a flood of circle / Bentham A FLOOD OF CIRCUS大巡業 2016 @新代田FEVER 10/1
- 2016/10/02
- 00:18
10周年イヤーを駆け抜ける、a flood of circle。上半期は歴史を総括するようなリリースやライブが多かったが、サポートギタリストも交代した下半期もさらに攻め続けるべく、対バンツアーを開催。
東京は新代田FEVERでの2daysで、ともにBenthamが出演。同じ対バンだが、セトリも含めて変化が見られるということもあってか、両日ソールドアウト。
まずは先攻のBentham。見るからに華があるメンバーが登場すると、小関(ボーカル&ギター)のハイトーンボイスが響き渡る「クレイジーガール」で初っ端からバンドのイメージとも言える四つ打ちロックサウンドで踊らせると、今年リリースの最新EP「EXP」からの「サテライト」、タイトルフレーズを合唱させる「HEY!」と新作曲を含めながらも、初見の人が多いであろう場を意識したセトリ。しかし四つ打ちがメインのバンドというと演奏、特にリズムが単純になりがちであり、そこが弱点になるバンドも多いのだが、このバンドは演奏が非常に上手い。それは辻と鈴木のリズム隊はもちろん、派手なギターソロを弾きまくる須田も。そこは事務所の先輩であるKEYTALKとも通じるところである。
両者は音楽性も全く違うし、共通点をなかなか見出せないが、小関が
「今回のフラッドの対バンツアーのバンドの中で、俺たちが1番フラッドのライブを見ているという自負がある!」
と豪語すると、辻も
「Benthamに加入する直前に、フラッドの亮介君と一緒にBenthamのライブを見に行った(笑)」
と、プライベートでも親交があることをうかがわせるエピソードを話し、
小関「なんか、巷でフラッドのパクりなんじゃないかって言われている曲があるんで、みなさんに本当にパクりかどうか判断してもらいたいと思います!」
と言って演奏されたのは、イントロのギターのリフなどが確かにフラッドの「The Beautiful Monkeys」に似ている「TONIGHT」。おそらく初めてこの曲を聴いた人も「似てる!」って思っただろうが、ワンコーラス終わるとブレイクし、なんと「The Beautiful Monkeys」を丸々カバーするという、フラッド愛が本物であることをこれ以上ない形で証明してみせる。そのまま「TONIGHT」に戻るというアレンジも見事に曲を聴き比べられるようになっており、
「パクったつもりはないんだけど、やっぱり好きすぎるから似ちゃうのかもしれない(笑)」
とのこと。
サンバのリズムを取り入れた「カーニバル」で短い時間の中でも四つ打ちだけではない幅広さを見せると、「手の鳴る方へ」ではタイトルのフレーズのコール&レスポンスを行い、これまでに数々の名コール&レスポンスを生み出してきた須田は
「フラッドBentham大巡業FEVER!」
というコール&レスポンスを展開し、フラッドに最高の状態でつなげるためにさらに客席を熱くさせていくと、ラストはイントロで歓声が上がった「パブリック」。バンド初期の曲(といってもリリース自体は2004年だが)なだけに、今の演奏力ならではのアレンジがいたるところになされた、最新系の初期曲にして代表曲というバージョンで踊らせまくってから愛するフラッドにバトンを渡した。
四つ打ちを中心とした音楽性とメンバーの見た目から、軽いバンドだと思われがちだが、ライブを見ると男らしさに溢れたバンドであるということがよくわかる。フラッドと最も共鳴しているのも、その部分なのかもしれない。
1.クレイジーガール
2.サテライト
3.HEY!
4.TONIGHT ~The Beautiful Monkeys ~ TONIGHT
5.僕から君へ
6.カーニバル
7.手の鳴る方へ
8.パブリック
パブリック
https://youtu.be/Z7XgIM-dSk8
そしてメインのa flood of circle。イベント名の「A FLOOD OF CIRCUS」のフラッグがドラムセットの後ろの壁にかけられ、SEが流れて渡邊を先頭にメンバーが登場。ドラムセットに渡邊が座ると、Benthamの鈴木とどこか見た目が似ているような気がするのは髪型によるものが大きいのだろうか。
いつものように革ジャン姿の佐々木亮介が
「サーカスへようこそ!」
と言って始まったのは、久々の「フェルディナン・グリフォン・サーカス」。確かにタイトル的には今回のツアーのテーマと言ってもいいような曲かもしれない。
しかしながら、近年のフラッドがやるにはかなり狭めの会場ということもあってか、激しい曲が続いた序盤から、客席のノリも非常に激しく、そのため場内は立っているだけで汗をかくくらいに暑い。そのためか亮介も非常にテンションが高く、この日は何度も
「今日最高!あんたら本当に最高!」
と繰り返し言っていた。
「次の曲はなんでしょう!?」
と先月の新宿LOFTでもやっていた曲フリからカウントダウンに突入する「Quiz Show」は、カップリングではあるものの、この新ギタリストの青木テツを含めた編成では定番曲になっていくのだろうか。
「これ、マジでなんの打ち合わせもしてないからな!」
と言ってから演奏されたのは、Bentham「TONIGHT」のカバー返し。Benthamによるカバーはなぜかあまり違和感を感じなかったが、亮介の声でBenthamの曲を歌うと、すごく違和感を感じてしまう。それだけ亮介の声が唯一無二のものであるということでもあるが、途中にちょっと「The Beautiful Monkeys」も挟んで見せる。
ちなみにお互いにどの曲をカバーするかを教えていなかったらしく、それが演奏前の「打ち合わせしてない」という曲フリに繋がったようだ。
「俺たちがバンド組んですぐ出るようになった下北沢SHELTERの店長がすごい可愛がってくれて。すぐにSHELTERによく出てるバンドたちによるツアーにも出してくれて。そこで一緒になった、bloodthirsty butchersの吉村さんがずっと「a flood of circus」って名前を間違えてて(笑)でも大好きな先輩だったから、全然悔しくなかったんだよね。で、このFEVERもそのSHELTERの店長が作ったライブハウスで。だから今回あえてこのタイトルにしようと思った」
と、今回のツアーのタイトルの由来と自分たちを10年前から愛してくれている人たちへの感謝を告げると、「Sweet Home Battle Field」ではいつものようにギターを弾かずにタンバリンを叩きながら歌う亮介が客席に突入。やはりフラッドのファンは男が多いだけに、両足を支えられながら歌う亮介も実に安定している、と思ったらステージに戻る際にかなり将棋倒しになりそうなほどにぐらついていてちょっと心配になった。
そんな激しい流れから一転して「コインランドリー・ブルース」では男が1人でコインランドリーで洗濯が終わるのを待っている、切ない情景が目に浮かぶ。激しいロックンロールだけではなく、数々の名バラードをインディーズ時代から作り続けてきたフラッドだが、今のメンバーで演奏するならこの曲、ということなんだろうか。
すると亮介が
「Benthamのオゼ(小関)は最初、俺たちが使ってるスタジオの店員だったんだよね。バンドもやってなくて。でバンドを始めたって聞いて、ヤバイなって思って。あいつめちゃ顔濃いじゃん?隣に俺がいたら俺が影になりそうなくらいに顔が濃いから人気出るだろうな、って(笑)
それで辻君とよく結成した頃のBenthamのライブを見に行ったりして。オゼにはアンプ貸したりとか先輩らしく接してるんだけど、辻君と鈴木君は俺より年上っていう微妙ないじり辛さ(笑)」
と、Benthamとの意外なくらいに歴史が長くて濃い付き合いを語ると、
「(FEVERだけに)FEVERしようぜ!」
という、そんなことまで言っちゃうのか、という開かれっぷりを見せ、
「ロンドンまでレコーディングしに行ってきて…って言ったから「BLUE」やると思ってるでしょ?バカ野郎(笑)
a flood of circle、11月リリースの新曲!知らない曲でも楽しんでくれ!」
と突如として新曲「FLAYER'S WALTZ」を披露。タイトル通りにワルツのリズムが取り入れられているのは実に新鮮だが、歌詞にも「飛ぶ」など、バンドをこれからさらに飛躍させていこうとする気概を感じさせるフレーズが多い。すでに新ギタリストのテツがコーラスにも参加していたりと、まだ数回しかライブを行っていないが、早くもギター以外の部分での貢献度を見せるようになっている。
HISAYOの力強いベースが曲を引っ張る「Blood Red Shoes」からはさらに勢いを加速させ、「Dancing Zombiez」ではアウトロでのセッションでテツがギターソロを見せ、亮介がテツの胸を突いたりという笑顔のじゃれ合いを見せる。
ここに集まった観客への感謝を告げての「シーガル」から「ベストライド」という新旧の定番曲2連発でそろそろ終わりだろうか、とも思ったが、
「駆け抜けてる人に捧げます」
と言って、ドラム渡邊のテーマソング「Diamond Rocks」を演奏。これは実に意外な選曲だったが、この編成でのバンドのこれからを感じさせる実に良い選曲。このバンドにとって渡邊の存在がどれだけ大きいかというのがよくわかる。
そして亮介がテツの紹介をしてから最後に演奏されたのは「BLUE」。決して激しく盛り上がるような曲ではないが、
「そのブルーの先へ 飛びたっていくのさ
悲しみの先へ 描けるだけの未来へ
そのブルーの先へ 夢が消えていく前に
さよなら 昨日までのブルー
染めるよ 新しいブルー」
というサビの歌詞は様々な別れを経験してきたバンドがまだまだ青春の中にいて、これからも走り続ける意志を示している。その姿をずっと見てきたからこそ心に染みる。
アンコールでは初のビルボードでのライブと大晦日の恒例イベントの開催も発表し、インディーズ時代の「世界は君のもの」を演奏。かなり意外な選曲だが、リズムがフラッドには珍しい四つ打ちなだけに、対バン相手のBenthamに合わせた選曲だったりするのだろうか。
そして
「まだ暴れたりない太陽の子供達に捧げる!」
と言っての「KIDS」で観客を一斉に飛び跳ねさせ、アウトロでは「Human Lisence」「Dancing Zombiez」にも連なる激しいセッションが展開され、
「中津川でやった野外のイベントが暑くて死にそうだったけど、今日の方がその時よりも3倍くらい暑い!」
というくらいに暑さと熱さに満ち溢れた対バンツアー初日を締めくくった。
個人的に前任ギタリストのキョウスケは過去のサポートの中で最強の男だと思っているので、どうしてもハードルは高くなってしまうし、実際今までには違和感を感じたギタリストもいたが、新ギタリストの青木テツは見た目的にも演奏にも全く違和感がない。それだけにそろそろ長い時間定着した編成で活動できるようになって欲しい。まだ数回しかライブをしてないのにここまで幅広い曲ができていて、しかも違和感がないということは、これからもっといろんな曲がライブで聴けるようになるはずだから。
「10年バンドをやってると無傷でいるほうが難しい」と言ったのは自身もバンド解散を経験してBase Ball Bearのサポートをやったフルカワユタカだったが、メンバーがいなくなるなんて想像できなかった同世代のベボベもRADWIMPSもチャットモンチーも元のメンバーではなくなった。彼らに比べたらメジャーデビュー直後という、このメンバーじゃなくなるなんて想像できない、というようになるタイミングの前にメンバーがいなくなったフラッドはそうしたタイプのバンドにはなれなかったわけだが、それを何度も何度も経験しても辞めないし止まらないどころか加速を続けているフラッドの意志の強さたるや。そうして同世代のバンドの中ではダントツに苦難の連続だったバンドなだけに、いつか報われるような、止まらなかったことにメンバーがたくさんの人の前で胸を張れるようになる瞬間をこの目で見たい。
その瞬間とは亮介が言ったように、
「武道館をやった翌日にSHELTERでやる」
ということ。
1.フェルディナン・グリフォン・サーカス
2.スカイウォーカー
3.ロックンロールバンド
4.Quiz Show
5.TONIGHT (Benthamカバー)
6.Sweet Home Battle Field
7.コインランドリー・ブルース
8.FLAYER'S WALTZ
9.Blood Red Shoes
10.Dancing Zombiez
11.シーガル
12.ベストライド
13.Diamond Rocks
14.BLUE
encore
15.世界は君のもの
16.KIDS
BLUE
https://youtu.be/C30GrCH3eok
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東京は新代田FEVERでの2daysで、ともにBenthamが出演。同じ対バンだが、セトリも含めて変化が見られるということもあってか、両日ソールドアウト。
まずは先攻のBentham。見るからに華があるメンバーが登場すると、小関(ボーカル&ギター)のハイトーンボイスが響き渡る「クレイジーガール」で初っ端からバンドのイメージとも言える四つ打ちロックサウンドで踊らせると、今年リリースの最新EP「EXP」からの「サテライト」、タイトルフレーズを合唱させる「HEY!」と新作曲を含めながらも、初見の人が多いであろう場を意識したセトリ。しかし四つ打ちがメインのバンドというと演奏、特にリズムが単純になりがちであり、そこが弱点になるバンドも多いのだが、このバンドは演奏が非常に上手い。それは辻と鈴木のリズム隊はもちろん、派手なギターソロを弾きまくる須田も。そこは事務所の先輩であるKEYTALKとも通じるところである。
両者は音楽性も全く違うし、共通点をなかなか見出せないが、小関が
「今回のフラッドの対バンツアーのバンドの中で、俺たちが1番フラッドのライブを見ているという自負がある!」
と豪語すると、辻も
「Benthamに加入する直前に、フラッドの亮介君と一緒にBenthamのライブを見に行った(笑)」
と、プライベートでも親交があることをうかがわせるエピソードを話し、
小関「なんか、巷でフラッドのパクりなんじゃないかって言われている曲があるんで、みなさんに本当にパクりかどうか判断してもらいたいと思います!」
と言って演奏されたのは、イントロのギターのリフなどが確かにフラッドの「The Beautiful Monkeys」に似ている「TONIGHT」。おそらく初めてこの曲を聴いた人も「似てる!」って思っただろうが、ワンコーラス終わるとブレイクし、なんと「The Beautiful Monkeys」を丸々カバーするという、フラッド愛が本物であることをこれ以上ない形で証明してみせる。そのまま「TONIGHT」に戻るというアレンジも見事に曲を聴き比べられるようになっており、
「パクったつもりはないんだけど、やっぱり好きすぎるから似ちゃうのかもしれない(笑)」
とのこと。
サンバのリズムを取り入れた「カーニバル」で短い時間の中でも四つ打ちだけではない幅広さを見せると、「手の鳴る方へ」ではタイトルのフレーズのコール&レスポンスを行い、これまでに数々の名コール&レスポンスを生み出してきた須田は
「フラッドBentham大巡業FEVER!」
というコール&レスポンスを展開し、フラッドに最高の状態でつなげるためにさらに客席を熱くさせていくと、ラストはイントロで歓声が上がった「パブリック」。バンド初期の曲(といってもリリース自体は2004年だが)なだけに、今の演奏力ならではのアレンジがいたるところになされた、最新系の初期曲にして代表曲というバージョンで踊らせまくってから愛するフラッドにバトンを渡した。
四つ打ちを中心とした音楽性とメンバーの見た目から、軽いバンドだと思われがちだが、ライブを見ると男らしさに溢れたバンドであるということがよくわかる。フラッドと最も共鳴しているのも、その部分なのかもしれない。
1.クレイジーガール
2.サテライト
3.HEY!
4.TONIGHT ~The Beautiful Monkeys ~ TONIGHT
5.僕から君へ
6.カーニバル
7.手の鳴る方へ
8.パブリック
パブリック
https://youtu.be/Z7XgIM-dSk8
そしてメインのa flood of circle。イベント名の「A FLOOD OF CIRCUS」のフラッグがドラムセットの後ろの壁にかけられ、SEが流れて渡邊を先頭にメンバーが登場。ドラムセットに渡邊が座ると、Benthamの鈴木とどこか見た目が似ているような気がするのは髪型によるものが大きいのだろうか。
いつものように革ジャン姿の佐々木亮介が
「サーカスへようこそ!」
と言って始まったのは、久々の「フェルディナン・グリフォン・サーカス」。確かにタイトル的には今回のツアーのテーマと言ってもいいような曲かもしれない。
しかしながら、近年のフラッドがやるにはかなり狭めの会場ということもあってか、激しい曲が続いた序盤から、客席のノリも非常に激しく、そのため場内は立っているだけで汗をかくくらいに暑い。そのためか亮介も非常にテンションが高く、この日は何度も
「今日最高!あんたら本当に最高!」
と繰り返し言っていた。
「次の曲はなんでしょう!?」
と先月の新宿LOFTでもやっていた曲フリからカウントダウンに突入する「Quiz Show」は、カップリングではあるものの、この新ギタリストの青木テツを含めた編成では定番曲になっていくのだろうか。
「これ、マジでなんの打ち合わせもしてないからな!」
と言ってから演奏されたのは、Bentham「TONIGHT」のカバー返し。Benthamによるカバーはなぜかあまり違和感を感じなかったが、亮介の声でBenthamの曲を歌うと、すごく違和感を感じてしまう。それだけ亮介の声が唯一無二のものであるということでもあるが、途中にちょっと「The Beautiful Monkeys」も挟んで見せる。
ちなみにお互いにどの曲をカバーするかを教えていなかったらしく、それが演奏前の「打ち合わせしてない」という曲フリに繋がったようだ。
「俺たちがバンド組んですぐ出るようになった下北沢SHELTERの店長がすごい可愛がってくれて。すぐにSHELTERによく出てるバンドたちによるツアーにも出してくれて。そこで一緒になった、bloodthirsty butchersの吉村さんがずっと「a flood of circus」って名前を間違えてて(笑)でも大好きな先輩だったから、全然悔しくなかったんだよね。で、このFEVERもそのSHELTERの店長が作ったライブハウスで。だから今回あえてこのタイトルにしようと思った」
と、今回のツアーのタイトルの由来と自分たちを10年前から愛してくれている人たちへの感謝を告げると、「Sweet Home Battle Field」ではいつものようにギターを弾かずにタンバリンを叩きながら歌う亮介が客席に突入。やはりフラッドのファンは男が多いだけに、両足を支えられながら歌う亮介も実に安定している、と思ったらステージに戻る際にかなり将棋倒しになりそうなほどにぐらついていてちょっと心配になった。
そんな激しい流れから一転して「コインランドリー・ブルース」では男が1人でコインランドリーで洗濯が終わるのを待っている、切ない情景が目に浮かぶ。激しいロックンロールだけではなく、数々の名バラードをインディーズ時代から作り続けてきたフラッドだが、今のメンバーで演奏するならこの曲、ということなんだろうか。
すると亮介が
「Benthamのオゼ(小関)は最初、俺たちが使ってるスタジオの店員だったんだよね。バンドもやってなくて。でバンドを始めたって聞いて、ヤバイなって思って。あいつめちゃ顔濃いじゃん?隣に俺がいたら俺が影になりそうなくらいに顔が濃いから人気出るだろうな、って(笑)
それで辻君とよく結成した頃のBenthamのライブを見に行ったりして。オゼにはアンプ貸したりとか先輩らしく接してるんだけど、辻君と鈴木君は俺より年上っていう微妙ないじり辛さ(笑)」
と、Benthamとの意外なくらいに歴史が長くて濃い付き合いを語ると、
「(FEVERだけに)FEVERしようぜ!」
という、そんなことまで言っちゃうのか、という開かれっぷりを見せ、
「ロンドンまでレコーディングしに行ってきて…って言ったから「BLUE」やると思ってるでしょ?バカ野郎(笑)
a flood of circle、11月リリースの新曲!知らない曲でも楽しんでくれ!」
と突如として新曲「FLAYER'S WALTZ」を披露。タイトル通りにワルツのリズムが取り入れられているのは実に新鮮だが、歌詞にも「飛ぶ」など、バンドをこれからさらに飛躍させていこうとする気概を感じさせるフレーズが多い。すでに新ギタリストのテツがコーラスにも参加していたりと、まだ数回しかライブを行っていないが、早くもギター以外の部分での貢献度を見せるようになっている。
HISAYOの力強いベースが曲を引っ張る「Blood Red Shoes」からはさらに勢いを加速させ、「Dancing Zombiez」ではアウトロでのセッションでテツがギターソロを見せ、亮介がテツの胸を突いたりという笑顔のじゃれ合いを見せる。
ここに集まった観客への感謝を告げての「シーガル」から「ベストライド」という新旧の定番曲2連発でそろそろ終わりだろうか、とも思ったが、
「駆け抜けてる人に捧げます」
と言って、ドラム渡邊のテーマソング「Diamond Rocks」を演奏。これは実に意外な選曲だったが、この編成でのバンドのこれからを感じさせる実に良い選曲。このバンドにとって渡邊の存在がどれだけ大きいかというのがよくわかる。
そして亮介がテツの紹介をしてから最後に演奏されたのは「BLUE」。決して激しく盛り上がるような曲ではないが、
「そのブルーの先へ 飛びたっていくのさ
悲しみの先へ 描けるだけの未来へ
そのブルーの先へ 夢が消えていく前に
さよなら 昨日までのブルー
染めるよ 新しいブルー」
というサビの歌詞は様々な別れを経験してきたバンドがまだまだ青春の中にいて、これからも走り続ける意志を示している。その姿をずっと見てきたからこそ心に染みる。
アンコールでは初のビルボードでのライブと大晦日の恒例イベントの開催も発表し、インディーズ時代の「世界は君のもの」を演奏。かなり意外な選曲だが、リズムがフラッドには珍しい四つ打ちなだけに、対バン相手のBenthamに合わせた選曲だったりするのだろうか。
そして
「まだ暴れたりない太陽の子供達に捧げる!」
と言っての「KIDS」で観客を一斉に飛び跳ねさせ、アウトロでは「Human Lisence」「Dancing Zombiez」にも連なる激しいセッションが展開され、
「中津川でやった野外のイベントが暑くて死にそうだったけど、今日の方がその時よりも3倍くらい暑い!」
というくらいに暑さと熱さに満ち溢れた対バンツアー初日を締めくくった。
個人的に前任ギタリストのキョウスケは過去のサポートの中で最強の男だと思っているので、どうしてもハードルは高くなってしまうし、実際今までには違和感を感じたギタリストもいたが、新ギタリストの青木テツは見た目的にも演奏にも全く違和感がない。それだけにそろそろ長い時間定着した編成で活動できるようになって欲しい。まだ数回しかライブをしてないのにここまで幅広い曲ができていて、しかも違和感がないということは、これからもっといろんな曲がライブで聴けるようになるはずだから。
「10年バンドをやってると無傷でいるほうが難しい」と言ったのは自身もバンド解散を経験してBase Ball Bearのサポートをやったフルカワユタカだったが、メンバーがいなくなるなんて想像できなかった同世代のベボベもRADWIMPSもチャットモンチーも元のメンバーではなくなった。彼らに比べたらメジャーデビュー直後という、このメンバーじゃなくなるなんて想像できない、というようになるタイミングの前にメンバーがいなくなったフラッドはそうしたタイプのバンドにはなれなかったわけだが、それを何度も何度も経験しても辞めないし止まらないどころか加速を続けているフラッドの意志の強さたるや。そうして同世代のバンドの中ではダントツに苦難の連続だったバンドなだけに、いつか報われるような、止まらなかったことにメンバーがたくさんの人の前で胸を張れるようになる瞬間をこの目で見たい。
その瞬間とは亮介が言ったように、
「武道館をやった翌日にSHELTERでやる」
ということ。
1.フェルディナン・グリフォン・サーカス
2.スカイウォーカー
3.ロックンロールバンド
4.Quiz Show
5.TONIGHT (Benthamカバー)
6.Sweet Home Battle Field
7.コインランドリー・ブルース
8.FLAYER'S WALTZ
9.Blood Red Shoes
10.Dancing Zombiez
11.シーガル
12.ベストライド
13.Diamond Rocks
14.BLUE
encore
15.世界は君のもの
16.KIDS
BLUE
https://youtu.be/C30GrCH3eok
Next→ 10/9 忘れらんねえよ @Zepp DiverCity
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