ROCK IN JAPAN FES. 2015 day2 @国営ひたち海浜公園 8/2
- 2015/08/03
- 21:26
2日目。朝こそ前日より涼しいという感じだったが、開場してみるとやはり暑い。だが時折吹く風はやはり涼しい。
10:30~ TOTALFAT [LAKE STAGE]
ロッキンオンジャパン総編集長山崎洋一郎が前説で、
「このLAKE STAGEはパンクバンドのイメージが強いっていろんな人に言われて。そのイメージを作ってきたのは間違いなくこのバンドです!」
と言ってからステージに登場したのは、ミスターLAKE STAGEのトップバッター、TOTALFAT。JoseとShunはサングラス着用、Buntaはすでに上半身裸、Kubotyはいつものように奇抜な衣装。
Joseが
「今日が涼しいなんて絶対言わせねーぞ!」
と叫んでから「夏の始まり 君と交わり」と弾き語りのようにして歌い出して始まったのは「夏のトカゲ」。さらに「Room45」と、夏らしいパンクソングが続き、朝イチから満員の客席には左回りの巨大なサークルがいくつも出現する。
すると一転してややレイドバックしたサウンドで、「観客の一日の安全を願って」と「Call It Love」。ツービートのパンクだけだとバテてしまうし、何よりバンドの音楽性の幅の広さを見せられる。
先月フルアルバムがリリースされたばかりだが、そのアルバムから「Run to Horizon」、そしてキラーチューン「PARTY PARTY」でピークを迎えると、Shunが
「俺たちは今、壁にぶち当たってて。LAKE STAGEで安定感出したくないんだよ!GRASS STAGEに行きたい!でも歩いて10分くらいのあのステージが本当に遠くて遠くて。でもあのステージにいつか立てる日が来るんなら、何回だってこのLAKE STAGEに立ってやるよ!
そうやって壁を壊していくっていう曲!」
と最新アルバムからのリードトラック「Walls」を披露。しかし、「PARTY PARTY」が終わると、ShunがMCをしている間に客席から抜けていく人が非常に多かった。(FORESTのMY FIRST STORYを見にいくため?)
それはフェスだから仕方ないとはいえ、ここまで一気に人が減ってしまうのはショックを隠しきれない。
そしてラストは
「Forever 君はひとりじゃない
涙こえて 君と進んでいこう」
というバンドが一番伝えたいことを観客全員が飛び跳ねながら合唱する「Place to Try」。
「またライブハウスで会いましょう!」
という去り際の一言は、ライブハウスを本拠地に年間100本以上ライブをやっているバンドだからこそ。
しかし現状、このバンドの前にそびえるGRASS STAGEへの壁は相当に高いし、こうしてLAKEでのライブを見ていてもGRASSでやるイメージが湧かない。だがGRASS STAGEにパンク、メロコアバンドが全く出ていないというこの状況をひっくり返したら、とんでもなく面白いことになると思う。
1.夏のトカゲ
2.Room45
3.Call It Love
4.Run to Horizon
5.PARTY PARTY
6.Walls
7.Place to Try
Walls
http://youtu.be/R3WVhz_Hm-o
そのあとWING TENTにて小林太郎を少し見る。さすがの歌唱と、ツーバスのドラムを含むハードロックサウンドは実にカッコいいが、客席はガラガラというレベルであった。
11:40~ キュウソネコカミ [LAKE STAGE]
昨年のPARK STAGEから一気にステップアップ、ミュージックステーションにも出演し、追い風を受けまくっているキュウソネコカミ。
サウンドチェックの段階でメンバーが登場し、「良いDJ」を演奏しながら、セイヤはなぜか「琵琶湖わんわん王国」というフレーズを繰り返し叫んでいる。この時点ですでに入場規制寸前の超満員。
本番になるとケツメイシ「夏の思い出」をSEにメンバーが登場。フェスだと最後の曲として演奏されることが多い「ビビった」からスタート。「ファントムバイブレーション」ではイントロのiPhoneの着信音が流れただけで大歓声が起こる。
「前説でも言ってましたけど、自分の幸せしか考えられないやつは帰ってくださいねー。気持ち悪い人がいたら、いやそれは顔が気持ち悪いじゃなくて、体調悪そうな人がいたら声かけるんやで」
とセイヤが注意を促しつつ、「GALAXY」では
「我々は宇宙人だ 我々が地球人だ」
の部分でのダンスもほぼ完璧に客席は踊れているあたり、ただ単にMステを見たりした人よりも、ずっと聴いている人のほうが圧倒的に多いというイメージ。
「Mステ出た曲やりまーす」
と言うと「MEGA SHAKE IT!」も披露されたが、ハウスミュージックの部分の振り付けも早くも定着してきてるあたりはさすがMステに出た曲である。
するとその「MEGA SHAKE IT!」のカップリングに収録されている「伝統芸能」さらには「空芯菜」という過去の曲も演奏されるが、このあたりのセトリの柔軟性は飽きられないようにというバンド側の配慮だろうか。確かにフェスの度にセトリ変わると毎回見ておこうという感じになる。
そしておなじみ「DQNなりたい、40代で死にたい」では、
「客席飛び込むと2度と出れなくなるから!」
ということで、客席に飛び込むことはせず、代わりに客席の外にいる、中に入れない人だけで
「ヤンキーこーわいー」
のフレーズを叫ばせると、大きな声が返ってきただけに、相当な数の人が外で見ていたと思われる。
そしてラストは「MEGA SHAKE IT!」の両A面曲、キュウソの周りの愛しいポンコツな人々のことを歌った「ハッピーポンコツ」。これはキュウソなりのラブソングである。毒や嫌味や捻くれだけでなく、こういう曲が出てきたというのは非常に大きい。ましてや、この状況的にGRASS STAGEも視野に入っているだけに、カウンター的方法論以外の武器を持てたのは、さらに多くの人を引きつけられるようになるはず。
1.ビビった
2.ファントムバイブレーション
3.GALAXY
4.MEGA SHAKE IT!
5.伝統芸能
6.空芯菜
7.DQNなりたい、40代で死にたい
8.ハッピーポンコツ
ハッピーポンコツ
http://youtu.be/_ZEGUfWSgls
12:15~ FACT [SOUND OF FOREST]
久しぶりにして2度目の出演となるFACT。しかしながら、年内での解散が発表されているだけに、最後の出演となる。
「俺たちの最後のロッキン、自分の中のルールをぶっ壊せ!」
とHiroが叫んで「slip of the lip」でスタートすると、早くも激しいモッシュや左回りのサークルが出現する。
最新アルバム「KTHEAT」の削ぎ落とされたロックとかつての音数の多いラウドロックがバランス良く並んだセトリで、Hiroはコーラスパートの度に、
「後ろのほうまで聞こえるように歌おうぜ!」
と煽り、大きなコーラスが巻き起こる。
JAPAN JAMやSATANIC CARNIVALでは直接的な解散への言及はなかったが、この日は
「最後のロッキン」「この光景を一生目に焼き付けたい」
と、確実にバンドの終わりを意識したMCが多かった。これはこのフェスがバンドの地元からほど近いことも影響しているんだろうか。
幾何学的なギターのイントロによる「miles away」で観客を飛跳ねさせ、「Purple Eyes」ではまたしてもHiroによる煽りで大きなコーラスが巻き起こる中、Kazukiがギターを置いて客席に飛び込んだ。そうすると堰を切ったように観客も次々とダイブしていく。
そしてラストはやはり「a fact of life」でイントロから激しいモッシュやダイブが発生した。
過去に出演したロッキンやCDJではメンバーもダイブしなかったし、「ちゃんとルールを守ってる君たち、すごいカッコイイよ!」と言っていたがKazukiがダイブしたのを見た瞬間、CDJももしかしたら出るだろうかとも思っていたが、もうこの次はない、というのがその瞬間に分かってしまった。
1.slip of the lip
2.tonight
3.the shadow of the envy
4.ape
5.the way down
6.wait
7.miles away
8.Purple Eyes
9.a fact of life
a fact of life
http://youtu.be/xUl62mfn4D4
12:50~ グッドモーニングアメリカ [LAKE STAGE]
2年連続LAKE STAGE出演のグッドモーニングアメリカ。
たなしんはお笑い芸人・とにかく明るい安村の「安心してください、穿いてますよ」で登場すると、いきなり「未来へのスパイラル」という意外なスタート。そこからは代表曲、シングル曲連発。
渡邊のまっすぐなMCもあったが、オープニング以降、たなしんがあまり元気がない。おそらく、この時LAKE STAGEのステージ上は灼熱状態であり、裸足のたなしんは火傷していたんじゃないかと思われる。10年前、銀杏BOYZがこのステージに出た時、やはり裸足だった峯田和伸は足の裏を火傷してしまい、歩けなくなって、翌日は車椅子だった。いつもよりたなしんは姿勢が悪かったし、ステージ上に水を撒いているのもそういうことだろう。
そして最近はフロントマンとして口を開くようになった金廣のMC。同級生のTOTALFATと後輩のBIGMAMAが先にこのフェスに出ていて悔しかったこと、たなしんは見に行っていたが、自身は出演するまで絶対行かないとひねくれた考えだったことを話し、このステージへの並々ならぬ思いを語る。
そのあとに演奏された新曲「ハローハローハロー」はまさにそんな思いを詰め込んだ、このバンドの直球と言える曲。テーマとしてはタイアップになっているドラゴンボールに通じるところもあると思うが、金廣も自信作と語っていたとおり、このメロディーは会心の出来だろう。
ラストはこの快晴の空に向かって歌われた「空ばかり見てた」。初めて見た人にも実にわかりやすくバンドのことを伝えるライブであり、武道館ワンマンに向けた良いアピールになったと思われる。しかし、満員とはいえ直前のキュウソネコカミが客席から溢れるくらいの人を集めていたところを見ると、昨年初LAKEにして、GRASSへかなり近づいたところからは少し後退したようにも思える。それだけに今年の武道館を埋められるかは本当に重要。
1.未来へのスパイラル
2.キャッチアンドリリース
3.コピペ
4.拝啓、ツラツストラ
5.イチ、ニッ、サンでジャンプ
6.ハローハローハロー
7.空ばかり見てた
ハローハローハロー
http://youtu.be/aqbpNelhii8
GRASS STAGEに行くと、くるりのクライマックスという時間帯。「東京」「虹」「ロックンロール」というあたりが聴けたのだが、去年同様、もはやGRASSでは埋まりきらなくなっている。おそらくキュウソネコカミのほうが全然フェスでの動員力はあるだろう。かといってくるりが他のステージに出ている姿は想像できないのだが。
14:05~ 水曜日のカンパネラ [BUZZ STAGE]
初出演にして、始まる前から人で埋め尽くされたBUZZ STAGEに登場したのは、キン肉マンの曲が流れる中、キン肉マンマスクをかぶった、水曜日のカンパネラことコムアイ。
もったいぶりまくってマスクを外すと、花冠をつけているのは夏フェス仕様か。しかし、すぐさま「可愛い~」という声がいたるところから上がる。ヤフオクのCMにも出ているだけに、一目見てみようという人もだいぶ多かった様子。
「二階堂マリ」からスタートすると、シュール極まりない歌詞がハイセンスなダンスミュージックに乗るこのスタイルは非常にクセになる。「千利休」では振り付けもほぼ一発勝負で決めさせ、曲中に滝川クリステルのモノマネもし、ステージ後ろのビジョンには絵の具を使ったVJも使うというこのステージならではの演出も。
「きびだーん きびきびだーん」
という衝撃的なサビと振り付けの「桃太郎」を歌うと、前日に急遽前ノリすることにし、水戸に向かうも、全く宿が空いてなくて真夜中に途方にくれたというエピソードを話す。(後でツイッターでこの状況を助けたのは安藤裕子だったことが判明する)
ヤフオクのCM曲「ツイッギー」もフルバージョンで披露し、
「良い湯だね」「良い湯だね!」
などのサビのコール&レスポンスを練習させた「ディアブロ」で終了。かなり短い時間だったが、
「来年はもっと大きいとこで長い枠をもらえると思うんで」
と言っていたことは現実になる予感がする。またライブ中にコムアイはVJの女性を紹介していたが、ライブが終わると、PAブースの中にいたVJの女性に向かって、たくさんの拍手が送られ、本人も立ち上がって頭を下げていた。こうして裏方というタイプの人に脚光を浴びさせるのはサカナクションも良くやっているが、こうして実際に感謝を伝えられることは滅多にないだろうし、紹介したコムアイも嬉しかったんじゃないかと思う。
1.二階堂マリ
2.千利休
3.桃太郎
4.ツイッギー
5.ディアブロ
ディアブロ
http://youtu.be/r9oBVKqID7g
15:25~ アカシック [BUZZ STAGE]
赤裸々かつシュールな女性目線の歌詞をとびきりポップなメロディーに乗せる5人組バンド、アカシックがロッキン初出演。
先に理姫以外のメンバーが登場して演奏が始まると、遅れてTシャツにショーパンという夏フェスらしい出で立ちの理姫も登場。鮮やかな金髪と赤い口紅がギャル感をさらに強めている。
最新アルバム「デンジャラスくノ一」がリリースされたばかりということもあり、その中の曲が中心。
元々のメンバーである奥脇(ギター)と黒川(ベース)の演奏力はもちろん、最近正式メンバーとなったHachi(キーボード)と山田(ドラム)も演奏だけでなくコーラスにも多く参加し、サポートありきの5人編成時代よりも圧倒的にバンドそのもののグルーヴが増している。
理姫は元気いっぱいにその小柄な体を動かしながら歌っていたのだが、「ベイビーミソカツ」の後で付けていたピアスを落としてしまい、それを踏んで足を痛めたということで、それまでの裸足からヒールに。さらにはHachiのネックレスも千切れてしまうというアクシデントに見舞われてしまう。
そんな中、最新の曲中心のライブのラストは観客も振り付けに参加して楽しめる「ツイニーヨコハマ」「終電」という過去曲2連発。奥脇と黒川はステージの前まで出てきて演奏するのだが、ポップな曲やバンドの雰囲気とは裏腹に実にカッコイイ。
しかしながら、理姫が「リハの時に10人くらいしかいなかったから泣きそうになった」と言っていたが、動員はかなり厳しいものがあった。ゆくゆくはこの規模を埋めるくらいの存在になっても全くおかしくはないが、今はまだ時期尚早だったということだろうか。
1.サイノロジック
2.プリチー
3.アルカイックセンチメント
4.CGギャル
5.ベイビーミソカツ
6.ツイニーヨコハマ
7.終電
CGギャル
http://youtu.be/dWGD2Hqx9LA
15:50~ Spitz [GRASS STAGE]
3年ぶりに出演となったスピッツ。おなじみのサポートキーボード・クジヒロコを含めた5人編成で登場すると、草野マサムネはハット着用の実に若々しい姿。GRASS STAGEは客席から人がはみ出すくらいの超満員なのは本当にさすがとしか言えない。
「恋する凡人」からスタートすると、ソリッドなギターロック「メモリーズ・カスタム」、イントロで大歓声が上がった大ヒットシングル「涙がキラリ☆」、さらには「ありふれた人生」「インディゴ地平線」という意外な曲も演奏されるのだが、このあたりのセトリはいったいどういう風に決めているのだろうか。
そしてこちらも大ヒットシングル「チェリー」でいたるところから合唱が発生するという名曲たる所以を見せつけられると、ロッキンでの恒例であるカバーコーナー。今年は小泉今日子の「あなたに会えてよかった」という実に懐かしい選曲。だが、
「今の曲、若い人はリアルタイムでは知らないかな?一応きゃりーぱみゅぱみゅさんの曲も練習して、デモも作ったんですけどね、どうにも難しくて形にならなくて…」
と草野が言うと、きゃりーぱみゅぱみゅ「もんだいガール」を弾き語りで歌う。あの声で歌われると実に曲の表情が変わるし、アレンジもギターロックになっていて面白そうだったので、これは来年以降に期待したい。
ライブ定番の「8823」では三輪と田村がステージ両サイドのスクリーン前まで出て行って演奏し、特に初見の人が見ると衝撃を受ける暴れっぷりを見せる田村はベースをぶん回しながら演奏するという、この日も暴れっぷりは健在。
「野生のポルカ」ではクジヒロコのアコーディオンのサウンドがアイリッシュ感を際立たせ、春フェスでも披露されていた「運命の人」の名曲ぶりに思わず心を持って行かれる。
ラストは「けもの道」で締めたが、スピッツの登場に合わせたかのように、それまでの暑さは和らぎ、涼しくなっていた。スピッツには夏の野外の涼しい空気が本当によく似合う。
1.恋する凡人
2.メモリーズ・カスタム
3.涙がキラリ☆
4.ありふれた人生
5.インディゴ地平線
6.チェリー
7.あなたに会えてよかった (小泉今日子のカバー)
8.8823
9.野生のポルカ
10.運命の人
11.けもの道
チェリー
http://youtu.be/Eze6-eHmtJg
16:55~ tricot [SOUND OF FOREST]
もはやこのフェスでもおなじみになっている、滋賀と京都の爆裂変拍子バンド、tricot。
京都大作戦の時と同様に轟音セッションからの「爆裂パニエさん」でスタートし、「POOL」「E」と強靭なバンドサウンドで押しまくる。そんな中、WOWOWで生中継されていることも念頭に置いているのか、イッキュウが右足をくの字に曲げて左足だけで立っている姿はものすごくセクシー。
そのイッキュウがグッドモーニングアメリカのたなしん同様に、「安心してください、履いてますよ」と、とにかく明るい安村のネタをやったのだが、こちらは全裸ではなく、ロングシャツの下にショーパンを履いているというスタイル。これは京都大作戦の時に細美武士に「シャツの下はパンツなの?」と聞かれたことも影響しているのだろうか。
インスト色の強い「アナメイン」から、山口美代子のドラムソロを挟んでサンバ調に大展開する「庭」ではマラカス、カウベル、笛と持ち替え、キダはサングラス姿でサンバパートに突入。
「ロックイン!」「ジャパーン!」
「メイドイン!」「ジャパーン!」
のコール&レスポンスも展開すると、ラストは「99.974°C」。ロッキンでは客席にメンバーが突入できないため、そのぶんメンバーはステージ上でいつも以上に暴れまくっていた。
しかしGRASS STAGEではUVERworldがやっている時間ということもあってか、Zeppクラスでワンマンやっているバンドにしてはやや客席は余裕がある状態だった。
1.爆裂パニエさん
2.POOL
3.E
4.アナメイン
5.庭
6.99.974°C
POOL
http://youtu.be/TZjTXh_zaXc
そのあとLAKE STAGEでチラッとREBECCAを見る。ちょうど「フレンズ」をやっているタイミングだったのだが、NOKKOさんがすごくおばさんになっていた。
18:40~ 米津玄師 [PARK STAGE]
この日のPARK STAGEのトリは、このフェスどころか夏フェス自体に初出演となる米津玄師。時間前から多くのファンが待ち構える中、ギター中島、ベース須藤、ドラム堀がサウンドチェックの時点で登場し、「リビングデッドユース」のボーカルレスバージョンを演奏して観客を楽しませる。ちなみに中島はメガネ着用。
時間になると、荘厳なSEが流れる中、先にバンドメンバーが登場し、最後に米津玄師が登場。上下ともに真っ白な衣装はまだ夏フェスの色に染まっていないからこそにも見えるし、どこか板前のような出で立ちにも見える。
米津がギターを手にすると、最初に演奏されたのは「ワンツースリー」というカウントから始まる「ゴーゴー幽霊船」。リズム隊はワンマン同様に力強さと抜群の安定感を発揮しているが、緊張しているのかボーカルはどこか不安定な感じも受ける。
続く「駄菓子屋商売」は米津がハンドマイクでゆらゆらと揺れながらステージを左右に動きつつ歌う。最後のサビ前ではコーラスパートも増えるというアレンジも。
さらに「メランコリーキッチン」と「diorama」「YANKEE」の2枚からの選曲だったが、
「だいぶ暗くなってきたけど…暑くない?多分みんなよりも俺のほうが100倍暑いから」
と、どこかMCは小慣れてきたというか、観客との距離感を掴めるようになってきた印象。
すると「パンダヒーロー」とボカロP・ハチ時代の曲も演奏。初の夏フェスということで、セトリも予想がつかなかったが、ワンマン以外でもこのあたりの曲をやるとはなかなか予想外であった。
さらに打ち込みを駆使したBPM200超えの高速ロックチューン「ドーナツホール」、アウトロでどんどん高速化していく部分を再現しているのが圧巻の「マトリョシカ」と、アッパーな曲が続いたのは夏フェス仕様のセトリ、ということなんだろうか。
1月にツアーが始まるという告知には悲鳴のような歓声が上がり、観客の「アルバムは!?」という歓声に応えながらもはぐらかす(間違いなくツアー前には出るだろう)と、大名曲「アイネクライネ」でそんな声を完全に黙らせる。フェスということで米津玄師というアーティストの存在をほとんど知らない観客もいただろうが、この曲を聴けば、あ!この曲の人か!、と間違いなく思うだけに、この曲をしっかりセトリに入れてきたあたりはさすが。
「最後の曲です」
というと「えー!?」という悲鳴が巻き起こって演奏されたのは、9月にリリースされるシングル曲「アンビリーバーズ」を初披露。米津がハンドマイク、中島と須藤の両サイドがシンセという編成で、イントロの享楽的なEDM的サウンドからサビでは「サンタマリア」や「Flowerwall」にも連なるような神聖さを感じる。ちなみにサウンドチェック時からずっと気になっていた、ボーカル後ろに置かれたフロアタムは米津玄師がサビ前に、ダンダンダンと堀のドラムに合わせて3連打するためのもので、最後にはさらに長くタムを連打するとスティックを放り投げて最後のサビの歌唱へ。
「誰がどんなに疑おうと僕は愛してるよ 君の全てを」
という、これまでの曲とは全く異なる素直なフレーズ。果たしてこれはいったいどんな心境から作られ、この曲に連なるアルバム曲ではどんな歌詞を歌うのか。
アンコール待ちをしていたが、今回はトリではあれど、アンコールはなし。
しかし、ツアーを発表した時に、
「来年1月からツアーもやるんで、今日初めて見た方も、是非見に来ていただきたい」
と言っていたが、そもそも現状、行きたい人が全然チケット取れていない。都内ではようやくZeppにまでキャパが拡がったが、果たしてどうだろうか。
ただ、これからフェスに出て、米津玄師のワンマンに来る人の客層は変わるはず。今まではワンマンは米津玄師が好きな人しかいなかったが、フェスを経たらちょっとワンマン行こうかな?って人も来るかもしれない。もしかしたらその中にはフェスに良く出ているバンドが大好きなライブキッズもいて、モッシュや、サークルまで起こるかもしれない。現に自分は「ドーナツホール」や「マトリョシカ」はそういうノリになっても全くおかしくない曲だと思っているが、もしそうなった時にその人たちの楽しみ方が批判される事態にだけはなって欲しくないと思う。
でも正直、良いライブだったかと言われると、他のライブ猛者を散々見てきたあとに最後に見ると、物足りなさを感じざるを得ない。でもそれは場数を踏んで変えていくしかない。ライジングサン、モンバスと経てのラブシャでどうなってるか。もちろん最大限に期待してるけど。
1.ゴーゴー幽霊船
2.駄菓子屋商売
3.メランコリーキッチン
4.パンダヒーロー
5.ドーナツホール
6.マトリョシカ
7.アイネクライネ
8.アンビリーバーズ
アイネクライネ
http://youtu.be/-EKxzId_Sj4
GRASS STAGEに戻るとちょうど星野源が終わったところで、花火を見て、帰宅の途へ。終わってしまって寂しい気持ちもあるが、まだ来週もあるという楽しみもあり。
去年は2週目は雨も降ったりしただけに、今年は晴れますように。
Next→ 8/8 ROCK IN JAPAN FES.2015 day3 @国営ひたち海浜公園
10:30~ TOTALFAT [LAKE STAGE]
ロッキンオンジャパン総編集長山崎洋一郎が前説で、
「このLAKE STAGEはパンクバンドのイメージが強いっていろんな人に言われて。そのイメージを作ってきたのは間違いなくこのバンドです!」
と言ってからステージに登場したのは、ミスターLAKE STAGEのトップバッター、TOTALFAT。JoseとShunはサングラス着用、Buntaはすでに上半身裸、Kubotyはいつものように奇抜な衣装。
Joseが
「今日が涼しいなんて絶対言わせねーぞ!」
と叫んでから「夏の始まり 君と交わり」と弾き語りのようにして歌い出して始まったのは「夏のトカゲ」。さらに「Room45」と、夏らしいパンクソングが続き、朝イチから満員の客席には左回りの巨大なサークルがいくつも出現する。
すると一転してややレイドバックしたサウンドで、「観客の一日の安全を願って」と「Call It Love」。ツービートのパンクだけだとバテてしまうし、何よりバンドの音楽性の幅の広さを見せられる。
先月フルアルバムがリリースされたばかりだが、そのアルバムから「Run to Horizon」、そしてキラーチューン「PARTY PARTY」でピークを迎えると、Shunが
「俺たちは今、壁にぶち当たってて。LAKE STAGEで安定感出したくないんだよ!GRASS STAGEに行きたい!でも歩いて10分くらいのあのステージが本当に遠くて遠くて。でもあのステージにいつか立てる日が来るんなら、何回だってこのLAKE STAGEに立ってやるよ!
そうやって壁を壊していくっていう曲!」
と最新アルバムからのリードトラック「Walls」を披露。しかし、「PARTY PARTY」が終わると、ShunがMCをしている間に客席から抜けていく人が非常に多かった。(FORESTのMY FIRST STORYを見にいくため?)
それはフェスだから仕方ないとはいえ、ここまで一気に人が減ってしまうのはショックを隠しきれない。
そしてラストは
「Forever 君はひとりじゃない
涙こえて 君と進んでいこう」
というバンドが一番伝えたいことを観客全員が飛び跳ねながら合唱する「Place to Try」。
「またライブハウスで会いましょう!」
という去り際の一言は、ライブハウスを本拠地に年間100本以上ライブをやっているバンドだからこそ。
しかし現状、このバンドの前にそびえるGRASS STAGEへの壁は相当に高いし、こうしてLAKEでのライブを見ていてもGRASSでやるイメージが湧かない。だがGRASS STAGEにパンク、メロコアバンドが全く出ていないというこの状況をひっくり返したら、とんでもなく面白いことになると思う。
1.夏のトカゲ
2.Room45
3.Call It Love
4.Run to Horizon
5.PARTY PARTY
6.Walls
7.Place to Try
Walls
http://youtu.be/R3WVhz_Hm-o
そのあとWING TENTにて小林太郎を少し見る。さすがの歌唱と、ツーバスのドラムを含むハードロックサウンドは実にカッコいいが、客席はガラガラというレベルであった。
11:40~ キュウソネコカミ [LAKE STAGE]
昨年のPARK STAGEから一気にステップアップ、ミュージックステーションにも出演し、追い風を受けまくっているキュウソネコカミ。
サウンドチェックの段階でメンバーが登場し、「良いDJ」を演奏しながら、セイヤはなぜか「琵琶湖わんわん王国」というフレーズを繰り返し叫んでいる。この時点ですでに入場規制寸前の超満員。
本番になるとケツメイシ「夏の思い出」をSEにメンバーが登場。フェスだと最後の曲として演奏されることが多い「ビビった」からスタート。「ファントムバイブレーション」ではイントロのiPhoneの着信音が流れただけで大歓声が起こる。
「前説でも言ってましたけど、自分の幸せしか考えられないやつは帰ってくださいねー。気持ち悪い人がいたら、いやそれは顔が気持ち悪いじゃなくて、体調悪そうな人がいたら声かけるんやで」
とセイヤが注意を促しつつ、「GALAXY」では
「我々は宇宙人だ 我々が地球人だ」
の部分でのダンスもほぼ完璧に客席は踊れているあたり、ただ単にMステを見たりした人よりも、ずっと聴いている人のほうが圧倒的に多いというイメージ。
「Mステ出た曲やりまーす」
と言うと「MEGA SHAKE IT!」も披露されたが、ハウスミュージックの部分の振り付けも早くも定着してきてるあたりはさすがMステに出た曲である。
するとその「MEGA SHAKE IT!」のカップリングに収録されている「伝統芸能」さらには「空芯菜」という過去の曲も演奏されるが、このあたりのセトリの柔軟性は飽きられないようにというバンド側の配慮だろうか。確かにフェスの度にセトリ変わると毎回見ておこうという感じになる。
そしておなじみ「DQNなりたい、40代で死にたい」では、
「客席飛び込むと2度と出れなくなるから!」
ということで、客席に飛び込むことはせず、代わりに客席の外にいる、中に入れない人だけで
「ヤンキーこーわいー」
のフレーズを叫ばせると、大きな声が返ってきただけに、相当な数の人が外で見ていたと思われる。
そしてラストは「MEGA SHAKE IT!」の両A面曲、キュウソの周りの愛しいポンコツな人々のことを歌った「ハッピーポンコツ」。これはキュウソなりのラブソングである。毒や嫌味や捻くれだけでなく、こういう曲が出てきたというのは非常に大きい。ましてや、この状況的にGRASS STAGEも視野に入っているだけに、カウンター的方法論以外の武器を持てたのは、さらに多くの人を引きつけられるようになるはず。
1.ビビった
2.ファントムバイブレーション
3.GALAXY
4.MEGA SHAKE IT!
5.伝統芸能
6.空芯菜
7.DQNなりたい、40代で死にたい
8.ハッピーポンコツ
ハッピーポンコツ
http://youtu.be/_ZEGUfWSgls
12:15~ FACT [SOUND OF FOREST]
久しぶりにして2度目の出演となるFACT。しかしながら、年内での解散が発表されているだけに、最後の出演となる。
「俺たちの最後のロッキン、自分の中のルールをぶっ壊せ!」
とHiroが叫んで「slip of the lip」でスタートすると、早くも激しいモッシュや左回りのサークルが出現する。
最新アルバム「KTHEAT」の削ぎ落とされたロックとかつての音数の多いラウドロックがバランス良く並んだセトリで、Hiroはコーラスパートの度に、
「後ろのほうまで聞こえるように歌おうぜ!」
と煽り、大きなコーラスが巻き起こる。
JAPAN JAMやSATANIC CARNIVALでは直接的な解散への言及はなかったが、この日は
「最後のロッキン」「この光景を一生目に焼き付けたい」
と、確実にバンドの終わりを意識したMCが多かった。これはこのフェスがバンドの地元からほど近いことも影響しているんだろうか。
幾何学的なギターのイントロによる「miles away」で観客を飛跳ねさせ、「Purple Eyes」ではまたしてもHiroによる煽りで大きなコーラスが巻き起こる中、Kazukiがギターを置いて客席に飛び込んだ。そうすると堰を切ったように観客も次々とダイブしていく。
そしてラストはやはり「a fact of life」でイントロから激しいモッシュやダイブが発生した。
過去に出演したロッキンやCDJではメンバーもダイブしなかったし、「ちゃんとルールを守ってる君たち、すごいカッコイイよ!」と言っていたがKazukiがダイブしたのを見た瞬間、CDJももしかしたら出るだろうかとも思っていたが、もうこの次はない、というのがその瞬間に分かってしまった。
1.slip of the lip
2.tonight
3.the shadow of the envy
4.ape
5.the way down
6.wait
7.miles away
8.Purple Eyes
9.a fact of life
a fact of life
http://youtu.be/xUl62mfn4D4
12:50~ グッドモーニングアメリカ [LAKE STAGE]
2年連続LAKE STAGE出演のグッドモーニングアメリカ。
たなしんはお笑い芸人・とにかく明るい安村の「安心してください、穿いてますよ」で登場すると、いきなり「未来へのスパイラル」という意外なスタート。そこからは代表曲、シングル曲連発。
渡邊のまっすぐなMCもあったが、オープニング以降、たなしんがあまり元気がない。おそらく、この時LAKE STAGEのステージ上は灼熱状態であり、裸足のたなしんは火傷していたんじゃないかと思われる。10年前、銀杏BOYZがこのステージに出た時、やはり裸足だった峯田和伸は足の裏を火傷してしまい、歩けなくなって、翌日は車椅子だった。いつもよりたなしんは姿勢が悪かったし、ステージ上に水を撒いているのもそういうことだろう。
そして最近はフロントマンとして口を開くようになった金廣のMC。同級生のTOTALFATと後輩のBIGMAMAが先にこのフェスに出ていて悔しかったこと、たなしんは見に行っていたが、自身は出演するまで絶対行かないとひねくれた考えだったことを話し、このステージへの並々ならぬ思いを語る。
そのあとに演奏された新曲「ハローハローハロー」はまさにそんな思いを詰め込んだ、このバンドの直球と言える曲。テーマとしてはタイアップになっているドラゴンボールに通じるところもあると思うが、金廣も自信作と語っていたとおり、このメロディーは会心の出来だろう。
ラストはこの快晴の空に向かって歌われた「空ばかり見てた」。初めて見た人にも実にわかりやすくバンドのことを伝えるライブであり、武道館ワンマンに向けた良いアピールになったと思われる。しかし、満員とはいえ直前のキュウソネコカミが客席から溢れるくらいの人を集めていたところを見ると、昨年初LAKEにして、GRASSへかなり近づいたところからは少し後退したようにも思える。それだけに今年の武道館を埋められるかは本当に重要。
1.未来へのスパイラル
2.キャッチアンドリリース
3.コピペ
4.拝啓、ツラツストラ
5.イチ、ニッ、サンでジャンプ
6.ハローハローハロー
7.空ばかり見てた
ハローハローハロー
http://youtu.be/aqbpNelhii8
GRASS STAGEに行くと、くるりのクライマックスという時間帯。「東京」「虹」「ロックンロール」というあたりが聴けたのだが、去年同様、もはやGRASSでは埋まりきらなくなっている。おそらくキュウソネコカミのほうが全然フェスでの動員力はあるだろう。かといってくるりが他のステージに出ている姿は想像できないのだが。
14:05~ 水曜日のカンパネラ [BUZZ STAGE]
初出演にして、始まる前から人で埋め尽くされたBUZZ STAGEに登場したのは、キン肉マンの曲が流れる中、キン肉マンマスクをかぶった、水曜日のカンパネラことコムアイ。
もったいぶりまくってマスクを外すと、花冠をつけているのは夏フェス仕様か。しかし、すぐさま「可愛い~」という声がいたるところから上がる。ヤフオクのCMにも出ているだけに、一目見てみようという人もだいぶ多かった様子。
「二階堂マリ」からスタートすると、シュール極まりない歌詞がハイセンスなダンスミュージックに乗るこのスタイルは非常にクセになる。「千利休」では振り付けもほぼ一発勝負で決めさせ、曲中に滝川クリステルのモノマネもし、ステージ後ろのビジョンには絵の具を使ったVJも使うというこのステージならではの演出も。
「きびだーん きびきびだーん」
という衝撃的なサビと振り付けの「桃太郎」を歌うと、前日に急遽前ノリすることにし、水戸に向かうも、全く宿が空いてなくて真夜中に途方にくれたというエピソードを話す。(後でツイッターでこの状況を助けたのは安藤裕子だったことが判明する)
ヤフオクのCM曲「ツイッギー」もフルバージョンで披露し、
「良い湯だね」「良い湯だね!」
などのサビのコール&レスポンスを練習させた「ディアブロ」で終了。かなり短い時間だったが、
「来年はもっと大きいとこで長い枠をもらえると思うんで」
と言っていたことは現実になる予感がする。またライブ中にコムアイはVJの女性を紹介していたが、ライブが終わると、PAブースの中にいたVJの女性に向かって、たくさんの拍手が送られ、本人も立ち上がって頭を下げていた。こうして裏方というタイプの人に脚光を浴びさせるのはサカナクションも良くやっているが、こうして実際に感謝を伝えられることは滅多にないだろうし、紹介したコムアイも嬉しかったんじゃないかと思う。
1.二階堂マリ
2.千利休
3.桃太郎
4.ツイッギー
5.ディアブロ
ディアブロ
http://youtu.be/r9oBVKqID7g
15:25~ アカシック [BUZZ STAGE]
赤裸々かつシュールな女性目線の歌詞をとびきりポップなメロディーに乗せる5人組バンド、アカシックがロッキン初出演。
先に理姫以外のメンバーが登場して演奏が始まると、遅れてTシャツにショーパンという夏フェスらしい出で立ちの理姫も登場。鮮やかな金髪と赤い口紅がギャル感をさらに強めている。
最新アルバム「デンジャラスくノ一」がリリースされたばかりということもあり、その中の曲が中心。
元々のメンバーである奥脇(ギター)と黒川(ベース)の演奏力はもちろん、最近正式メンバーとなったHachi(キーボード)と山田(ドラム)も演奏だけでなくコーラスにも多く参加し、サポートありきの5人編成時代よりも圧倒的にバンドそのもののグルーヴが増している。
理姫は元気いっぱいにその小柄な体を動かしながら歌っていたのだが、「ベイビーミソカツ」の後で付けていたピアスを落としてしまい、それを踏んで足を痛めたということで、それまでの裸足からヒールに。さらにはHachiのネックレスも千切れてしまうというアクシデントに見舞われてしまう。
そんな中、最新の曲中心のライブのラストは観客も振り付けに参加して楽しめる「ツイニーヨコハマ」「終電」という過去曲2連発。奥脇と黒川はステージの前まで出てきて演奏するのだが、ポップな曲やバンドの雰囲気とは裏腹に実にカッコイイ。
しかしながら、理姫が「リハの時に10人くらいしかいなかったから泣きそうになった」と言っていたが、動員はかなり厳しいものがあった。ゆくゆくはこの規模を埋めるくらいの存在になっても全くおかしくはないが、今はまだ時期尚早だったということだろうか。
1.サイノロジック
2.プリチー
3.アルカイックセンチメント
4.CGギャル
5.ベイビーミソカツ
6.ツイニーヨコハマ
7.終電
CGギャル
http://youtu.be/dWGD2Hqx9LA
15:50~ Spitz [GRASS STAGE]
3年ぶりに出演となったスピッツ。おなじみのサポートキーボード・クジヒロコを含めた5人編成で登場すると、草野マサムネはハット着用の実に若々しい姿。GRASS STAGEは客席から人がはみ出すくらいの超満員なのは本当にさすがとしか言えない。
「恋する凡人」からスタートすると、ソリッドなギターロック「メモリーズ・カスタム」、イントロで大歓声が上がった大ヒットシングル「涙がキラリ☆」、さらには「ありふれた人生」「インディゴ地平線」という意外な曲も演奏されるのだが、このあたりのセトリはいったいどういう風に決めているのだろうか。
そしてこちらも大ヒットシングル「チェリー」でいたるところから合唱が発生するという名曲たる所以を見せつけられると、ロッキンでの恒例であるカバーコーナー。今年は小泉今日子の「あなたに会えてよかった」という実に懐かしい選曲。だが、
「今の曲、若い人はリアルタイムでは知らないかな?一応きゃりーぱみゅぱみゅさんの曲も練習して、デモも作ったんですけどね、どうにも難しくて形にならなくて…」
と草野が言うと、きゃりーぱみゅぱみゅ「もんだいガール」を弾き語りで歌う。あの声で歌われると実に曲の表情が変わるし、アレンジもギターロックになっていて面白そうだったので、これは来年以降に期待したい。
ライブ定番の「8823」では三輪と田村がステージ両サイドのスクリーン前まで出て行って演奏し、特に初見の人が見ると衝撃を受ける暴れっぷりを見せる田村はベースをぶん回しながら演奏するという、この日も暴れっぷりは健在。
「野生のポルカ」ではクジヒロコのアコーディオンのサウンドがアイリッシュ感を際立たせ、春フェスでも披露されていた「運命の人」の名曲ぶりに思わず心を持って行かれる。
ラストは「けもの道」で締めたが、スピッツの登場に合わせたかのように、それまでの暑さは和らぎ、涼しくなっていた。スピッツには夏の野外の涼しい空気が本当によく似合う。
1.恋する凡人
2.メモリーズ・カスタム
3.涙がキラリ☆
4.ありふれた人生
5.インディゴ地平線
6.チェリー
7.あなたに会えてよかった (小泉今日子のカバー)
8.8823
9.野生のポルカ
10.運命の人
11.けもの道
チェリー
http://youtu.be/Eze6-eHmtJg
16:55~ tricot [SOUND OF FOREST]
もはやこのフェスでもおなじみになっている、滋賀と京都の爆裂変拍子バンド、tricot。
京都大作戦の時と同様に轟音セッションからの「爆裂パニエさん」でスタートし、「POOL」「E」と強靭なバンドサウンドで押しまくる。そんな中、WOWOWで生中継されていることも念頭に置いているのか、イッキュウが右足をくの字に曲げて左足だけで立っている姿はものすごくセクシー。
そのイッキュウがグッドモーニングアメリカのたなしん同様に、「安心してください、履いてますよ」と、とにかく明るい安村のネタをやったのだが、こちらは全裸ではなく、ロングシャツの下にショーパンを履いているというスタイル。これは京都大作戦の時に細美武士に「シャツの下はパンツなの?」と聞かれたことも影響しているのだろうか。
インスト色の強い「アナメイン」から、山口美代子のドラムソロを挟んでサンバ調に大展開する「庭」ではマラカス、カウベル、笛と持ち替え、キダはサングラス姿でサンバパートに突入。
「ロックイン!」「ジャパーン!」
「メイドイン!」「ジャパーン!」
のコール&レスポンスも展開すると、ラストは「99.974°C」。ロッキンでは客席にメンバーが突入できないため、そのぶんメンバーはステージ上でいつも以上に暴れまくっていた。
しかしGRASS STAGEではUVERworldがやっている時間ということもあってか、Zeppクラスでワンマンやっているバンドにしてはやや客席は余裕がある状態だった。
1.爆裂パニエさん
2.POOL
3.E
4.アナメイン
5.庭
6.99.974°C
POOL
http://youtu.be/TZjTXh_zaXc
そのあとLAKE STAGEでチラッとREBECCAを見る。ちょうど「フレンズ」をやっているタイミングだったのだが、NOKKOさんがすごくおばさんになっていた。
18:40~ 米津玄師 [PARK STAGE]
この日のPARK STAGEのトリは、このフェスどころか夏フェス自体に初出演となる米津玄師。時間前から多くのファンが待ち構える中、ギター中島、ベース須藤、ドラム堀がサウンドチェックの時点で登場し、「リビングデッドユース」のボーカルレスバージョンを演奏して観客を楽しませる。ちなみに中島はメガネ着用。
時間になると、荘厳なSEが流れる中、先にバンドメンバーが登場し、最後に米津玄師が登場。上下ともに真っ白な衣装はまだ夏フェスの色に染まっていないからこそにも見えるし、どこか板前のような出で立ちにも見える。
米津がギターを手にすると、最初に演奏されたのは「ワンツースリー」というカウントから始まる「ゴーゴー幽霊船」。リズム隊はワンマン同様に力強さと抜群の安定感を発揮しているが、緊張しているのかボーカルはどこか不安定な感じも受ける。
続く「駄菓子屋商売」は米津がハンドマイクでゆらゆらと揺れながらステージを左右に動きつつ歌う。最後のサビ前ではコーラスパートも増えるというアレンジも。
さらに「メランコリーキッチン」と「diorama」「YANKEE」の2枚からの選曲だったが、
「だいぶ暗くなってきたけど…暑くない?多分みんなよりも俺のほうが100倍暑いから」
と、どこかMCは小慣れてきたというか、観客との距離感を掴めるようになってきた印象。
すると「パンダヒーロー」とボカロP・ハチ時代の曲も演奏。初の夏フェスということで、セトリも予想がつかなかったが、ワンマン以外でもこのあたりの曲をやるとはなかなか予想外であった。
さらに打ち込みを駆使したBPM200超えの高速ロックチューン「ドーナツホール」、アウトロでどんどん高速化していく部分を再現しているのが圧巻の「マトリョシカ」と、アッパーな曲が続いたのは夏フェス仕様のセトリ、ということなんだろうか。
1月にツアーが始まるという告知には悲鳴のような歓声が上がり、観客の「アルバムは!?」という歓声に応えながらもはぐらかす(間違いなくツアー前には出るだろう)と、大名曲「アイネクライネ」でそんな声を完全に黙らせる。フェスということで米津玄師というアーティストの存在をほとんど知らない観客もいただろうが、この曲を聴けば、あ!この曲の人か!、と間違いなく思うだけに、この曲をしっかりセトリに入れてきたあたりはさすが。
「最後の曲です」
というと「えー!?」という悲鳴が巻き起こって演奏されたのは、9月にリリースされるシングル曲「アンビリーバーズ」を初披露。米津がハンドマイク、中島と須藤の両サイドがシンセという編成で、イントロの享楽的なEDM的サウンドからサビでは「サンタマリア」や「Flowerwall」にも連なるような神聖さを感じる。ちなみにサウンドチェック時からずっと気になっていた、ボーカル後ろに置かれたフロアタムは米津玄師がサビ前に、ダンダンダンと堀のドラムに合わせて3連打するためのもので、最後にはさらに長くタムを連打するとスティックを放り投げて最後のサビの歌唱へ。
「誰がどんなに疑おうと僕は愛してるよ 君の全てを」
という、これまでの曲とは全く異なる素直なフレーズ。果たしてこれはいったいどんな心境から作られ、この曲に連なるアルバム曲ではどんな歌詞を歌うのか。
アンコール待ちをしていたが、今回はトリではあれど、アンコールはなし。
しかし、ツアーを発表した時に、
「来年1月からツアーもやるんで、今日初めて見た方も、是非見に来ていただきたい」
と言っていたが、そもそも現状、行きたい人が全然チケット取れていない。都内ではようやくZeppにまでキャパが拡がったが、果たしてどうだろうか。
ただ、これからフェスに出て、米津玄師のワンマンに来る人の客層は変わるはず。今まではワンマンは米津玄師が好きな人しかいなかったが、フェスを経たらちょっとワンマン行こうかな?って人も来るかもしれない。もしかしたらその中にはフェスに良く出ているバンドが大好きなライブキッズもいて、モッシュや、サークルまで起こるかもしれない。現に自分は「ドーナツホール」や「マトリョシカ」はそういうノリになっても全くおかしくない曲だと思っているが、もしそうなった時にその人たちの楽しみ方が批判される事態にだけはなって欲しくないと思う。
でも正直、良いライブだったかと言われると、他のライブ猛者を散々見てきたあとに最後に見ると、物足りなさを感じざるを得ない。でもそれは場数を踏んで変えていくしかない。ライジングサン、モンバスと経てのラブシャでどうなってるか。もちろん最大限に期待してるけど。
1.ゴーゴー幽霊船
2.駄菓子屋商売
3.メランコリーキッチン
4.パンダヒーロー
5.ドーナツホール
6.マトリョシカ
7.アイネクライネ
8.アンビリーバーズ
アイネクライネ
http://youtu.be/-EKxzId_Sj4
GRASS STAGEに戻るとちょうど星野源が終わったところで、花火を見て、帰宅の途へ。終わってしまって寂しい気持ちもあるが、まだ来週もあるという楽しみもあり。
去年は2週目は雨も降ったりしただけに、今年は晴れますように。
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