大海原の小さな光

イリヤたちを倒したギルガメッシュが去った後、士郎たちはランサーから協力を言い出され、それを受ける話。ここまでしばらくセイバーを奪われ、アーチャーに裏切られ、と失うばかりだった士郎たちの聖杯戦争にようやく訪れた良い展開。ここからキャスターを倒しに行くだけ、といったところだが。

それはさておき。士郎と凜とはなんか急に距離感が近くなった印象がある。その、本人は至って真面目な筈なのにどこかぼけたやり取りの様子は、個人的にとても好き。ランサーとの交渉で、凜に手を出すって事を言い出す士郎の辺りが最高。真面目な顔で何言ってるんだよ、こいつ。


ギルガメッシュによるイリヤの心臓摘出の件。以前の劇場映画版で、やたらダイナミックにやったのが一部では有名なところだ。まぁ、実際惨たらしい描写ではある。それに比べれば今回は控えめにも見える。だが皆さん、冷静になって頂きたい。明らかに死んでいる人を勝手に切り開いて内臓を取り出す、というのは死体を弄んでいる感じで十分あれな描写ではないだろうか。

あと、この辺の描写としては慎二がちょっとな。ここ最近のアニメ版オリジナル描写でギャグっぽさを前面に出し過ぎていたせいで、今回のほぼ原作由来の道化っぷりがわりと普通の行動に見えてしまった。今回は先に述べたように士郎と凜とにもギャグっぽい描写があったのもあり、慎二の言動が浮いてる感が乏しい。というか、今回は高度なギャグ回だったのでは。


サブタイは士郎の歪な生き方に関するつっこみ、かと思いきやアーチャーと葛木との会話で出てきたキャスターの目的のことを含んでるのであろうか。まぁ、このシーンは話の内容よりも、そもそもアーチャーと葛木とという組み合わせ自体に意外性がある。話の内容は、最後の“正しさ”についての考えにちょっと強引さというかよく分からないものを感じる。