私がリスペクトするエンジニアの一人であり、ITエンジニア界隈の三大野球バカの一人*1であるござ先輩が本を出版されました.
大変ありがたい事に、献本を頂いたので久々に書評など書いてみようかなと思います.
[書評]「独習Python入門」
どんな本なのか
私の感想も含めて.
- Pythonを元にしたプログラミングの入門本
- 一人で学ぶ(独習)するときにハマりがちなポイントや、ステップアップするときに必ず覚えたほうがいい事を言葉の緩急を駆使していい感じに解説している!
- 本を一冊やり切った(写経)した後も自宅の本棚に置いておきたい&必要に応じて再び読みたくなる本
私は読者層に当てはまらないのですが(汗)、初心者の気持ちになって思い出しながら読んで、 「ああ、最初にプログラミングを学ぶ本がこの本みたいなスタンスだと凄くいいな」 と素直に思いました.
こんな方にオススメ
本の冒頭にはこのように書かれていました.
- これから、プログラミングを始められる方
- プログラミングについて、どんなものだか興味を持っている方
- プログラミングに挑戦したけれども挫折してしまった方
- プログラマーが何を考えているか知りたい方
「一冊読みきって写経して動かしてうぇーい!」っていう入門本であれば、始められる方や興味を持ってる方が対象になりますが、この本のコンセプトの一つである(と思われる)、
途中から再開しても問題ないように工夫しました
という一文を読んで&実際読み通してみて、
「確かに、挫折経験ある人や、思想を知りたい人にも合ってる!」
と思いました.
いい意味でつまみ食いしやすい入門本、というのは結構素晴らしい価値なんじゃないかと思いました.
どこが素晴らしいのか
章立てがシンプル(=つまみ食いしやすい!)
上記に書いたとおり、途中からの再開を意識している構成で大変シンプルで読みやすい構成になってるなと思いました.
具体的には、
- 11コの章が独立しつつもちゃんと文脈を保持している.「オブジェクトとクラス(7章)だけ読むわー」ってなっても前の章を探しまくる、的な事が少なくなるように出来てる
- サンプルコードがシンプルかつ短め.クラス丸ごと一個とかそういうコードが少ない(もしかするとそもそも無いかも)おかげで、真似する上でのリスクが少ない.*2
- 字の大きさ、色合い、イラストの工夫が良いのか1から10まで真面目に読まなくても直感で伝わる.
入門本として安心して読める(オススメできる)出来で素晴らしいです.
環境構築が優しい
この本で使われている環境は、
と実にわかりやすい、失敗するリスクも少ない良いチョイスだと思いました.
特に自分みたいなエンジニアになると、
...となりがちなので、ある意味初心者に教えるときに危険だったりするのですが、方式として枯れているモノを駆使したシンプルな構成はやっぱいいなと思いました.
あと、個人的にはエディタではなくてIDEをベースにしたのはホントいいことだと思っていて、ちゃんとコード補完したり誤りを教えてくれる文明の利器は、初学者に限らず環境が許せばIDEを積極的に使うべき!と思ってるワタシ的には心のなかでガッツポーズをした程度にいい方向性だなと思いました.
ちなみに自分はIDE派でPyCharmを愛用していますが、最近Atomも軽くなったみたいだし再び浮気しようかな...と思いました.
学んだ後の事もフォローしている(≒一生付き合える!)
どんなプログラミング言語でも書いたものを動かす「だけ」ならせいぜい型まで教えればOKだと思うのですが、
- エラーと例外
- オブジェクト指向
- テスト
を網羅しつつ、
を一冊の中で要所を締めて示唆してるのは凄くいいと思いました.
プログラミングを学ぶだけでなく、書き続けることを意識しているこの本は、
一生付き合える入門本
だと言い切れると思います!
Python的な部分でのいいところ
これは主にPythonista向けの感想.
時折口語が混ざる文章
ござ先輩節といえばいいのか...口語がいい感じに混ざって読みやすかったです.
あと、思ったより野球ネタが少ないのにはあっ(察し
総評
1エンジニア&そこそこPythonを使って仕事したりプライベートで発表したりしているPythonistaとして、
自信を持って推薦できる素晴らしい入門本です!!!
もう一度いいますが、
自信を持って推薦できる素晴らしい入門本です!!!
です!334回ぐらいまで言い切ってもいいです*4
- 作者: 湯本堅隆
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2016/08/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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友達の誰か、特に野球でプログラミングをしたい方に半月ほど渡してみて、実際プログラミングが覚えられるのか、アダム・ダン率をPythonで書けるようになるのか?的な検証をしてみたいと思います.
最後になりましたが、ござ先輩、献本ありがとうございました!!!