DISK GARAGE MUSIC MONSTERS -2015 summer- @TSUTAYA O-EAST他 8/22
- 2015/08/23
- 13:27
ライブイベンター会社、DISK GARAGEが主催するサーキット型フェス、MUSIC MONSTERS。渋谷のライブハウスを使って定期的に行われているこのイベントが夏にも開催。
O-EAST
O-WEST
duo music exchange
O-Crest
O-nest
7th floor
の隣接する6つのライブハウスには昼から夜まで、今チェックしておくべき若手バンド達が次々と出演する。
このイベントは最初から最後まで楽しむと500円キャッシュバックというシステムを取っているため、開演前にキャッシュバックチケットを受け取ってから入場。
12:00~ uchuu, [O-nest]
O-nestのトップバッターはuchuu,。男女混成バンドの4人組で、ドラマーのAiriとサポートメンバーのキーボードが女性、ボーカル&ギターのK、シークエンス&パーカッションのHiroshi、ベースのSujinが男性という、少し変わった5人編成。
その編成とThe Chemical Brothers「Swoon」をSEにしているあたりからも察せられるが、浮遊感のあるサウンドのバンド。しかしながらライブで見てみると、踊るという感じではあまりなく、むしろKのエモーショナルなボーカルによるものか、ギターロック色を強く感じる。そんなKは1曲目でいきなりボーカルマイクが出なくなるというハプニングに見舞われるが、すぐさまSujinのマイクの前に移動して歌うという見事な対処を見せる。
Sujinの見た目的にいかにも安定感ありそうなベース、女性ながら実に力強いという意味では、ねごと・澤村、赤い公園・歌川に近いものを感じるAiriのドラム、このバンドのサウンドの大事な部分を打ち込みで担いながら様々な種類のパーカッションを連打しまくるHiroshiと、メンバーの演奏も歌に負けずに迫力充分。
歌詞も中心は英語ながら、
「みなさんもタイムテーブル見て、迷って迷ってここを選んでくれたんだと思いますが、自分がそんな迷ってる時に作った曲」
という「labyrinth」や「AO-HARU」という、後半に演奏された最新アルバム収録曲には日本語の歌詞も出てくるようになったあたり、これからさらなる変化を感じさせる。
ラスト「HELLO」はこの日最大の爆発力を見せたが、こうした曲のようなロックサイドに行くことも、エレクトロ方面に寄ることもできるバンドなだけに、今後どんな曲を生み出していくのかにこれから注目していきたい。
1.HAPPY
2.TravelPastViewPoint
3.HARDDISK
4.labyrinth
5.AO-HARU
6.HELLO
HELLO
http://youtu.be/7j6PZRWgo80
12:35~ NECOKICKS [O-EAST]
最初はこのイベント最大キャパのO-EASTに出演することに若干の緊張と恐れが見えていた、長野出身の4人組バンド、NECOKICKS。
しかしながら大健闘と言えるくらいに客席は埋まっており、そこから力を得たのか、メンバーの見た目通りに親しみやすく、距離の近いパフォーマンスで一気にEASTをホームに変えていく。
メンバーのキャラも親しみやすさはあれど、強いギミックはなく、楽曲自体も難しいことや特別なことは何もしていない。ただ、だからこそメロディーと、少年性の強い歌詞が素直に伝わってくる。
おそらくパンクの影響を少なからず受けているであろうというような楽曲もあるが、昔たくさんいた青春パンクと呼ばれていたバンドたちを思い出させる気分になる。多くの青春パンクバンドは決してカッコつけることはなく、ひたすらありのまま、剥き出しで勝負していったバンドが多かったが、曲と歌詞が単調過ぎたせいか、すぐさま消えていってしまった。
しかし、来月リリースとなる新作からの新曲「世界を征服してやるんだ」など、単調と切って捨てることはできない歌詞を書いているため、すぐ消えるバンドではない。すでに確かなファンベースを築きつつあるが、さらに「これぞ!」というキラーチューンが出てきたら一気に火がつく可能性もある。
ライブを終えた後、会場の外でファンと話したり、快く写真撮影に応じたりしているのを見ると、ライブや曲の親しみやすさはメンバーの人間性によるものが大きいと感じる。
右往左往
http://youtu.be/DkKzEwu2xiU
13:15~ LILI LIMIT [O-nest]
uchuu,と同じく男女混成で、ベースのKuroseとキーボードのShimizuが女性、ボーカル&ギターのMakinoとギター&シンセのDoki、ドラムのMaruyaが男性という、編成もどことなく似ている5人組バンド、LILI LIMIT。
先月に初のアルバム「Etudes」をリリースしたばかりであり、そのアルバムを聴いた限りでは、音楽的偏差値の高いポップバンドというイメージであった。
しかしながら全員が白で統一された衣装で登場すると、確かに独自の美意識を持ったメンバーであることは見ただけでわかるが、ライブは想像よりもはるかにロックバンド然としている。
Makinoがギターを弾かずにハンドマイクで
「アニュマニデイズ アニュマニデイズ」
という呪文のようなフレーズを唱える「Girls like Chagall」は実に中毒性が高い。
しかしながらここでそのMakinoの機材にトラブルが発生し、DokiとShimizuがMCを行うことに。なぜか最近ハマっている食べ物の話になり、Shimizuはおせちを経て、現在はカロリーメイトのチョコ味を毎日食べているとのこと。ついでに言うと夏バテ気味のため、それくらいしか食べれないらしい。
「実は喋ると面白い」という、複雑な転調も楽々とこなすMaruyaと黒髪ロングのKuroseのリズム隊もそれぞれ曲中のソロパートでその技術を見せつけると、「くせ毛」をテーマにした「zine line」、そして客席頭上のミラーボールが回ったポップなダンスチューン「at good mountain」で終了。
まだ曲数がそんなにないのでまだ厳しいが、ワンマンやるんなら是非見に行きたいと思うくらいのライブの良さと楽曲のポップさ。「Etudes」(習作)という作品を経て、次はどんな作品を送り出すのか。
1.RIP
2.h.e.w
3.Girls like Chagall
4.zine line
5.at good mountain
at good mountain
http://youtu.be/lssiK2u_QBg
13:50~ BUZZ THE BEARS [O-EAST]
ロッキンで見たばかりのBUZZ THE BEARS。しかしながらこれまでに見てきたのはフェスばかりだったため、ライブハウスで見るのはおそらく初。
「タイムマシーン」でスタートするも、序盤、越智健太(ボーカル&ギター)は明らかに地に足が着いていないというか、ギターの音に戸惑いを見せていた。
たまらず池田(ベース)に「ちゃんとせな」と言われて復旧。すると来月リリースされる新作ミニアルバムからの、どう聴いてもこのバンドの曲でしかない、みんなで歌える陽性パンクな新曲「22」からは序盤のミスを取り返すかのごとくにギアが上がる。
「ピエロ」「光り」というキラーチューンを連発すると、
「かっこ悪いところばかり見せてごめんな!でも俺たち、来月ミニアルバム出したらまたツアー回って、もっとたくましくなって絶対帰ってくるから!」
と宣言すると、
「今日は晴れてるけど!」
と言って、ロッキンではやらなかった「雨」を演奏。ダイバーが発生するくらいの盛り上がりを見せたが、ラインアップ的に他にダイブが起きそうなバンドは他にいなそうなため、実に貴重な瞬間だったんじゃないだろうか。
ロッキンでは夏の始まりを感じさせた「シェアタイム」はこの日はどこか夏が終わっていく様を感じさせ、ラストはダイブできるわけでも踊れる曲でもない、聞き入らせる「笑ってまた明日」。
時間が長いので曲数が多かったのは嬉しいところだが、それでももっと見たいと思うくらいにライブが良い。それは踊れて暴れられるというサウンドだけでなく、年間たくさんのライブを行っている地力の強さがあってこそ。
ちなみに2階席では、あゆみくりかまきの3人がずっと並んでライブを見ていたのだが、それは「クマ」つながりということなんだろうか。
1.タイムマシーン
2.ブルースカイ
3.シンデレラキッズ
4.22
5.ピエロ
6.光り
7.雨
8.シェアタイム
9.笑ってまた明日
光り
http://youtu.be/jZQLBhXcs_c
14:30~ BURNOUT SYNDROMES [O-nest]
今年リリースの「文學少女」でギターロックと文學の融合という新たなトライアルを行った、スリーピースギターロックバンド、BURNOUT SYNDROMES。
その「文學少女」のタイトルトラックでスタートしたライブは、踊れる「100万回のアイ・ラブ・ユー」と「文學少女」の収録曲が続いたのだが、熊谷(ボーカル&ギター)の歌もバンドの演奏も、CD聴くよりライブで見たほうがはるかにカッコいいだろうな、という予想通りのエモーショナルさを醸し出しているが、マイクスタンドではなくピンマイクという珍しい形でコーラスを行っていた石川が喋り始めると、コール&レスポンスが全く関係ないイナバ物置のコール&レスポンスだったり、
「次の曲は恋と何かを天秤にかけなきゃいけない男の歌です。僕も大好きな曲を書きました。…彼(熊谷)が(笑)」
と、いくら大阪のバンドとはいえ、あまりにも演奏時とギャップがありすぎる、芸人のようなMCを展開。こうなるとピンマイクも芸人仕様だからなのか?とすら思ってしまう。
過去曲も披露すると、最後は学校のチャイム音をギターとベースのユニゾンで表現したイントロから始まる「こどものじかん」。物語性の強い歌詞はもはや「文學少女」を経てのこのバンドの大きな武器。
これから東京でのライブもどんどん増えていくらしいので、さらに見れる機会は増えるかもしれない。
1.文學少女
2.100万回のアイ・ラブ・ユー
3.セツナヒコウキ
4.むー
5.ラブレター。
6.こどものじかん
文學少女
http://youtu.be/4WBpMSP_nq4
15:45~ コンテンポラリーな生活 [O-nest]
先日、ドラマーの酒井が活動休止することが急遽発表された、コンテンポラリーな生活。なのでこの日はサポートドラマーにわがままカレッジの竹井を加えてのライブ。
まだそこまでライブを見ているわけではないので、ドラムが違うことへの違和感はそんなに感じられないが、10月発売の新作から、「わけわからん曲」と「王道な曲」の2曲を披露するという攻めのセトリ。しかしながらまだ「ハスキーガール」がリリースされたばかりだというのに、凄まじいリリースペースの速さである。
サポートの竹井のバンド、わがままカレッジが現在新曲「可愛い子には彼氏がいる」のPVを絶賛製作中であり、実際に街で取材してみると、やはり可愛い子には彼氏がいるということがわかり、悔しがる朝日(ボーカル&ギター)。
その朝日のギターソロも随所に挟みながら、踊れる「九龍城にて待つ」、タイトルフレーズを観客全員で叫ぶ「東京殺法」と続くと、
「今、いろいろ疲れてる世の中とか言われてるけど、面白い音楽があって、隣の人に面白い音楽の話を振ったら、さらに面白い音楽で返してくる、みたいな世の中になったら、絶対面白いと思う」
と朝日が語る。朝日はボカロP・石風呂としても活動しているが、この発言からは、形態はどうあれ、朝日という男は音楽でしか生きていくことができない男であるということがよくわかる。だからこそ、驚異的と言えるリリースペースも納得できる。
ラストは踊れる四つ打ちのサウンドにシュールな歌詞が乗る「鉄腕ナインティーン」、そして衝動炸裂の「ハスキーガール」で終了。
この日、朝日は何度も「大阪から来ました!コンテンポラリーな生活です!」と言っていた。それは地元を大事にしつつ、そこを代表してここに出ているということ。しかし、この日のO-nestの出演者は大阪のバンドが多い。
1.地獄の沙汰も金次第
2.新曲
3.ヤンキーガール (新曲)
4.九龍城にて待つ
5.東京殺法
6.鉄腕ナインティーン
7.ハスキーガール
ハスキーガール
http://youtu.be/cxXRvFp5R3k
16:20~ テスラは泣かない。 [O-EAST]
鹿児島発の4人組ピアノロックバンド、テスラは泣かない。。ライブを見るのは去年のロッキン以来だが、その時はベース吉牟田が中央に立つという立ち位置だったが、村上学(ボーカル&ギター)が中央に立つというオーソドックスな立ち位置になっている。
「国境はなかった」でスタートすると、のっけから紅一点ピアノ奏者・飯野桃子の奏でるメロディーが心地いいが、来週発売の新作アルバムからの、MVがすでに公開されている「Oh my God!」では、これまではマイクスタンドすらなかった凄腕ベーシスト吉牟田が初めてコーラスにも参加した意欲曲。ちなみにこの曲のMV、画面が4分割されており、そこに各々のメンバーが映し出されるという内容なのだが、吉牟田のインパクトが大き過ぎて、他のメンバーが全然頭に入ってこない、と飯野はファンに言われたとのこと。
「僕ら鹿児島出身で、前はマグマロックって言って、桜島のように噴火したいって言ってたんだけど、最近ちょっと冗談言える感じじゃなくなってきてる(笑)」
とご当地かつ時事ネタも挟みながら代表曲も交えつつ、結果的には8曲中3曲も来週発売の新作からの曲を演奏するという、完全な新作モード。
「世界が瞬きしてる間に」は、ピアノというよりもギターのイメージが強いストレートなサウンドのロックで、「サラバ」もどちらかというとそんなイメージ。
ダンス要素の強い「Tuesday」で幅の広さを見せると、ラストは代表曲「アンダーソン」。もはやこの曲を聴くと、巨人のレスリー・アンダーソン選手の顔が出てきてしまうのが少し困るところ。
もはやプログレすらできそうなくらいに演奏は上手すぎるという域に突入しつつあるが、これからさらに成長したらいったいどうなってしまうのだろうか。
1.国境はなかった
2.Oh my God!
3.Lie to myself
4.my world is not yours
5.世界が瞬きをしてる間に
6.Tuesday
7.サラバ
8.アンダーソン
アンダーソン
http://youtu.be/ij4W4ySijBs
17:00~ Halo at 四畳半 [duo music exchange]
千葉県佐倉市出身の4人組バンド、Halo at 四畳半。このイベントではおなじみの存在であり、左側だけが異様に長い、独特の髪型をした白井(ベース)が、
「今、初の全国流通アルバムを出してツアーをしてるんだけど、その真っ只中にこうしてこのイベントに出たので、ツアー中とは違うセトリでお送りします」
ということで、最新作と過去曲が半々くらいのセトリに。
基本的に今の流行りとはまるで異なる、盛り上がりもしなければ踊れる要素も全くないバンドなだけに、演奏中は観客がじっとステージを見ながら聴き入っている。
その歌声を物語性の強い歌詞で響かせていた渡井(ボーカル&ギター)も
「前回はO-Crestに出たんだけど、入場規制がかかったみたいで。人がいっぱい来てくれるのは当然嬉しいんだけど、見たいのに見れない人がいるってことも考えてしまって…」
と前回のこのイベントに出た時のことを口にしていたが、Crestよりはるかに広いduoでもほぼ満員と言っていい状況であり、しかもこうして聞き入らせるタイプの曲ばかりでこれだけの観客を離さないのはすごい。
佐倉市と言えば当然BUMP OF CHICKENの出身地として音楽ファンには有名な土地であるが、その次に有名なバンドという位置にこのバンドがつけていると言っても過言ではないと思う。
1.瓦礫の海に祈りを捧ぐ
2.アメイジア
3.リバース・デイ
4.アンドロイドと青い星の街
5.水槽
6.シャロン
リバース・デイ
http://youtu.be/YY_y1z-4EBc
17:35~ Mrs. GREEN APPLE [O-EAST]
すでにこの夏はロッキン、ライジングサンと大型フェスに多数出演している期待の新人バンド、Mrs. GREEN APPLE。
基本的なセトリこそフェスのものと大差ない(「我逢人」はフェスではやらないのだろうか)が、現在赤色のグリッターとの対バンツアー中であるが、そのツアーで培ったものなのか、メンバーの揃ったアクションや楽曲の新たなアレンジなど、短期間でさらなる進化を見せているあたりは本当に恐ろしいものがある。
前回のこのイベント出演時よりもはるかにキャパの広いEASTへの出演となったが、客席もほぼ満員と言っていい状況であり、しかもみんなちゃんと曲を知っている。
それは「アンゼンパイ」でのコール&レスポンスや、曲中に挟まれる手拍子の揃いぶりを見れば一目瞭然だが、このバンドの楽曲の瑞々しいまでのポップさがあってこそ。
時にはハンドマイクで会場を掌握していた大森(ボーカル&ギター)の死生観のようなものが強く出た曲が並んだ後半から、最後は藤澤のキーボードがとびきりのポップさを生み出す「StaRt」。
もはやこの会場クラスのキャパでワンマンやっても全然おかしくないくらいの存在になりつつあるが、今年控えるWWWとリキッドルームのワンマンを経て、来年には間違いなくこのあたりのキャパでワンマンをやるようになるだろう。
1.愛情と矛先
2.リスキーゲーム
3.アンゼンパイ
4.HeLLo
5.L.P
6.VIP
7.ナニヲナニヲ
8.StaRt
アンゼンパイ
http://youtu.be/yyFr4vOCIME
18:10~ 赤色のグリッター [O-nest]
6つの会場で1番早く終了する、O-nestのトリは赤色のグリッター。中に入るとすでに「ハナミズキ」から焦燥感溢れるギターロックを鳴らしていたのだが、8ヶ月ぶりに見たら去年までより圧倒的にバンドの演奏が進化していて驚いた。
元々スペシャのオーディションで優勝してシーンに出てきた高校3年生の時点で演奏自体はその年齢からは想像できないくらいに上手かったが、着実にライブを積み重ねてきた経験が身を結んでいる。
そして佐藤リョウスケ(ボーカル&ギター)と渡辺明日香の見た目がグッと大人っぽくなっていることにも驚かされる。初めて見た時は高校生だった彼らも、すでに20歳と大人の年齢になったんだな、と実感。
途中では佐藤が倒れこみながらギターを弾いたり、ドラムのクラカズが挨拶的なMCをする場面もあり、最後には公開されたばかりのいかにも夏な新曲「海より」を披露。
渡辺と鈴木(ギター)がうちわを持ち、盆踊りのように踊りながら、佐藤がサビのフレーズを観客にコール&レスポンスさせると、ギターを置いて客席に突入し、観客にマイクを向けてコール&レスポンスさせると、ステージに戻って演奏した本番のサビでは大きな合唱が起きた。
これまではフェスに出てもなかなか集客が厳しい場面が多かったため、あまり広いとはいえないO-nestとはいえ、後ろまで満員になった客席を見れたことは、バンドにとっても大きな自信になったはず。
海より
http://youtu.be/c-KE2qhs2x8
18:50~ 小林太郎 [O-Crest]
O-Crestのトリはこのイベントではおなじみの存在であるという小林太郎。ロッキンでも少し見たが、凄腕メンバーによるハードロックサウンドを展開。小林太郎自身のトレードマークと言えるフライングVのギターもよりサウンドに似合ってきている。(おそらくメンバーもハードロック界隈と思われる出で立ち)
なのでデジタルサウンドを導入した近年の曲も、「久しぶりにやる曲」と紹介された「ドラグスタ」や「安田さん」といった初期の曲もさらなる迫力を増している。
そして小林太郎のボーカルは力強さと色気を兼ね備え、シャウトを繰り返しても全く乱れることのない喉の強さを発揮。
「しかしあっつい!ライブハウスに冷房があって良かったね~」
と、サポートメンバーに「何を言ってるんだ(笑)」と突っ込まれることを言いつつ、MCは最低限に抑えてアンコールでは「Baby's got my blue jean's on」 の、なんだこれは!とここまでの疲れを吹っ飛ばされるような凄まじいバンドサウンドを見せつけた。
そんな、ライブ自体は非常に良かったのだが、トリにもかかわらず、観客はまさかの数えられるくらいしかいないという状況だった。ロッキンでも少なかったが、このキャパでここまでとは…と思ってしまうレベル。
デビュー当時は全国の大型フェスに軒並み出演、ミュージックステーションにまで出演するという期待の高さだっただけに、少し寂しく思えてしまう。
Damn
http://youtu.be/R8h0LX__kxo
19:30~ Bentham [O-WEST]
O-WESTのトリは、今年VIVA LA ROCKにも出演し、まだEP2枚しかリリースしてないにもかかわらず、一躍人気が上昇している4人組バンド、Bentham。
「パブリック」のイントロをSEにしてメンバーが登場すると、SEを引き継ぐようにしてそのまま「パブリック」からスタート。
基本的には四つ打ちを基調とした踊れるギターロックサウンドで、小関のボーカルもハイトーンであり、流行りっぽいバンドと言われても仕方がないところだが、このバンドの持ち味はとにかくメロディーの良さに尽きる。
それはひたすらにキラーチューン連発となった本編もそうだが、まだリリースされていない、バラードと言っていいタイプの「夜明けに歌」まで全ての曲において言えること。
「HEY!」ではサビの「HEY! HEY! HEY!」のフレーズで合唱を起こさせ、金髪にメガネという出で立ちのギター須田は「ミュー!」「モン!」という独特なコール&レスポンスを行う。
「TONIGHT」からはステージ上は一層激しさを増し、小関は独特のパーマヘアから汗が飛び散るのがわかるくらいに頭をブンブン振りながらギターを弾いている。
「手の鳴る方へ」でもサビで合唱を巻き起こしたが、すぐに合唱できるのはやはり一度聴いたらすぐ口ずさめるくらいのキャッチーさがあってこそ。
「今、いろいろ音楽を聴く方法は変化してるって言われてますけど…ミュージシャンがやることは曲を作って、レコーディングして、その曲をライブで演奏する。聴き方がどれだけ変わっても、それは10年後も100年後も変わらないと思います」
と小関が言ったが、それと同時にずっとレコーディングをしていたが、ようやく終了したということで、アンコールで演奏した「夜明けの歌」を始め、ただ単に踊れる曲だけではなく、さらにバンドの幅を広げる、このバンドのメロディーの良さをいろいろなタイプでアピールできる曲がこれからたくさんできてくるはず。
しかし、満員といえる状況ではあったが、意外にも客席のノリは実におとなしかった。(前から2~3列目でも腕だけ挙げているという人も結構いた)
大型フェスに出たらすぐさまサークルなどが乱発するさまが眼に浮かぶ曲ばかりであるが、そうはならなかったのはただ単に客層の違いによるものなのか。
1.パブリック
2.アイマイミーマイン
3.HEY!
4.スローモーション
5.TONIGHT
6.手の鳴る方へ
7.アナログマン
encore
8.夜明けの歌
パブリック
http://youtu.be/Z7XgIM-dSk8
20:15~ Suck a Stew Dry [O-EAST]
いよいよ今回の大トリはSuck a Stew Dry。他のステージはすでに全て終了しているだけあり、始まる前から満員状態。
メンバーが登場すると、ポップに突き抜けた「僕らの自分戦争」からスタートしたのだが、春のツアーよりさらに力強さを増しているリズム隊の演奏とともに、髪の一部に金髪が混じったスダ(ベース)、上半身裸に黒シャツのイタバシ(ドラム)と、見た目も一層ワイルドな方向に振り切っている。
踊れる「カタカナトーク」ではフセとキクチのツインギターが炸裂し、演奏とボーカルは力強いのだが、MCになるとシノヤマは
「きっと、今日はいろんなバンドの人が、みなさんをイベント名にちなんで「モンスター」と呼んでいたと思うんですけど、僕がみなさんを呼ぶとするならば…「なんか楽しそうな人たち」ですね(笑)」
とマイペースを貫く。
来月リリースされる新作ミニアルバムから、温水洋一が出演したPVが公開されて話題になっている「ウェイクミーアップ」も披露されると、そのまま間髪入れずに王道感溢れる「空想少女リリー」へ。
するとここでフセがいつものように温水洋一と共演したことや、新作やツアーの告知などを独自のギャグセンスを交えながら喋り倒していく。
そのあとの「Normalism」はノイジーなギターが響き渡る、楽しいと感じる曲が多かったこの日唯一のこのバンドの暗い根の部分を感じさせる曲。
「思っていることをそのまま口に出すというのが実に難しい世の中ですが…」
とシノヤマが言うと、
「それさっき事務所とリアルに揉めてたグチじゃねぇかよ!」
とフセに突っ込まれながらも、
「今日、たまたま見てくれた人も多いと思うんですよ。たまたま見たのに、「また絶対会おうぜ!」とか言われると、ちょっと違うな、って思うじゃないですか(笑)僕はそう思っちゃうんですけど(笑)
だから、今日でもう会えない人もいるかもしれないけど、生きてさえいれば、また会えるかもしれない。そう思っています」
と、シノヤマの基本理念みたいなものを語ると、ラストは王道ギターロックな「遺失物取扱所」。
すぐさま出てきたアンコールでは、フセが
「お前ら本当にモンスターだなぁ!」
とついに言ってしまい、イタバシに「言っちゃったよ!」と突っ込まれながらもシノヤマが
「生きて、また会いましょう」
と言って、「世界に一人ぼっち」を演奏して、この長い1日を締めくくった。
満員だったということもあったが、観客のノリや(Suckのグッズを身につけた人が非常に多かった)、ワンマンかと思うようなフセのMCなど、まるでこの会場でワンマンを行っているかのような、文句無しのトリだった。新作のツアーの東京でのワンマンはリキッドルームだが、いずれこのバンドもこの規模でワンマンをやるようになるだろう。
1.僕らの自分戦争
2.カタカナトーク
3.ウェイクミーアップ
4.空想少女リリー
5.Normalism
6.遺失物取扱所
encore
7.世界に一人ぼっち
ウェイクミーアップ
http://youtu.be/yawp4YIhoUI
このイベントはチケット3500円だが、最初から最後までいれば500円キャッシュバックされるし、ドリンク代も含まれてる安さも魅力。でもこの手のイベントだとだいたい全組30分な演奏時間が35~40分なことのほうが嬉しい。それによって曲数は全然変わる。DISK GARAGEのイベントは基本的に持ち時間が長いが、若手バンドはなかなかそのくらいのロングセットのライブを見れないことが多いだけに、マンネリ回避にもなるし、いつもと違ったタイプの曲も聴ける。次は冬に開催されることが決定しているが、次も行きたくなるような要素が多いイベントである。
Next→ 8/28 SWEET LOVE SHOWER 2015 @山中湖交流プラザきらら
O-EAST
O-WEST
duo music exchange
O-Crest
O-nest
7th floor
の隣接する6つのライブハウスには昼から夜まで、今チェックしておくべき若手バンド達が次々と出演する。
このイベントは最初から最後まで楽しむと500円キャッシュバックというシステムを取っているため、開演前にキャッシュバックチケットを受け取ってから入場。
12:00~ uchuu, [O-nest]
O-nestのトップバッターはuchuu,。男女混成バンドの4人組で、ドラマーのAiriとサポートメンバーのキーボードが女性、ボーカル&ギターのK、シークエンス&パーカッションのHiroshi、ベースのSujinが男性という、少し変わった5人編成。
その編成とThe Chemical Brothers「Swoon」をSEにしているあたりからも察せられるが、浮遊感のあるサウンドのバンド。しかしながらライブで見てみると、踊るという感じではあまりなく、むしろKのエモーショナルなボーカルによるものか、ギターロック色を強く感じる。そんなKは1曲目でいきなりボーカルマイクが出なくなるというハプニングに見舞われるが、すぐさまSujinのマイクの前に移動して歌うという見事な対処を見せる。
Sujinの見た目的にいかにも安定感ありそうなベース、女性ながら実に力強いという意味では、ねごと・澤村、赤い公園・歌川に近いものを感じるAiriのドラム、このバンドのサウンドの大事な部分を打ち込みで担いながら様々な種類のパーカッションを連打しまくるHiroshiと、メンバーの演奏も歌に負けずに迫力充分。
歌詞も中心は英語ながら、
「みなさんもタイムテーブル見て、迷って迷ってここを選んでくれたんだと思いますが、自分がそんな迷ってる時に作った曲」
という「labyrinth」や「AO-HARU」という、後半に演奏された最新アルバム収録曲には日本語の歌詞も出てくるようになったあたり、これからさらなる変化を感じさせる。
ラスト「HELLO」はこの日最大の爆発力を見せたが、こうした曲のようなロックサイドに行くことも、エレクトロ方面に寄ることもできるバンドなだけに、今後どんな曲を生み出していくのかにこれから注目していきたい。
1.HAPPY
2.TravelPastViewPoint
3.HARDDISK
4.labyrinth
5.AO-HARU
6.HELLO
HELLO
http://youtu.be/7j6PZRWgo80
12:35~ NECOKICKS [O-EAST]
最初はこのイベント最大キャパのO-EASTに出演することに若干の緊張と恐れが見えていた、長野出身の4人組バンド、NECOKICKS。
しかしながら大健闘と言えるくらいに客席は埋まっており、そこから力を得たのか、メンバーの見た目通りに親しみやすく、距離の近いパフォーマンスで一気にEASTをホームに変えていく。
メンバーのキャラも親しみやすさはあれど、強いギミックはなく、楽曲自体も難しいことや特別なことは何もしていない。ただ、だからこそメロディーと、少年性の強い歌詞が素直に伝わってくる。
おそらくパンクの影響を少なからず受けているであろうというような楽曲もあるが、昔たくさんいた青春パンクと呼ばれていたバンドたちを思い出させる気分になる。多くの青春パンクバンドは決してカッコつけることはなく、ひたすらありのまま、剥き出しで勝負していったバンドが多かったが、曲と歌詞が単調過ぎたせいか、すぐさま消えていってしまった。
しかし、来月リリースとなる新作からの新曲「世界を征服してやるんだ」など、単調と切って捨てることはできない歌詞を書いているため、すぐ消えるバンドではない。すでに確かなファンベースを築きつつあるが、さらに「これぞ!」というキラーチューンが出てきたら一気に火がつく可能性もある。
ライブを終えた後、会場の外でファンと話したり、快く写真撮影に応じたりしているのを見ると、ライブや曲の親しみやすさはメンバーの人間性によるものが大きいと感じる。
右往左往
http://youtu.be/DkKzEwu2xiU
13:15~ LILI LIMIT [O-nest]
uchuu,と同じく男女混成で、ベースのKuroseとキーボードのShimizuが女性、ボーカル&ギターのMakinoとギター&シンセのDoki、ドラムのMaruyaが男性という、編成もどことなく似ている5人組バンド、LILI LIMIT。
先月に初のアルバム「Etudes」をリリースしたばかりであり、そのアルバムを聴いた限りでは、音楽的偏差値の高いポップバンドというイメージであった。
しかしながら全員が白で統一された衣装で登場すると、確かに独自の美意識を持ったメンバーであることは見ただけでわかるが、ライブは想像よりもはるかにロックバンド然としている。
Makinoがギターを弾かずにハンドマイクで
「アニュマニデイズ アニュマニデイズ」
という呪文のようなフレーズを唱える「Girls like Chagall」は実に中毒性が高い。
しかしながらここでそのMakinoの機材にトラブルが発生し、DokiとShimizuがMCを行うことに。なぜか最近ハマっている食べ物の話になり、Shimizuはおせちを経て、現在はカロリーメイトのチョコ味を毎日食べているとのこと。ついでに言うと夏バテ気味のため、それくらいしか食べれないらしい。
「実は喋ると面白い」という、複雑な転調も楽々とこなすMaruyaと黒髪ロングのKuroseのリズム隊もそれぞれ曲中のソロパートでその技術を見せつけると、「くせ毛」をテーマにした「zine line」、そして客席頭上のミラーボールが回ったポップなダンスチューン「at good mountain」で終了。
まだ曲数がそんなにないのでまだ厳しいが、ワンマンやるんなら是非見に行きたいと思うくらいのライブの良さと楽曲のポップさ。「Etudes」(習作)という作品を経て、次はどんな作品を送り出すのか。
1.RIP
2.h.e.w
3.Girls like Chagall
4.zine line
5.at good mountain
at good mountain
http://youtu.be/lssiK2u_QBg
13:50~ BUZZ THE BEARS [O-EAST]
ロッキンで見たばかりのBUZZ THE BEARS。しかしながらこれまでに見てきたのはフェスばかりだったため、ライブハウスで見るのはおそらく初。
「タイムマシーン」でスタートするも、序盤、越智健太(ボーカル&ギター)は明らかに地に足が着いていないというか、ギターの音に戸惑いを見せていた。
たまらず池田(ベース)に「ちゃんとせな」と言われて復旧。すると来月リリースされる新作ミニアルバムからの、どう聴いてもこのバンドの曲でしかない、みんなで歌える陽性パンクな新曲「22」からは序盤のミスを取り返すかのごとくにギアが上がる。
「ピエロ」「光り」というキラーチューンを連発すると、
「かっこ悪いところばかり見せてごめんな!でも俺たち、来月ミニアルバム出したらまたツアー回って、もっとたくましくなって絶対帰ってくるから!」
と宣言すると、
「今日は晴れてるけど!」
と言って、ロッキンではやらなかった「雨」を演奏。ダイバーが発生するくらいの盛り上がりを見せたが、ラインアップ的に他にダイブが起きそうなバンドは他にいなそうなため、実に貴重な瞬間だったんじゃないだろうか。
ロッキンでは夏の始まりを感じさせた「シェアタイム」はこの日はどこか夏が終わっていく様を感じさせ、ラストはダイブできるわけでも踊れる曲でもない、聞き入らせる「笑ってまた明日」。
時間が長いので曲数が多かったのは嬉しいところだが、それでももっと見たいと思うくらいにライブが良い。それは踊れて暴れられるというサウンドだけでなく、年間たくさんのライブを行っている地力の強さがあってこそ。
ちなみに2階席では、あゆみくりかまきの3人がずっと並んでライブを見ていたのだが、それは「クマ」つながりということなんだろうか。
1.タイムマシーン
2.ブルースカイ
3.シンデレラキッズ
4.22
5.ピエロ
6.光り
7.雨
8.シェアタイム
9.笑ってまた明日
光り
http://youtu.be/jZQLBhXcs_c
14:30~ BURNOUT SYNDROMES [O-nest]
今年リリースの「文學少女」でギターロックと文學の融合という新たなトライアルを行った、スリーピースギターロックバンド、BURNOUT SYNDROMES。
その「文學少女」のタイトルトラックでスタートしたライブは、踊れる「100万回のアイ・ラブ・ユー」と「文學少女」の収録曲が続いたのだが、熊谷(ボーカル&ギター)の歌もバンドの演奏も、CD聴くよりライブで見たほうがはるかにカッコいいだろうな、という予想通りのエモーショナルさを醸し出しているが、マイクスタンドではなくピンマイクという珍しい形でコーラスを行っていた石川が喋り始めると、コール&レスポンスが全く関係ないイナバ物置のコール&レスポンスだったり、
「次の曲は恋と何かを天秤にかけなきゃいけない男の歌です。僕も大好きな曲を書きました。…彼(熊谷)が(笑)」
と、いくら大阪のバンドとはいえ、あまりにも演奏時とギャップがありすぎる、芸人のようなMCを展開。こうなるとピンマイクも芸人仕様だからなのか?とすら思ってしまう。
過去曲も披露すると、最後は学校のチャイム音をギターとベースのユニゾンで表現したイントロから始まる「こどものじかん」。物語性の強い歌詞はもはや「文學少女」を経てのこのバンドの大きな武器。
これから東京でのライブもどんどん増えていくらしいので、さらに見れる機会は増えるかもしれない。
1.文學少女
2.100万回のアイ・ラブ・ユー
3.セツナヒコウキ
4.むー
5.ラブレター。
6.こどものじかん
文學少女
http://youtu.be/4WBpMSP_nq4
15:45~ コンテンポラリーな生活 [O-nest]
先日、ドラマーの酒井が活動休止することが急遽発表された、コンテンポラリーな生活。なのでこの日はサポートドラマーにわがままカレッジの竹井を加えてのライブ。
まだそこまでライブを見ているわけではないので、ドラムが違うことへの違和感はそんなに感じられないが、10月発売の新作から、「わけわからん曲」と「王道な曲」の2曲を披露するという攻めのセトリ。しかしながらまだ「ハスキーガール」がリリースされたばかりだというのに、凄まじいリリースペースの速さである。
サポートの竹井のバンド、わがままカレッジが現在新曲「可愛い子には彼氏がいる」のPVを絶賛製作中であり、実際に街で取材してみると、やはり可愛い子には彼氏がいるということがわかり、悔しがる朝日(ボーカル&ギター)。
その朝日のギターソロも随所に挟みながら、踊れる「九龍城にて待つ」、タイトルフレーズを観客全員で叫ぶ「東京殺法」と続くと、
「今、いろいろ疲れてる世の中とか言われてるけど、面白い音楽があって、隣の人に面白い音楽の話を振ったら、さらに面白い音楽で返してくる、みたいな世の中になったら、絶対面白いと思う」
と朝日が語る。朝日はボカロP・石風呂としても活動しているが、この発言からは、形態はどうあれ、朝日という男は音楽でしか生きていくことができない男であるということがよくわかる。だからこそ、驚異的と言えるリリースペースも納得できる。
ラストは踊れる四つ打ちのサウンドにシュールな歌詞が乗る「鉄腕ナインティーン」、そして衝動炸裂の「ハスキーガール」で終了。
この日、朝日は何度も「大阪から来ました!コンテンポラリーな生活です!」と言っていた。それは地元を大事にしつつ、そこを代表してここに出ているということ。しかし、この日のO-nestの出演者は大阪のバンドが多い。
1.地獄の沙汰も金次第
2.新曲
3.ヤンキーガール (新曲)
4.九龍城にて待つ
5.東京殺法
6.鉄腕ナインティーン
7.ハスキーガール
ハスキーガール
http://youtu.be/cxXRvFp5R3k
16:20~ テスラは泣かない。 [O-EAST]
鹿児島発の4人組ピアノロックバンド、テスラは泣かない。。ライブを見るのは去年のロッキン以来だが、その時はベース吉牟田が中央に立つという立ち位置だったが、村上学(ボーカル&ギター)が中央に立つというオーソドックスな立ち位置になっている。
「国境はなかった」でスタートすると、のっけから紅一点ピアノ奏者・飯野桃子の奏でるメロディーが心地いいが、来週発売の新作アルバムからの、MVがすでに公開されている「Oh my God!」では、これまではマイクスタンドすらなかった凄腕ベーシスト吉牟田が初めてコーラスにも参加した意欲曲。ちなみにこの曲のMV、画面が4分割されており、そこに各々のメンバーが映し出されるという内容なのだが、吉牟田のインパクトが大き過ぎて、他のメンバーが全然頭に入ってこない、と飯野はファンに言われたとのこと。
「僕ら鹿児島出身で、前はマグマロックって言って、桜島のように噴火したいって言ってたんだけど、最近ちょっと冗談言える感じじゃなくなってきてる(笑)」
とご当地かつ時事ネタも挟みながら代表曲も交えつつ、結果的には8曲中3曲も来週発売の新作からの曲を演奏するという、完全な新作モード。
「世界が瞬きしてる間に」は、ピアノというよりもギターのイメージが強いストレートなサウンドのロックで、「サラバ」もどちらかというとそんなイメージ。
ダンス要素の強い「Tuesday」で幅の広さを見せると、ラストは代表曲「アンダーソン」。もはやこの曲を聴くと、巨人のレスリー・アンダーソン選手の顔が出てきてしまうのが少し困るところ。
もはやプログレすらできそうなくらいに演奏は上手すぎるという域に突入しつつあるが、これからさらに成長したらいったいどうなってしまうのだろうか。
1.国境はなかった
2.Oh my God!
3.Lie to myself
4.my world is not yours
5.世界が瞬きをしてる間に
6.Tuesday
7.サラバ
8.アンダーソン
アンダーソン
http://youtu.be/ij4W4ySijBs
17:00~ Halo at 四畳半 [duo music exchange]
千葉県佐倉市出身の4人組バンド、Halo at 四畳半。このイベントではおなじみの存在であり、左側だけが異様に長い、独特の髪型をした白井(ベース)が、
「今、初の全国流通アルバムを出してツアーをしてるんだけど、その真っ只中にこうしてこのイベントに出たので、ツアー中とは違うセトリでお送りします」
ということで、最新作と過去曲が半々くらいのセトリに。
基本的に今の流行りとはまるで異なる、盛り上がりもしなければ踊れる要素も全くないバンドなだけに、演奏中は観客がじっとステージを見ながら聴き入っている。
その歌声を物語性の強い歌詞で響かせていた渡井(ボーカル&ギター)も
「前回はO-Crestに出たんだけど、入場規制がかかったみたいで。人がいっぱい来てくれるのは当然嬉しいんだけど、見たいのに見れない人がいるってことも考えてしまって…」
と前回のこのイベントに出た時のことを口にしていたが、Crestよりはるかに広いduoでもほぼ満員と言っていい状況であり、しかもこうして聞き入らせるタイプの曲ばかりでこれだけの観客を離さないのはすごい。
佐倉市と言えば当然BUMP OF CHICKENの出身地として音楽ファンには有名な土地であるが、その次に有名なバンドという位置にこのバンドがつけていると言っても過言ではないと思う。
1.瓦礫の海に祈りを捧ぐ
2.アメイジア
3.リバース・デイ
4.アンドロイドと青い星の街
5.水槽
6.シャロン
リバース・デイ
http://youtu.be/YY_y1z-4EBc
17:35~ Mrs. GREEN APPLE [O-EAST]
すでにこの夏はロッキン、ライジングサンと大型フェスに多数出演している期待の新人バンド、Mrs. GREEN APPLE。
基本的なセトリこそフェスのものと大差ない(「我逢人」はフェスではやらないのだろうか)が、現在赤色のグリッターとの対バンツアー中であるが、そのツアーで培ったものなのか、メンバーの揃ったアクションや楽曲の新たなアレンジなど、短期間でさらなる進化を見せているあたりは本当に恐ろしいものがある。
前回のこのイベント出演時よりもはるかにキャパの広いEASTへの出演となったが、客席もほぼ満員と言っていい状況であり、しかもみんなちゃんと曲を知っている。
それは「アンゼンパイ」でのコール&レスポンスや、曲中に挟まれる手拍子の揃いぶりを見れば一目瞭然だが、このバンドの楽曲の瑞々しいまでのポップさがあってこそ。
時にはハンドマイクで会場を掌握していた大森(ボーカル&ギター)の死生観のようなものが強く出た曲が並んだ後半から、最後は藤澤のキーボードがとびきりのポップさを生み出す「StaRt」。
もはやこの会場クラスのキャパでワンマンやっても全然おかしくないくらいの存在になりつつあるが、今年控えるWWWとリキッドルームのワンマンを経て、来年には間違いなくこのあたりのキャパでワンマンをやるようになるだろう。
1.愛情と矛先
2.リスキーゲーム
3.アンゼンパイ
4.HeLLo
5.L.P
6.VIP
7.ナニヲナニヲ
8.StaRt
アンゼンパイ
http://youtu.be/yyFr4vOCIME
18:10~ 赤色のグリッター [O-nest]
6つの会場で1番早く終了する、O-nestのトリは赤色のグリッター。中に入るとすでに「ハナミズキ」から焦燥感溢れるギターロックを鳴らしていたのだが、8ヶ月ぶりに見たら去年までより圧倒的にバンドの演奏が進化していて驚いた。
元々スペシャのオーディションで優勝してシーンに出てきた高校3年生の時点で演奏自体はその年齢からは想像できないくらいに上手かったが、着実にライブを積み重ねてきた経験が身を結んでいる。
そして佐藤リョウスケ(ボーカル&ギター)と渡辺明日香の見た目がグッと大人っぽくなっていることにも驚かされる。初めて見た時は高校生だった彼らも、すでに20歳と大人の年齢になったんだな、と実感。
途中では佐藤が倒れこみながらギターを弾いたり、ドラムのクラカズが挨拶的なMCをする場面もあり、最後には公開されたばかりのいかにも夏な新曲「海より」を披露。
渡辺と鈴木(ギター)がうちわを持ち、盆踊りのように踊りながら、佐藤がサビのフレーズを観客にコール&レスポンスさせると、ギターを置いて客席に突入し、観客にマイクを向けてコール&レスポンスさせると、ステージに戻って演奏した本番のサビでは大きな合唱が起きた。
これまではフェスに出てもなかなか集客が厳しい場面が多かったため、あまり広いとはいえないO-nestとはいえ、後ろまで満員になった客席を見れたことは、バンドにとっても大きな自信になったはず。
海より
http://youtu.be/c-KE2qhs2x8
18:50~ 小林太郎 [O-Crest]
O-Crestのトリはこのイベントではおなじみの存在であるという小林太郎。ロッキンでも少し見たが、凄腕メンバーによるハードロックサウンドを展開。小林太郎自身のトレードマークと言えるフライングVのギターもよりサウンドに似合ってきている。(おそらくメンバーもハードロック界隈と思われる出で立ち)
なのでデジタルサウンドを導入した近年の曲も、「久しぶりにやる曲」と紹介された「ドラグスタ」や「安田さん」といった初期の曲もさらなる迫力を増している。
そして小林太郎のボーカルは力強さと色気を兼ね備え、シャウトを繰り返しても全く乱れることのない喉の強さを発揮。
「しかしあっつい!ライブハウスに冷房があって良かったね~」
と、サポートメンバーに「何を言ってるんだ(笑)」と突っ込まれることを言いつつ、MCは最低限に抑えてアンコールでは「Baby's got my blue jean's on」 の、なんだこれは!とここまでの疲れを吹っ飛ばされるような凄まじいバンドサウンドを見せつけた。
そんな、ライブ自体は非常に良かったのだが、トリにもかかわらず、観客はまさかの数えられるくらいしかいないという状況だった。ロッキンでも少なかったが、このキャパでここまでとは…と思ってしまうレベル。
デビュー当時は全国の大型フェスに軒並み出演、ミュージックステーションにまで出演するという期待の高さだっただけに、少し寂しく思えてしまう。
Damn
http://youtu.be/R8h0LX__kxo
19:30~ Bentham [O-WEST]
O-WESTのトリは、今年VIVA LA ROCKにも出演し、まだEP2枚しかリリースしてないにもかかわらず、一躍人気が上昇している4人組バンド、Bentham。
「パブリック」のイントロをSEにしてメンバーが登場すると、SEを引き継ぐようにしてそのまま「パブリック」からスタート。
基本的には四つ打ちを基調とした踊れるギターロックサウンドで、小関のボーカルもハイトーンであり、流行りっぽいバンドと言われても仕方がないところだが、このバンドの持ち味はとにかくメロディーの良さに尽きる。
それはひたすらにキラーチューン連発となった本編もそうだが、まだリリースされていない、バラードと言っていいタイプの「夜明けに歌」まで全ての曲において言えること。
「HEY!」ではサビの「HEY! HEY! HEY!」のフレーズで合唱を起こさせ、金髪にメガネという出で立ちのギター須田は「ミュー!」「モン!」という独特なコール&レスポンスを行う。
「TONIGHT」からはステージ上は一層激しさを増し、小関は独特のパーマヘアから汗が飛び散るのがわかるくらいに頭をブンブン振りながらギターを弾いている。
「手の鳴る方へ」でもサビで合唱を巻き起こしたが、すぐに合唱できるのはやはり一度聴いたらすぐ口ずさめるくらいのキャッチーさがあってこそ。
「今、いろいろ音楽を聴く方法は変化してるって言われてますけど…ミュージシャンがやることは曲を作って、レコーディングして、その曲をライブで演奏する。聴き方がどれだけ変わっても、それは10年後も100年後も変わらないと思います」
と小関が言ったが、それと同時にずっとレコーディングをしていたが、ようやく終了したということで、アンコールで演奏した「夜明けの歌」を始め、ただ単に踊れる曲だけではなく、さらにバンドの幅を広げる、このバンドのメロディーの良さをいろいろなタイプでアピールできる曲がこれからたくさんできてくるはず。
しかし、満員といえる状況ではあったが、意外にも客席のノリは実におとなしかった。(前から2~3列目でも腕だけ挙げているという人も結構いた)
大型フェスに出たらすぐさまサークルなどが乱発するさまが眼に浮かぶ曲ばかりであるが、そうはならなかったのはただ単に客層の違いによるものなのか。
1.パブリック
2.アイマイミーマイン
3.HEY!
4.スローモーション
5.TONIGHT
6.手の鳴る方へ
7.アナログマン
encore
8.夜明けの歌
パブリック
http://youtu.be/Z7XgIM-dSk8
20:15~ Suck a Stew Dry [O-EAST]
いよいよ今回の大トリはSuck a Stew Dry。他のステージはすでに全て終了しているだけあり、始まる前から満員状態。
メンバーが登場すると、ポップに突き抜けた「僕らの自分戦争」からスタートしたのだが、春のツアーよりさらに力強さを増しているリズム隊の演奏とともに、髪の一部に金髪が混じったスダ(ベース)、上半身裸に黒シャツのイタバシ(ドラム)と、見た目も一層ワイルドな方向に振り切っている。
踊れる「カタカナトーク」ではフセとキクチのツインギターが炸裂し、演奏とボーカルは力強いのだが、MCになるとシノヤマは
「きっと、今日はいろんなバンドの人が、みなさんをイベント名にちなんで「モンスター」と呼んでいたと思うんですけど、僕がみなさんを呼ぶとするならば…「なんか楽しそうな人たち」ですね(笑)」
とマイペースを貫く。
来月リリースされる新作ミニアルバムから、温水洋一が出演したPVが公開されて話題になっている「ウェイクミーアップ」も披露されると、そのまま間髪入れずに王道感溢れる「空想少女リリー」へ。
するとここでフセがいつものように温水洋一と共演したことや、新作やツアーの告知などを独自のギャグセンスを交えながら喋り倒していく。
そのあとの「Normalism」はノイジーなギターが響き渡る、楽しいと感じる曲が多かったこの日唯一のこのバンドの暗い根の部分を感じさせる曲。
「思っていることをそのまま口に出すというのが実に難しい世の中ですが…」
とシノヤマが言うと、
「それさっき事務所とリアルに揉めてたグチじゃねぇかよ!」
とフセに突っ込まれながらも、
「今日、たまたま見てくれた人も多いと思うんですよ。たまたま見たのに、「また絶対会おうぜ!」とか言われると、ちょっと違うな、って思うじゃないですか(笑)僕はそう思っちゃうんですけど(笑)
だから、今日でもう会えない人もいるかもしれないけど、生きてさえいれば、また会えるかもしれない。そう思っています」
と、シノヤマの基本理念みたいなものを語ると、ラストは王道ギターロックな「遺失物取扱所」。
すぐさま出てきたアンコールでは、フセが
「お前ら本当にモンスターだなぁ!」
とついに言ってしまい、イタバシに「言っちゃったよ!」と突っ込まれながらもシノヤマが
「生きて、また会いましょう」
と言って、「世界に一人ぼっち」を演奏して、この長い1日を締めくくった。
満員だったということもあったが、観客のノリや(Suckのグッズを身につけた人が非常に多かった)、ワンマンかと思うようなフセのMCなど、まるでこの会場でワンマンを行っているかのような、文句無しのトリだった。新作のツアーの東京でのワンマンはリキッドルームだが、いずれこのバンドもこの規模でワンマンをやるようになるだろう。
1.僕らの自分戦争
2.カタカナトーク
3.ウェイクミーアップ
4.空想少女リリー
5.Normalism
6.遺失物取扱所
encore
7.世界に一人ぼっち
ウェイクミーアップ
http://youtu.be/yawp4YIhoUI
このイベントはチケット3500円だが、最初から最後までいれば500円キャッシュバックされるし、ドリンク代も含まれてる安さも魅力。でもこの手のイベントだとだいたい全組30分な演奏時間が35~40分なことのほうが嬉しい。それによって曲数は全然変わる。DISK GARAGEのイベントは基本的に持ち時間が長いが、若手バンドはなかなかそのくらいのロングセットのライブを見れないことが多いだけに、マンネリ回避にもなるし、いつもと違ったタイプの曲も聴ける。次は冬に開催されることが決定しているが、次も行きたくなるような要素が多いイベントである。
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