久しぶりのがっつり野球ネタ...ですが, 最初の数行だけ宣伝させてください🙏
なお本日のお品書きはこちらです.
【宣伝】PyConJP 2024に登壇します.
「実践Dash - 手を抜きながら本気で作るデータ可視化Webアプリの基本と応用」というトークをPyCon JP 2024でやらせてもらう事になりました.
このブログでも(もっと言えば前に登壇したPyCon JP 2022*1でも)登場した「Dash」というPythonのLow-codeなWebアプリフレームワークを用いた開発と実用についてお話をします.
アプリは出来ているのですが, スライドは何も無いので話す内容の概要を取り急ぎスクショとBlueprintで表明しておきます.
一応「Beginner」向けのトーク*2になりますが,主たるテーマ(=CfPでお約束した内容)が,
- 本番環境(クラウド)へのデプロイと公開
- Dashアプリケーションの認証認可
- 動的URLを用いたマルチページアプリケーションの実装
「実務でプロトタイプ作ったりPoCやったときにハマったわこれーーー」ってなりがちな内容を話すのでBeginner以上でも聞けるトークになる予定*3です.
まだアーリーバード(早割)のチケットが残っている内にポチりましょう, 皆さんとお会いできることを楽しみにしております!
あとこれは明言しておきますが,
(Pythonそして技術トークの前提をしっかり守りつつ)全力で野球の話をするので「正装*4」で挑む予定です!!!!
カンファレンス会場をスタジアムにするぞ⚾
【本題】身体能力お化けは好きですか?
宣伝終わったのでここから本題です.
私は大の野球好きなのですが, 特に「身体能力が優れた『身体能力お化け』かつ, センターとライトのどちらかを守れる外野手」が大好きです.
具体的には
- 当たればホームランなパワー(なお三振)
- 大砲とかバズーカと呼ばれる強肩(とある程度のコントロール)
- 足がめちゃくちゃ速い(が, 盗塁王とか取るわけでもない)
この条件が揃っている選手です, どれも練習だけでは無理でしょ的なやつです.
現役だと万波中正*5*6(私の一番推し), かつての選手だと秋山幸二*7(西武→ダイエー), そして新庄剛志*8(阪神, MLB, 日本ハム)は鮮烈に覚えていますし今でも大好きです.
何だったら私の野球愛が芽生えたのは間違いなく「身体能力お化けな外野手」のお陰です(その後セイバーメトリクスでよりハマった*9).
PyCon JP 2022の発表でもメジャーリーグのデータで可能な限り「身体能力お化け」について調べてトークしました.
2022年のジャッジ, ロドリゲス, そしてバクストンはめちゃくちゃ凄かったわけですが, 世の中には,
「身体能力的なスキルは優れているものの, 『野球』という競技に適応しきれていない
残念荒削りな選手」
も少なからず存在します.
このエントリーでは, そんな悲しきフィジカルモンスターはどうやったら覚醒するのか?を考えてみたいと思います.
日本で言えば, 「江越大賀*10(阪神→日ハム)はどうやったらバットと友達になれるのか?」みたいなお話です.
ジョー・アデルさんという選手
この先のネタは自分が作ったDash製のアプリのスクショおよび, Baseball Savantのサイトの可視化データを元に紹介します.
ちなみにデータ元はどっちも一緒です(Baseball SavantのデータをDownloadして自分のアプリで使っています).
先に取り上げる選手を紹介します, 今回の被験者はロサンゼルス・エンジェルスのジョー・アデル外野手です.
2017年のMLBドラフトでエンジェルスが1位指名(全体10位*11)した超絶アスリートな身体能力お化け系外野手です.
数年前まで, 「トラウタニ(マイク・トラウト&大谷翔平)にレンドーン, そしてアデルが育てば強力打線待ったなし」ぐらいに言われていましたが, お世辞にもその期待には全く応えることができていません, だってトラウトとレンドーンが*12.
バットは振れているが
PyCon JP 2024のトークのネタ探しがてら, Baseball Savantを見てたら面白いグラフを見つけました.
最近, Baseball Savantに「Bat Speed」, いわゆる「バットを振る速さ(速ければ速いほど鋭い打球が飛ぶ可能性が高い)」が指標として加わりました.
X軸がBat Speed, Y軸がBatter Run Value(打撃結果から出す得点価値*13)でグラフを描くと, 強い打者(オオタニサンやジャッジなど)が右上に集まったのは予想通りなのですが, Bat Speed上位のジョー・アデルが右下の面白いポジションにいます.
というわけで, Dashで作った自家製の野球データ分析アプリで眺めてみました.
大型扇風機でした(直球).
個人的には「え, アデルってこんなに打席もらってるんスカ」って方に驚きましたがそれはさておいて.
ちなみに2024/8/11(日本時間)時点での打撃成績は,
打率.202, 17本塁打, 53打点, 28四球の107三振
チーム内本塁打王*14というまさかの結果でしたが, 異様に出塁率が低いせいか, OPSは.676と何だか微妙でした.
【結論】スイングがどんなに速くても当たらなければ意味がない(こなみ)
守備はどうなのか
ついでに守備も見てみます. こちらはBaseball Savantおよびセイバーメトリクスの数字(Fan Graphsより引用)で紹介します.
今シーズン835回2/3, 外野守備についていますがその傾向を数字だけで見ると,
- 外野手としての守備力は総合的に「無難」
- 守備範囲はそこそこある(が広くもない).
- エラーは少ない(昔は多かったが改善).
- メジャー全体で言うと肩は無難. 少なくとも武器になっていない.
- ライトもしくはレフトが適切な位置. センター守備は全般的にひどい.
という感じでした.
Baseball Savantのスコアはちょっと面白く,
- 守備範囲は無難.
- 送球スピード(肩の強さ, Arm Strength)はかなり良い方.
- Arm Valueが低く, 肩の強さが活かしきれていない(という評価).
でした.
おそらくですが, 「肩は強いけど送球の精度が低い(≒コントロールが悪い)」とかなんでしょうか🤔
確かなのは,
ジョー・アデルはアメリカの江越大賀だと思ってた*15けど, 守備も打撃もちょっと違うタイプの身体能力お化けだった.
ってことですね.
結び
PyCon JP 2024のネタ探しついでに久しぶりに野球のブログを書きました.
結局, 「身体能力を活かしきれていないもったいないジョー・アデルさんは何をすればいいのか?」ですが,
って所でしょうか?
まだ25歳なのと, トラウトもレンドーンも衰える一方, オホッピーやネトといった若者の出番が増えるエンジェルスなら試合に使われながら成長する余地はあるのではと思っています.
その前にトレードの駒になったりしないことを切に願います*18.
最後までお読み頂きありがとうございました.
*1:前回はデータ基盤中心の話で, Dashアプリは野球ネタを話すためのビジュアル要員でした(のでロクに話もしなかった). 2年の歳月を経てついに話します(誰得かわかりませんがw).
*2:少しだけ本音を漏らすと, PyCon JP 2024のCfPは2本出していて, もう一本のネタである「Webアプリ(本番のトークで扱うDashアプリ)とデータ基盤を一気にCI/CDするDevOpsなフローをPythonicに実現したやで」っていう上級者向けトークが本命かつ自信が結構あったのですが, こっちが落ちて(割と緩くCfPを出した)Dashの方が通ってちょっと困惑しています笑
*3:むしろ自分のトークの性質と好み上, 「初心者向けはとりあえずHello Worldとお持ち帰りできる何かあればええやろ」風に3分34秒で話を纏めた上で残りは中級者以上および⚾の話になりそうな予感がしています(なんでや).
*4:野球のユニフォームのこと.
*5:ドラフト指名時からずっと推してたのですがオールスター投票1位とかここまで大物になるとは...嬉しすぎますし, プロ野球見てて万波を見るのが一番楽しみです.
*6:有名すぎる強肩と本塁打王狙えるパワーは言う事無し. 個人的には打球をチャージして撮る姿と打球判断が新庄剛志を彷彿とさせて良いと思う一方, もうちょっとベースランニング上手くならないなかなと危惧しています(走塁に興味ないのかセンスが無いのかわからんですが).
*7:物心ついた時に見てた野球が森西武の全盛期で, 清原やデストラーデ以上に秋山のわけわからんパワーとスピードそしてバク転に興奮してました(同年代前後の人はわかってくれると信じている)
*8:私が日ハムファンなので日ハム影響と思われるのですが, 自分が最も好きで憧れた新庄剛志は90年代暗黒時代の阪神新庄で, 新庄の守備を満たさに野球をガッツリ見てました.
*9:セイバーメトリクスにハマった後は「身体能力的なスキルは目立たないけど妙に打てる・歩ける選手(ソフトバンクの中村みたいなタイプ)」「どこでも守れるかつ, 何でも打てるし歩ける選手(スーパースターだとドジャースのベッツ, 地味な所だと元レイズのベン・ゾブリスト)」も好きな選手のレパートリーに入ったのですがこれはまた後日ネタにします.
*10:今年は開幕一軍スタートからの二軍降格後, 下で二塁やらされたり迷走してるかつ行方不明になってるのがめちゃくちゃ心配です.
*11:MLBはドラ1含めて完全ウエーバーなので「2017年のドラフトで10番目に指名された選手」という言い方ができます, もちろんこれはエリートな称号. 余談ですが30球団なので最低でも30人は1位指名されます(他のルールを含めると1位指名は30人を超える事が頻繁にある)
*12:アデルはまだ若い(2024年で25歳)ので巻き返しはありそうですが, 年間半分しか働けないトラウト(しかも守備はセンターを要求してくる), 健康であっても地蔵化しているレンドーンはどうすればいいんでしょうかね.
*13:細かい説明は省きますが, アウトにならずに出塁する, とにかく長打を打つことでこの数字は上がります.
*14:書きながら他のエンジェルスの選手成績を見ていますがショートのネト(この人もドラ1選手)がOPS.783で本塁打と二塁打を量産していて多少は未来が見えたのに驚きです, オオタニサンを手放すの早かったのでは.
*15:最初はこのオチを目指してブログを書いてましたが意外と違ったので苦しいオチに(小声)
*16:「それを言ったらそれまでよ」なのですが, 野球は究極論で言うとストライクゾーンを支配する人が強いので, ストライクを仕留められない, ボール球を振っちゃう人はそこを改善するのは正しい姿であると言えます.
*17:それこそ新庄日ハムがやったような「低めの送球に心がける」「打球へのチャージを改善する(すぐ送球姿勢に入れるように)」とかやると効果ありそう.
*18:ここも含めてメジャーリーグあるある