主にロックバンドのライブのセトリや全体の空気感をなるべく早くアップするブログ

早くも若手バンドという枠を超え、日本のロックシーンで最も大きな存在の1組と言っていい存在になりつつある、KANA-BOON。
昨年は「結晶星」「フルドライブ」「生きてゆく」「シルエット」とヒットシングルを連発したが、今年待望のセカンドアルバム「TIME」をリリース。来月には武道館、大阪城ホールでのワンマンも控える中、まさかのクアトロツアーを開催。もはやこのキャパでワンマンを見れるのは最後と思っていいだろう。

19時を過ぎると、急に場内が暗転し、SEもなしにメンバーが登場。谷口鮪が

「クアトロー！」

と叫ぶと、これまでもオープニングを務めてきた「1.2. step to you」でスタート。鮪は曲中にも

「渋谷ー！」

と叫ぶ。「ワールド」に繋がるのはこのバンドのライブ冒頭の流れではあるが、新作アルバムを出したばかりなので少し意外。バンドというものは得てして新作が出ると新作の曲をやりたがるだけに。

と思ったら新作から最初に披露されたのは「ターミナル」。序盤は勢いで押して行く、という感じだが、メンバーの演奏(特に飯田のベースと小泉のドラム)は明らかに力強さを増している。

飯田「俺、今日いつもと違うとこあるんやけどどこやと思う？」

鮪「髭が濃い？目が一重？乳首が透けてる？」

飯田「それは全部いつもそうです。…今日な、ノンシリコンシャンプー使ってんねん」

という、およそライブでの最初のMCとは思えないこのやり取りには、おそらく会場にいた全員が「知らんがな！」と心の中でツッコんだはず。

すると「ミミック」「ワカラズヤ」とアッパーなシングルのカップリング曲を続けて披露。
アルバムリリース後のタイミングではあるが、この日は「シルエット」の購入者限定ライブであるためか、「シルエット」までの総括的な内容だったイメージ。

そんな中、新作の「LOL」では鮪のラップに近いような歌唱も聴けるという新境地も。さらに「ウォーリーヒーロー」では曲前にライブならではのイントロの演奏が追加されている。

ここまではひたすらにアッパーな曲で踊らせまくり、すでにクアトロの中は熱気に満ちて、天井から雫が滴り落ちてきている。

このツアーでは、音楽雑誌MUSICAのKANA-BOONのコーナーで作製した、だるま(ツアータイトルにかけて、とぅるまさんというらしい)を紹介したり、物販でお守りを売るためにメンバーで神社に言って、神主さんのありがたい言葉をいただいた話をすると、これまでの流れとは一転して、「結晶星」「生きてゆく」と、聴かせるシングル曲を続ける。このタイプの曲がしっかりと受け入れられていたのは非常に大きいし、それはやはり曲のメロディが良いからという点に尽きる。特に「生きてゆく」は大名曲だと思う。

「レピドシレン」「ロックンロールスター」という、タイプは違えど、再び踊れるカップリング曲を連発するなど、これはもしかしたらこのクアトロツアーならではの選曲だったのかもしれない。「TIME」の曲を全部やるようになったらおそらくこのあたりの曲と入れ替わるであろうし。
しかしながら、カップリングもシングル曲に全く劣らぬ盛り上がりぶり。個人的には「カップリング曲が良いバンドは、良いバンド」という持論なのだが、KANA-BOONはその点で言えば間違いなく良いバンドである。

するとここで古賀(ギター)が、やりたいことがある、と言うと、

「コール&レスポンスをやりたいんやけど、普通にやってもつまらんから、逆コール&レスポンスやろう。
みんなが、行けるかー！って言ったら、俺らが、おー！って言うから。
で、みんなが、後半戦スタート！、って言ったら、こいちゃんのドラムが始まるから」

と、観客がコール、メンバーがレスポンス、という逆コール&レスポンスを展開。1回目の練習では「後半戦スタート！」がややバラバラだったが、2回目の本番ではバッチリ決まり、「TIME」のオープニング曲「タイムアウト」に雪崩れ込む。
ちなみにこの逆コール&レスポンスは、クアトロツアーでしかやらないらしい。確かに武道館クラスではやろうとしても上手くできないであろう。

逆コール&レスポンスを経てから、古賀のギターがさらに鋭さを増して行く中、

鮪「そろそろお腹空きました？みんなは何が食べたい？」

飯田「もんじゃ焼き」

古賀「明太フランスパン」

小泉「馬刺し」

というやり取りから、おなじみの「ないものねだり」へ。曲中では古賀と飯田が向き合いながら、交互にジャンプしたりするという微笑ましいアクションも見せ、ラストのサビ前では

「ゆらゆらゆらゆら 僕の心～」

の大きなコール&レスポンスも巻き起こす。

そこからの終盤はさらに勢いを増しながらも、踊れる4つ打ちではあるが、切なさをたっぷり含んだ新作からの「スノーグローブ」はこれまでの曲とは明らかに感触が違う。

そして、

鮪「このクアトロツアーは、とあるシングルの購入者限定ライブなんで、最後にその曲を」

と言って演奏されたのは「シルエット」。個人的にはこの曲は名曲しかないKANA-BOONの曲の中でもトップクラスの超名曲だと思う。また、メンバーが大ファンである「NARUTO」のタイアップであるため、歌詞に「木の葉」という、「NARUTO」タイアップならではのフレーズが実に自然な形で入っているのも、鮪の作家性の高さを発揮している。

アンコールではメンバーがツアーTシャツに着替える中、1人だけいつもの黒で統一された衣装のままの古賀は、「NARUTO」よろしくの額当てを着用して登場。この額当て、物販で売っているのだが、早々に売り切れたらしい。ちなみに飯田デザインのTシャツは全然売り切れてないらしい。

そしてここで、「明日の昼12時に発表される情報」のフライング発表がされたのだが、メンバーはしきりに

「Twitterとかに書くなよ！」

的なことを言っていたので、正式に情報解禁されてないこのタイミングでは書けない。

そんなやり取りもあった中、

「まだ体力残ってるやろ！？」

と、「A.oh!!」。演奏中、飯田がしきりに最前の柵を気にしており、最初のサビ前に鮪も

「大丈夫か！？」

と叫んだのだが、どうやら倒れてしまった人がいた様子で、すぐさまスタッフによって運び出されていた。
そしてまだここまで演奏されていなかった「フルドライブ」で最後に燃え尽きさせるかのようにたたみかけて終了。

ピックや、物販で売っているという飴を客席に投げまくると、古賀はタオルを客席へ思い切り投げた…のだが、まさかの天井の照明固定用のパイプに引っかかって落ちてこなくなるというオチ。しかも古賀がしきりにそのことを気にしながらも、他のメンバーは全く気付かずに一列に並んで観客に一礼するという、演奏中は本当にかっこいいのに、こういうところは可愛らしいのは実にKANA-BOONらしかった。

しかし、その演奏中はもはやクアトロでこうしてライブを見ているのが不思議なくらいのオーラを放つようになっていた。この日は演奏したのが数曲にとどまった「TIME」の真価も武道館で明らかになる気がする。


1.1.2. step to you
2.ワールド
3.ターミナル
4.ミミック
5.ワカラズヤ
6.LOL
7.ウォーリーヒーロー
8.結晶星
9.生きてゆく
10.レピドシレン
11.ロックンロールスター
12.タイムアウト
13.ストラテジー
14.ないものねだり
15.盛者必衰の理、お断り
16.スノーグローブ
17.シルエット

encore
18.A.oh!!
19.フルドライブ

シルエット
http://youtu.be/ZFoJYI7Q4iA


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