銀座らしさを打ち出した伊勢丹流MDー銀座三越リニューアル
この3連休も、仕事に追われている状態なんですが、早いうちに一度と思い、夕方から今月増床リニューアルオープンしたばかりの銀座三越さんに行って参りました。
以前の23,000平方メートルは、あっという間に一周出来てしまう感じだったんですが、今回のリニューアルで36,000平方メートルに増え、いい感じの広さになったなという印象を受けました(世の中にはもっと大型の百貨店さんも存在しますが、そうなると今の時代逆にMDを組むのが大変になりますので)。
MDで注目すべき点は、
まず第1に、化粧品売り場を地下1Fに降ろしてまで、1Fに「グッチ」「プラダ」「ボッテガヴェネタ」などのラグジュアリーブランドのバッグ売り場を設けておられたことです。
隣の松屋さんに比べて、これまでの三越さんでは弱かった部分で、売り上げ数字をオンするためにも、増加しつつあるアジアからの観光客対策としても、絶対にこのゾーンが必要だとの判断だったのではないかと思います。
ラグジュアリーから、ミドルアッパープライス、ミドルプライスに至るまでのブランドラインナップは、伊勢丹新宿店さんに似ておりますが、確かにテイスト及び価格帯のバランスはぐんと良くなったなと感じさせてくれるMDになっております。
第2に、2Fの靴売り場も、これまで以上にパワーアップした品揃えですね!
若干ヤングのキャラクターゾーンが弱いかなという感は受けますが、インポートの人気ブランド、日本国内のベテランから若手までを網羅したクリエーターズシューズ、芦屋の「OTA」や、コンフォート系シューズまで、
これだけ揃っていると、銀座で靴を買うなら松屋さんだけでなく三越さんもチェックしなきゃ、と靴好きの方は誰しも感じる筈です。
第3に、レディスアパレルの自主編集ゾーンの頑張りも目を惹きます。
3Fの「ルプレイス」のことを、「伊勢丹の『リスタイル』みたい」とブログに書いておられる方がいらっしゃいましたが、
まさにその通りで、「ラウラ」「カオン」「ミュベール」など、東京の人気ブランドの商品をしっかり集積した商品構成からは、話題性と売り上げの獲得双方を手堅く両立させる意向が感じられます。
また、3Fでは、「ダブルスタンダードクロージング」「ティアラアンドガブリエル」も人気を呼びそうな気がします。
4Fには高級インポート、及び、ドメスティックの気鋭のブランド(「アトウ」「ミハラヤスヒロ」「アキラナカ」「ヨーコチャン」など)がずらり。
そして、実際には一番客数を集めそうなのは、従来から銀座OLには人気の高いキャリア向けブランド(「アンタイトル」「Mプルミエギンザ」「セオリー」「デプレ」「トゥモローランド」など)を集積した5Fです。
第4に、数多くの方があちこちで書いたり語ったりしておられましたが、メンズが、少し照明を落とした内装、什器の質感は若干伊勢丹新宿店さんよりは見劣りしますが、グレードアップしたブランド揃え、品揃えになった6F、7Fのメンズフロアです。
第5は、こちらも、ファッション業界以外の一般の方の評価が高い、8Fのリビングコーナー。
最近は、衣食住の衣以外の分野へのこだわりが増しており、調理器具やジャパンエディションのコーナーを非常に丁寧にご覧になっておられる方々のお姿が目立ちました。
お客様の会話を聞いていても、知識が豊富な方々がとても多いですね。正直、衣料品よりはこういう分野のポテンシャルの方が高いなという気が致します。
タオルで、品切れになっている品番もございましたが、このコーナー、予想以上に好調なのかも、という風に感じました。
そして、最後の第6は、このブログの3枚目のお写真がそうなんですが、このお店の最大の魅力として、気持ちの良い屋上がある!ということが挙げられます。
この場所は、カップルやファミリーの皆様にとって、新たな人気スポットになりそうです。時間がある時に、私も改めてゆっくり再訪したいなと思いました。
という感じで、伊勢丹さん流のMDや伊勢丹さんとの関係が濃いのではないかと推察されるお取引先が加わって、以前よりは随分パワーアップしたな、いい売り場になってきたなと思える銀座三越さんなんですが、
気になる点もあれこれございまして、
1つは、今日の午後6時から7時半頃までこのお店の中にいたんですが、
以前にも増してワサワサしていた地下の食品売り場を除いては、
時間帯が遅かったせいか、そこまで混み合っている様子もなかったですし、
意外と、お買い上げなさっておられる方の数は少ないなと感じたことです。
ブログを見ても、「見に行くが百貨店では自分は買わない」と書いておられるような方もいらっしゃいますし、全般的に価格帯が高いので、値札を見た時点で引いてしまう方は多いのではないかと感じました。
売上目標の改装前約5割増、630億円達成は、そんなに簡単にはいかないんじゃないかという風に思います。
もう1つは、ツイッターで「プレオープン売上高トップがレリアン」とのつぶやきを見たんですが、
実際に売り場に足を運んで納得が行きました。
ファッション感度がものすごく高い方は別ですが、50代後半以上のお客様が好きそうなブランドが、リニューアル後の三越さんからは一層されてしまっています。
そういうお客様は日本橋へどうぞ、ということなのかもしれませんが、メンズはともかく、レディスのこの売り場では、カシミアのセーター1枚探して買うのも大変なのではないでしょうか?
親子でお買い物に来られたお母さん(おばあさん)の方が、本当はお金は沢山持っておられるはずなのに、もったいないなという気が致します。
こういうMDも、伊勢丹新宿店さんに酷似しており、いい面と悪い面があると思いますが、
いずれにせよ、これだけ「上昇志向」のMDを組んだからには、
そういう商品が買える、そういう商品を買う気がある客層は、
・富裕層
・キャリア&ヤンエグ層
・ファッション血中濃度が高い層
・アジアの富裕層
上記4層に限られており、
うち、日本人の3層については、粘り強い接客を行い、しっかり固定客化していく必要があるように思います。
そして、実は日本の多くの人のライフスタイルの現状に対して、この売り場構成ではアパレルの面積が広すぎる、というのが私の実感で、
アパレルを本当は1フロア減らして食品売り場を1フロア増やしてちょうど良いくらいではないかと思うのですが、
そうしない(収益構造上できない)というのであれば、
今後は、観光客を獲得していくしかない。
web上での情報発信、旅行代理店と組んだ施策、アパレルと組んだ戦略的なアジアでの人気ブランドの売り場構築、VIPに対する特別なアテンド等々の努力が必要になってくるのではないかという気がしております。
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投稿: ブランドスーパーコピー | 2021年12月 7日 (火) 18時07分