ネットラジオに出演してみた。
活字媒体への執筆依頼は紙もネットも全部蹴っていると以前に書いたが、僕はこれまで活字以外のメディアに発信者側としてかかわったことが(ずっと若い頃の例外的なチャンスを除き)ほとんどなかった。
かかわってこなかったのは単にチャンスがなかっただけで、自分としては興味がないわけではなかった。そこにたまたま今回お誘いがかかったので、ひょいひょい出向いてネットラジオに出演してみた次第。
ゲスト出演してきたのは、このブログのメインコンテンツであるビジネスや経済社会についての硬派なお話とはまったく畑違いの、デスクトップミュージック(DTM)をあれこれ批評するネットラジオ「DTM天国(仮)」。そこのパーソナリティの方(丹マリさん)がこのブログを読んでいて、声を掛けてくれたのである。
DTMについては僕も高校生の頃に打ち込みとかやっていたこともあるのだけれど、さすがに丹さん、服部さんという2人のパーソナリティについていけるわけもなく、そっち方面の話の時は不用意なことは言わずに黙っていた。番組の中でしゃべったネタは、パーソナリティの丹さんが大好きな紅茶の話。ま、詳しくは番組を聞いていただければと思います。
7日からライブドアのストリーミングで配信するらしいので、ご興味のある方はどうぞ。真ん中あたりのトークのところ以降に登場しています。なぜか一番最後のエンディングのところで延々としゃべっちゃって、パーソナリティに「今ごろしゃべるな」とか突っ込まれてますが(笑)。30分以上にわたって服部さんの関西弁でのツッコミが冴えまくり、DTMのことを全然知らない人でも十分楽しめる音楽トークの番組です。
で、今回出演して思ったのは、やっぱりラジオのパーソナリティには、それにふさわしい「しゃべり方」というのがあるんだなあということ。僕は文章を書くことについてはいちおうプロの端くれだったけれど、しゃべってみると全然ダメだった。「ということでぇー、」とか無意識に語尾が伸びるしゃべり方をしてるんで、聞きづらいのなんの。しかも声がくぐもってる。
それに比べて、パーソナリティの2人、特に服部さんの声のキレはすごい。僕よりも2倍ぐらいマイクから離れてるのに、声の明瞭さは僕よりずっと上。さすがプロは違う。
ちなみに、7日からストリーミングで放送する分は、あまり音質がよろしくないそうなので、番組の「ねとらじポッドキャスティング」のページ(10日以降は「DTM天国」のブログ)から、192kbpsのmp3ファイルがダウンロードできるようなので、そっちがお勧めです。
で、今そのページをみていて気がついたのだけれど、5日に「週刊!木村剛」がラジオNIKKEIでポッドキャスティングを始めたようだ。ゲストが山本一太参院議員とホリエモンという豪勢な顔ぶれ。ホリエモンのトークはなかなか面白かった。ラジオNIKKEIのホリデイスペシャル企画のようなので、第2回目以降があるのかどうか分からないけど、これからこういうブロガーのポッドキャスティング進出っていうのも、当たり前になるんだろうな。
個人的には、iPodでキムタケのダミ声を1時間も聞かされたいとは思わないんだけど、「あのブロガーの考えを活字だけじゃなくてしゃべりでも聞いてみたい」という人は少なくないはずで、そういう意味ではブログとネットラジオの相性っていうのはかなり良いのかも知れない。
そう言えば、ネコプロトコルのオーシマさんがはてなアイデアに「はてなポッドキャスティングを開発してほしい」というアイデアを出した話を読んで思わず吹き出してしまったのだけれど、でもこれって結構笑いごとじゃなくて、最新の日記を声で記録したものをiPodにダウンロードして朝の通勤電車の中でまとめて聞けるようなサービスというのが望まれているんじゃないかとも思う。オーシマさんでなくとも、美人はてなダイアラーの声を毎朝聞きたいとか考える人がいてもおかしくない。
ただ、活字のブログと音のポッドキャスティングというのは、ずいぶんとコンテンツの「作法」の違う世界でもあるなあというのが今回の僕の実感だ。両方うまく使いこなせるというのはかなりの情報発信リテラシーのある人だろうし、そういう人がどこかから出てくると面白いかも。
活字媒体というのは、最小限の量のデータで最大限の情報を伝えられるという意味で、有史以来の人間の英知が詰め込まれたインターフェースだと思うのだけれど、一方でその弱さというのもあって、それは読み手側に非常な意識の集中を強要することだと思う。ありていに言えばテレビやラジオのように「ながら」の情報摂取ができない。
ブログとネットラジオの併用で、そのへんをうまく補うようなメディアミックスができると面白いと思うんだけれど、どうなんだろうね。このあたりは僕も未踏の領域なんで、何とも言えないが。
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コメント
どうせなら、プロ野球選手やOB、ホリエモンを交えての
プロ野球界ぶっちゃけTALKをネットラジオでやって
欲しいかな。
もちろん、公共マスメディアでは展開出来ないディープな
話題についてもがしがし切りこんでもらうという事で。
使用は自己責任でどうぞ(笑)
投稿: TaKaろぐ野球blog | 2005/05/06 11:19
文章書き上げる→推敲時に音読→音読して不愉快なパートを音感重視で修正→投稿…という流れにしたら、普通の文章でもスピード感やリアルさは演出できると思いますが。
逆に、テープ起こしの例もあるように、喋り言葉をそのまま文章にすると冗長で要点の掴めないダメ文章ができるかと。
結局のところ、発言・投稿前の摺りあわせや修正がしっかり出来てれば、喋りも文章もある程度のクオリティは確保できるのでは? 両者にズレがあるということは、そのぶん、どっちかで手を抜いたか考え至らないことがあるような気がします。
文章書きの人って、たいがい「音読したとき」を想定に入れてないんですよね。いいこと書いてるのに駄文臭い人って、たいがい音感がない。そう思います。
投稿: うんこ | 2005/05/06 11:28
>>うんこ殿
>普通の文章でもスピード感やリアルさは演出できる
それって、音楽としての側面を重視した「任意ラヂオ」の方向性に近いものでしょうか。
意外な話なんだけど、あれほど「任意ラヂオ」が(一部のヲタ向けに)大ヒットしながら、
あの方向性を真似たラジオって、後番の「苺衣ラジ」以降出てないのよね。
どうしてなんだろーか。
投稿: パラキート | 2005/05/06 16:32
音声ブログってけっこう面白いっすねー。
うちでも始めてます。
http://www.voiceblog.jp/kotonoha/
投稿: 松永 | 2005/05/06 20:51
丹マリさんって、あの丹マリさんですか…
投稿: うしこ | 2005/05/07 02:16
あの丹マリさんのようですね。
しかし今となっては件のあの記事もエンターテーメントに見えてきます。あの時も双方のブログで矛盾が多いと感じていました。丹マリさんをその後追っていましたが、Blogでもfinalventさんのところでも、発言がエンターテーメントの中の人です。
ネットラジオ楽しみにしています。R30さんがエンターテーメント界に身を投じる餞にこの言葉をお贈りします。
ネオ丸ごと。
投稿: 通りすがり | 2005/05/07 02:39
> ネオ丸ごと。
テラワロスwwwwwwwwwww>通りすがりさん
投稿: R30@管理人 | 2005/05/07 10:35
いいなあ。
ライブドア関連企画で初めていいと思ったよこれ。
ポッドキャスティングも。
オレも実はラジオ終日流してる。正直興味ありまくり。
しかし脱糞してLivedoorから去ったオレがどのツラ下げて戻れるか。
はやくみんなやってくれないかな。
さて。来週からやっと仕事に戻れそうなんだ。
しばらくはクソブログ執筆ともお別れかね。
でもR30氏の記事は楽しみに読みます。
これからも鋭い視点で楽しませて欲しい。それでは!
投稿: marcms | 2005/05/07 20:36
亀レスで申し訳ありません。
TBもありがとうございました。
>「あのブロガーの考えを活字だけじゃなくてしゃべりでも聞いてみたい」という人は少なくないはずで
まさに、それが今回のポイントでした。文章でいう”行間”を、ご本人のしゃべりの”間””息づかい”で伝えたかったのと、
ブログ同様、ご本人の主張をそのまま伝えたかったのです(番組の作り手の意向どおりに編集するのではなく。それだと、主旨、主張が意図しない方向になってしまう可能性が大です)。
文字と音がお互いに補完しあえるような情報発信は充分ありかと思っています。
今後ともよろしくお願いします。
投稿: ラジオNIKKEI webmaster | 2005/05/29 08:46