なの知ってたもんね」

ことり「あ、うん…♡」

海未「え……」

海未(メールだけじゃなくて電話まで穂乃果とだけ…!? )


453: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/09(木) 22:38:15.79 ID:HeecBtQf.net
ことり「あ、紅茶も入れてあるから…海未ちゃんも飲んでね」

海未「あぁ、すみません、では頂きます」

穂乃果「ねぇねぇことりちゃん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いい?」

ことり「どうしたの?」

海未「……?」ゴクゴク

穂乃果「えへへ♪ 実は穂乃果ね、前から言いたかったんだけど」

ことり「う、うん」

穂乃果「ことりちゃんと海未ちゃんって、お互いのことどう思ってるの?」

海未「ごふっ…!」

ことり「………え?」


454: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/09(木) 22:46:10.53 ID:HeecBtQf.net
ことり「…………え、ええ!?」

海未「ちょ、穂乃果…!なな、何ということを言うんですか…!」カアア

穂乃果「え、どうしたの二人とも?」

海未「どどどうしたもこうしたもありません!」アセアセ

穂乃果「なな、何で怒ってるの!?ただ穂乃果は二人がお互いどう思ってるか…」

海未「わ…わー!やめてくださーい!」ドキドキドキドキ!

ことり「え、えっとぉ……」オロオロ

穂乃果「?」

海未「うぅぅ~……!」

海未(せ、せっかく友だちとして接しようとしていたのに、そんな蒸し返すようなことを! あなたは…何てこと聞くんですかぁ…!)


456: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/09(木) 22:55:52.81 ID:HeecBtQf.net
穂乃果「えっと…」キョトン

ことり「あ、あの…穂乃果ちゃん? 何でそんなこと聞くのかなぁ…あ、あはは」モジモジ

海未(ああ…ことりも気まずそうにしてるじゃないですかぁ…!)

海未「そ、そうですよぉ…なんで、急にそんな…」ボソッ

穂乃果「何で、かぁ……」

海未(腕を組んで目をつむり、思案する穂乃果……目をつむりたいのはこっちです!)

穂乃果「穂乃果ね、ことりちゃんと付き合うようになってから考えることがあるの」

ことり「え…?」

穂乃果「このままでいいのかなぁ? とか、このままじゃいけないなぁ…とか」

ことり「え、え…? それって…え?」

穂乃果「穂乃果なりに、考えてみたんだ」


458: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/09(木) 23:03:19.68 ID:HeecBtQf.net
穂乃果「ことりちゃんと付き合い始めてから、いろいろ変わっていって……穂乃果も、少しずつ変わって……」

海未「穂乃果……?」

穂乃果「不安になったのかな…?何だか、無性に落ち込むときなんかあったり…あはは、穂乃果らしくないよね」

ことり「え、え…?」

穂乃果「だから……だからね、穂乃果、決めたの」

ことり「うそ…やだ…やだよ…」

穂乃果「このままじゃ、いけないって」

ことり「やだぁ!」

海未(ことりが、声を張り上げました)


459: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/09(木) 23:11:44.83 ID:HeecBtQf.net
穂乃果「え…ことりちゃん?」

ことり「嫌だ!聞きたくない!聞きたくないよぉ…!」ポロポロ

海未「こ、ことり…!」

海未(ことりが涙を流しました)

穂乃果「何で泣くの…、聞いてよ、ことりちゃん」

ことり「やだ!絶対…聞きたくないっ!」

海未(頭を抱え、取り乱すことりを見て、私はやっと理解しました)

海未(ことりが、何を考えているのか……穂乃果が何を言おうとしてるのか)

穂乃果「聞いてよ、ことりちゃん」ギュッ

ことり「やぁ…離してぇ…!」

穂乃果「ことりちゃん……違うよ、違う。穂乃果は、ことりちゃんのこと大好きだよ?」

ことり「グスッ……え?」

穂乃果「昨日の夜メールで言ったのは嘘じゃないよ……だから、聞いて?」

ことり「穂乃果ちゃぁん…」


460: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/09(木) 23:20:57.71 ID:HeecBtQf.net
穂乃果「ことりちゃん」ギュッ

ことり「うぅ…良かった…」ギュッ

穂乃果「ことりちゃんと付き合って、一番変わったのはね……穂乃果たち、三人の関係」

ことり「どういう、こと…?」

穂乃果「今までずーっと三人でいた穂乃果たちは、最近すっごくちぐはぐで、何だかギクシャクしてたと思う」

穂乃果「ことりちゃんと一緒にいる時間が増えた」

海未「……」

穂乃果「海未ちゃんのことりちゃんに対する態度が、少し変だった」

海未「……」

海未(それは、ことりにも言われたことです。最近冷たかったと)

穂乃果「穂乃果は、それがすごく嫌で、仕方がなかったんだ」

海未「穂乃果、あなたはつまり、何を…?」

穂乃果「海未ちゃん……わがままな穂乃果は、難しいことは分からないけど、思うの」

穂乃果「三人とも仲良くしてる方が、いいなぁって」


463: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/09(木) 23:29:03.90 ID:HeecBtQf.net
穂乃果「もちろんことりちゃんのことは大好き」

ことり「……ぐすん」

穂乃果「ことりちゃんに告白されたときはすっごく嬉しかったし……絶対別れたくなんか無いって、穂乃果も思ってるよ」

ことり「うん……ことりも、思ってる…」

穂乃果「でもそれでも、昔みたいに三人でいたい……ことりちゃんも、どっちも……穂乃果は手放したくない」

海未「あ、あなたは…」

穂乃果「海未ちゃん、前に穂乃果が言ったこと覚えてる?」

海未「え?」

穂乃果「穂乃果は、ことりちゃんと海未ちゃんが世界で一番大切なの」

海未「あ……」

穂乃果「だから、ね」

穂乃果「そんな二人が好き同士だったら、夢みたいだよね? えへへ♪ 穂乃果はついそんな妄想を、しちゃうんだ」


465: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/09(木) 23:38:53.82 ID:HeecBtQf.net
海未「そ、そんな…」

海未(そんなこと…あるわけないじゃないですか…)

穂乃果「……」

海未(穂乃果は、平然な顔をしています……ことりは、)

ことり「どういうこと…?」

海未(まだ、よく分かっていません……当たり前です)

海未(ことりは穂乃果が好きで、穂乃果もことりが好き、なんですから……それは、変わらない事実なのに……)

海未「何を、言ってるんですか…」

穂乃果「穂乃果が叶えたい、夢みたいなこと」

ことり「もう…二人きりでいられないの…?」

穂乃果「ううん、そんなことない」

ことり「手を繋げないの?」

穂乃果「これからも、いっぱい繋ごうよ」

ことり「ちゅーは…しちゃ、だめ?」

穂乃果「ううん、そんなことない」


466: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/09(木) 23:46:47.07 ID:HeecBtQf.net
穂乃果「ことりちゃんは、海未ちゃんのことどう思ってるの?」

ことり「海未ちゃんのことは、好きだよ……すごく、好き…」

穂乃果「えへへ♪ 海未ちゃんは、ことりちゃんのこと、どう思ってる?」

海未「わ、私は…」

海未「私は……ことりのこと、大好きです!」

ことり「う、海未ちゃん…!」

穂乃果「ことりちゃん!」ギュッ

ことり「は、はい…!」

穂乃果「海未ちゃんが最近家に来てくれないって、ことりちゃん淋しがってたけど、穂乃果もすごく淋しかったの」

ことり「……」

穂乃果「こんなに仲良しな穂乃果たちだもん、きっと上手くいく」

ことり「うぅ~……」カアア


468: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/09(木) 23:53:29.16 ID:HeecBtQf.net
穂乃果「だからね…、」

ことり「うぁ…うぅ…」ドキドキ

海未「穂乃果…あの」ドキドキ

ことり「……んね」

穂乃果「え?」

ことり「……ご、ごめんね……その、今日はもう……一人で考えさせて…」

穂乃果「あ……」

海未「……」

ことり「ごめんね、穂乃果ちゃん…」ウルッ

穂乃果「あ、あはは……こっちこそ…やっぱり、無茶なこと言っちゃったかも……で、でも」

海未「穂乃果」

穂乃果「う、海未ちゃん……」

海未「帰りましょう」

ことり「…………」ドキドキ

海未「おじゃましました、ことり」スッ

穂乃果「あ……おじゃま、しました…」

ことり「……うん。また明日…ばいばい」


484: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/11(土) 23:14:34.15 ID:qTNBJ6OO.net
~帰宅路~


穂乃果「……」トボトボ

海未「穂乃果…」

穂乃果「あーあ……ノート、渡し損ねちゃったなぁ…」

海未「……明日、渡しましょう」

穂乃果「そうだね」

海未「………あの」

穂乃果「あのさ……あ、ごめん」

海未「あ、いえ穂乃果からどうぞ」

穂乃果「あ、うん……その、どうしたらいいのかな?」

海未「それは……」

穂乃果「三人とも、今までみたいに仲良くしたいな……」

海未「あ、あの…!穂乃果っ」

穂乃果「ん?」


488: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/11(土) 23:24:27.81 ID:qTNBJ6OO.net
海未「すみません……やはり私から言ってもいい、ですか…?」

穂乃果「え? う、うん…いいけど、どうしたの?」

海未「……じ、実は」

穂乃果「うん」

海未「昨日、ことりに…………告白しました」

穂乃果「へー………えっ、そうなんだ………え、えええええええ!?海未ちゃんがことりちゃんに告白!?」

海未「わっ!ちょっ…声が大きいです!」

穂乃果「てええええ!?告白!?どどど、どういうこと!?え!?えーっ!?」

海未「あわわ、穂乃果!だからもう少し声を控えて下さい!」

穂乃果「せ、説明!説明してよ海未ちゃん!」

海未「は、はい…その、昨日私は」

穂乃果「き、昨日おおおお!?」

海未「さっきも言ったじゃないですかぁ!ていうか、声が…!」


490: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/11(土) 23:32:04.84 ID:qTNBJ6OO.net
穂乃果「えー!?ど、どういうことー……?」

海未「昨日放課後、私はことりに告白したんです!」

穂乃果「え、え、えぇー…………………………って、あ、そうか、てへへ、分かった」

海未「?」

穂乃果「海未ちゃんは、いったいどんなことを告白したの?」

海未「どんなというと……あ、愛の告白を」

穂乃果「勘違いじゃなかった! 穂乃果の早とちりじゃなかった! じ、じゃあ海未ちゃんは……えぇ!? こ、こここ、ことりちゃんのことが…!」

海未「で、ですから……先程ことりの家で申し上げた通り、大好きなんですよ…」

穂乃果「好き……………そ、そんなぁ……」


491: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/11(土) 23:37:31.34 ID:qTNBJ6OO.net
海未「……なぜあなたが残念そうな顔をするんですか」

穂乃果「ぐすん……だって、告白したのにことりちゃんがまだ穂乃果と付き合ってるってことは……海未ちゃんは昨日……」

海未「うぁ…」

海未(穂乃果にしては鋭い…!)

穂乃果「これじゃあ…三人仲良くが、もっと難しくなっちゃうよぅ……」

海未「その……そのことなんですが」

穂乃果「ん?」

海未「穂乃果は、現状では満足出来ないんですか?」

穂乃果「へ…?」

海未「だって穂乃果は、ことりと両想いで、結ばれたじゃないですか」


492: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/11(土) 23:48:10.97 ID:qTNBJ6OO.net
海未「なぜその現状を……その、変えようとするんですか?」

穂乃果「それは、だって」

穂乃果「海未ちゃんが、つらそうだったから」

海未「え…」

海未(穂乃果はさも当たり前のようにそう言います)

穂乃果「穂乃果とことりちゃんが付き合ってから、海未ちゃんの様子がおかしかったこと、穂乃果は気付いてたよ」

海未「穂乃果…私はそんなつもりは…」

穂乃果「生まれる前から幼馴染だもん、海未ちゃんに自覚がなくても分かるの」

穂乃果「海未ちゃん、すっごくつらそうにしてた」

海未「…………」

穂乃果「そんなの、ほっとけないよ。変えなきゃいけない」

海未「しかし…」

穂乃果「海未ちゃんはたまにことりちゃんをジッと見つめてたことがあったけど……うん。さっきの言葉でやっと納得できた」

穂乃果「やっぱり、穂乃果は海未ちゃんと、ことりちゃんともっと仲良くなりたいって」

海未「あ……」

海未(それが穂乃果の、どうしても譲れない想いのようです)


501: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/13(月) 01:12:08.08 ID:f+Af/JW8.net
海未「しかし、穂乃果は本当にそれでいいのですか…?」

海未(何度目かの、同じような質問をまた投げかけます)

穂乃果「穂乃果は…」

海未(たぶん、私はきっと……)

穂乃果「ねぇ、海未ちゃん。そんなにおかしいことかな…」

海未「え?」

穂乃果「ことりちゃんも海未ちゃんも、穂乃果とは違う意見だよね……やっぱり、穂乃果がおかしいのかな…」

海未「それは…その」

穂乃果「穂乃果はね……今まで恋愛っていうのをしたことがなくて、今が全部初めてなの……だから、まだ難しくて」

海未「………」

海未(一言一言、深く考えるように話す穂乃果は、迷っているみたいで)

穂乃果「友だちより好きな人を、いつだって優先するのが普通なのかな……恋愛って、それが普通なの…?」

海未(手探りに、知らない世界の中をもがいて、苦しんでいました)


503: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/13(月) 01:21:56.57 ID:f+Af/JW8.net
穂乃果「今までみたいには、なれないのかな」

海未「穂乃果……」

穂乃果「でもやっぱり、穂乃果は諦めたくないよ……」

海未(私が穂乃果の意見に反対してる理由……)

海未(たぶん、私はきっと……ことりの味方をしたいだけなんです)

海未(穂乃果の言う三人仲良くが、私にとっても一番良いと頭では分かっていても……やはり、私はことりの気持ちに寄り添いたいんです…)

海未「では、こうしませんか」

穂乃果「?」

海未(ただ、穂乃果のことも……友だちとして、私は好きです……だから)

海未「私が、恋を教えます」

海未(穂乃果の気持ちも、蔑ろにはしません)


505: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/13(月) 01:35:53.59 ID:f+Af/JW8.net
穂乃果「海未ちゃんが、恋を…?」

海未「ええ、恋というか…恋愛というか」

穂乃果「……海未ちゃん」ジー

海未「な、何ですか…?」

穂乃果「海未ちゃんは、恋愛とかそういうの、知ってるんだ?」

海未「………え、ええ。知ってますが」

海未(私が考えた策……それはつまり、穂乃果が一般的な恋愛像というのを知れば、自ずとことりの気持ちも理解できる、というものなのですが…)

穂乃果「ホント?ホントにホント?」

海未「本当です!」

海未(正直恋愛なんて、私も経験豊富なわけありません……が、そこは誤魔化さなければ)

海未「つ、つまり…恋愛とは何か……それを知ってから自分の意見を考えても、遅くは無いと思うんです」

穂乃果「……そう、だね」

海未(思いつきとはいえ、なんとか穂乃果を納得させることができました)

海未(きっと、ことりの意見は変わらないでしょうから……二人が万事上手くいくように、穂乃果に変わってもらうのが一番の平和的解決です)


506: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/13(月) 01:45:38.82 ID:f+Af/JW8.net
~次の日~


海未「あ、おはようございます」

ことり「あっ海未ちゃん、おはよう」

海未(通学路の途中、ことりに会いました)

海未「体調の方は、大丈夫ですか?」

ことり「うん、もうすっかり平気」ニコ

海未「そうですか」ホッ

ことり「………」

海未「…………」

海未(あれ、何だかことりが暗いような…)チラ

ことり「海未ちゃん、それでね、昨日のことなんだけど…」

海未「あ、はい! な、何でしょう」

ことり「その………ご、ごめんなさい!」バッ

海未「え!?」

ことり「ことりね、昨日穂乃果ちゃんに言われて考えて…それで…あの、海未ちゃんのこと…あの…」

海未「おお、落ち着いて下さいことり……何を謝ることがあるんですか」


507: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/13(月) 02:00:46.80 ID:f+Af/JW8.net
ことり「えと…最近は穂乃果ちゃんのことばっかり考えてて……だから…」

海未「ええ…」

ことり「昔と変わっちゃったって言った穂乃果ちゃんの、淋しいって気持ちも分かったの……」

海未「………」

海未(昨日穂乃果が言ったことで、悩んでたんですね……)

海未「ことり、あの…」

海未(けどことりの気持きも、これから穂乃果が理解できるようになるはずですから……その心配は…)

ことり「だから、穂乃果ちゃんの言う通り……ことりも三人で仲良くしたいって思ったの…」

海未「え?」

ことり「ごめんなさい、海未ちゃん……急にこんなこと言って…」

海未「……………………え、と」


509: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/13(月) 02:10:58.89 ID:f+Af/JW8.net
海未「そ、それは…………」

海未(今、三人で仲良くしたい、と言いましたか…?)

海未(それは、つまり…)

海未「わ、私のことも穂乃果と同じように、見るということですか…?」

ことり「え、えと…! まだ、分かんない……けど…」

海未「こ、ことり……」ドキドキ

ことり「でも…穂乃果ちゃんがそれを望むなら……ことりは…」ドキドキ

海未「う……」ドキドキ

ことり「……」ドキドキ

穂乃果「おっはよー!」

海未「うわぁ!?」ビクッ

ことり「ひゃっ!」ビクッ

穂乃果「あれ?どうしたの二人とも」


510: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/13(月) 02:19:22.49 ID:f+Af/JW8.net
~学校~


穂乃果「えぇー!?二人が付き合うの!?」

海未「そっそんなことは言ってません!」カアア

穂乃果「じゃあどういうことなの!穂乃果に分かるように説明してよ~!」

海未「ですから!ことりが三人で仲良くしたいと言ったんですよ!」

穂乃果「うん、それで…!」

海未「けど穂乃果はまだ恋愛についてよく知らないですから、それは私と勉強してからになります!」

穂乃果「う、ううん…?」

海未「そして三人仲良くと言っても、それを理由に二人が別れるのも私は許しません!」

穂乃果「うわーん!分かんないよことりちゃーん!」ギュー

ことり「あ、あはは…」


528: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/17(金) 21:48:14.42 ID:MFzPIiKP.net
海未「つまり穂乃果は難しいこと考えずに、今までのままで良いということです!」

穂乃果「なぁんだ、そういうこと……って今までと一緒じゃ駄目だよ!」

海未「駄目じゃありません!」キッパリ

穂乃果「ひっ…!海未ちゃんが怖い顔した…!」

ことり「よしよし」ナデナデ

海未「そもそも私は三人仲良くという穂乃果の無茶な思い付きにも賛成してませんし」

穂乃果「思い付きじゃない!穂乃果だって一生懸命考えたもん!」

海未「それが浅はかだと言ってるんです!」

穂乃果「なっ………!?」

ことり「う、海未ちゃん?さすがにそれは言いすぎじゃあ…」アセアセ

海未「ふん!」

穂乃果「う、う……海未ちゃんのバカあああああああああ!!!!!!!!」ダッ

ことり「穂乃果ちゃん!?」


529: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/17(金) 21:56:32.24 ID:MFzPIiKP.net
ことり「え!もう授業始まっちゃうよ!?」

穂乃果「うわーん!」

ガラガラピシャン!

ことり「いっちゃった!海未ちゃん!」

海未「ふ、ふん…!」プイ

ことり「海未ちゃぁん…!」

海未「う……」


───────


~廊下~


穂乃果「うわーん!海未ちゃんのばかばか!」

穂乃果(穂乃果だって一生懸命考えたことなのに、海未ちゃんのばか!あんぽんたん!)

穂乃果(なんて、海未ちゃんに怒りながら廊下を走る。どこに行くかなんて考えてない!)


穂乃果「あっ!」

絵里「わっ!」


530: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/17(金) 22:02:05.64 ID:MFzPIiKP.net
穂乃果「あぶな…!」バッ

絵里「うわっ!」バッ

穂乃果(廊下の曲がり角。お互い避けようと、同じ方向に動いちゃって……)


ゴツン!


穂乃果「いったーい!!!!!」

絵里「あっ……いたぁい…!」プルプル

穂乃果(頭と頭がごっつんこ……穂乃果は頭を抱えて蹲ったの…)

絵里「な、なに…!? なんなのぉ…!」

穂乃果「お、おおお…! うあ…!」

穂乃果(クラクラする中、必死に前を向くと絵里ちゃんがいた)

穂乃果「………」

穂乃果(どうしよう、怒られる……)


531: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/17(金) 22:07:07.69 ID:MFzPIiKP.net
絵里「あぅぅ…! くぅぅ…!」

穂乃果「あ…いてて……」

穂乃果(痛む頭に手を当てながら、静かに立ち上がる……と、とりあえずこの場を離れて……)

絵里「ま、待ちなさい…」ガシッ

穂乃果「ひぃ!」ビクッ

絵里「……あなた、一体なに考えて……って、穂乃果?」

穂乃果「あ……絵里ちゃん、えへへ…」

絵里「なにしてるの…? あ、痛ぅ…!」

穂乃果「え、えーと……」アセアセ


532: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/17(金) 22:12:55.97 ID:MFzPIiKP.net
穂乃果「その、あの……い、急いでて…」

絵里「急いでて? 急いでて、廊下を走ってたの…?」

穂乃果「あ、あわわ…!」

穂乃果(怖い!海未ちゃんと同じくらい怖い顔してる~!)

絵里「………気を付け」

穂乃果「は、はい…!」ピシッ

絵里「はぁ~……あのねぇ、穂乃果」

穂乃果「はい…」

絵里「廊下で走ったりなんかしたら危ないでしょ? 急いでたのは分かったけど、もう高校生なんだから、規律は守らなきゃ駄目よ」

穂乃果「はい…ごめんなさい」

絵里「私だから良かったものの、もし他の生徒や先生方だったら大事よ?」

穂乃果「絵里ちゃんだったら良いんだ…」

絵里「聞いてる?」ギロッ

穂乃果「う、うん!聞いてる!」アセアセ


533: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/17(金) 22:21:04.00 ID:MFzPIiKP.net
絵里「………それで、どうしたの?」

穂乃果「え?」

絵里「そんなに急いで、どこ行くの?」

穂乃果「あー……えっと、どこか、かな」

絵里「へ?」

穂乃果「えへへ……さっき教室で、海未ちゃんと口喧嘩しちゃってね。思わず走って出てきちゃったんだ」

絵里「海未と…?」

穂乃果「海未ちゃんは穂乃果のことバカだと思ってるんだ……もう、許さなないんだから…!」プンプン

絵里「あ、またいつものことね」

穂乃果「あ、絵里ちゃんはどうして廊下を歩いてたの?」

絵里「ああ、私は職員室の帰り。一時間目が自習だから、課題のプリントを貰ってきたの」

穂乃果「プリントって…もしかして」

絵里「ええ、あそこでバラバラになっちゃってるやつ」

穂乃果「ご、こめんなさい……」


534: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/17(金) 22:31:30.47 ID:MFzPIiKP.net
絵里「一緒に拾ってくれるかしら」ニコッ

穂乃果「うん、もちろん!」ササッ

穂乃果(穂乃果とぶつかっちゃったせいで、絵里ちゃんは手に持っていたプリントを廊下にぶちまけちゃったみたい)

穂乃果(二人でプリントを拾いながら、話します)

絵里「それで、具体的にはどんな喧嘩をしたの?」

穂乃果「………海未ちゃんがね、三人で仲良くしたくないって」

絵里「え?」

穂乃果「穂乃果とことりちゃんと海未ちゃんの三人で、前みたいに仲良くしたいって言ったら、海未ちゃんに怒られたんだ…」

絵里「………えーと、それは」

穂乃果「?」

絵里「あ、ううん。続けてくれる?」

穂乃果「…うん。それでね? ことりちゃんも穂乃果の考えに賛成してくれて、三人で仲良くって言ってたのに、海未ちゃんは頷いてくれないの」

絵里「えー……と。とりあえず、ねぇ、穂乃果」

穂乃果「どうしたの?」


535: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/17(金) 22:35:24.62 ID:MFzPIiKP.net
絵里「穂乃果は、自分が結構酷いこと言ってるのに気付いてる?」

穂乃果「へ?」

絵里「あぁ、やっぱり。気付いてない…」

穂乃果「ど、どういうこと…?」

絵里「とりあえず。穂乃果は今ことりと付き合ってるのよね?」

穂乃果「うん、付き合ってる…」

絵里「でも、昔みたいに戻りたいと」

穂乃果「……うん」

絵里「ことりからしたら、恋人じゃない頃に戻りたいって、言われてるようなものじゃない?」

穂乃果「え…!?」


536: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/17(金) 22:44:57.29 ID:MFzPIiKP.net
穂乃果「でも、ことりちゃんも三人で仲良くしたいって…!」

絵里「ええ、分かってる。ことりはしっかりした子だから、きっと嘘じゃない」

絵里「穂乃果の気持ちを尊重する気持ちもあると思うけど、本人も少なからず同じ気持ちを持ってると思うわ。けど……」

穂乃果「………」

絵里「そうね、私には分からないけど、穂乃果がことりと付き合ってから、海未との関係性が変わった、とか?」

穂乃果「それは…」

穂乃果(それは、当たってる)

絵里「穂乃果はそういう変化が嫌で、三人仲良くなんて言ったのかもしれないけど……誰かと誰かが付き合って、周りとの関係が変わらないなんて、そんなことあり得ないのよ」

穂乃果「ありえない?」

絵里「そう。ことりはそういうことも覚悟して穂乃果と付き合ったんじゃない? だからこそ、穂乃果の言葉に海未ちゃんは、ことりの代わりに怒ったんじゃないかしら」

穂乃果「海未ちゃんが、ことりちゃんの代わりに…」


538: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/17(金) 22:54:52.83 ID:MFzPIiKP.net
海未『それが浅はかだと言ってるんです!』

海未『ことりのこと、大好きです!』



穂乃果(────海未ちゃんが言ってたことを思い出す)

穂乃果(海未ちゃんは、ことりちゃんのことが好きでした)

穂乃果(何年も二人の幼なじみ……親友として一緒に過ごしてきたのに、穂乃果は二人の気持ちに、言われるその時まで気付かない)

穂乃果「穂乃果は……ことりちゃんのこと傷付けちゃったの?」

穂乃果(そんなの、嫌だよ!)

穂乃果「どうしらいいの、絵里ちゃん…」

絵里「う~ん……これ以上は、廊下でする話じゃないわね」

穂乃果(絵里ちゃんは周りを見て、そう言った)

絵里「まぁ、私が言えることは少ないわ。やっぱり本人に直接聞かなきゃ」

穂乃果「う、うん、そうだね!」

絵里「じゃあ、もうすぐ授業も始まるし、私はもう行くわね」

穂乃果「うん!」

穂乃果(絵里ちゃんの後ろ姿を見送ってから、穂乃果も来た道を戻りました)


539: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/17(金) 23:00:01.40 ID:MFzPIiKP.net
~教室~


ガラガラ


ことり「あ、穂乃果ちゃん…!」

穂乃果「ことりちゃん……」チラッ

海未「……」チラッ

穂乃果(穂乃果が席に着くと同時に教科の先生が入ってきた)

ことり「良かった、戻ってきたんだね…♪」

穂乃果「……う、うん」

穂乃果「……」チラッ

海未「はっ!」プイッ

穂乃果「…!」ガーン

穂乃果(こ、この授業が終わったら、ちゃんと話そう……)


540:名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/17(金) 23:13:51.69 ID:MFzPIiKP.net
───────


キーンコーンカーンコーン


穂乃果「はっ!気が付いたらお昼になってる!」ガーン

穂乃果「う、海未ちゃんは…!?」バッ

ことり「海未ちゃんなら、さっき教室を出て行ったよ?」

穂乃果「そ、そっか…」シュン

ことり「先にお弁当、食べよっか」

穂乃果「うん…」

ことり「穂乃果ちゃん……」


ガラガラー


ことり「あ、海未ちゃん」

穂乃果「えっ」

海未「…………穂乃果、あの、これ」

穂乃果(海未ちゃんが持ってたものは…)

穂乃果「ぱん?」

海未「こ、購買で買ってきました……その、今朝は酷いことを言ってしまって、すみませんでした……」

穂乃果「海未ちゃん…!」パアア


541: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/17(金) 23:39:54.34 ID:MFzPIiKP.net
穂乃果「海未ちゃんありがとう!」ギュッ

海未「わわっ!な、あ、抱き着かないで下さい!」

穂乃果(やっぱり海未ちゃんは優しいや♪)

穂乃果「えへへ♡ あとでおやつにしよ!」

ことり「それじゃあ、三人で食べよっか♡」

穂乃果「うん!じゃあいただきまーす!」

ことり「いただきます♡」

海未「いただきますっ」

穂乃果(三人で顔を合わせて、お弁当を食べる)

穂乃果(みんな笑いあって、お弁当も美味しくて、三人でいると楽しいのに────)

穂乃果(それでも穂乃果の考えは、いけないのかなぁ…?)

穂乃果「ねーねー、ことりちゃん」


547: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/19(日) 23:09:26.50 ID:wFTHCj2D.net
穂乃果「ほっぺにご飯が付いてるよ」

ことり「え、どこどこ?」

穂乃果「ここ♪」ペロッ

ことり「ひゃっ!」

海未「ほ、穂乃果!?」

穂乃果「……食べちゃった♡」

ことり「あ……ど、どうしたの急に…?」カアア

穂乃果「えへへ……これからもずっと、こんな風に仲良く、付き合っていこうね♪」

穂乃果(恋人じゃなくなりたいなんて、そんなこと絶対無い。そんな意味を込めて、穂乃果は言った)

ことり「う、うん?」

穂乃果(伝わったかな?)


549: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/19(日) 23:19:41.86 ID:wFTHCj2D.net
海未「また一目も憚らずに…」

ことり「ほ、穂乃果ちゃんからちゅーされちゃったぁ…」ポワーン

海未「ってことり、しっかりしてください!」

穂乃果「海未ちゃんも、仲良くしていこうね♪」

海未「……、…またそんなこと言って」

穂乃果「ずっと言うもん。やっぱり3人でいることは何も悪くない!」

海未「それにも限度があります! 穂乃果は無茶なことばかり言んですから……はぁ~」

穂乃果「あ!ため息なんてついて、また穂乃果のことバカにしてる!」

海未「ことり、目を覚ましてください」ペチペチ

穂乃果「無視された!」ガーン


550: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/10/19(日) 23:40:50.08 ID:wFTHCj2D.net
ことり「はっ!何だかすっごく良い夢を見てたかも!」ガバッ

穂乃果「ことりちゃ~ん!海未ちゃんに無視されたよぅ!」ギュー

ことり「わわっ…穂乃果ちゃん!」

海未「べつに無視はしてません…ほら、早くご飯を食べましょう」

ことり「あ、そうだね」

穂乃果「さっき無視した!」

海未「し、してません」

ことり「海未ちゃん、無視したの?」

海未「してません!」

穂乃果「じゃあじゃあ、そのおかずもらっていい?」

海未「それは今関係ないでしょう!」


569: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/09(日) 23:33:53.73 ID:VpBZWkgH.net
───────


キーンコーンカーンコーン


海未「では、部室に向かいましょうか」

穂乃果(放課後になって、穂乃果たち三人は教室を出ます)

穂乃果「……あの、穂乃果ちょっと遅れる」

ことり「どうしたの?」

穂乃果「う、うん…ちょっとね」

海未「?」

穂乃果「す、すぐ部室いくから…」


571: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/09(日) 23:35:23.48 ID:VpBZWkgH.net
ことり「あ…!もしかして先生に呼び出されてるの?」

穂乃果「え?えと、うん。実は…」

海未「はぁ…まったく穂乃果は…
   しょうがないですね」

穂乃果「というわけだから、二人で先に行ってて!」

ことり「うん、待ってるね!」

穂乃果「えへへ♪」

穂乃果(もちろん穂乃果は、呼び出されてなんていないよ!)



~三年生の教室~



絵里「あれ? 希ったら、どこに行ったのかしら」

穂乃果「えーりーちゃん!」ガバッ

絵里「きゃっ!」


572: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/09(日) 23:37:07.32 ID:VpBZWkgH.net
穂乃果「わーい!驚いたー!」

絵里「ほ、穂乃果? どど、どうしたのよ。
   三年生の教室まできて……びっくりしたじゃない」

穂乃果「うん、あのね。
    絵里ちゃんに聞いてほしいことがあって!」

絵里「……今朝の話に関係してること?」

穂乃果「うん、ことりちゃんと海未ちゃんのこと」

絵里「……そ。んー、ここじゃ人が多すぎるわね。
   どこか、人目につかないところに行きましょ」

穂乃果「うん」


573: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/09(日) 23:38:59.35 ID:VpBZWkgH.net
───────


~廊下~



ことり「穂乃果ちゃん、大丈夫かなぁ?」

海未「いつものことじゃないですか」

ことり「そうだけど、心配で」

海未(ことりは心此処に在らず、という顔を浮かべます)

海未「ことりは優しいですね。私も見習いたいくらいです。
   でも、穂乃果のこと甘やかし過ぎてはいけませんよ」

ことり「あはは、そうだね♪」

希「あ、いた。うーみちゃん!」

海未(横から声を掛けられました。
   顔を向けると、こちらに小さく手を振る女の子)

ことり「希ちゃんだ~♪」


574: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/09(日) 23:41:27.53 ID:VpBZWkgH.net
希「やっほーことりちゃん!
  今日も可愛いね♪」ワシワシ

海未「ことりに変なことはやめてください!」バシッ

希「わぁ、海未ちゃんは相変わらず厳しい~」

海未「もう、私たちに何の用ですか」プンスカ

希「うん。実は、海未ちゃんに折り入った話があるのだ」

海未「私に?」

希「すっご~く重要な話なん。
  ちょっとだけ、時間貰えへん?」

海未(声のトーンが少し落ちました。
   真面目な話なのでしょうか…?)

海未「私は、構いませんが…」チラ

ことり「あ、それじゃあ私は先に行ってるね?」

希「ごめんねことりちゃん、すぐに海未ちゃん返すから」

海未「物ですか私は」


575: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/09(日) 23:43:29.44 ID:VpBZWkgH.net
ことり「くすくす♪ ごゆっくり♪」

希「ごめんな~」

海未(希は再度謝りながら、ことりを見送りました)

海未「それで、話って」

希「今朝のこと、絵里ちから聞いてん」

海未「?」

希「なんや穂乃果ちゃんが、難しいこと言ってたみたいやん?」

海未「……相変わらず、耳が早いのですね」

希「へへーん♪」

海未「褒めてません」

希「こほん…それでな?
  お節介やとは思いつつも、うちは三人の運勢を占ってみたん」

海未「はぁ……それで、どうでしたか?」


576: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/09(日) 23:45:01.42 ID:VpBZWkgH.net
希「このままじゃダメ……そう結果が出たんよ」

海未「…………」

希「ん?」

海未「え、いや……えっと。
   それは、やはり三人で仲良くした方が良いということでしょうか」

希「ううん、逆」

海未「逆?」

海未(希はなんだか勿体振るように喋ります)

希「三人で仲良くなんて都合の良い話、
  神様が認めへんよ~!って言ってるんよ」

海未「えっ!?」

希「いっそのこと、強引にでも好きな人を奪うべし!ってね」


577: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/09(日) 23:46:20.50 ID:VpBZWkgH.net
海未「え、えっと…?」

希「カードがうちに、そう告げとるんよ」

海未「……………」

海未(それはつまり、私にことりを奪えと…?)




───────



絵里「なるほどね~」

穂乃果「穂乃果、どうしたらいいんだろぉ…」シュン


578: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/09(日) 23:48:13.47 ID:VpBZWkgH.net
絵里「穂乃果の気持ちは良く分かったわ。
   今朝は厳しいこと言ってごめんなさい」

穂乃果「う、ううん!こっちこそ、ごめんね!
    急にこんなこと言って!」

絵里「穂乃果がそんなに想ってるなら、私は応援するわ。
   三人で仲良く……うん、良いんじゃないかしら!」

穂乃果「絵里ちゃん…!」パアア

絵里「何かあったら私に相談してね!
   これでも、色んな下級生の子に相談されてるから。
   恋愛に関したらプロレベルよ!」

穂乃果「わぁ!頼りになるなぁ!
    さっすが絵里ちゃん!やっぱり上級生だね、凄いや!
    これはもう、恋愛の神様と言っても差し支えないよ!」

絵里「もー!穂乃果ったら褒めすぎよ!」テレテレ


579: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/09(日) 23:49:25.62 ID:VpBZWkgH.net
───────


~部室~


ガチャリ


ことり「……あ、にこちゃん」

にこ「ん、ことりじゃない。あんた一人?」

ことり「うん…にこちゃんも?」

にこ「そうだけど…悪い?」

ことり「え、悪く無いけど……」

にこ「…………」

ことり「………」

にこ「………座らないの?」

ことり「あ、うん。そうだね…」スッ

にこ「………」

ことり「…はぁ」

にこ「………」チラ


581: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/10(月) 00:22:32.14 ID:FYpUhGtN.net
ことり「はぁ~………」

にこ「……」

ことり「…はふぅ」

にこ「ちょっとちょっと、あんた」

ことり「………え、私?」

にこ「あんたしかいないでしょ」

ことり「ど、どうしたの?」

にこ「何があったか知らないけど。
   アイドルがそんな風にため息付くもんじゃないわよ」

ことり「え…?」

にこ「気付いてなかったの? 仕方ないわねぇ…」ヤレヤレ


583: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/10(月) 00:35:06.65 ID:FYpUhGtN.net
にこ「…」ガタッ

ことり「…!」

にこ「…」スタスタ

ことり「…!」ドキドキ

にこ「すたんだっぷ」

ことり「え?」

にこ「立ち上がるのよ!ほら、さんはい!」

ことり「え、は、はい…!」

にこ「よし。じゃ、行くわよ」

ことり「えっと……」

にこ「にっこにっこにー!はい!」

ことり「…………」

にこ「復唱!」

ことり「……」

にこ「にっこにっこにー!」

ことり(え、え~?)


589: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/10(月) 22:04:38.50 ID:FYpUhGtN.net
───────


ガチャリ

海未「遅れてすみません…! て、あれ?」

希「まだ二人しか来てないやん」

にこ「あ、二人とも遅いにこ~」

ことり「はぁ、はぁ…!」

海未「ど、どうしてことりは息を荒げてるんですか?」

にこ「ん~? ちょっとにこにー式の特訓をしたにこぉ~」

ことり「だ、大丈夫……にこっ」

海未(にこ?)

にこ「うんうん!やっぱりことりちゃんは笑顔が一番可愛いっ!」

希「よう分からんけど……今日もにこっちは絶好調やね♪」

にこ「にしし!当たり前にこ~!」


590: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/10(月) 22:13:30.78 ID:FYpUhGtN.net
海未「……あ、あのっ!ことり!」

ことり「ん、なぁに? 海未ちゃん」

海未「大切な話が…その、あの…」ボソボソ

にこ「え、何ですって?」

希「にこっち、少し黙ろう」

海未「あの、話したいことがあるんです…
   ここじゃ少し言いづらくて…」

にこ「はあ?なによそれえええ痛い 痛い!!!」

希「にこっち?」ギュー

ことり「いいよ、どこいくの?」

海未「えっと、どこか静かなところへ…」


591: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/10(月) 22:16:07.14 ID:FYpUhGtN.net
───────



海未「ここでいいでしょうか」

ことり「うん。それで、話って…」

海未「……」ゴクリ

海未(や、やります……やるったらやります…!)

海未「ことり!」ドン!

ことり「わっ…!」ビクッ

海未「……!」カアア

ことり「ど、どうしたの海未ちゃん?
……壁と海未ちゃんに挟まれちゃったら、ことり身動き取れないよ?」

海未(……ことりは上目遣いで、私を見ます)

海未「ず、ずいぶん落ち着いてるんですね…」


592: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/10(月) 22:19:20.64 ID:FYpUhGtN.net
海未(こ、これは…信用されてるということなんでしょうか…)

ことり「?」

海未(でも…今の私は、いつもとは違います!)

ことり「海未ちゃん、なにか変なこと考えてる?」

海未「…えっ!」ドキッ

ことり「どうしたのかな。
    ことりで良かったら、話きくよ?」

海未「…………!」

海未「き、今日は…ま…まだですよね!」

ことり「え?」

海未「えい!」


チュッ


598: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/11(火) 05:49:13.24 ID:h50SNtC9.net
海未(触れた唇はとても柔らかく。
ほのかに温かい熱が、伝わってきます)

ことり「え……」

海未(一瞬、唇と唇の先が触れただけのキスをしました)

海未「……っ、…」カアア

ことり「海未、ちゃん…?」

海未「ことり……聞いてくれますか」

ことり「う、うん…」

海未「何度も、何度も…諦めようとしました。
友だちでいて欲しいと、私から言いました。
けど、ダメでした」

海未(ことりの姿が少し、ぼやけます。
また私は、涙を流す)

ことり「……」

海未「ご、ごめんなざ…ぐずっ…私は、私は……」

海未(ことりは何かを考えるように一度上を向いて、目を閉じます。
  そのきれいなまつ毛が、少し震えていました )

ことり「ことりのこと。まだ、好き?」


599: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/11(火) 05:53:36.24 ID:h50SNtC9.net
海未(ああ、ことりは何て強いのでしょう。
   まっすぐに私を見て、まっすぐに私に言うのですから。
   私も鼻をすすって、答えます)

海未「………愛して、います」

ことり「うん。伝わった。
    さっきのキスで、海未ちゃんの気持ち、ことりに全部伝わったよ」

海未「………」

ことり「それを踏まえて言うと、ことりは嫌じゃありませんでした。
    海未ちゃんにキスされて、ことりは嫌な気持ちにならなかったの」

海未「そ、それは……」

ことり「海未ちゃんはことりの大切な友だちだよ。全部が大好き。
    海未ちゃんになら、ことり何されても平気。
    でも、でもね。ことりは穂乃果ちゃんの恋人だから」

海未「………」

ことり「だから、さっきのことは、穂乃果ちゃんに告げ口しちゃいます!」

海未「……え?」

ことり「ちょっと、ここで待ってて」

海未「え、えぇ!?」

ことり「デハ、ヨキニハカラエー」


607: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/11(火) 22:26:16.89 ID:o7P68hFV.net
───────


~♪


海未(ぽつん。私は一人きりになってしまいました。
   遠くから吹奏楽部でしょうか? 綺麗な音が聴こえます)

海未(ちなみに、ここは私たち二年生の教室です。
   私以外、誰もいなくなった放課後の教室)

海未「はぁ………。
   結局、私は何もかもが、中途半端なんですね」

海未(……希の言うようにことりを穂乃果から奪うくらいなら。
   いっそ嫌われてしまおうと思いました。
   三人でいて駄目なら、私が離れようと思いました)


~♪


海未(それすらも上手くいきませんでしたが。
   ……というか、本当に嫌われたいなら、他に方法もありました。
   分かってます。本心では、嫌われたくなんて無いんです)


608: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/11(火) 22:32:47.25 ID:o7P68hFV.net
海未(ことりは、一体なぜあんなことを言って…)


ガラガラー!


海未「!」

海未(勢い良く開いた扉の向こうから現れたのは……)

ことり「……」

穂乃果「海未ちゃん
    聞いたよ、ことりちゃんから」

海未(穂乃果が、迫ってきます。
   怒った顔で、手を振りかざし…)

海未(私が思わず体を強張らせたとき────)

穂乃果「海未ちゃんのバカ!」ギュー

海未(穂乃果に、強く抱きしめられました)

海未「え!?え、と…穂乃果!?
   な、何を…! は、離してください…」

穂乃果「やだ!離さないもん!
海未ちゃんが反省するまで、離さない!」


610: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/11(火) 22:54:47.33 ID:Qv0V/Jv0.net
海未「???」

穂乃果「ハラショーだよ!」

海未(はらしょー?)

穂乃果「結局、我慢できてないじゃん!
    ことりちゃんのこと好きなんじゃん!なら、穂乃果にもそう言ってよ!
    諦めたみたいなこと言わないで!」

海未「穂乃果…!」

海未(穂乃果はとても近い距離で、強く私を睨みつけます)

海未「は、離してください…」

海未(穂乃果の胸をとんと押して、距離をとる)

海未「……っ」ドキドキ


611: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/11(火) 23:07:08.19 ID:Qv0V/Jv0.net
海未「精一杯、言いました…」

海未(私は何度も言いました…。
   自分の想いを、ことりに、言いましたよ)

穂乃果「穂乃果にも!ちゃんと言ってよ!」

海未「…っ」

穂乃果「海未ちゃんはいっつも穂乃果のこと気遣ってばっかり!
    海未ちゃんは!それでいいの!?」

海未「………………」

ことり「海未ちゃん。穂乃果ちゃんって、こういう子だよね♪」

海未(ことりが、私に可愛らしく微笑みます)

穂乃果「海未ちゃん!」

海未「私は…」


612: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/11(火) 23:11:23.84 ID:Qv0V/Jv0.net
海未「わ、私は…! ことりのことが好きです!
   本当は穂乃果のこと、羨ましくて、妬ましくて…!
   ずっと、我慢してたんです!」

海未「ことりと付き合ってるくせに能天気なこと言うところも!
   私の気持ちも!ことりの気持ちにも鈍感なところも!
   私に変わらず接してくれる優しさも!
   全部全部! 気に入らないんです!」

ことり「……!」

海未「はぁ…はぁ…」

ことり「海未ちゃん…」ドキドキ

穂乃果「やっと、本音を言ってくれたね…」ニコ

海未「穂乃果…」

穂乃果「これで穂乃果と海未ちゃんは、ライバルだ」スッ

海未「!」


613: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/11(火) 23:19:41.36 ID:Qv0V/Jv0.net
穂乃果「海未ちゃん?」

海未「……、…っ」

海未(差し出された穂乃果の手を見て、なんというか)

海未「…………」

海未(私はつい。
   つい、思わず…)

海未「ぷっ…!
   ふふ…ふふふ……」

穂乃果「う、海未ちゃん!?」

海未「ぷぷ…、も、もう…何なんですか…あなたは…!」

穂乃果「……???」

海未「ライバルだなんて…。
   こちらは、真面目な話をしているのに…ふふっ…!」

穂乃果「ほ、穂乃果だって真面目な話してるのに!」ガーン


614: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/11(火) 23:22:17.12 ID:Qv0V/Jv0.net
海未「ま、まったく…あなたという人は…」

海未(明らかな妬みをぶつけられて…普通、怒るところじゃないんですか?)

海未「ぷぷ…穂乃果のそういうところは、好きですよ」

ことり「ふふ…んふふ♪」

穂乃果「あー!ことりちゃんまで笑ってる!」

海未「もういいです。分かりました。カードが私にそう言ってます」

海未(なんて。ポケットからカードを取り出しながら、私もおちゃらけてみます)

ことり「あれ?海未ちゃん、そのカードどうしたの?」

海未「これですか。
   これはですね、お守りとして持たされたんです」

ことり「?」

海未「気にしないでください。
   それよりことり、そろそろ練習に戻ったほうが良いと思いませんか?」

ことり「ホントだ!もうみんな練習始めてるかも!」

海未「それじゃあ早く、行きましょうか」ギュッ

ことり「わっ」


615: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/11(火) 23:28:27.94 ID:Qv0V/Jv0.net
穂乃果「わぁ~手なんて繋いで海未ちゃん積極的~♪
    ……ってちょっと!穂乃果のこと忘れてるよ!」

海未「ライバルでしょう?
   穂乃果のことなんて知りません。嫌いです」プイッ

穂乃果「がーん!さっきは好きって言ったくせに~!待ってよぅ!」

ことり「穂乃果ちゃん、ことりと繋ご?」

穂乃果「わ~い♪ ことりちゃん大好き!」ギュッ

海未「って何であいだに入ってくるんですか!?」

穂乃果「穂乃果、真ん中がいいんだも~ん!」

ことり「穂乃果ちゃん♪」

海未「もう……」

ことり「でも、これって何だか本当に…」

海未「?」

ことり「ことりと海未ちゃんが夫婦で、穂乃果ちゃんが2人の子どもみたい!」

海未「ことり…」


616: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/11(火) 23:34:24.23 ID:Qv0V/Jv0.net
海未「……ふふ、確かにそうかもしれません♪」


~♪


穂乃果「あ、この音って……
みんなの歌声だよ!」

海未「え?」

海未(耳を澄ましてみると…確かに聴こえる音は……)

ことり「屋上から聴こえてるんだね」

穂乃果「うー!こうしちゃいられないや!
2人とも、走ろう!」

海未「あ、穂乃果…!
ちょっと急に走ったら…!」

ことり「わっ、わ…! 穂乃果ちゃん、ちょっと待って~!」

海未「ことり。私たちも、走りましょう!」

ことり「う、うん!」

穂乃果「2人とも!早く早くー!」


617: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/11(火) 23:43:25.17 ID:Qv0V/Jv0.net
───────



凛「それで、めでたしめでたし?」

花陽「わーい!」

真姫「いやそんな簡単な話じゃないと思うけど。
   まぁでも、一件落着って感じかしら」

花陽「だよねだよね。3人とも、吹っ切れた感じだったよ」

真姫「結局、収まるところに収まったって感じ?」

凛「でもことりちゃんと穂乃果ちゃんは恋人のままだし、何も変わってなくない?」

真姫「そんなすぐに変わらないデッショー。
   はたから見てる分には、3人でいるときがど~見ても一番楽しそうだし」

凛「そういえばことりちゃんと海未ちゃんチューしたって言ってたにゃ~」

花陽「は、ハレンチだよぉ~」カアア

凛「とりあえず分かったことは、ことりちゃんがキス魔ということだね!」

花陽「ダレカタスケテー!」


619: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/11(火) 23:46:21.02 ID:Qv0V/Jv0.net
真姫「これから暫くは、私たちで見守りましょ」

凛「見守るってあれかにゃ?
  いつもカード持ち歩くようになった海未ちゃんや、師匠(絵里ちゃん)の教えで変な方向に行ってる穂乃果ちゃん。
  毎日「にこにこ」うるさい特訓してることりちゃんを見守っていくのかにゃ?」

真姫「そ、そこは悪い影響ね…。
   私たちで改善しなきゃ」

花陽「3人とも、前より仲良くなってるよね♪」

凛「確かにそうだにゃ~」

真姫「うん。
   さ、あの3人のことはまた考えるとして、もう寝ましょ」

花陽「そうだね! 明日も練習だし」

凛「え~!せっかく真姫ちゃん家でお泊まりなのに勿体無いよ~」

真姫「おやすみ」スヤスヤ

花陽「おやすみ~」スヤスヤ

凛「誰も聞いてないにゃー!」ガーン



   お    わ    り


623:名無しで叶える物語(芋)@\(^o^)/:2014/11/12(水) 02:19:30.09 ID:oEvxYxJh.net
乙ー
ラスト良かったよー
3人一緒でライバル良いね


626: ◆xo/83TRWRA (おいしい水)@\(^o^)/:2014/11/12(水) 06:12:38.78 ID:xsP+G9T4.net
ほのうみ、ことほの、ことうみ要素を全部入れようと思ったらこんな感じになりました!

書いてる途中で、みんな幸せになってほしいな、と思い急遽ことほのうみエンドを目指した感じです

( ^ω^ )最後まで読んでくれてありがとうございますにゃ!


627:名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/:2014/11/12(水) 07:05:21.82 ID:LQi/6lP7.net
ことほのうみは相思相愛トライアングルが至高
誰もが幸せ


628:名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/:2014/11/12(水) 07:32:02.96 ID:M4qZIxD9.net
乙!
完結してよかった!






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