ROCK IN JAPAN FES. 2015 day3 @国営ひたち海浜公園 8/8
- 2015/08/10
- 17:55
週が変わっての3日目。酷暑と言っていいような先週よりはだいぶ涼しく、風も吹いている。
この日はBUMP OF CHICKEN、MAN WITH A MISSION、MONOEYESと人気バンドが揃っているだけに、朝から物販はかなりの列になっている。
10:30~ Base Ball Bear [LAKE STAGE]
去年まではGRASS STAGEに出演していたBase Ball Bear、久々のLAKE STAGEへの出演である。さすがに開演前から満員の人の中、XTCのSEでメンバーが登場すると、1曲目はまさかの「十七歳」。メジャー2ndアルバムのタイトル曲であるが、この曲をライブで聴くのは実に久しぶり。先日の日比谷野音ワンマンでもやっていなかっただけに、なぜここでやろうと思ったのだろうか。
ベボベと言えば数々の夏ソングが大きな武器であるが、ここで早くも近年の夏ソング「PERFECT BLUE」で爽やかな風を吹かせると、小出が先週お台場で行われたTOKYO IDOL FES.に行ったことを語ると、
「すごい盛り上がりじゃないですか!これだけ盛り上がるんならちょっとゆっくりした曲をやっても大丈夫でしょう」
と言って演奏されたのは、3ヶ月連続リリースシングルの新曲たち。最初に演奏された第2弾シングルの「文化祭の夜」はファンク要素の強い、これまでのベボベの王道ギターロックシングル曲とは全く違う曲。関根のベースもピックのダウンピッキングではなく、指弾きであることからサウンドの構築自体もこれまでと違うことがわかる。
次は第3弾シングル「不思議な夜」。こちらはギターロックフォーマットの曲だが、あまりシングルタイプな曲という感じではなく、今までならアルバムに入っていてもおかしくないような曲。
そしてこの週にリリースされたばかりのメッセージ性の強い「それって、for誰? part.1」と続くのだが、毎回ワンマンに行っているファンからしたら新曲を2曲も聴けたのは嬉しい反面、このバンドの夏ソングを期待してきた人からしたらなんとも言えないところであると思われる。
そんな新曲のムードに応じてか、「十字架 You and I」でのダンス湯浅将平もどこかいつもよりは激しいというよりも、ややねっとりとした動きであったような印象。
そしてラストはまだトップバッターであるが「祭りのあと」でもう10年連続となったこのフェスでの今年のステージを締めくくった。
しかしこの日披露された新曲たちからは、明確なバンドのモードの変化が伺える。前作まではシングルでは毎回「王道ギターロックとしてのベボベ」を提示してきたが、次作アルバムはこれまでとはガラッと変わる気がする。それは「二十九歳」で20代の自分たちに決着をつけたバンドの次なる方向性になるのだろうか。
1.十七歳
2.PERFECT BLUE
3.文化祭の夜 (新曲)
4.不思議な夜 (新曲)
5.「それって、for 誰?」 part.1
6.十字架You and I
7.祭りのあと
「それって、for 誰?」 part.1
http://youtu.be/wMGbHiNyD1w
11:50~ NICO Touches the Walls [GRASS STAGE]
もはや完全にこのフェスを代表するバンドの一つであり、すっかりGRASS STAGEに出るのがお馴染みになったNICO Touches the Wallsが今年もGRASS STAGEに登場。
SEもなしに全員が爽やかな白シャツ姿で登場すると、最新シングル「まっすぐなうた」からスタート。
すると古村と坂倉もパーカッションを叩き、最終的には光村も含めてメンバー全員でドラム連打の「手をたたけ」、アコースティック編成での「THE BUNGY」「夏の大三角形」と、代表曲を大幅にアレンジして演奏する。
さらに「ホログラム」「ニワカ雨ニモ負ケズ」では間奏でバンドのセッションやメンバーのソロも見せるという、鍛え抜かれた演奏力を存分に活かしたアレンジも。
「俺たちにも後輩ってのがどんどんできてきて。このひたちなかのステージを目指して頑張ってる後輩もたくさんいるんだけど、その姿を見てると、俺たちはそこまで頑張れているのかな?って思ったりもする」
と光村はこのフェスのステージならではの語りをしたが、これだけの演奏力を見せているバンドが頑張っていないわけがない。というかこのメインステージに何年も連続で立っていることこそがバンドの努力の結果である。
そのあとに披露された新曲「渦と渦」はこのアレンジされまくったこれまでの曲のあとに聞くと、新曲であるにもかかわらず、実にストレートに聞こえる。実際、タイトルから想像されるような濃い曲では全くない。
そしてラストはすっかりこのバンドの代表曲の一つになったと言っても過言ではない「天地ガエシ」。曲が進むにつれてテンポが加速していくのだが、アウトロの演奏では何倍にもどんどん加速していき、それを何度も繰り返して大喝采を浴びながら、演奏を終えてステージを去って行った。
セトリだけ見てみれば「フェス仕様のシングル曲連発」的なものだが、内容自体は全くそんな感じがしないのはやはりメンバーの演奏力を活かしたアレンジがあってこそ。何回ワンマンに行っても飽きないようになってるんだから、フェスの短い時間でも飽きるわけがない。
ただ、欲を言えばもっとこのステージの客席を埋めたい。決してガラガラというわけではないけど。
1.まっすぐなうた
2.手をたたけ
3.THE BUNGY
4.夏の大三角形
5.ホログラム
6.ニワカ雨ニモ負ケズ
7.渦と渦
8.天地ガエシ
まっすぐなうた
http://youtu.be/6_fDwHh31i8
12:50~ ねごと [PARK STAGE]
こちらもすっかり常連バンドであり、このPARK STAGEがお馴染みになりつつある、ねごと。
やはり夏ということでメンバーの出で立ちは爽やかだが、その中でもベース藤咲の髪先が緑になっているのが目を引く。
最新シングル「DESTINY」からスタートすると、その藤咲がくるくると回りながら演奏するなど、実に見ていて楽しそう。「カロン」での蒼山の声の伸びもさすがだが、「GREAT CITY KIDS」など、傑作アルバム「VISION」収録曲におけるバンドサウンドのさらなる向上が頼もしい。
ここ数年は短い持ち時間のフェスやイベントではほとんどMCをせず(ワンマンでのMCだとグダグダになってしまう可能性も高いけど)、曲数を多く演奏するというスタイルだが、今年もそのスタイルでひたすらに「VISION」収録曲と代表曲を織り交ぜながら演奏し、「ループ」では月がまるで見えない真昼間から客席の観客が手を振り、「nameless」ではアッパーな曲で破壊力抜群のサウンドを聴かせると、ラストは「VISION」の最後に収録された曲にして、今のバンドの曲の中で最も力が強い曲と言っていい「憧憬」。こうしてこの曲をワンマン以外のライブでも最後に演奏することによって、「VISION」に手を伸ばしてくれる人が増えるといいのだが。
しかし、おそらくバンドのこのフェス史上で最多であると思われる動員ぶりであった。(例によって前のほうにいた人の大半はおじさんであったが)
なかなか1stアルバム以降は売り上げもワンマンの動員も伸び悩み気味だが、なんとかここより上のステージに立つバンドの姿を見てみたいし、メンバーもそこまで行きたいと思っているはず。
1.DESTINY
2.カロン
3.GREAT CITY KIDS
4.メルシールー
5.endless
6.ループ
7.nameless
8.憧憬
DESTINY
http://youtu.be/zpr4vN5aAOI
13:25~ OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND [SOUND OF FOREST]
BRAHMANの4人にMARTIN(ヴァイオリン&ボーカル)とKAKUEI(パーカッション)の2人を加えたアコースティックバンド、OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDが今年も出演。
BRAHMANのメンバーのバンドとは思えないくらい爽やかなサウンドが心地よく森の中に響き渡ると、MARTINが
「MONOEYESです!」
と挨拶し、TOSHI-LOWが
「いや、人種の並び的には似てるけど!」
と突っ込む。
前半はMARTINボーカル曲が多かったが、インストの「Bamboo leaf boat」を挟むと、TOSHI-LOWボーカルがメインに。BRAHMANのライブではあれだけ激しくステージを動き回りながら演奏しているKOHKIが椅子に座ってアコギを弾いているというのも「映画ブラフマン」を見たばかりなだけに新鮮。
MARTIN「先々週フジロックに行ったら、渋谷陽一に会って、再来週本番頼むぞ!って言われたんだけど、フジロックは海外バンドにばっかり甘いから、このフェスに来ると、日本人のための日本人のフェスなんだって安心するね」
と、日本人じゃないのに!とツッコミたくなるMCから、
「俺たち毎年このステージに出てるよね」
TOSHI-LOW「真心ブラザーズと俺たちは森の番人みたいになってる(笑)」
と途中までは裸足で演奏していたが、あまりに床が熱いのかサンダルを履いたTOSHI-LOWが口を開くと、
「昨日、週末だからってんで、嫁に内緒でデートしてきたんだよ。細美武士と(笑)
行ってきたよ、国会前。デモをやってる学生たちがどれだけ利己的で自己中心的なのか見てきてやろうって。(これは炎上した自民党議員の発言への揶揄)
そしたら日大芸術学部の3年生の女の子がすごくいいこと言ってたよ。
「憲法を守りましょう。基本的人権を守りましょう。それができないなら議員を辞めてください」
って。それを見た細美武士がウルウルしてるのを見て、俺もウルウルしてしまって(笑)
俺はこの近くの大洗ってとこで育てられたんだけど、おじいちゃんが好きで。よく一緒に寝てたんだけど、おじいちゃんの二の腕がプルプルしてるのを触るのが好きで。それは俺が男の体を触るのが好きだから、ジャン・ケン・ジョニーの尻とか触るの好きなんだけど(笑)
そのおじいちゃんには腕に日の丸のイレズミがあって。それはどう見てもプロがやったんじゃない、下手なイレズミで。で俺があるときに、なんでそんなイレズミしてるの?って聞いたら、じいちゃんは
「死んだ時に日本人だってわかるように」
って言ってて、そこで俺は戦争がどれだけ悲惨なものだったのかを知った。
70年前の一昨日、広島に原爆が落とされて。明日、長崎に落とされた。8月15日に終戦。
戦争から70年経って、あの時戦った国の人同士はこうやって同じステージに立って、一緒に歌を歌っている。
戦争から70年経って、俺たちは何を変えて、何を変えないで、何を作るべきなのか。俺だったら、新しい街を作りたい。そんな曲、「朝焼けの歌」。」
と長いMCをして「朝焼けの歌」を演奏したのだが、このMCはBRAHMANではなく、メンバーにアメリカ人のMARTINがいるこのバンドだからこそ。当然、話し終えた後、演奏を終えた後には、それまでの何倍もの歓声と拍手が巻き起こった。
自分はBRAHMANのほうが好きというのは変わらないが、それでもこうしてたまに見るこのバンドも実に良い。
1.A Strait Gate
2.Making Time
3.Follow The Dream
4.Bamboo leaf boat
5.Freight Train
6.朝焼けの歌
7.pilgrimage
朝焼けの歌
http://youtu.be/yyRdiwrZy-Y
14:30~ KANA-BOON [GRASS STAGE]
2年前の初出演がWING TENT、去年はLAKE STAGEで、今年満を辞してGRASS STAGEへの出演となったKANA-BOON。
SEなしで登場すると、ここ最近はワンマンでもフェスやイベントでもオープニング曲に定着している「タイムアウト」からスタートし、谷口鮪のラップのような早口の歌唱もある「LOL」と、最新アルバム「TIME」の曲が続く。
イントロでおなじみのライブアレンジが施されている「ウォーリーヒーロー」からまさにこの時期の野外にピッタリな夏ソング「なんでもねだり」では客席にPVでメンバーが踊っているダンスを踊る観客が続出。
「そろそろお腹空きませんか?珠玉のバラードを、チャーハン」
ともはや曲名が「チャーハン」になってしまった「ないものねだり」では大きなコール&レスポンスが起こる。
タイトル通りにクラクションの音で始まる「クラクション」を終えると、
「ROCK IN JAPANだから最近のロックなこと」
と鮪が飯田に話を振ると、
「チャリを撤去されたから、色違いの同じチャリを買った」
という、ロックな?返答が。さらに鮪が初出演時からずっと言い続けてきた、憧れのメインステージにこうして立てていることへの感謝を告げ、後半はシングル曲を連発。
3日前にリリースされたばかりの「ダイバー」は「シルエット」と同じくNARUTOのタイアップ曲だが、曲のタイプ自体は全く違う、聴かせるタイプの曲である。だが「シルエット」同様にNARUTOに関連したワードが歌詞に出てくるあたりはさすがNARUTOのファンであり、鮪の作家性の高さを改めて示している。
むしろ次に演奏されたカップリングの「スパイラル」のほうがこのバンドのイメージである高速ギターロックといったタイプの曲だが、半分以上がアルバム&カップリングという選曲にもかかわらず、全曲大ヒットシングルであるかのような盛り上がりぶり。このバンドがこのステージまでたどり着いたのは、その圧倒的な楽曲の良さがあってこそ。客席も当たり前のような満員ぶりだった。
1.タイムアウト
2.LOL
3.ウォーリーヒーロー
4.なんでもねだり
5.ないものねだり
6.クラクション
7.盛者必衰の理、お断り
8.フルドライブ
9.ダイバー
10.スパイラル
11.シルエット
ダイバー
http://youtu.be/XCuA5qyAyPA
15:45~ SAKANAMON [SOUND OF FOREST]
KANA-BOON同様に2年前はWING TENT(トリだった)、去年はPARK STAGE、そして今年はSOUND OF FORESTと着実に歩みを進めるSAKANAMON。
いつものようにSUPER BUTTER DOG「コミュニケーション・ブレイクダンス」で登場すると、「幼気な少女」から、打ち込みも駆使しながらソリッドなギターロック曲を連発。
基本的には最近の曲からの選曲が多いが、「ミュージックプランクトン」、
「愛してるよ ジャパーン!」
と今年も藤森が叫んだ「マジックアワー」と、過去曲である代表曲もしっかり演奏してくる。
メンバーの自己紹介と、バンドのこのフェスでのこれまでの歩みを森野が紹介したりしたのだが、藤森は第一声でまだ昼過ぎなのに、
「こんばんは!」
と挨拶して森野に突っ込まれたり、「ぱらぱらり」前にはあまりに自由過ぎるダンスを踊ったりと、天然極まりない言動を連発し、客席からは「可愛い~」という声もちらほら上がる。
SAKANAMON流ラブソング、つまり変態ラブソング「君の○○を××したい」も演奏され、ラストは
「つまんねーよ つまんねーよ」
の大合唱が起こった「TSUMANNE」で締めたのだが、しかしビックリするくらいに客席は人で埋め尽くされていた。正直、ここまで埋まるとは思ってなかったし、みんなちゃんと曲を知っているような人たちばかりだった。
先月にはDiverCityワンマンもやっており、まだキャパ的に早いと思っていたが、案外これからはそのキャパで当たり前のようにやれるバンドになるのかもしれない。
「ジャパン、アゲー!」
と木村が決めセリフを絶叫したように、これだけたくさんの人が来てくれたからか、メンバーのテンションも非常に高かった。
「次はBUZZ STAGEか、もう一回WING TENTかな(笑)」
とメンバーは笑わせていたが、これは結構LAKEも見えてきている気がする。
1.幼気な少女
2.アリかナシか
3.ミュージックプランクトン
4.ぱらぱらり
5.マジックアワー
6.君の○○を××したい
7.TSUMANNE
ぱらぱらり
http://youtu.be/1x40I9xurXk
16:20~ MONOEYES [LAKE STAGE]
デビューアルバムを発売したばかりの細美武士の新バンド、MONOEYESが早くもフェス出演。細美がLAKE STAGEに出るのはthe HIATUSが初出演した2009年以来だが、ELLEGARDEN時代にはこのステージの大トリをやったこともある。
時間になるとギター・戸高賢史(ART-SCHOOL)、ベース・スコット・マーフィー(ALLiSTER)、ドラム・一瀬正和(ASPARAGUS)と細美武士が登場。SEは「スターウォーズ」のテーマ。
すると1曲目、シングルのカップリング曲「When I Was A King」から完全にパンク。the HIATUSの革新性とは違う、ストレートなメロディーとストレートな演奏。このフェスはダイブ禁止なのでダイバーは発生しないが、そのダイバーがいない光景が違和感に思えるくらいのパンクっぷり。戸高がこれだけ速くて激しい曲のギターを弾いている姿も実に新鮮。
畳み掛けるように曲を続けていくと、
「やっぱりLAKE STAGE最高だなぁ!ここよりでかいのは正直もういいや」
と細美が言い、続けてスコットが
「みんなは見えないから知らないだろうけど、なんでここがLAKE STAGEかって言うと、ステージの裏に湖があって…」
と解説するも、
「いや!みんな知ってるから!(笑)」
と細美に突っ込まれる。
「次にやる曲はぴょんぴょん跳ねるだけで楽しい曲だから、人の上を転がったりしなくても楽しいと思うよ」
という先行シングル「My Instant Song」はまさにPVでもメンバーが飛び跳ねていたが、ダイブよりもジャンプなイメージの曲。
スコットが客席に水のペットボトルを投げ込みまくると、「スイ(水)コット」と流暢過ぎる日本語で自ら改名し、終盤には日本語歌詞の「グラニート」も演奏され、ラストは「Remember Me」。
最初は当然満員、入場規制がかかるくらいのレベルだったが、途中からかなりの人がステージから抜けて行った。それはおそらくこのあとGRASS STAGEでMAN WITH A MISSIONが始まるという兼ね合いもあるからだろうが、先週TOTALFATの前説で山崎洋一郎が、
「LAKE STAGEはパンクバンドの主戦場」
と言っていたように、このバンドはこのステージくらいのキャパのほうがいいのかもしれない。
そしてそのLAKE=パンクのイメージを10年以上前に定着させた1人である細美武士が、ついにパンクバンドとしてこのLAKE STAGEに戻ってきた。
1.When I Was A King
2.Run Run
3.Cold Reaction
4.Like We've Never Lost
5.My Instant Song
6.What I Left Today
7.End Of The Story
8.グラニート
9.Remember Me
My Instant Song
http://youtu.be/pppstt1_YZw
17:00~ BUZZ THE BEARS [WING TENT]
3年連続WING TENT出演というある意味すごい記録になった、スリーピースパンクバンド、BUZZ THE BEARS。
登場するなり越智健太が
「たった30分で人の心を動かせるかどうかはわからないけど、やってみる価値はあるんじゃないだろうか!」
と熱く言うと、夏の到来を実感させられる「シェアタイム」からスタート。パンクバンドではあれど、ツービートよりも四つ打ちの曲が多いバンドなだけに、ほとんどの曲が踊れる曲。去年の出演からはほとんど持ち曲は変わっていないが、セトリには「光り」「ピエロ」という定番曲は残しながらも、変化が見られる。このあたりはさすがに年間100本以上ライブをやっているバンドなだけに柔軟性を感じる。
コーラスパートも多いバンドなだけに、曲によっては大きなコーラスがWING TENTの中にこだまする中、越智は先々週出演したフェスで会ったファンが、帰りにバイク事故で帰らぬ人になってしまったことを語り、
「だから絶対帰りに気をつけて帰ってくれ!9月にアルバムも出てツアーもやるから、ちょっとでも興味を持ったらまた俺らに会いにきてくれ!」
と言って、最後に「鳴り止まぬ歌」。で大合唱が響いた。
しかし、GRASSでMAN WITH A MISSIONがやっている時間だからか、去年は満員状態だった客席はガラガラになってしまっていた。改めてフェスの難しさ、MAN WITHの人気ぶりを再確認した。
1.シェアタイム
2.スイング リング
3.花火
4.グッドナイト
5.光り
6.ピエロ
7.鳴りやまぬ歌
光り
http://youtu.be/jZQLBhXcs_c
17:30~ パスピエ [LAKE STAGE]
昨年は最終日のLAKEのトップバッターだったパスピエ。今年はトリ前での出演である。
メンバーが登場すると、大胡田なつきは「チャイナタウン」よろしく赤のチャイナ服姿で登場。1曲目「MATATABISTEP」から躍らせまくり&大胡田も踊りまくりで、近年のベストと言っていい選曲。三澤と露崎の弦コンビもこの広いステージを最大限に生かして演奏するなど、デビュー時から定評のあった演奏力だけではなく、ライブ自体の見せ方自体もだいぶ変化してきている。
すると成田ハネダが告知があることを告げると、大胡田が9月にアルバムが発売されることを発表。発売日が9/9と、まさかの一ヶ月後というあまりに急なスケジュールだが、大丈夫なんだろうか。
その中から1曲、と言って演奏されたのはすでに先行シングルとしてリリースされている「裏の裏」。てっきり新曲をやると思っていたが、それはナシ。
チャイナ服だからか、イントロでアレンジがなされた「チャイナタウン」も演奏されると、ラストは「フィーバー」からイントロの成田のキーボードの音がどうしても切なさを誘う「最終電車」。
去年は落雷による開場の遅れにより、LAKEを埋めることはできない悔いが残るライブになってしまったが、今年はまさかの去年よりもガラガラという事態。
メインがMAN WITH A MISSION→BUMP OF CHICKENという流れであったためにそっちに持って行かれたと思われるが、武道館ワンマンを年末に控えているだけに、この動員はやや不安なところ。
1.MATATABISTEP
2.とおりゃんせ
3.贅沢ないいわけ
4.S.S
5.裏の裏
6.チャイナタウン
7.フィーバー
8.最終電車
裏の裏
http://youtu.be/R6aj-hpk6AY
18:30~ BUMP OF CHICKEN [GRASS STAGE]
いよいよこの日のトリ、GRASS STAGEは2年ぶりの出演となるBUMP OF CHICKEN。
もはやスタンディングエリアに入りきれないくらいの大観衆が待ち受ける中、メンバーが登場すると、いきなり藤原が弾き語りのような形で「天体観測」のサビを歌い始め、
「オーイェー!アハーン!」
の大合唱が起こり、バンドの演奏も加わって曲が始まる。
「パレード」からは「RAY」以降の、打ち込みを使ったサウンドの曲が中心で、直井はベースではなくサンプラーやシンセを演奏する場面も多い。
だが一転して「メーデー」「カルマ」のようなソリッドなギターロック曲だとその直井が
「オイ!オイ!」
と観客を煽りまくる。しかしそのどちらの曲もこの広大な空間、この6万人という大観衆の前というシチュエーションが実によく似合うというか、そういう場で演奏するために生まれた曲のような感じすらする。
「初めてここに出た時、トップバッターだったんだけど、渋谷さんに青空の下で「天体観測」聴きたい、って言われたんだ」
と初出演時の時のことを話し、直前の大阪と横浜の時はやらなかった「天体観測」を演奏したことについて話す。
藤原も少し舞い上がっているというか、テンション高めな語り口で、あっという間にラストになってしまった「虹を待つ人」では曲前にコーラスの練習をさせるも、
「おいおい、家にいるんじゃないんだぜ?自分の部屋にいるんじゃないんだぜ?ロックフェスだろ?」
とさらに大きな声で歌うように促すと、メンバーが歌わずともこの広い空間に「ウォーウオーウォーウオー」のコーラスが響き渡って本編は終了。
アンコールで再びメンバーが登場すると、「ray」のエレクトロニックなサウンドで飛び跳ねさせ、演奏が終わってもこの景色をずっと見ていたい、終わりたくない、という感じの藤原が1人残って観客に気をつけて帰って、などの言葉を次々に投げかけてからステージから去ると、その瞬間を待っていたかのように夜空に花火が打ちあがった。
BUMPはあまりフェスに出ない。しかし、ロッキンにはかなりの頻度で出演している。ましてや、今回は大規模ライブを終えた直後、前回出演した時は大規模ライブの直前という、出演を断ってもなんらおかしくないタイミングである。
今日メンバーが最初に出た時の話をしていたが、バンドにとってこのフェス、このステージから見える景色は特別な思い入れがあるんじゃないだろうか。こうして毎年ここに来る我々と同じように。
1.天体観測
2.パレード
3.Hello,world!
4.メーデー
5.ファイター
6.コロニー
7.カルマ
8.虹を待つ人
encore
9.ray
Hello,world!
http://youtu.be/rOU4YiuaxAM
こうして3日目も終了。いよいよ残るは最終日のみ。本当にあっという間だ。
Next→ 8/9 ROCK IN JAPAN FES.2015 day4 @国営ひたち海浜公園
この日はBUMP OF CHICKEN、MAN WITH A MISSION、MONOEYESと人気バンドが揃っているだけに、朝から物販はかなりの列になっている。
10:30~ Base Ball Bear [LAKE STAGE]
去年まではGRASS STAGEに出演していたBase Ball Bear、久々のLAKE STAGEへの出演である。さすがに開演前から満員の人の中、XTCのSEでメンバーが登場すると、1曲目はまさかの「十七歳」。メジャー2ndアルバムのタイトル曲であるが、この曲をライブで聴くのは実に久しぶり。先日の日比谷野音ワンマンでもやっていなかっただけに、なぜここでやろうと思ったのだろうか。
ベボベと言えば数々の夏ソングが大きな武器であるが、ここで早くも近年の夏ソング「PERFECT BLUE」で爽やかな風を吹かせると、小出が先週お台場で行われたTOKYO IDOL FES.に行ったことを語ると、
「すごい盛り上がりじゃないですか!これだけ盛り上がるんならちょっとゆっくりした曲をやっても大丈夫でしょう」
と言って演奏されたのは、3ヶ月連続リリースシングルの新曲たち。最初に演奏された第2弾シングルの「文化祭の夜」はファンク要素の強い、これまでのベボベの王道ギターロックシングル曲とは全く違う曲。関根のベースもピックのダウンピッキングではなく、指弾きであることからサウンドの構築自体もこれまでと違うことがわかる。
次は第3弾シングル「不思議な夜」。こちらはギターロックフォーマットの曲だが、あまりシングルタイプな曲という感じではなく、今までならアルバムに入っていてもおかしくないような曲。
そしてこの週にリリースされたばかりのメッセージ性の強い「それって、for誰? part.1」と続くのだが、毎回ワンマンに行っているファンからしたら新曲を2曲も聴けたのは嬉しい反面、このバンドの夏ソングを期待してきた人からしたらなんとも言えないところであると思われる。
そんな新曲のムードに応じてか、「十字架 You and I」でのダンス湯浅将平もどこかいつもよりは激しいというよりも、ややねっとりとした動きであったような印象。
そしてラストはまだトップバッターであるが「祭りのあと」でもう10年連続となったこのフェスでの今年のステージを締めくくった。
しかしこの日披露された新曲たちからは、明確なバンドのモードの変化が伺える。前作まではシングルでは毎回「王道ギターロックとしてのベボベ」を提示してきたが、次作アルバムはこれまでとはガラッと変わる気がする。それは「二十九歳」で20代の自分たちに決着をつけたバンドの次なる方向性になるのだろうか。
1.十七歳
2.PERFECT BLUE
3.文化祭の夜 (新曲)
4.不思議な夜 (新曲)
5.「それって、for 誰?」 part.1
6.十字架You and I
7.祭りのあと
「それって、for 誰?」 part.1
http://youtu.be/wMGbHiNyD1w
11:50~ NICO Touches the Walls [GRASS STAGE]
もはや完全にこのフェスを代表するバンドの一つであり、すっかりGRASS STAGEに出るのがお馴染みになったNICO Touches the Wallsが今年もGRASS STAGEに登場。
SEもなしに全員が爽やかな白シャツ姿で登場すると、最新シングル「まっすぐなうた」からスタート。
すると古村と坂倉もパーカッションを叩き、最終的には光村も含めてメンバー全員でドラム連打の「手をたたけ」、アコースティック編成での「THE BUNGY」「夏の大三角形」と、代表曲を大幅にアレンジして演奏する。
さらに「ホログラム」「ニワカ雨ニモ負ケズ」では間奏でバンドのセッションやメンバーのソロも見せるという、鍛え抜かれた演奏力を存分に活かしたアレンジも。
「俺たちにも後輩ってのがどんどんできてきて。このひたちなかのステージを目指して頑張ってる後輩もたくさんいるんだけど、その姿を見てると、俺たちはそこまで頑張れているのかな?って思ったりもする」
と光村はこのフェスのステージならではの語りをしたが、これだけの演奏力を見せているバンドが頑張っていないわけがない。というかこのメインステージに何年も連続で立っていることこそがバンドの努力の結果である。
そのあとに披露された新曲「渦と渦」はこのアレンジされまくったこれまでの曲のあとに聞くと、新曲であるにもかかわらず、実にストレートに聞こえる。実際、タイトルから想像されるような濃い曲では全くない。
そしてラストはすっかりこのバンドの代表曲の一つになったと言っても過言ではない「天地ガエシ」。曲が進むにつれてテンポが加速していくのだが、アウトロの演奏では何倍にもどんどん加速していき、それを何度も繰り返して大喝采を浴びながら、演奏を終えてステージを去って行った。
セトリだけ見てみれば「フェス仕様のシングル曲連発」的なものだが、内容自体は全くそんな感じがしないのはやはりメンバーの演奏力を活かしたアレンジがあってこそ。何回ワンマンに行っても飽きないようになってるんだから、フェスの短い時間でも飽きるわけがない。
ただ、欲を言えばもっとこのステージの客席を埋めたい。決してガラガラというわけではないけど。
1.まっすぐなうた
2.手をたたけ
3.THE BUNGY
4.夏の大三角形
5.ホログラム
6.ニワカ雨ニモ負ケズ
7.渦と渦
8.天地ガエシ
まっすぐなうた
http://youtu.be/6_fDwHh31i8
12:50~ ねごと [PARK STAGE]
こちらもすっかり常連バンドであり、このPARK STAGEがお馴染みになりつつある、ねごと。
やはり夏ということでメンバーの出で立ちは爽やかだが、その中でもベース藤咲の髪先が緑になっているのが目を引く。
最新シングル「DESTINY」からスタートすると、その藤咲がくるくると回りながら演奏するなど、実に見ていて楽しそう。「カロン」での蒼山の声の伸びもさすがだが、「GREAT CITY KIDS」など、傑作アルバム「VISION」収録曲におけるバンドサウンドのさらなる向上が頼もしい。
ここ数年は短い持ち時間のフェスやイベントではほとんどMCをせず(ワンマンでのMCだとグダグダになってしまう可能性も高いけど)、曲数を多く演奏するというスタイルだが、今年もそのスタイルでひたすらに「VISION」収録曲と代表曲を織り交ぜながら演奏し、「ループ」では月がまるで見えない真昼間から客席の観客が手を振り、「nameless」ではアッパーな曲で破壊力抜群のサウンドを聴かせると、ラストは「VISION」の最後に収録された曲にして、今のバンドの曲の中で最も力が強い曲と言っていい「憧憬」。こうしてこの曲をワンマン以外のライブでも最後に演奏することによって、「VISION」に手を伸ばしてくれる人が増えるといいのだが。
しかし、おそらくバンドのこのフェス史上で最多であると思われる動員ぶりであった。(例によって前のほうにいた人の大半はおじさんであったが)
なかなか1stアルバム以降は売り上げもワンマンの動員も伸び悩み気味だが、なんとかここより上のステージに立つバンドの姿を見てみたいし、メンバーもそこまで行きたいと思っているはず。
1.DESTINY
2.カロン
3.GREAT CITY KIDS
4.メルシールー
5.endless
6.ループ
7.nameless
8.憧憬
DESTINY
http://youtu.be/zpr4vN5aAOI
13:25~ OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND [SOUND OF FOREST]
BRAHMANの4人にMARTIN(ヴァイオリン&ボーカル)とKAKUEI(パーカッション)の2人を加えたアコースティックバンド、OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDが今年も出演。
BRAHMANのメンバーのバンドとは思えないくらい爽やかなサウンドが心地よく森の中に響き渡ると、MARTINが
「MONOEYESです!」
と挨拶し、TOSHI-LOWが
「いや、人種の並び的には似てるけど!」
と突っ込む。
前半はMARTINボーカル曲が多かったが、インストの「Bamboo leaf boat」を挟むと、TOSHI-LOWボーカルがメインに。BRAHMANのライブではあれだけ激しくステージを動き回りながら演奏しているKOHKIが椅子に座ってアコギを弾いているというのも「映画ブラフマン」を見たばかりなだけに新鮮。
MARTIN「先々週フジロックに行ったら、渋谷陽一に会って、再来週本番頼むぞ!って言われたんだけど、フジロックは海外バンドにばっかり甘いから、このフェスに来ると、日本人のための日本人のフェスなんだって安心するね」
と、日本人じゃないのに!とツッコミたくなるMCから、
「俺たち毎年このステージに出てるよね」
TOSHI-LOW「真心ブラザーズと俺たちは森の番人みたいになってる(笑)」
と途中までは裸足で演奏していたが、あまりに床が熱いのかサンダルを履いたTOSHI-LOWが口を開くと、
「昨日、週末だからってんで、嫁に内緒でデートしてきたんだよ。細美武士と(笑)
行ってきたよ、国会前。デモをやってる学生たちがどれだけ利己的で自己中心的なのか見てきてやろうって。(これは炎上した自民党議員の発言への揶揄)
そしたら日大芸術学部の3年生の女の子がすごくいいこと言ってたよ。
「憲法を守りましょう。基本的人権を守りましょう。それができないなら議員を辞めてください」
って。それを見た細美武士がウルウルしてるのを見て、俺もウルウルしてしまって(笑)
俺はこの近くの大洗ってとこで育てられたんだけど、おじいちゃんが好きで。よく一緒に寝てたんだけど、おじいちゃんの二の腕がプルプルしてるのを触るのが好きで。それは俺が男の体を触るのが好きだから、ジャン・ケン・ジョニーの尻とか触るの好きなんだけど(笑)
そのおじいちゃんには腕に日の丸のイレズミがあって。それはどう見てもプロがやったんじゃない、下手なイレズミで。で俺があるときに、なんでそんなイレズミしてるの?って聞いたら、じいちゃんは
「死んだ時に日本人だってわかるように」
って言ってて、そこで俺は戦争がどれだけ悲惨なものだったのかを知った。
70年前の一昨日、広島に原爆が落とされて。明日、長崎に落とされた。8月15日に終戦。
戦争から70年経って、あの時戦った国の人同士はこうやって同じステージに立って、一緒に歌を歌っている。
戦争から70年経って、俺たちは何を変えて、何を変えないで、何を作るべきなのか。俺だったら、新しい街を作りたい。そんな曲、「朝焼けの歌」。」
と長いMCをして「朝焼けの歌」を演奏したのだが、このMCはBRAHMANではなく、メンバーにアメリカ人のMARTINがいるこのバンドだからこそ。当然、話し終えた後、演奏を終えた後には、それまでの何倍もの歓声と拍手が巻き起こった。
自分はBRAHMANのほうが好きというのは変わらないが、それでもこうしてたまに見るこのバンドも実に良い。
1.A Strait Gate
2.Making Time
3.Follow The Dream
4.Bamboo leaf boat
5.Freight Train
6.朝焼けの歌
7.pilgrimage
朝焼けの歌
http://youtu.be/yyRdiwrZy-Y
14:30~ KANA-BOON [GRASS STAGE]
2年前の初出演がWING TENT、去年はLAKE STAGEで、今年満を辞してGRASS STAGEへの出演となったKANA-BOON。
SEなしで登場すると、ここ最近はワンマンでもフェスやイベントでもオープニング曲に定着している「タイムアウト」からスタートし、谷口鮪のラップのような早口の歌唱もある「LOL」と、最新アルバム「TIME」の曲が続く。
イントロでおなじみのライブアレンジが施されている「ウォーリーヒーロー」からまさにこの時期の野外にピッタリな夏ソング「なんでもねだり」では客席にPVでメンバーが踊っているダンスを踊る観客が続出。
「そろそろお腹空きませんか?珠玉のバラードを、チャーハン」
ともはや曲名が「チャーハン」になってしまった「ないものねだり」では大きなコール&レスポンスが起こる。
タイトル通りにクラクションの音で始まる「クラクション」を終えると、
「ROCK IN JAPANだから最近のロックなこと」
と鮪が飯田に話を振ると、
「チャリを撤去されたから、色違いの同じチャリを買った」
という、ロックな?返答が。さらに鮪が初出演時からずっと言い続けてきた、憧れのメインステージにこうして立てていることへの感謝を告げ、後半はシングル曲を連発。
3日前にリリースされたばかりの「ダイバー」は「シルエット」と同じくNARUTOのタイアップ曲だが、曲のタイプ自体は全く違う、聴かせるタイプの曲である。だが「シルエット」同様にNARUTOに関連したワードが歌詞に出てくるあたりはさすがNARUTOのファンであり、鮪の作家性の高さを改めて示している。
むしろ次に演奏されたカップリングの「スパイラル」のほうがこのバンドのイメージである高速ギターロックといったタイプの曲だが、半分以上がアルバム&カップリングという選曲にもかかわらず、全曲大ヒットシングルであるかのような盛り上がりぶり。このバンドがこのステージまでたどり着いたのは、その圧倒的な楽曲の良さがあってこそ。客席も当たり前のような満員ぶりだった。
1.タイムアウト
2.LOL
3.ウォーリーヒーロー
4.なんでもねだり
5.ないものねだり
6.クラクション
7.盛者必衰の理、お断り
8.フルドライブ
9.ダイバー
10.スパイラル
11.シルエット
ダイバー
http://youtu.be/XCuA5qyAyPA
15:45~ SAKANAMON [SOUND OF FOREST]
KANA-BOON同様に2年前はWING TENT(トリだった)、去年はPARK STAGE、そして今年はSOUND OF FORESTと着実に歩みを進めるSAKANAMON。
いつものようにSUPER BUTTER DOG「コミュニケーション・ブレイクダンス」で登場すると、「幼気な少女」から、打ち込みも駆使しながらソリッドなギターロック曲を連発。
基本的には最近の曲からの選曲が多いが、「ミュージックプランクトン」、
「愛してるよ ジャパーン!」
と今年も藤森が叫んだ「マジックアワー」と、過去曲である代表曲もしっかり演奏してくる。
メンバーの自己紹介と、バンドのこのフェスでのこれまでの歩みを森野が紹介したりしたのだが、藤森は第一声でまだ昼過ぎなのに、
「こんばんは!」
と挨拶して森野に突っ込まれたり、「ぱらぱらり」前にはあまりに自由過ぎるダンスを踊ったりと、天然極まりない言動を連発し、客席からは「可愛い~」という声もちらほら上がる。
SAKANAMON流ラブソング、つまり変態ラブソング「君の○○を××したい」も演奏され、ラストは
「つまんねーよ つまんねーよ」
の大合唱が起こった「TSUMANNE」で締めたのだが、しかしビックリするくらいに客席は人で埋め尽くされていた。正直、ここまで埋まるとは思ってなかったし、みんなちゃんと曲を知っているような人たちばかりだった。
先月にはDiverCityワンマンもやっており、まだキャパ的に早いと思っていたが、案外これからはそのキャパで当たり前のようにやれるバンドになるのかもしれない。
「ジャパン、アゲー!」
と木村が決めセリフを絶叫したように、これだけたくさんの人が来てくれたからか、メンバーのテンションも非常に高かった。
「次はBUZZ STAGEか、もう一回WING TENTかな(笑)」
とメンバーは笑わせていたが、これは結構LAKEも見えてきている気がする。
1.幼気な少女
2.アリかナシか
3.ミュージックプランクトン
4.ぱらぱらり
5.マジックアワー
6.君の○○を××したい
7.TSUMANNE
ぱらぱらり
http://youtu.be/1x40I9xurXk
16:20~ MONOEYES [LAKE STAGE]
デビューアルバムを発売したばかりの細美武士の新バンド、MONOEYESが早くもフェス出演。細美がLAKE STAGEに出るのはthe HIATUSが初出演した2009年以来だが、ELLEGARDEN時代にはこのステージの大トリをやったこともある。
時間になるとギター・戸高賢史(ART-SCHOOL)、ベース・スコット・マーフィー(ALLiSTER)、ドラム・一瀬正和(ASPARAGUS)と細美武士が登場。SEは「スターウォーズ」のテーマ。
すると1曲目、シングルのカップリング曲「When I Was A King」から完全にパンク。the HIATUSの革新性とは違う、ストレートなメロディーとストレートな演奏。このフェスはダイブ禁止なのでダイバーは発生しないが、そのダイバーがいない光景が違和感に思えるくらいのパンクっぷり。戸高がこれだけ速くて激しい曲のギターを弾いている姿も実に新鮮。
畳み掛けるように曲を続けていくと、
「やっぱりLAKE STAGE最高だなぁ!ここよりでかいのは正直もういいや」
と細美が言い、続けてスコットが
「みんなは見えないから知らないだろうけど、なんでここがLAKE STAGEかって言うと、ステージの裏に湖があって…」
と解説するも、
「いや!みんな知ってるから!(笑)」
と細美に突っ込まれる。
「次にやる曲はぴょんぴょん跳ねるだけで楽しい曲だから、人の上を転がったりしなくても楽しいと思うよ」
という先行シングル「My Instant Song」はまさにPVでもメンバーが飛び跳ねていたが、ダイブよりもジャンプなイメージの曲。
スコットが客席に水のペットボトルを投げ込みまくると、「スイ(水)コット」と流暢過ぎる日本語で自ら改名し、終盤には日本語歌詞の「グラニート」も演奏され、ラストは「Remember Me」。
最初は当然満員、入場規制がかかるくらいのレベルだったが、途中からかなりの人がステージから抜けて行った。それはおそらくこのあとGRASS STAGEでMAN WITH A MISSIONが始まるという兼ね合いもあるからだろうが、先週TOTALFATの前説で山崎洋一郎が、
「LAKE STAGEはパンクバンドの主戦場」
と言っていたように、このバンドはこのステージくらいのキャパのほうがいいのかもしれない。
そしてそのLAKE=パンクのイメージを10年以上前に定着させた1人である細美武士が、ついにパンクバンドとしてこのLAKE STAGEに戻ってきた。
1.When I Was A King
2.Run Run
3.Cold Reaction
4.Like We've Never Lost
5.My Instant Song
6.What I Left Today
7.End Of The Story
8.グラニート
9.Remember Me
My Instant Song
http://youtu.be/pppstt1_YZw
17:00~ BUZZ THE BEARS [WING TENT]
3年連続WING TENT出演というある意味すごい記録になった、スリーピースパンクバンド、BUZZ THE BEARS。
登場するなり越智健太が
「たった30分で人の心を動かせるかどうかはわからないけど、やってみる価値はあるんじゃないだろうか!」
と熱く言うと、夏の到来を実感させられる「シェアタイム」からスタート。パンクバンドではあれど、ツービートよりも四つ打ちの曲が多いバンドなだけに、ほとんどの曲が踊れる曲。去年の出演からはほとんど持ち曲は変わっていないが、セトリには「光り」「ピエロ」という定番曲は残しながらも、変化が見られる。このあたりはさすがに年間100本以上ライブをやっているバンドなだけに柔軟性を感じる。
コーラスパートも多いバンドなだけに、曲によっては大きなコーラスがWING TENTの中にこだまする中、越智は先々週出演したフェスで会ったファンが、帰りにバイク事故で帰らぬ人になってしまったことを語り、
「だから絶対帰りに気をつけて帰ってくれ!9月にアルバムも出てツアーもやるから、ちょっとでも興味を持ったらまた俺らに会いにきてくれ!」
と言って、最後に「鳴り止まぬ歌」。で大合唱が響いた。
しかし、GRASSでMAN WITH A MISSIONがやっている時間だからか、去年は満員状態だった客席はガラガラになってしまっていた。改めてフェスの難しさ、MAN WITHの人気ぶりを再確認した。
1.シェアタイム
2.スイング リング
3.花火
4.グッドナイト
5.光り
6.ピエロ
7.鳴りやまぬ歌
光り
http://youtu.be/jZQLBhXcs_c
17:30~ パスピエ [LAKE STAGE]
昨年は最終日のLAKEのトップバッターだったパスピエ。今年はトリ前での出演である。
メンバーが登場すると、大胡田なつきは「チャイナタウン」よろしく赤のチャイナ服姿で登場。1曲目「MATATABISTEP」から躍らせまくり&大胡田も踊りまくりで、近年のベストと言っていい選曲。三澤と露崎の弦コンビもこの広いステージを最大限に生かして演奏するなど、デビュー時から定評のあった演奏力だけではなく、ライブ自体の見せ方自体もだいぶ変化してきている。
すると成田ハネダが告知があることを告げると、大胡田が9月にアルバムが発売されることを発表。発売日が9/9と、まさかの一ヶ月後というあまりに急なスケジュールだが、大丈夫なんだろうか。
その中から1曲、と言って演奏されたのはすでに先行シングルとしてリリースされている「裏の裏」。てっきり新曲をやると思っていたが、それはナシ。
チャイナ服だからか、イントロでアレンジがなされた「チャイナタウン」も演奏されると、ラストは「フィーバー」からイントロの成田のキーボードの音がどうしても切なさを誘う「最終電車」。
去年は落雷による開場の遅れにより、LAKEを埋めることはできない悔いが残るライブになってしまったが、今年はまさかの去年よりもガラガラという事態。
メインがMAN WITH A MISSION→BUMP OF CHICKENという流れであったためにそっちに持って行かれたと思われるが、武道館ワンマンを年末に控えているだけに、この動員はやや不安なところ。
1.MATATABISTEP
2.とおりゃんせ
3.贅沢ないいわけ
4.S.S
5.裏の裏
6.チャイナタウン
7.フィーバー
8.最終電車
裏の裏
http://youtu.be/R6aj-hpk6AY
18:30~ BUMP OF CHICKEN [GRASS STAGE]
いよいよこの日のトリ、GRASS STAGEは2年ぶりの出演となるBUMP OF CHICKEN。
もはやスタンディングエリアに入りきれないくらいの大観衆が待ち受ける中、メンバーが登場すると、いきなり藤原が弾き語りのような形で「天体観測」のサビを歌い始め、
「オーイェー!アハーン!」
の大合唱が起こり、バンドの演奏も加わって曲が始まる。
「パレード」からは「RAY」以降の、打ち込みを使ったサウンドの曲が中心で、直井はベースではなくサンプラーやシンセを演奏する場面も多い。
だが一転して「メーデー」「カルマ」のようなソリッドなギターロック曲だとその直井が
「オイ!オイ!」
と観客を煽りまくる。しかしそのどちらの曲もこの広大な空間、この6万人という大観衆の前というシチュエーションが実によく似合うというか、そういう場で演奏するために生まれた曲のような感じすらする。
「初めてここに出た時、トップバッターだったんだけど、渋谷さんに青空の下で「天体観測」聴きたい、って言われたんだ」
と初出演時の時のことを話し、直前の大阪と横浜の時はやらなかった「天体観測」を演奏したことについて話す。
藤原も少し舞い上がっているというか、テンション高めな語り口で、あっという間にラストになってしまった「虹を待つ人」では曲前にコーラスの練習をさせるも、
「おいおい、家にいるんじゃないんだぜ?自分の部屋にいるんじゃないんだぜ?ロックフェスだろ?」
とさらに大きな声で歌うように促すと、メンバーが歌わずともこの広い空間に「ウォーウオーウォーウオー」のコーラスが響き渡って本編は終了。
アンコールで再びメンバーが登場すると、「ray」のエレクトロニックなサウンドで飛び跳ねさせ、演奏が終わってもこの景色をずっと見ていたい、終わりたくない、という感じの藤原が1人残って観客に気をつけて帰って、などの言葉を次々に投げかけてからステージから去ると、その瞬間を待っていたかのように夜空に花火が打ちあがった。
BUMPはあまりフェスに出ない。しかし、ロッキンにはかなりの頻度で出演している。ましてや、今回は大規模ライブを終えた直後、前回出演した時は大規模ライブの直前という、出演を断ってもなんらおかしくないタイミングである。
今日メンバーが最初に出た時の話をしていたが、バンドにとってこのフェス、このステージから見える景色は特別な思い入れがあるんじゃないだろうか。こうして毎年ここに来る我々と同じように。
1.天体観測
2.パレード
3.Hello,world!
4.メーデー
5.ファイター
6.コロニー
7.カルマ
8.虹を待つ人
encore
9.ray
Hello,world!
http://youtu.be/rOU4YiuaxAM
こうして3日目も終了。いよいよ残るは最終日のみ。本当にあっという間だ。
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