大海原の小さな光

富樫と共に委員長の丹生谷。一見普通に見える彼女も中二病であり、凸守がもっている怪文書マビノギオンは丹生谷が以前ネット上で言っていたことを凸守がプリントアウトしたものであった。彼女が極東魔術昼寝結社の夏に入ったのは、マビノギオンを焼き消すのが目的だったのである。目的は達されたかに思われたが、凸守はまだ大量のコピーを持っているらしい。そんな話。ここに我々は一つに教訓を見出すことが出来る。ネットって恐ろしいですね、と。

もとい。丹生谷が富樫同様元中二病で高校からやり直そうとしてるみたいな背景だろうとは、前回ラストで極東魔術昼寝結社の夏に入ると言い出したあたりで既に想像できた。ただ、中二病の表現がワンパターンになってきてるのが気になる。この作品の中二病患者はどいつもこいつも、現実では全く無い三文小説のような虚構の設定、妄想を垂れ流してるというものばかり。かつての丹生谷もまさにこれに当たる。その辺で、またか、という気がしてしまう。

本来中二病とはそれだけに限ったものではないはずだ。普通の作品で中二病を単なる妄想の垂れ流し、みたいに使ってるのならば作り手がそういう風に言葉の用法を限っているもしくは言葉の意味を勘違いしてるとも考えられるが、この作品は第１話の最初で解説している。その用法に従うのならこの言葉の指す範囲はかなり広いはずなのに、何故実際のヴァリエーションがこんなに乏しいのだろう。


もう、感覚が麻痺してきてるが、丹生谷というのも相当変な名前だ。性格も、もはや気が違ってるとしか思えないレベルの凸守に振り回されたせいで霞んでいるが、マビノギオンを探すためだけにいかにも恋愛ものにありそうな調子で富樫に近づいた行動が普通に悪質で、中二病とか裏表の激しさとか関係無くあまり近寄りたくない。


五月七日先輩は今回も、殆ど寝てただけで、特に何もしなかった。考えてみれば、特にキャラを作ってるわけではなさそうなこの人こそ中二病ではない人と言えよう。それとは関係なく、その性格はどうかと思うけど。結論、極東魔術昼寝結社の夏にはまともな性格の奴がいない。


そういえば、今回珍しくサブタイが内容と大体合ってる。