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2009年6月29日 (月)

驕れる者は久しからず

ジャガーとローバーという英国の名門ブランドを買収した、インドの自動車会社タタが数百億円の赤字に陥ったと昨日の新聞は報じていました。元宗主国の名門を買収するにあたっては感慨ひとしおのものがあったのではと推察されます。しかし折悪しく高級車に逆風の時代が到来、前途は順風満帆とは言い難いようです。

さらにタタは世界一安い20万円台の小型車を発表したばかりですが、いくら自動車黎明期のインドとは言え、そのコストで利益を出すのは大変ではないでしょうか。世界不況というタイミングも災いして、思惑とは多少違う方向へ流れているのかもしれません。

30年程昔の話になります。当時ホンダへ移籍したばかりの私は、ある小型車のエクステリアデザインを担当していました。そのプロジェクトは当初社内コンペという事で、二台のクレイモデルを並べて競っていたのです。

デザインのステージも最終局面にさしかかり、モックアップモデル(実物のような模型)が完成した頃、重要来客があるとの全館アナウンスがありました。下っ端の私などは、部屋に入れてもらえず、何事だろうかといぶかしんだものです。後に英国の名門BLMC(BRITISHLEYLAND MOTOR COMPANY)が来ていた事が分かりました。

当時のBLMC と言えば生産台数こそ60万台程度で、ホンダといい勝負だったのですが、従業員数は16万人を誇る英屈指の老舗大企業で、我々新興自動車メーカーの一デザイナーにとっては遥か遠い存在だったのです。
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結局私の開発していた4ドアセダン、日本名バラード(PHOTO)は、トライアンフ アクレイムという名で、英国にてライセンス生産される事になります。コンペで競った5ドア車はクイントという名前で国内市場に投入されました。

その後のBLMCの変遷はご存知の通り、まずはホンダの資金的技術的支援を受け、欧州市場で息を吹き返します。傘下のローバーなどにも日本デザインが採用された事もあったのです。その過程で、若きホンダマン達は英国式縦社会の効率の悪さに悩まされます。先方からの回答に時間がかかりすぎるのです。

ところが、すったもんだはあったにせよ、何とか続かせていた蜜月時代は突然破局を迎える事になります。BLMCはホンダとの契約を一方的に破棄してドイツの俊英BMWの軍門に下ったのです。

結局これが災いし、BLMCは解体の憂き目に会います。ジャガー等の価値あるブランドはバラバラに売られていきました。勿論BMWはMINIのみを手元に残し、独企業らしい堅実なビジネスを展開した事は、今更言うまでもありません。

人種的偏見かどうかの判断を軽々に論じる事を本意とはしませんが、結局かつて植民地であった国から買収される羽目に陥いる名ブランドの命運に、有色人種である日本人の会社を袖にした報いを感じたとすれば、それもまた一種、勝者の驕りと言えるのでしょうか。

いずれにしても、古今東西を問わず、栄枯盛衰は世の習い、驕れる者は久しからずなのだ、と思われた方クリックをお願いします。

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コメント

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