Twitterヘルプセンターの「著作権侵害について報告する」はこわい

つまり、通報すると、Twitter社は通報相手(犯人)に「あなたの本名・住所・メアド」をお届けしてしまいます。
無断転載についての新たな対処方法の一つ ↓
Twitterの無断転載通報、正規フォームだと個人情報が転載者に渡ってしまう。なのでツイートを報告「私への嫌がらせ」で進めて、コメント欄で
— Nambu201 (@Nambu5102F) 2017年10月11日
・転載している旨
・転載元ツイート
これ書いて投げれば翌日にはちゃんと著作権侵害の方面で削除対応してくれた。この方法は権利者本人にはおすすめ pic.twitter.com/pqLi0mTj6V
↑ 私自身はこの方法が有効かどうかは確認していません
2週間後の時点での簡単まとめ (2014年の秋)
● Twitter社が提供する「著作権侵害について報告する」類のフォームは、アメリカン的には、著作権利者本人が個人情報を入力するんじゃなくて、「正式な代理人(弁護士さん)」が法律事務所の住所氏名で、代理で申告するものであるらしいです。
あれに敢えて自分の個人情報を入力するとしたら、たぶんそのアメリカの人は打たれ強い猛者。
● Twitter社は、日本語の「著作権侵害について報告する」フォームを、弁護士さんを常用しまくるアメリカ文化の人向けまんまな作り方をしてしまっている。
そのフォームは、相手に開示する法的な通告書を作成する書式なのだが、一見「お客様窓口」のたぐいであるかのように作られている。
フォームに入力した情報が、日本のユーザの常識を超える使われ方をするものなのだよと安全確実に把握できる設計にはなっていない。(ヘルプ含め)
● 結果、そのフォームは日本のユーザにとっては、最も知られたくない相手に対して個人情報をお届けしてしまう「罠」同然の状態に。
● 事態の怖さを知った 日本人ユーザさんたちが大騒ぎ 。
こちらは筆者と同じ体験をした人の事例(2014年秋)
↓
あとやはりTwitter公式のフォームから著作権侵害の通報をしたとき入力した個人情報は、無断転載した相手に「もれなく」伝えられるようです。現時点で受け取った通知メール10件、すべてに私の住所氏名が通報者の情報として記載されていました。 pic.twitter.com/ht9G0LQfIa
— ナカシマ723 (@nakashima723) 2014, 10月 29
(当事者の非公開希望により、経緯は削除)
その後、問題の「著作権侵害について報告する」フォーム
https://support.twitter.com/forms/dmca
はわりと「弁護士使ったほうが安全そうだな」とわかる感じにリニューアルされています …けど、日本文化圏のユーザにとって、じゅうぶんにわかりやすくなった、とは言い切れない…
この「ツイッターで通報すると個人情報ヤバイ」問題は、当該ページから広く知られることになりました。
以下は、2014年秋当時の、事態が明らかになる経緯。
めんどくさい人は 後編 にジャンプしても可でございます。
その① 何度か正常に通報してました
今年のはじめ、 Twitterの使い方 についてのつぶやき(今回の事件のオリジナル)がバズりました。
以降、その画像とつぶやきは、いろんな業者ボットに何度もパクられていて、一応、私のIDが思い切り入っている画像だし、スパマーの同類に思われるのもアレなので、律儀にTwitterヘルプセンターのフォームから、その都度「著作権侵害なのですがー」と通報をしていた。
どの通報も、おおむね2週間ほどすると、Twitter側から「In response to your notice of claimed infringement, we have disabled access to the reported materials on the site.」(申告に従って、通報されたアレを消しといたよ)と連絡が来て、パクリつぶやきは削除とか凍結とかされていた。
その② Twitter側で取り違えが発生
毎度同じ定型文で削除依頼を出していたのに、同じ文面で連絡していたのに、なぜか「パクリ」と「オリジナル」を取り違えて、私のオリジナルの方 を削除する事案が発生。

.。oO(パクリ通報の結果、ツイッター社側の勘違いでオリジナルの私のつぶやきのほうが削除される事案発生。「おまえの消した。文句あるなら異議申し立てを航空便か海外FAXで送れ」という英文連絡が来て途方に暮れる上、通報した人の個人情報が、住所氏名含めパクリ業者側に全部渡る事実も判明!
— 科学に佇む一行読書心 (@endBooks) 2014, 10月 14
その③ 犯人に私の個人情報がお届けされる
「パクリ」と「オリジナル」の取り違えだけなら、そんな大きな問題じゃない、直してもらえば済むこと。
しかし、そこに簡単にはすまない問題がへばりついていた。
悪い人のことを通報した人の個人情報が、住所氏名含め、その悪い人側に全部渡る。
なぜそれが判明したかというと、「おまえの消した。こういう通報があったから」と通報相手に届けられるべき文面が、取り違えの関係で、通報者である私宛に届いたから。

その文面を見る限り「通報する際にTwitterヘルプセンターのフォームに入力した住所氏名メアド電話番号などの個人情報」がまるっこ、侵害者側に届けられる仕組みになっている!
.。oO(「悪いパクリの**を削除して下さい」とTwitterヘルプセンターのフォームから通報すると、
https://t.co/gK9WL5xgHx
そこで入力した住所・氏名・詳細説明や宣言文が全部まるごと「おまえの消した。こういう通報があったから」と通報相手に届けられてしまう
— 科学に佇む一行読書心 (@endBooks) 2014, 10月 14
こういうのは、なんというか、アメリカン的には「弁護士を通じて著作権利を持つ企業さまが通告をするものです」のが普通だからこうなってんのかな。
ひいては、個人のトラブルなんか細かすぎて細かいことかまってられまへんわ、ということなんだろうか。
DMCAに基づく削除要請だったらそりゃそうなるな https://t.co/G5vqEUDOCM
— numpad0 (@numpad0) 2014, 10月 15

┗ 「発信者に対して著作権侵害の主張があった事とコンテンツを即座に削除・遮断した旨を通知し、それに対して発信者からの異議申し立てが有れば著作権者に異議申し立てのあった事を連絡し、反論が無ければコンテンツを復活させる。」
その④ どうすればいいんでしょうか
著作権侵害通報用に、ツイッター側で日本語の入力フォームを用意してくれていて、「日本からです」と明記して通報してるのに、いきなりながながと英文で法的な処置をどうこうと送られてきても読めませんー
(いや、英文は普通に読めるんだけど、法律用語が不如意)
@TwitterJP 通報元のオリジナルを通報先の権利侵害と取り違える手違いが発生しているのですが、counter-notificationはサンフランシスコ宛の航空便か海外FAXするしかないのでしょうか
https://t.co/MYye0844KT
— 科学に佇む一行読書心 (@endBooks) 2014, 10月 14
@numpad0 .。o O( 「自分から自分宛」じゃなく、完全ツイッター社側のポカなんですが、とりま英文と日本語文でサポート宛に苦情メールしました。
消された画像に未練はないんですが、問題は「個人情報開示」に気づかずにヘルプセンターから通報してしまう善意の被害者多発という現状。
— 科学に佇む一行読書心 (@endBooks) 2014, 10月 15
● 間違って消された オリジナル画像 は、たいしたものではないので別にそこはいい。
● 問題は「相手に個人情報が全部渡される」という仕様に気づかずに、パクリを何とかしてくださいとヘルプセンターに泣きついてしまう善意の被害者多発というこの落とし穴!
ストーカーに被害者の個人情報を知らせた警察や役所と同じ!"@endBooks: .。oO(「悪いパクリの**を削除して下さい」とTwitterヘルプセンターのフォームから通報すると、
http://t.co/n5uoDx0hMF
そこで入力した住所・氏名・詳細説明や宣言文が全部
— Tatsuhiko Fuyusawa (@fuyusawa) 2014, 10月 15
「文句言う前にヘルプ読め」という空リプが散見されるけれど、
「入力した個人情報は著作権侵害の申立て相手にハナからすべて開示される」
という旨の内容を 日本語で明記してある箇所 をご存知のかたいらっしゃいましたらご一報下さい。非力なわたくしめは探し出せてないぜぃ。
もしくは、「DMCA英文読めないならフォーム送信するな」とかさぁ。
Twitterヘルプセンターのフォーム末尾にある
「この報告を処理する過程で、TwitterがChilling Effectsや影響を受けるユーザーなどの第三者に申し立ての写しと共に情報を提示する場合があることを理解しています。」
という文言が、「著作権侵害通報すると相手に個人情報がわたる」ことを意味しているので問題ない、という指摘が来てたりするけど、マジですか。
だったら「この報告を処理する過程で、TwitterがChilling Effectsや影響を受けるユーザーなどの第三者に申し立ての写しと共にあなたの個人情報を提示する場合があることを理解しています。」な感じに書き換えてくんないかな。
少なくとも、 こんな騒ぎになるほど 、「著作権侵害通報すると相手に個人情報がわたる」という(日本文化圏のユーザにとって重大かつ基本的な)事実が認識しづらい仕様のTwitterヘルプセンターだ、よね。
以上、随時更改しつつの暫定経緯。
あらためて記しておくけれど、そも発端の削除対象を間違ったのはTwitter運営のほうだかんね。
試行錯誤で3種類、Twitterサポートにメールしたので、どれが功を奏したのかはわかりませんが…
それとはまた別の話として「個人情報が引き渡されるよ問題」は残存します。
アメリカの常識は日本とは違う。
そこがコワい罠を形成する。
つづき↓