時価総額、売上、利益、利益率のランキング
【ネット企業大手10社の比較】
・時価総額ランキング ↓
・売上高ランキング ↓
・利益ランキング ↓
・利益率ランキング ↓
【時価総額ランキング】~ネット企業大手10社
順位 | 企業 | 時価総額 |
---|---|---|
1 | エムスリー | 1兆8237億円 |
2 | Zホールディングス(旧ヤフー) | 1兆6010億円 |
3 | 楽天 | 1兆5120億円 |
4 | LINE | 9263億円 |
5 | ZOZO | 7862億円 |
6 | MonotaRO(モノタロウ) | 7183億円 |
7 | サイバーエージェント | 5158億円 |
8 | カカクコム | 5082億円 |
9 | メルカリ | 3565億円 |
10 | ディー・エヌ・エー | 2897億円 |
※2019年10月時点
1位は医師向け専用サイト「エムスリー」
株式の時価総額の1位はエムスリーです。同社は国内で約27万人以上の医師が会員登録する情報サイト「m3.com(エムスリードットコム)」を運営しています。医薬情報担当者(MR)の役割をネット上で代替し、製薬会社などから販促費を得る仕組みです。 競合他社が少なく、医師向けの医薬品サイトの中で圧倒的な地位を築いています。このため、収益力が高く、今後も安定した成長が期待されています。
ヤフーは2位に転落
日本のネット企業では、長らくヤフー(現Zホールディングス)と楽天がトップを争ってきました。 しかし、両社はアマゾン(Amazon)やグーグル(Google)といったアメリカ勢との厳しい競争に直面しており、将来の収益低下を懸念する声もあります。
【売上高ランキング】~ネット企業大手10社
順位 | 企業 | 売上高 (前年比伸び率) |
---|---|---|
1 | 楽天 | 1兆1014億円 (16%) |
2 | Zホールディングス(旧ヤフー) | 9547億円 (6%) |
3 | サイバーエージェント | 4195億円 (13%) |
4 | LINE | 2071億円 (24%) |
5 | ディー・エヌ・エー | 1241億円 (11%) |
6 | ZOZO | 1184億円 (20%) |
7 | エムスリー | 1130億円 (19%) |
8 | MonotaRO(モノタロウ) | 1095億円 (24%) |
9 | カカクコム | 548億円 (17%) |
10 | メルカリ | 357億円 (62%) |
※2018年度
楽天が1位。通販+カード事業の強み
売上高では、楽天が1位です。 ネット企業として唯一、1兆円の大台に乗せています。 ネット通販の普及により、取引高が増えているためです。 また、クレジットカードや楽天銀行の売上が伸び、会社全体の3分の1を占めています。
2位ヤフーは広告費で稼ぐ
2位はZホールディングス(旧ヤフー)です。 検索連動型の広告の収入に加えて、 ネットオークションなどの売上高が増えています。 子会社アスクルも伸びています。 3位は「アメブロ」で有名なサーバーエージェントです。 創業以来の本業であるネット広告の代理店事業が売上高の半分以上を占めています。
【利益ランキング】~ネット企業大手10社
順位 | 企業 | 営業利益 |
---|---|---|
1 | 楽天 | 1704億円 |
2 | Zホールディングス(旧ヤフー) | 1405億円 |
3 | エムスリー | 308億円 |
4 | サイバーエージェント | 301億円 |
5 | ZOZO | 256億円 |
6 | カカクコム | 250億円 |
7 | LINE | 161億円 |
8 | MonotaRO(モノタロウ) | 137億円 |
9 | ディー・エヌ・エー | 135億円 |
10 | メルカリ | ▲44億円 |
※2018年度
楽天とヤフーが圧倒的
営業利益ランキングは、1位が楽天、2位がヤフーです。 上位2社が売上高と同じ顔触れです。 両社の利益額は1000億円を大きく上回っており、3位以下を大きく突き放しています。 一方、大手10社の中で創業時期が最も若いメルカリは、まだ赤字の状態です。
【利益率ランキング】~ネット企業大手10社
順位 | 企業 | 営業利益 (売上高営業利益率) |
---|---|---|
1 | カカクコム | 45% |
2 | エムスリー | 27% |
3 | ZOZO | 21% |
4 | 楽天 | 15% |
5 | Zホールディングス(旧ヤフー) | 14% |
6 | MonotaRO(モノタロウ) | 12% |
7 | ディー・エヌ・エー | 10% |
8 | LINE | 7% |
9 | サイバー・エージェント | 7% |
10 | メルカリ | ▲12% |
※2018年度
1位は断トツで「カカクコム」
利益率(売上高営業利益率)の1位はカカクコムです。営業利益率は45%で、2位以下と大きな差をつけています。 同社は飲食店の情報サイト「食べログ」をサイトを運営しており、全国の飲食店から広告・課金収入を獲得しています。さらに、一般消費者の有料会員から得る収入もあり、高収益を実現しています。また、家電などの料金を比較するサイト「価格コム」も有力な収益源になっています。
ZOZOの利益率に陰り
2位はエムスリーで27%、3位はZOZOの21%です。ZOZOは衣料品ECモール「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営し、出店企業から販売額の3割超の手数料を受け取っています。しかし、Amazonなど他社との競争が激しくなり、前年度から11.5ポイント下落しています。自社の衣料品ブランド事業の目玉として開発した全身採寸用ボディースーツ「ゾゾスーツ」を無料配布したコストも発生し、利益が押し下げられました。ZOZOはZホールディングス(旧ヤフー)に買収されることが決定しました(上場は維持)。今後も高い収益力が維持できるかが注目されます。なお、ネット大手10社のうち6社が営業利益率10%を超えており、業界全体として高収益の傾向がうかがえます。