英雄と怪物の2017年映画ベストテン!
バーフバリー!!!
というわけで「バーフバリ 王の凱旋」の興奮も冷めやらぬのですが、ついに大晦日。今から今年日本で公開されて、僕が劇場で観賞した映画作品の中からベストテンを決めたいと思います。今年は上半期は割りとド派手な作品よりはちょっと小規模の作品が好きになったのが多くてどうなるかな、と思ったけれど、下半期はド派手な作品が続いて結局例年と変わらぬエンターテインメント志向のランキングとなりました。
昨年のベストテンはこちら。
susahadeth52623.hatenablog.com
それではまずはベストテン一覧。
- バーフバリ 伝説誕生&バーフバリ 王の凱旋
- 仮面ライダー平成ジェネレーションズFINALビルド&エグゼイド withレジェンドライダー
- 怪物はささやく
- ザ・コンサルタント
- 美女と野獣
- 新感染 ファイナル・エクスプレス(ソウル・ステーション/パンデミック含む)
- スパイダーマン:ホームカミング
- ワンダーウーマン
- 銀魂
- SING/シング
とまあこんな感じ。1~3位は別に同率1位でも良いです。「バーフバリ」は昨日観たばっかりで興奮冷めやらぬというのもあるけれど、もし「伝説誕生」のみで「王の凱旋」が来年になっていればランキングしなかったかもしれません。この2本はとにかく濃密。そしてずっと飽きない。アメコミ勢はMCUとDCFUから各一本づつ。他のMCU、DCFU作品も好きだけれど代表して一作という形。
それでは各作品ごとに。
- バーフバリ 伝説誕生&バーフバリ 王の凱旋
インドの超大作文明映画。物語自体は特定の歴史や神話、伝説を元にしているのではなくオリジナルだそうだが(一番モデルになっているのはインドの2大叙事詩の一つ「マハバーラタ」だそう)、普遍的な英雄伝説としてインドに限らず世界中の人が楽しめるでしょう。ハリウッドのVFX、スタントチームなどが参加して、もちろんCGやスタント、VFXもふんだんに使われているのだが、それを承知していても役者たちの生身の肉体から発する闘気、表情から放たれるカリスマ。それが男優だけでなく女優にも、正義の英雄にも悪の暴君にも備わって観るものを圧倒する。細かいことはいいんだよ!とにかくこれは劇場の大画面大音量で観てほしい!
昨年の「エグゼイド&ゴースト」から「MOVIE大戦」ではなく「平成ジェネレーションズ」とシリーズ名を変更した現行ライダーと前年のライダーの共演作。ただし今上天皇の退位によって平成が30年で終わるは確定なのでおそらくこの名前でのシリーズは2作で終了(といってもまた別の名前で続くでしょうが)。
スーパー戦隊の「VSシリーズ」が割りと一定のクオリティを保っているのに対して、仮面ライダーのクロスオーバーは出来不出来が激しい印象があるのですが、今回は個人的に「MOVIE大戦MEGAMAX」以来の傑作。異なる世界のライダーが出会うパラレルワールド設定を採用していますが、それ自体が作品の重要なテーマとなって、単に違うライダーを出会わせるための手段ではなくなっています。また今回は平成仮面ライダー第2期の初期ライダー「仮面ライダーオーズ/OOO」と「仮面ライダーフォーゼ」からも参戦。弦ちゃんは新米教師としてTVシリーズの5年後を描いた「MOVIE大戦アルティメイタム」直前の物語、オーズは映司だけでなくアンクもちゃんと登場し、それもただ登場するだけでなくきちんと整合性をつけているのです。こちらもまだまだ絶賛公開中なので観て!
仮面ライダー 平成ジェネレーションズ FINAL ビルド&エグゼイド with レジェンドライダー オリジナルサウンドトラック
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「バーバリ」や「仮面ライダー」は英雄譚でありますが、もっと小規模にそして僕個人の心に刺さったのはこの「怪物はささやく」でありました。上の2つは神話的でしたが、こちらは寓意的な民話的な物語。少年の心を癒やすというには厳しすぎる「クリスマスキャロル」です。一年に一本ぐらいは現れる「俺の映画」、今年は「怪物はささやく」がそれです。
今年一番最初に「今年のベスト級!」と思った作品。事前に情報を仕入れず何の期待もしていない状態で観たのも幸いでした。主演のベン・アフレックは「ジャスティス・リーグ」も公開。一方でハリウッドの一連のセクハラ事件での言動でかなり株を下げたのではありますが、それをおいてもベストにしないのはもったいない作品でした。
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同名のディズニーアニメ映画のリメイク。アニメを純粋にパワーアップさせた感じの実写版。僕はアニメの方は特に好きではなかったのだけれど、こちらはドはまりしました。敵役のルーク・エヴァンズもその自身の魅力でアニメ版のガストンを越えていたと思うし、声を担当したユアン・マクレガーの歌声は相変わらず素敵。もちろん主演のエマ・ワトソンもそのキャリアの長さ(なんといってもハーマイオニーでお馴染み)を(良い意味で)感じさせない新鮮溌剌な演技&歌で魅了してくれました。
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- 新感染 ファイナル・エクスプレス(ソウル・ステーション/パンデミック含む)
前日譚のアニメ映画「ソウル・ステーション/パンデミック」を含むランクイン。韓国のゾンビ映画で、もちろん韓国的な部分もありながら人間ドラマは普遍なのは世界中でリメイク企画が始動したことからも明らかでしょう。
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マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)からはこちら。今年は「ドクター・ストレンジ」「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」「スパイダーマン:ホームカミング」「マイティ・ソー バトルロイヤル」と四本が公開。それぞれ同じ世界の物語とは思えないぐらい多種多様でした。その中で「スパイダーマン」は待望のMCU参加。年齢的にも最も若いMCUヒーローとして、新風を吹き込みました。これまで紡がれた「スーパーヒーローやヴィランが当たり前のようにいる世界」の新米ヒーローの日常、という風景が逆に新鮮でした。もちろん他の3作も良かったですよ。
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マーベルと並ぶアメコミ出版社のもう一方の雄DCコミックスのDCフィルム・ユニバース(DCFU*1)の第4弾。「バットマンVSスーパーマン」で颯爽と登場し、(色んな意味で)世界を救ったワンダーウーマンの待望の単独主演作。一応映画の前後を現代で挟んでいますが、本編は100年前の第一次世界大戦が舞台。特に過去の3作と共通するところが無かったのも良かったのか、DCFUでは一番”まともな”作品となりました。
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江戸末期、黒船の替わりに宇宙人がやってきたパラレルワールドの江戸を舞台にしたSFコメディ剣戟。基本の物語は原作のままにギャグは実写向けにアレンジ。原作そっくりなキャラクターたちがてらいなく大まじめだけど大いにふざけて演じたことで個人的には日本の少年漫画を原作とした実写作品の中では最良のものとなりました。何度か言っているけど原作のエピソードを基本そのまま使用することで福田雄一監督(脚本も)の弱点、物語部分の特にオチの弱さも解消されています。好き嫌いは激しく分かれるけど好き。
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最後は擬人化された動物が歌って踊る(ミュージカルではないが)音楽映画。同じ動物擬人化物でもディズニーの「ズートピア」は単に面白い、かわいいだけでなく現実を反映した社会派サスペンスとして観れるところが凄いけど「SING/シング」はそんなところを全く感じさせないところが凄い。
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ワースト3
さて、一応ワースト作品も選出。例年どおり単につまらないと言うよりは、期待したのにダメだった、というその期待値と実際に観たあとのガッカリ度の差の値が大きい作品がランクインと言う感じですね。僕個人との相性というのも大きく、なのでたいていここで選ばれた作品は世間的には大ヒット好評価の作品だったりします。
「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」は今も絶賛公開中。世界中で賛否を呼んでいますが、個人的には圧倒的にダメ。僕の大好きなキャラクター(ええい、言ってしまおうアクバー提督です)が雑なリスペクトのない死に方をしたのが一番大きな要因ですが、それ以外でもこれはダメだと思います。監督のライアン・ジョンソンは前作「ルーパー」もワーストだったなあ。
「ラ・ラ・ランド」も個人的に非常に相性の悪い作品でした。ミュージカルとしてみると最初の2曲のナンバーは良かったけれど、そこがピークで後は盛り下がる感じ。また主人公二人のキャラクターもあまり受け付けなかったです。作品には監督のデミアン・チャゼルの個人的な背景も関係しているらしいので、この監督の作品は今後も相性悪いのかな・・・
「リヴォルト」は上2つと違って普通につまらなかったです(なので本当はワースト2としてもいいんだけどキリの良いワースト3にしました)
悪人ベスト
いつものならベストアクションヒロインを選出するのですが今年はインド(バーフバリ)とギリシア(ワンダーウーマン)が強すぎた。これで「ソー」関連で北欧神話まで登場してしまうのでもはや神話の領域。ほかが霞むので今回は悪役のベストを挙げてみましょう(上半期でも選んだしね)。
- ジンガロ(皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ)
- バラーラデーヴァ(バーフバリ)
- 井上筑後守(沈黙-サイレンス-)
- ガストン(美女と野獣)
- パク・ソンベ(アシュラ)
- エゴ(ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス)
- ヘラ(マイティ・ソー バトルロイヤル)
- リタ・レパルサ(パワーレンジャー)
- ヴァルチャー(スパイダーマン:ホームカミング)
とりあえず順不同で9人。後の一人は各自それぞれ選びましょう。なんならスクリーンの外に飛び出てハリウッド&日本のセクハラ、性犯罪野郎どもでもいいですし。
とりあえず悪人たちは皆悔悟の念が殆ど無いまま終わる人たちですね。楽しんで悪役をやってる感。中には自分が悪役だなんて微塵も思っていない人たちもいるんですが。その中でも「沈黙」の井上筑後守は実在の人物ということもあって、劇中で何らかの咎めを受けることもなく、いあわば勝利者として映画が終わるのがより凄みがあります。
ヘラとリタの女性ヴィランは実は共通点があって、原作コミックスのヘラは「電子戦隊デンジマン」の曽我町子演じるヘドリアン女王の外見のモデルです(東映スパイダーマンから始まる東映とマーベルの提携の一環ですね)。そしてリタはご存知「恐竜戦隊ジュウレンジャー」で曽我町子が演じた魔女バンドーラがオリジナル。つまりこの二人の女性ヴィランはともに曽我町子でつながるのです。ヘラの悪役っぷりも見事でしたし、リタはすでに女性悪役のパイオニア。この二人に共に曽我町子が関わってるのは凄い!
さて、この辺で今年はさようならです。2018年はとりあえず「パディントン2」で始まり最初のアメコミピークは「ブラックパンサー」ですが、「アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー」がありますぞ!ではみなさん良いお年を!
とりあえずみんな「バーフバリ」と「仮面ライダー」は観てくれ!
神も仏もいなくても仮面ライダーはいる!(最近のライダーは神も仏もいます)
神(檀黎斗神)と仏(御成)の対話。
*1:DCエクステンデッド・ユニバースでDCEUだったのが日本ではDCFUと呼称することになったようです