大海原の小さな光

共にサーヴァントを失った士郎と凜とはキャスターを倒すためにイリヤに協力を持ちかけに行った、のだが今回の重点はそこではなく。キャスターの召喚から現在に至るまでの経緯や、アインツベルン勢の状況などを豊富なアニメ版オリジナル描写で描く、ここですね。そういうわけで、原作との相違点をさらっと見ることにしましょうか。


キャスター/メディアを最初に呼んだマスター、まさかの初登場である。それは、この番組において、という意味に限らずあらゆるメディアミックスの中で初めてという意味である。原作では令呪を無駄使いしてメディアに殺された小者、という程度の情報しかなく、名前も無かった。さて、この度ようやく与えられたその実態は清々しいほどの小者。ケイネスを引き合いに出していたが、仮にも名門のケイネスより優秀だったのかは甚だ疑わしい。というか、ここで『Zero』関連への言及がある辺りがこのアニメ版らしい。

アインツベルンの皆さんはほぼ完全にオリジナル。ギルガメッシュ（もう茶番は必要ないな）が襲撃をかけ、対応したセラやリズがあっけなく殺される。そういえば今回を見るまで全く気付かなかったが原作ではこのルートだとセラやリズの描写が無いんだよな。ギルガメッシュ対ヘラクレスの戦いに立ち入れなかったにしても、その後も全く言及が無い。それにイリヤ狙いで襲ってきたのなら彼女たちが動かない筈が無い。妥当な描写ではある。

この辺は、イリヤがリズの死を察したような反応を見せたり、ギルガメッシュがホムンクルスのあり方にコメントしたり、（『stay night』原作ではなくその後の）シリーズの展開を踏まえたが故と思われる描写が目立つ。シリーズのファンに美味しい作品であることだ。


次回予告。これは卑怯だ。人物をチェスみたいな駒に見立てた予告映像でまで大量の剣を飛ばすギルガメッシュ。こんなのリアクションを取らずにはいられないだろ。