この授業は、日本社会におけるサラリーマンの働き方の歴史を紐解きながら、働き方の変化とその背景を学びます。
「サラリーマン」という言葉を聞いて、どんなイメージが思い浮かびますか?
暑い日も寒い日も背広を着て街中を歩き回り、満員電車に揺られて眠そうな顔で通勤している男性会社員、そんなイメージではないでしょうか。
労働スタイルの変化とともに使われることが減ったサラリーマンという言葉は、実は誕生してから100年以上が経過しています。
一方で現代におけるサラリーマン、いわゆる会社員としての働き方は徐々に変化し、終身雇用制度が崩壊しつつある今では古い働き方とも取られることが増えていきました。
この授業では、サラリーマンに代表される会社努めという働き方がなぜ今日まで続いたのか、そして時代とともに世間が薦めてくる働き方や制度によって私達の働き方は本当に良くなったのか。
この先も変化し続ける「働き方」と冷静に向き合い、良い働き方とは何かを判断するための考えを学びます。
講師プロフィール
原克
早稲田大学教育学部教授
プロフィール
早稲田大学教授。専門は表象文化論・ドイツ文学。 1954年、長野県生まれ。立教大学大学院ドイツ文学専攻博士課程。 職歴:神戸大学国際文化学部助教授・立教大学文学部ドイツ文学科教授を経て現職。ボーフム大学・ベルリン・フンボルト大学哲学科研究員。 著書:『流線形の考古学』(講談社学術文庫)、『アップルパイ神話の時代』(岩波書店)、『サラリーマン誕生物語』(講談社)、『OL誕生物語』(講談社)、『美女と機械』(河出書房新社)、『気分はサイボーグ』(角川学芸出版)、『身体補完計画』(青土社)、『ポピュラー・サイエンスの時代』(柏書房)、『暮らしのテクノロジー』(大修館書店)、『モノの都市論』(大修館書店) 、『白物家電の神話』(青土社)、『騒音の文明史』(東洋書林)等。
著書:『サラリーマン誕生物語 二○世紀モダンライフの表象文化論』