かきつばた杯を開催します。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%CD%CE%CF%B8%A1%BA%F7%A4%AB%A4%AD%A4%C4%A4%D0%A4%BF%C7%D5
〆切は
8/8(水)23時~ 自動終了期限前(質問者の都合により前後します)
お題:
「夜店でミゾレのかき氷を頼んだらメロンが出てきた」
参考:http://q.hatena.ne.jp/1172426828
(参考質問のように行数の表示とか解説は不要です)
注意事項:
要望なしの方には感想を書きます。
詳しく書いてほしいかたは辛さ指定で講評希望と明記してください。
どちらもいらない人はそれを書いてください。
最低行数20行(程度)くらいから受け付けます。(それより短い場合、面白ければ他の作品と同様に評価、配点しますが、そうでない場合は手抜きと判断され、えらい目に会います)
「お待たせ。緑川くん、早いねー」
「いや、オレもさっき来たばっかりだよ」
「だって、約束の時間まで、まだ一時間もあるよ」
「うん、家に居たって、平和サミットがどうとか、つまんないニュースしかやってないしさ、それに、お祭りだと思ったらさ、なんか、もう、うずうずしちゃってさ」
「うん、私も」
もしかしたら、陽佳(はるか)が来ているかもしれない、とか思ったなんてことは、絶対に言わない。
朝顔の柄の浴衣に、アップした髪がとてもよく似合っている。まぶしいのは、提灯の明かりで逆光になっているだけじゃなさそうだ。いつのまに、こいつはこんなに女っぽくなったんだろう。
「まだ、みんなが来るまでには、しばらくあるね」
「どうせ、弘(ひろし)なんて、がっつり遅れてくるんだろ。いやー、わりぃわりぃ、電車が脱線しちゃってさー、とか言いながら」
「ふふっ。弘くん、小学校のころから、言い訳がおんなじだもんね」
「せっかくだから、夜店の方でも、ちょっと覗いてこようか」
なるべく、さりげない風を装って、陽佳の手を引く。
声は震えてなかったろうか。
手は汗ばんでないだろうか。
やべ、緊張してきた。後ろを振り向けない。
「慌てなくったって、夜店は逃げないよ」足がもつれそうになってたオレの横に陽佳が並ぶ。手はつないだままだ。
「ふたりっきりでしゃべるの、久しぶりだね」
「そうだなあ。小っちゃいときは、いつも一緒だったのにな」
「中学に入ってから、お父さんの仕事を手伝ってるんだっけ。学校もよく休むもんね」
「中学生には、中学生にしかできない仕事がある、んだと」
「いいなー、わたしも仕事してみたーい」やっぱり、言うことは、まだ子供だ。同い年のオレが言うのも何だけど。
「ちょっと、腹へらね? 陽佳、焼きそば好きだったよな」
「軽く食べてきちゃったんだよね。私、かき氷が良いな」
「良いね、かき氷。やっぱり、ミゾレ?」
「もち!」
陽佳を待たせておいて、かき氷の屋台へ向かう。
「おじさん、ミゾレをひとつと、えーと、ブルーハワイをひとつお願い」
「あいよ。ミゾレとブルーハワイ、ひとつずつ!」
かき氷ができあがるのを待ちながら、後ろを振り返る。
こっちを見ていた陽佳と目があい、こっちに向かって小さく手を振ってくる。なんとなく照れくさい感じがしたが、オレも小さく手を振りかえす。
親父の仕事に引きずり込まれ、自分だけが変わってしまったと思っていたけど、何も変わっちゃあいないんだ。で、みんなもちょっとずつ大人になっているんだ。祭りの提灯に照らされている陽佳を見ながら、こいつのことが好きなんだろうか、などということを考えていた。
「ほい、かき氷二つ、お待ち! 人が多いから、こぼすんじゃねえぞ」
屋台のおっさんの声で我に返り、オレは両手を伸ばして、かき氷を一つずつ受け取る。
「ぼうず、ごっつい腕時計してるじゃねえか。かっこいいねえ」
「おじさん、オレが頼んだの、ミゾレのやつだよ。これ、メロ……」
「ん?」
「いや、何でもないや。ありがとう、おじさん」
大人の世界が、無粋だ、ということを、あらためて思い出した。
人混みを離れ、腕時計をカードリーダモードに変更して、紙コップの底に当てる。思った通り、反応がある。イヤホンを耳にはめ、PIN を打ち込んで読み取りを開始する。
「Hello Mr. Green. Your mission, if you accept it ...」
ちぇっ、やっぱり呼び出しか。
あーあ、もうすぐ花火が始まるってのに……
(続く?)
出てきたメロンをみて、夜店の主に、「え・・?何だしてるの、ミゾレのカキ氷を
注文したんけど・・」と少しびっくりしながら私は、訴えた
主は、みぞれ味なんかよりも他がいいんじゃないの?
そういった後、私の顔をみていた
しかし・・
主にそういわれても、みぞれ味がすきな私は、なんだか気分が悪くなり
主に”好きなものは好きなんだからしょーがねーだろ”と
少々怒った感じでぶちまけ夜店を離れた
少し離れた所でふと空を見上げると花火が上がってて
私は、きれいだな・・と花火をみた感想をココロでつぶやき
自分の好みのカキ氷の味に対する不理解で感じた怒りを
すっかり忘れていて
少し、すずしい風に当たりながら夜道を歩いて
帰ったのだった。
初めて書いてみました。
感想は・・びびりなので無しか一言(少々甘めで)お願いします
回答ありがとうございます。
最後の一文にすごい余韻があっていいと思いました。
ある日一人の男が息抜きに夜店に行った
「暑いなあかき氷でも食べたいなあ」
男は夜店をぶらぶら歩いていた
男は歩いてる途中変わったかき氷屋を見つけた
ちょっと看板が他の店より派手だった
「なんか変だけどまあいいや」と思い
そのかき氷屋に行った
「へいいらっしゃい!」
「みぞれ味のかき氷を下さい!」
「ちっと待ってろお!」
そして
「ヘイお待ち!」
出されたのは
みぞれかき氷ではなく
メロンだった
「あのー」
「なんじゃい」
「なぜメロン??」
「はっはっはーーー
うちはかき氷製造器なんか
買う金なくてね-」
(だからってなんでメロンおおおおおお?!)
男はついに怒った
「ぬぁぁぁぁんで製造器買う金がないからって
メロン出すねん!!!!」
店の人はびびりながら
「ひいい!そんな怒らなくても!」
男はメロンを蹴り飛ばした!
「がーーーーん!」
と店の人が言った
このことから次の年から
この店はなくなったと言う
店の人「ちきしょおおおおおおおおおおおおっ!」
感想は甘くお願いします
がんばりましたね。勢いがあっていいと思います。
『ぬぁぁぁぁんで』は良い表現です。
『ミゾレ』 take3
「あ~、間に合うかな~? くそ~三崎め~」
塾の帰り道、僕は時間が来ても脱線が止まらない講師に恨み言を吐きながら、自転車のペダルを全力で漕ぎまくり、夜更けの街を梅雨時のツバメのように疾走していた。
お目当ては神明通りの縁日。
夏になると神明神社の参道に縁日の夜店が出るのだ。
その中に奇妙なかき氷屋が一軒ある。
今時、シロップがミゾレしかないのだ。しかも他所より50円も高い。大概の客は、安い方の「普通の店」に流れていくように見えた。そりゃそうだろう。
しかし僕は知っている、そこのミゾレは何かが違う。
+ + + + + + + +
あれは、小学4年の夏だった。
(あ~まだ4年生だよ、まだまだ小学校に通わないといけないんだよなあ・・・・・・)
なんて呑気な事を考えていた僕に、ウチの両親は突然塾通いを命じたのだった。
周囲のお受験熱に舞い上がった両親には僕の必死の抵抗も空しく、僕は全くもって不本意ながら塾に通う事になったのだった。
学校の授業で聞いたことを、放課後もただ繰り返すだけという、空しく退屈極まりない生活にすっかり嫌気がさした僕は、親に内緒で非行に走ることにした。
帰り道にある神明神社の縁日で買い食いをしてやるのだ。
この街にとって、ほぼ一ヶ月間に渡って催される縁日は、夏の到来と終焉を告げる風物詩である。縁日の賑やかさは、僕の灰色の生活とは何の関係も無いかのように、ただただ、明るく華やかだった。
(なんで小学生が塾なんか行かなくちゃいけないんだ、中学なんか公立で良いじゃないか)
そう毒づきながら、縁日をフラフラと歩く僕の目に止まったのが、そのカキ氷屋だったのは今にして思えば決して偶然などではなかった。そう、それは運命の出会い。
その店は、若い兄ちゃんが一人でやっているようだった。歳は20になるかならないかくらいか、髪が短くて目つきが鋭く、要するに見た目はちょっと怖い感じだった。それよりも僕の目を引いたのは、チラシの裏にマジックで描かれた「ミゾレだけ!」の文字。
見慣れぬその雰囲気に足を止めた僕に気が付いて、兄ちゃんが声を掛けてきた。
「カキ氷、いらんか?」
「・・・・・・メロン味とかないの?」
「悪ィ、ウチはミゾレしかないんよ」
「ミゾレ?」
「まあ食ってみろよ、うまいから、な?」
「・・・じゃあミゾレください」
「まいどあり!」
僕は何だかだまされたような気分で、自転車置き場へ戻る道々ミゾレを口に運んだ。
「!?」
(なんだこれ!? ミゾレってこんなに甘くて美味しいの?)
僕が今までに食べたカキ氷とは、明らかに違う。なんだこれ?
僕はその味が忘れられず、次の日も塾が終わると早々に夜店を訪ねた。
「こんちは」
「お、来たな、どうだ美味かっただろ?ミゾレ」
「うん」
「だろ~?」
「ミゾレ、1つ、ください」
「まいど!」
ミゾレの兄ちゃんは、僕に山盛り大サービスのカキ氷を渡すと、満面の笑顔になった。そうだ、まるで向かいの広瀬さん家のハスキーが広瀬のおじさんと散歩に行く時みたいな顔だ。
一口、二口、三口、うっコメカミが痛い。
・・・・・・たぶんシロップに秘密があるのはなんとなくわかった。ただの砂糖水とは全く別物だ。ある日兄ちゃんに聞いてみたが、それは企業秘密だそうだ。
それから、僕は毎年やってくるその店の常連になった。親には言えないが、県外の進学校になんか行ったらこれが食えなくなるところだった。それはつらすぎる。
No Life,No ミゾレ!
+ + + + + + + +
羽虫を狙うツバメのように神明通りに滑り込んだ僕は、店じまい支度中の夜店達を無視して猛ダッシュする。あった!まだやってるみたいだ!
「ミゾレ!1つおくれよ」
「ああ、お前か、今日はもう来ないのかと思ったよ。・・・・・・悪ィ、もう店じまい」
「え、そうなの? じゃあまた明日・・・・・・」
「違うよ」
「違うって、何が?」
「店じまいっていったろ?店たたんで、イナカに帰る。・・・・・・そうだメロン持ってけ」
「・・・・・・よくわからないけど、縁日はまだ終わってないよ? イナカってどこさ?」
「注文が多いな・・・・・・まあいいや。
イナカは山鹿、じゃわかんねえか、熊本だ。そこでウチの親父がメロン作ってる。
それをお袋が俺に送ってきたウチのひとつさ、食いきれねえからやるよ。
あ、余りもんだからって心配すんな、味は保証する。食ってみろよ。うまくて腰抜かすぞ。」
兄ちゃんはそういってカッと爽やかに笑ったが、そんなことでごまかされる僕じゃない。
「・・・・・・店じまいってなんだよ?」
「・・・・・・お袋から連絡があってな、親父が倒れた。こないだの洪水でハウスがやられた。建て直すって躍起になっていたらしいが・・・・・・」
「もう戻って来ないの?」
「わからん。・・・・・・そうなるかもしれないな」
僕は何故だかわからないけど、それが推測じゃなくて確信だってことに気が付いていた。でも、それを認めたくは無かった。
「いつもありがとよ。またな」
・・・・・・僕はメロン片手にとぼとぼと帰ることしかできなかった。
+ + + + + + + +
翌日の放課後、クラスメートの山崎に声をかけられた。
山崎は普段無口でおとなしい奴だ。何故かウマが合うというか割と気安い仲ではあるが、別に連れ立って帰るような習慣はなかった。
「斉藤、今日ウチでメロン食わねえ?」
「え?もしかして・・・・・・夜店の?」
「何だ、お前もか?」
「やっぱりさ、捨てがたいよな?あのミゾレ」
「ああ」
兄ちゃんには彼なりの事情があり、子供の僕らに何ができるわけでもないのは十分承知していたが、やっぱり挨拶くらい行こうやという山崎の提案に、僕も素直に頷いた。塾なんか一日くらいサボったってどうってことない。
「あ~、遅かったか・・・・・・。」
自転車を飛ばして神明通りに付いた僕らを待っていたのは、兄ちゃんの店の跡だけが空しく残る露地だった。しばらく二人で佇んでいたけど、その内、最初からココには夜店なんてなかったような錯覚さえ覚えた。
結局、すごすごと帰路に付くしかなかったが、僕は自分の分のメロンを持って山崎の家に寄った。
「一人一個な」
「ああ」
一人分にしてはちょっとでかいが、そうするのが何か兄ちゃんに対するケジメみたいな気がして、僕らはメロンを平らげることにした。
包丁を入れると、一瞬くらっとするくらい強い香りが溢れた。そのまま適当に切ってがぶりつく。
(・・・・・・うわっ甘っ!)
濃厚な甘さにむせ返りながら、僕は初めてあのミゾレを食べた時の衝撃を思い出していた。
「いつかさ、俺らが大人になったらさ、食いに行こうぜ、メロン」
「そうだな」
「ただいま!・・・あれ?」
山崎の姉が帰って来たようだったが、泣きながらメロンをむさぼる男子中学生二人組に怪訝な視線を向けながら、無言で二階に上がって行った。
了
ケッ、オジサンにツンデレされたって嬉しかねえや。
せいぜい頑張ってやるから待ってろよ!
ちょっとだけ直したです。
第2答は構想中。
頼むや、いなや、出てきたものはメロン。
「えっ・・・」
「お客さん、さっきごめんねぇ」
呆気に取られ、かき氷屋のおやじの顔をぼんやりと眺めていた。
「すまないねぇ、さっき違うもん出しちゃったんで、お詫びのメロン」
「さっき・・・」と口に出しながら、飲み込んだ。
生ぬるい風の中で背中に冷たいものが流れる心地がした。
それは自分ではない。自分に似た「他の誰か」だ。
それが誰なのかは分かっていた。
でも、もう三回忌も済んだはずではなかったのか。
お盆前の故郷の夏祭りに、あいつも来ているんだ。
「ならば」
メロンはあいつの食べる分だ。
帰りはあいつの家に寄って行こう。
おっと、そういえばあいつはさっき何を頼んだのだろう?
親父に訊きそびれた。
次の夏は、それをお土産にするから待ってろよ。
あっ、ミゾレ食べるの忘れちゃったよ。
感想甘めでお願いします。
良い雰囲気がでてますね。夏にぴったりの、ちょっと不思議で切なくもあり、
それでいて、ほのぼのとした感じが素敵だと思いました。
「へい!らっしゃい‼」伊勢のいい声が奥から聞こえてきた
それにつられて「ミゾレ一丁‼」と言ってしまった
こんなに億劫な私が初めてというぐらいの大声で人と会話をした
恥ずかしくなって黙り込んだ
「あんた元気だな!」
「…」
今までにないぐらい恥をかいた気分だった
何分たつだろう…
「おまち!」
うつむいてた顔がやっとあがった
「…これ…メロンです…」
おそるおそる言った
「あぁ,丁度きらしてたんだよ。だからメロンだよ」
私はもう一度メロンをみた
「…いらないならさげるよ?」
私は食べたかった
「………あ……いいです、たべます」
同時だった
私の手と彼の手が重なったのは
メロンという境界線を越えて触れ合った
顔が熱くなるのが分かった
彼も辛いカレーを食べたように真っ赤な顔になるのがみえた
そこからだった
私の恋は
…とks小説です(汗)
恋愛にしてみますた
どうか暖かい眼差しでお願いしますm(_ _)m
コメントお手柔らかに夜露死苦お願いしますm(_ _)m
無理やりそういうストーリを要求したんですが、
「ミゾレ一丁‼」って一番、粋があっていいですよね。
また、後半に何の脈絡も無く恋が始まるのは、とてもロマンチックで幻想的な雰囲気すら感じさせられ、非常に好きでした。
「合言葉は『ミゾレのかき氷』」
今日は、夏祭りで同じクラスの凛呼ちゃんと初デートだ。
浴衣の方がいいのか、私服の方がいいのかどっちしようか。
ぼくは、肇三知(はじめみつち)、健全な中学2年の男子だ。通称ミッチーと呼んでくれ。
今、服やデートの段取りをどうすればいいのか悩んでいる。恋愛経験ゼロの自分からすれば、勉強で何に手をつけていいか分からないぐらい難しい事だ。服は決めなきゃいけないし、まず、どこの店から回ればいいのかさっぱり分からない。友達に聞いても5人中、5人とも全く異なる回答をする始末。あぁーもうどうすりゃいいんだぁー!
服や夜店のマップを部屋いっぱいに散らかしてぼくは、大の字になって寝転んだ。
なんかこう教科書ガイドのようにパッと答えが分かる物があればなぁーとしばらくゴロゴロしながら考える・・・
そうだ!デートの必勝法みたいな本があればいいんだ。思い立ったら速効で本屋にダッシュした。時間も昼過ぎていることや焦っていたこともあり、店の目立つ所に置かれている週刊誌「カンゼイウォーカー」の「夏のデート特集」を買った。
自宅に戻りさっそく特集ページをめくり、夏祭りデートコースのポイントを読んだ。
まず、金魚すくいや射的などを体を動かしてから、焼きそばやかき氷などで腹ごしらえやクールダウンするといでしょう。
なるほど、よく考えればそうかもしれない。凛呼ちゃんは浴衣で行くよと言ってたし、浴衣姿で金魚すくいの光景もいいなあ~・・・
凛呼ちゃんが金魚すくいで苦戦して顔に水しぶきを少し浴びて、
「いや~、肇くんどうやって取るのか教えて」
ぼくが、
「そういう時は、こうやってこうするんだ」
と言って凛呼ちゃんに手取り足取り教え、彼女と密着してムフフ・・・
と妄想にふけり、まるで夢をみているような気分に浸ってしまった・・・
気がつくと、部屋でよだれを垂らしながら眠ってしまっていた。
時計をみると、午後5時が表示されていた。
やべぇ、そろそろ家を出ないと待ち合わせ時間に間に合わない。
結局、あまり買った本を読む暇もなく、慌てて家を出るはめになった。
服装も、どこにでもありそうな短パンとTシャツにして家を出た。
ぼくは、少し早く歩きながら本で得た情報を確認した。
とりあえず、はじめは金魚すくいで、次に体を動かしたら熱くなるからまずはクールダウンのためにかき氷屋、そして腹ごしらえのためにお好み焼きかな。
と整理しているうちにかき氷屋で思い出した。近所に住み、祭りでかき氷を出店する予定の源さんの言葉だ。源さんは10才ぐらい年は離れているが仲が良く、何でも相談にのってくれる人だ。数週間前に初デートのことを話すと、
「なら、とっておきの物を用意してやるよ、合言葉は『ミゾレのかき氷』だ。絶対来いよ」
と言ってくれた。
欲の皮が突っ張った源さんのことだ。何か企んでいそうだが、ほかにあてもないのでここは藁にもすがる思いで頼ってみよう。
といろいろ考えいるうちに待ち合わせ場所に到着した。
待ち合わせ場所には、すでに凛呼ちゃんが浴衣姿で待っていた。
「肇くん、こっち、こっち」
ぼくは、凛呼ちゃんのあまりの可愛さに息を呑み、しばらくボーッと彼女を眺めてしまった。
「肇くん、どうかした?」
凛呼ちゃんがぼくに不思議そうに尋ねた。
ぼくは、ハッと正気に戻り、
「何でもない、それより行こう」
と言って、誘導した。行き当たりばったりだが、出だしはOKだ。
「とりあえず金魚すくいで軽く肩ならししない?」
凛呼ちゃんは快く承諾した。
「いいねぇ~、肇くんには負けないよ~」
うまく向こうものってきた。後は金魚すくいで凛呼ちゃんにいいところをみせれば・・・
ところがそうは上手くいかなかった。
金魚すくいを始めて、凛呼ちゃんはあれよあれよという間に金魚を次々とすくっていく。
対するぼくは、金魚すくいの紙が破れるオンパレードだった・・・
結果はぼくの惨敗。凛呼ちゃんに教えることなどできなかった。
いっぱい金魚をすくった凛子ちゃんだが、「金魚が可哀想なので祭りが終わったら自然に逃がしてあげて」と言って持ち帰らなかった。なんて優しい子なんだ、さらに惚れる。
結局ぼくは、いいところをみせることができずに金魚すくいは終わった。たが次は必ず成功してみせる。
そう意気込みながらぼくは、凛呼ちゃんに話かけた。
「なんか、体を動かして熱くない?かき氷でも食べよっか?」
凛呼ちゃんは浴衣の襟を手で掴みパタパタしながら言った。
「そうだね~。そうしよっか」
うまくいった、あとは源さん頼みだ。頼むよ源さん。
かき氷屋に着き、ぼくは源さんに例の合言葉を言う。
「ミゾレのかき氷をお願い」
源さんは威勢のいい返事で
「いらっしゃい!みぞれのかき氷ね」
と答えると、屋台の奥から何やらゴソゴソと氷らしきものを出してきた。
「はい、お待ち!」
それをみてぼくと凛呼ちゃんは驚いた。
「わぁ~、凄い」
凛呼ちゃんの声に反応してぼくは言った。
「そうだね、メロンの形をした氷なんて初めてみたよ」
源さんが説明する。
「この氷の中に冷えたみぞれが入っているのでこの穴からストロー差してどうぞ」
ぼくはちょっと戸惑いながら
「でも、これって・・・」
源さんが微笑みながら言う。
「1つの氷をカップルで両側からストローで吸ってもらいます」
ぼくは、内心やったーと思いながら、恥ずかしそうに凛呼ちゃんに
「どうする、ほかの氷にしてもらう?」
尋ねるぼくに源さんが
「初めての方限定で今なら通常のかき氷より安いよ」
と言った。いいぞ!源さん。
凛呼ちゃんは少し戸惑いながら
「安いならいいかな・・・」
と言ってくれた。
源さんが段取りよく進める。
「では、こちらのテーブルにどうぞ」
2人は椅子に座り、しばらく沈黙した・・・
「とりあえず、いっせいのーでで飲もうか?」
ぼくが沈黙を破った。
「うん・・・」
と凛呼ちゃんは言った。
「いっせーので・・・」
とかけ声をかけた。
凛呼ちゃんはストローに口を近づけた。
ぼくもストローに口を近づけて飲もうとした。心臓の鼓動が早くなる。
ストローで吸った瞬間、ぼくは天国にいる気分だった。このままこの時間が一生続けばいいのに・・・
ストローで吸ってしばらくして、周りがざわついているのにうっすら気づいた。
ふと吸うのを止めて周りをみてみるとギャラリーでいっぱいになっていった。
ぼくは、思わずにブッと少し吐いてしまった。
そのギャラリーに混じって源さんの声が聞こえた。
「さぁー、カップル専用かき氷があるよー。いかがですかー」
そういうことか、客引きにまんまと利用された。
ふと冷静になって自分がストローを逆流させたことで凛呼ちゃんがぼくの唾を飲んだかもしれないと思うと前以上に心臓がドキドキした。
(続く)
オチはありませんが、感想よろしくお願いします。
((▽\*)≡(*/▽))イヤー
が、注釈記法になっちゃいました。
合言葉か・・・・・・いただき!
最高気温が36度を越え、太陽の暑さが肌に堪えるようになると、いつも私の脳裏には"ある記憶"が蘇る。
幼少の頃だと思うのだけれど、その記憶はところどころが曖昧な割に、ある場面だけはやたら鮮明だ。誰でも一二個は、そういう記憶があるとは聞くのだけど、そうなんだろうか。
出だしはいつも唐突だ。
ティーンにも届いていない年端の行かない浴衣の少女。
その少女は夜店の前で両手をだらりと下げ、棒立ちのまま泣きじゃくっている。
見知らぬ大人の右手だけが少女の顔前に伸びてきており、その手にはメロン色のカキ氷が一杯。
それ以上に説明はないのだが「夜店でミゾレのかき氷を頼んだらメロンが出てきた」ために泣いている、ということだけは、なぜか頭が理解している。
そこで記憶は途切れ、次に思い浮かぶ情景も決まって同じ展開だ。
時系列で後になると思うのだが、その浴衣の少女の手にはミゾレのカキ氷があり、彼女はそれを楽し気に頬張っている。時折、頭を押さえる仕草は、氷をかきこみ過ぎたからだろうか、表情も柔らかい。
とはいえ、いろいろ不思議なところはある。
そもそも自分の子供の頃にカキ氷が、それもミゾレがそれほど好きだったという思い入れはない。
そして何故あんなに泣いているのか、りか・・
「・・・おい、何やってる!」
私のファーストネームを呼ぶ怒鳴り声に、我に帰る。
椅子に座った私、サブ画面には開発中のソースコード、そしてメイン画面には上司にプレゼンするための「次期実装機能のデモ」PPTが映っている。
プレゼンの内容が昨日から一行も変わっていないことを再認識したら、もう一回現実逃避したくなってきた。
資料が進まない理由は分かっている。
先週私が実装した機能の評判が芳しくないため、その部分のレビュー部分が書けないのだ。まだしも何故芳しくないのかが自分で理解できていれば話は早いのだが。
このままでは今年の夏は夜店はおろか、まともな夏休みも期待できそうにない。
★★★
問題になっている新機能は、端的に言えば実アドレスを伏せたままでコミュニティに参加できる機能だ。
投入当初は比較的、好感触だったと思っている。
減少傾向にあった一人当たりの書き込み量が一時的に増加したことは追い風だった。
だがその傾向値は、年初の東証御祝儀相場日の如く、日を重ねるごとに効果が疑問視される値になっていった。
定性的だが、コミュニティから感じる"熱"もこころなしか温度が下がったように思う。そういうものも一回当たりの書き込み量を分析したら計測できるのだろうか?
当然のようにプロジェクトリーダの私に飛んでくる声も厳しい内容になりがちだった。
私は逃避するわけでない、と苦しい言い訳しながら、実アドレスを伏せて自分の作ったコミュニティに潜り込む。
【ねえねえ、最近私苦しいんだ、仕事うまくいかなくてさ】
以前はもう少し重みのあるリプライが、タイムリーに飛んできたように思う。気のせいかもしれないけど。
三日待ってついた返事は「大変だね」という共感なのか、呆れ声なのか、なんとも分からない一行レスだった。
一行も進まない「次期実装機能プレゼンPPT」を二徹しながら眺めていたら、フロアリーダから一時帰宅の命令が飛んできた。周りから見ても相当に煮詰まっているように見えたのだろう。
脳味噌が麻痺状態の私は素直にその命令を受け入れ、いつもの調子で事務所1Fの通用口から外に出た。自動扉をまたいだ途端、太陽光が垂直に近い真上から炒るようにさしていたことに飛びあがる。そもそもいつもなら照らすのは街灯であって太陽ではない。
とはいえ、駅まで数分の距離は耐えられない暑さではないのでそのまま地上を歩いた。
ただ歩いているだけなのに背中から汗が噴き出、シャツが身体に張り付く。
すると、太陽の暑さが肌に堪える感触が皮下脂肪からむくむくと湧き出てきて、同時に「あの記憶」が再生され始めた。
読み取り面が手垢で汚れたDVDのように、途中の大事な場面が飛ばされるのが難なのだが。記憶は少しだがいつもより鮮明でこころなしか情報が増えている気がした。再生が終わった途端、私は電車に飛び乗った。
帰宅した私は、とるものもとりあえず、実アドレスを伏せた機能を使ってコミュニティに記憶の限り詳細を書きこんだ。
【この記憶、だれか補完してくれませんか?】
今朝、事務所から入れた投げやりな書き込みが嘘のように、今度はすぐにリプライが殺到する。
回答1:それ記憶の改竄ってやつ。本当はミゾレ食べてないと思う。
回答2:お母さんがもう一個を買ってくれたんじゃないのかな
回答3:お店の人が新しいのをくれたんじゃないのかな
回答4:その泣いている女の子はあなたじゃないんじゃないのかな?
折角あつまったリプライも私の独善的で断片的な記憶は、それらの説を否定している。メロンが出てきた理由はお店のミゾレがネタ切れだったからだ、と。
でもミゾレがネタ切れになったのを何故私が知っているのか、泣いている女の子を遠目に見ている自分の視線がやけにリアルなのか・・・
いろいろな条件が、記憶が刷りかわっていることは認めずにはいられない。
なにより"ある記憶"に登場する少女の浴衣の柄を私は持っていないことに私は気付く。
回答15:不思議な記憶ですね。当時、朝顔の浴衣を着た貴方は当時どの辺に住んでたの?
三日目、唐突に投げられたそのコメントに、私は反応した。電気が走ったといってもいいほどの衝撃だったからだ。
【合空市、多分15年くらい前・・・】
回答15-2:顧客が本当に欲しかったものってイラスト知ってる? あなたが本当に欲しかったのはミゾレだったのかな?
その先のコメントが予測できた私は、自然とそのコメントの返信に【ありがとう】と付け加えた。
私が本当に聞きたかったことが分かったような気がしてきた。
明日こそは止まっていたプレゼンを仕上げられそうな予感がする。
そして私はFacebookを立ち上げ、プロフィールの出身地欄を更新する。
end
※「顧客が本当に欲しかったもの」の元絵はこちらです。リンク先は二次創作絵です。
※本作品に登場するコミュニティサービスは実在の既存サービスとは一切の関係はありません、ってば!
なんだか良く練られてそうなんですが、読解力不足で、
合空市だの、プロフィールの出身地を更新した理由だのがわからんかったです。
リンク先が素敵でした。
合空市の方に深い意味はないです。
ホラー要素の無いナポリタン小説を目指したのと、どうしても時事ネタを絡めたいという欲求を2000字に組み込んだら詰め込み過ぎたかもしれません。
ある夏の頃、林に囲まれた古いテニスコートで熱き少年達の凄まじい掛け声が延々に響いていた。
そう他校のテニス部の人達と試合をしているのだ。
僕はテニス部に所属している中学二年生の松坂武志だ。
そして今、僕たちは試合をしていてペア(相方)は僕と一つ下の中学一年生の竹永優という子だ。
お互いに塾の知り合いで、松坂は竹永を“優”と呼べば、竹永は松坂を“たけちゃん”と呼び合う位だ。
ところで今試合で僕たちと戦っている相手はなんと全国大会で毎回優勝している超強豪ペアで、そのペアに勝ったものはいるまい。
挙げ句の果てに僕たちのペアは学校の中でも最弱なペアだ。
優は一年生だから仕方ないにしても僕は二年生。先輩からも上手く打てていないから叱られる事も日常茶飯事なことだ。
試合している際に前衛の僕は目の前にボールが迫ってきたのでボレーを決めようとしたが、
いつもする筈の無いのにネットにラケットが触れてミスをしまい、負けてしまった。ペアの優君も怒っていない表情には見えるが、「え、なんで?」と呟きながら落ちているボールをただただみつめている。ショックだったそうだ。また僕たちを応援してくれた人も唖然な顔をしていて「せっかく応援したのに最後の最後で凡ミスかよ」と漏らす人も少なくない。
結局、いつものように負けたのだが、ネットに触れるという凡ミスをしてしまった自分が許せない。
しかも終わったことは修正出来ないと悔しい想いでいっぱいだったのだ。
顧問に怒られると思うと緊張と悔しさという悪魔が僕を襲い、背中に汗がジワリジワリと出てくる。意識が朦朧としてくる。
しかし、顧問は「お前なりに頑張ったから良いんじゃないのか?」と少し温かい言葉を仰ってくれた。
少しやる気は出せたのだが、それでもさっきのネットに触れたことが気になってトラウマになっている。
このままでは気が持たないと思った僕はテニスコートの
隣の誰もいない大きな大きな芝生へ寝ようと試みた。緑に茂っていて気持ち良さそうで寝れば何もかも忘れると思ったから。
蝉の声が急にしんしんと鳴き続けて僕は起こされた。
まるで、蝉が「早く起きろ!!気づけよっ!」と迫力のある声を言ってるかのような。
気づけば午後七時を回っていて辺りには誰もいなく部員も帰ったようだ。
どうせ「誰も励まそうとか気配りだなんてしないんだろ」と内心感じていた。
僕は急いで自転車に乗って帰ろうとした。
行きにあれ程苦労した坂道だったのも帰りになると下り坂で楽だ。
下る時に感じる風もなかなか良い。
もう既に八時をさしかかろうとしている。ヤバイと思った僕は速度をもっと上げた。
家まであと1kmもある通る道も通る道も人が殆どいない。試合に行くんじゃなかったと思ってしまう。
0.5kmのところへさしかかろうとした時に大人数の少年が「松坂!!待てよ!」と聞き覚えのある声が僕の耳を横切る。
すぐ自転車のハンドルを強く握った。横をみると部員の仲間達が店の中にいた。
なんと驚く事に部員のみんなは俺を励ます為に待ってくれたらしい。
始めて部員という名の仲間を強く実感した。涙が今か今かと出そうだ。
そして、一人僕の前に立ち伏せる。ペアの優だった。
「たけちゃん!みぞれのかき氷を食べようよ!!もうあのミスなんか忘れてよ!」と励ましてくれた。
何でだろう涙が目からじわっと出てくる。
僕は涙を拭きつつ部員みんなに試合の時のように響く声で「ありがとう!!!!!」と言った。
そうと決まれば夜店の主にみぞれのかき氷を注文した。
「みぞれのかき氷を一個下さい!」
すると出てきたのはテニスボールの丸さを彷彿させるかのようなまあるいメロンが一個。
これにはみんなも唖然した。
「えぇーーーーっっ!? 」
僕はいきなりのメロンだから躊躇してしまった。メロンと睨み合ってるが、美味しそうだったので仕方が無いと食にすることにしよう。
スプーンでメロン中をざっくざくざっくざくと切り開いでゆく。
切り開いてメロンをスプーンでシャクッと取り口に含める。
それにしても金色に輝くネット(網目)がとても美しい。
このネットを見て、あのネットミスが小さいように思えた一日だった。
初めての参加ですので、コメントはお手柔らかに宜しくお願いします。
お題を最後に持ってきたセンスと、テニスボールとの対比とかいいですね。
すんなり入って来そうなストーリでよかったです。
気の弱い私が初めて1人で夜店に来てみた。
「す…すみませーん…」
声が小さかったのか店員は私の目の前を通り過ぎていく。
「すみませーん!」
勇気を振り絞り、大きな声で言うと、笑顔で近づいてくる店員。
「ご注文は?」
「あ…えと…あの…み…みぞれのかき氷を…ください…」
「かしこまりました、みぞれのかき氷ですね!」
店員が遠ざかっていくと私はふーっと一息ついた。
まるで嵐が遠ざかった後のような顔をする。
笑いたければ笑うがいい。
何しろ私は人と接することが大の苦手なのだ。
それも一対一となると、もう何が何だか分からない。
おまけに声が小さいものだから
聞き間違えられることなんて珍しくない。
「お待たせしましたー」
店員の声ではっと我に帰る。
机の上に置かれたのはキンキンに冷えた…
”メロン”
…確か私はみぞれのかき氷を頼んだはず…
声が小さすぎて聞き間違えられたのだろうか?
いや、確かに店員は商品を繰り返し確認していた…
「あのぅ…」
「はい?」
先ほどと何も変わらない笑顔で店員は振り返る。
「これ…あの…かき氷…ですか?」
恐る恐る尋ねてみた。
なんてバカなことを尋ねたのだろう。
店員さんは目を丸くしてきょとんとしている。
数秒の沈黙
この沈黙がなんかいやだ。
そんな僕の気持ちを知ってか知らずか店員はぷっと笑って
「これ、メロンって、いうんですよ。」
と、必死に笑いをこらえながら言っていた。
私はものすごく恥ずかしくなった。
しかし、納得がいかないところがある。
それはやはり、私が頼んだ”みぞれのかき氷”のことだ。
いくら気が弱いといっても、これは聞かなければスッキリしない。
お盆を持って戻ろうとする店員を呼び止めた。
「あの、僕…みぞれのかき氷を頼んだはず…あ!いえ!別にメロンが嫌いってわけじゃないんです!ごめんなさい!」
日本語がめちゃくちゃになってしまったが何とか言えた。
それを聞いた店員は変わらぬ笑顔でこう答えた。
「メロン、私大好きなんです!」
そう言うと、お辞儀をして戻って行ってしまった。
私は唖然としながら店員の後ろ姿をしばらく見つめていた。
そして、メロンを見つめる。
「ふぅ~」
一息ついてこう言った。
「私、みぞれのかき氷大好きなんだけどぉぉぉぉぉぉ!」
それは、今までで一番大きくてはっきりとした声だった。
この日を境に私は少し大きな声で話せるようになった。
素人で読みにくいところもあるかもしれませんが、
よろしくお願いいたします。
勢いがあっていいですね。
しかも人間の成長を描いているところが、素晴らしい。
いい着眼点というか、すごいなぁと思いました。
『アイの、コトバは、ミゾレかな』
「夜店通りのバー『カサブランカ』・・・・・・ここですね」
笹生は、店の看板を確認すると額の汗を拭って静かにドアを開けた。
「こんにちは」
「いらっしゃい」
カウンタの奥でバーテンらしき大柄な男が一人グラスを磨いている。
「暑いですね、かき氷ください」
「どれにします?」
「ミゾレの、2度がけで」
「2度がけね」
バーテンは、氷塊を冷凍庫から取り出して器械で削りながら、店の奥に向かって叫んだ。
「おーい、いつまで寝とっとか?お客さんぞ」
「あ、いらっしゃ~い」
奥からTシャツ姿の女が出てきた。
化粧が少し濃いが、よく観るとまだ若い。20になるかならないか、と言ったところか。
「ウチ、メロン、よろしく~」
ホステスらしきその女はお愛想しながら笹生の隣に腰掛けると、屈託も無く笹生を質問攻めにした。
「どっから来たと?」
「消防署の方から来ました」
「アハハ、なにそれ?関西の人やろ?当ててやるけん」
「はい、ミゾレ、お待ち」
「ありがとうございます」
「そうねえ~ん~ズバリ、姫路やろ?」
「よく、わかりましたね?」
「なんかそがん感じのしたもん。
ふとかお城のあるやろ?ウチねえ子供の頃に行ったことあるとよ。
白くて綺麗かったもんねえ~」
「・・・・・・そうですね。先の戦で、すっかりボロボロになってしまいましたが・・・・・・」
「もったいなかね」
「全くです」
「お仕事は?」
「保存糧食関連の卸です。軍艦に積んでもらう商談で」
「へえ~」
「あ、ごちそうさまでした」
「350円になります」
「お客さん、今夜のご予定は?」
「いえ、特に」
「夜は7時からやっとるけん、また来てね。
そうそう、夜は会員制やけん、この名刺ば見せてね。
「頂戴いたします。では遅れましたが私も」
「夏星工業のササキさんね、こんごともよろしく~」
+ + + + + +
その夜、バー『カサブランカ』を再び訪れた笹生を待ち受けていたのは、昼間とは別の男であった。
「こんばんは」
「会員証ば、お願いします」
笹生がメロンの名刺を差し出すと、門番らしき男はゆっくりと戸を開けた。
「どうぞ」
中は結構な賑わいを見せていた。主な客層は海軍の軍人と工廠や関連企業の社員のようだ。
「あ、いらっしゃい!待っとったとよ~」
笹生の姿を見つけたメロンが駆け寄って来る。
「ここは狭かけん、奥にどうぞ」
「ありがとうございます」
奥の小部屋に通されたものの、ドア越しに酔客の歌声が聞こえて来る。
♪みどりのやーまにかーこまーれーてえー
なーなつのーうーみーにーひぃらけゆ~く~♪
「うるさかろ?ゴメンね、今日は上陸日やけん水兵さんの多かとさ」
「いえ、賑やかなのは嫌いじゃありません」
「なんかレコードでもかける?」
「では・・・・・・コロラド・リバー、ありますか?」
「よかねえ!コロリバ、ウチも好き!・・・レコード取ってくるね」
しばらくして、メロンは赤銅色に日焼けした痩身の男を連れて戻ってきた。
(軍人だな。実直を絵に描いたらこんな感じかな)
笹生の感慨を知ってか知らずか、男は軽く会釈を返した。
「ゴメン、相席よか?」
「どうぞ」
「失礼します」
「ちょっと外すけど、ゴメンね、ごゆっくり」
そう言ってメロンが部屋を出ると、男は静かに口を開いた。
「笹生さん、ですね?」
「ええ」
「私、『第三師団』の浦山と申します。大山さんの件は大変残念でした。・・・・・・惜しい人を亡くしました」
「ええ。・・・・・・私、人を捜しておりまして」
「伺っております。しかし、申し訳ありません、中川はここには居りませんで」
わかりました、と笹生が答えるや否や、入り口の方で騒ぎが起きた。
ガンガンガン! 扉を力任せに殴る音。
「あけろ! 憲兵組ご用改めである!! 神妙にしろ!」
メロンが慌てて部屋に飛び込んでくる、
「いけん、憲兵のガサ入れたい!」
メロンと入れ替わりに、浦山がまるで野良猫のように部屋の外に飛び出した。
咄嗟に後を追おうとした笹生をメロンが制した。
「笹生さんは、こっちへ」
奥の扉から裏口に出る。
「浦山さんは?」
「心配なか。ただの見回りたい。あとで落ち合うけん大丈夫」
そう言って、メロンはさっと呼び止めたタクシーに乗り込み、行き先を告げた。
「弓張岳へ」
車は、ネオン街の喧噪を尻目に、夜の帳の中へと滑り出した・・・・・・。
つづく
========================
う~ん、やっぱり何かやりかけの用事があると筆が進むなあ~。
さて・・・・・・。
私の机の上には、未開封の手紙。私宛。
弟の渉が「ミゾレの兄ちゃん」から預かって来た手紙。
渉が言うには、親御さんの面倒を見る為に、急に田舎に帰ることになったそうだ。
・・・・・・これって、もしかして、ラブレターだったりするのかな?
結構好みのタイプだけど特別な感情を抱いたことは・・・・ないと思う、たぶん。
ちょっと垢抜けない感じだし、ビンボーそうだし。
でも、
「オレに、ツイテキテクレ!」
なんて言われたらどうしよう?
・・・・・・いかんいかん、落ち着け、私。
渉のやつ、メロンなんかもらってきたけど、お礼くらいしとかなきゃね。
手紙は、・・・・・・読まないわけにもいかないし、うん。
私は、おそるおそる封を切った。
『ヤマザキ ヒビキ殿
明日16時 西薙島駅にて待つ
大井 虎獅狼』
・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・これって、果たし状かあ!?
私は目が点になった後、おもむろにベッドへ倒れ込み、顔を枕に押しつけ思いっきり爆笑した。
苦しい、苦しすぎる。死ぬかと思った。
+ + + + + +
私が駅に着くと、丁度16時を回ったところだった。
無人の改札を抜けると、ベンチの周りでそわそわしているアイツが居た。
次の電車まで間があるせいか、ホームには他の人影はない。
「おす」
「あのさ、えっと、あのその」
直立不動の構え、お前も立派な軍人だな!・・・・・・違うか。
「メロンありがとう。・・・・・・あと、手紙も」
「あ、え、はい」
「で、あれなに?果たし状?」
「い、いえ!」
「じゃなに?」
「いえ、その、あの・・・」
「男ならシャキッとせんかい!」
じれったくなった私が一喝すると、あいつはびっくりして子犬のようにとびあがった。
「最後に一度お会いしてお話したく思ったであります!」
「よし、聞こう」
「・・・そ、それで」
イジメがいのあるやつだ。
「あ”?」
「このたび、実家に戻ることになりまして」
「渉から聞いた。大変だよね」
「はい」
「それで?」
「俺、いえ僕はあなたのことが」
「ことが?」
「あんたが、好きだ!」
・・・・・・そう来ましたか。う~んそうですか。さて。
「ごめんね、今は返事できない。私、やりたいことがあるから」
「そ、そうだよね、ごめん」
「別に謝ることはないよ」
「そうだけど」
生気を失い、急速にしおれていく元軍人。
・・・・・・私たちが言葉を失うと、蝉の合唱だけが世界を支配する。
カン、カン、カン、カン
遠くで踏切の音が聞こえると、しばらくして、電車の到着を告げるアナウンスが二人の沈黙を破った。
『2番線に到着の電車は、16:25発、樫丘行き普通列車です』
「・・・来てくれてありがとう、さよなら」
「今度、あそびに行ってもいいかな?」
「え?あ、もちろん!」
なんちゅう嬉しそうな顔、元軍人はすっかり散歩犬に成り下がった。
「落ち着いたら、連絡くれる?」
「あ、ああ、あ、俺の連絡先、あっくそ、書くものねえ、あーどうしよ?」
「ほれ」
私は、自分の連絡先を書いたメモを添え、手みやげに買って来た瑞祥堂のフロランタンを手渡した。
「あ、ありがとう」
「お礼はミゾレでいいから。ご馳走してくれるよね?」
「もちろん!」
+ + + + + +
「ただいま!」
ウチに帰ると、居間からメロンの甘い香りがした。
あのバカ弟、メロン独り占めかよ。
怒鳴りそうになった瞬間、見慣れぬもう一足の運動靴に気がついた。
あれ?珍しいな、渉が友達連れて来るなんて。
居間をそっと覗くと、二人して号泣しながらメロンを貪っているのが見えた。
どうやら、ミゾレの同志がもう一人居たってわけね。
バカじゃないの?まったく。でも今日はそっとしといてやるか。
まったく男というのは世話の焼ける生き物だ。
・・・・・・あ、これ次のネタに使えそう。しめしめ。
了
ええかんじたい。
長いですけど、二作の連携。
まあまあいい感じです。アイデア賞。良く頑張ったで賞。
その他、ベストアンサー以外の思いつく限りの賞を進呈いたします。
では思いつく限りの講評をあげま賞
を所望いたす。
来月とかでもいいので・・・
ブログとかでもいいので・・・
けちょんけちょんでいいので・・・
『メロン味のミゾレ・果肉入り』
「ミユキぃ。いるかぁ」
俺は、お客の応対をしながら姪っ子を呼ぶ。慣れてないから、周りをバタバタ走り回っているだけだ。
「俺の車から、シロップのブルーハワイと、えーとメロンを取ってきてくれるかな。」
「えー、暑いよ」
もう、ガキはこれだから。
「それとって来たら、氷食って休んでていいから。」
遠ざかる足音を聞きながら、ますます増える客の応対をする。氷かき機が電動でよかった。
「ハイ、イチゴね。そっちのボクはマッチャか、おとなじゃん。ミゾレとメロンとブルーハワイは待ってね。はいレモン。」
バタバタという足音が帰ってきた。
「持ってきたよ、もういい?」
「ブルーハワイを一番左の子にあげて、残りの子にメロンをあげてくれたらいいよ。」
かいた氷の入ったカップを、ふてたミユキに渡した。もう氷が無い。ミユキの分をかいて、新しい氷をセットして、と。
「ミユキ、これ」
あっという間に俺の手の上のカップが消える。
ん?そこに立っている子は?まだ渡してないんだっけ?この、幼稚園児くらいの子はメロンだったよな。
「ごめん、まだ渡して無かったかな?」
うなづく。
「メロンだっけ?」
うなづく
メロンあげろって言ったろ、と口の中で呟きながら氷を削る。シロップをかけようとして、手が止まる。
あれ?メロンのシロップが無い。さっき取って来いって言ったよな。
「ちょっと待っててね」
うなづく
見回すと、ブルーハワイとメロンの瓶はほとんど空で、ミゾレの瓶がふたが閉まったまま転がってる。紙パックのブルーハワイのパッケージが空いたまま置きっぱなしで、まわりにシロップが飛び散っている。
やれやれ。中学生に頼むことじゃなかったか。
メロンの瓶をひっくり返して、なんとか一杯分を作る。
「お待たせしました。ごめんね。」
うなづく
でも帰らない。
「ん?どうしたの?」
「メロンはくエないの?」
「それ、メロンだけど」
顔が左右に振られる。右目と左目がダブるくらい、左右に振られている。
「メロン。メ・ロ・ン」
何を言っているんだろうか、この子… 俺は、車の中の様子を思い浮かべた。
あ。まさか。
俺は顔くらいの大きさの玉を、両手で作って聞く。
「メロンって、こおんな丸い果物のこと?」
今度は顔が縦に振られる。
「そう。まウいの。あエ、くエウんでしょ?あのおにーさんがもアったみたいに」
お兄さんてだれだ。あ、さっきのミゾレの子か。
「いや、あれは…当たりの時だけね。君は残念賞だから、それ一杯ただ。お代はいらないよ」
ミユキはどこなんだ。
「メロンがいい。メロン」
「だから、それ、メロン味だって」
「メロン、メロン、メロン」
おれは、頭を抱えた。この子の親御さんはどこなんだろ。ミユキはどこ行ったんだ。メロンはどこなんだ。
「メロン食べたいの?」
聞きなれた声が、足下でする。周りを見回していた俺は、足元の幼稚園児のそばにしゃがみ込む巫女さんを見つけた。
「おねえさんね、メロン持ってるの。いっしょに食べる?」
また顔が縦に振られる。さっきよりも振れ幅と速さが違う。おもし… いやいや、お客様だ。
巫女さんが立ち上がり、俺に振り向く。
「ね、このメ・ロ・ン、切ってくれる?」
巫女さんは、顔くらいあるメロンを、俺の目の高さに持ち上げる。これは、あのメロンだ。
「えっと、その、あの」
なんて言えばいいんだ。
「あの、ユミ。そのメロンは」
ユミの手の上で、メロンが半回転する。
「これ、タケシ君のでしょ。こんなことするの。」
俺の目の前には、”YUMI LOVE”と彫りこんであるマスクメロンがあった。
たぶん、俺、今真っ赤だと思う。
「あの、その、今夜それをね、ユミにね、えと」
しどろもどろ
「なんで、これ、私が持ってると思う?」
いたずらっぽく笑うユミの巫女の袴を、幼稚園児が引っ張る。
「あ、そうね、メロン食べるのね。うしろで、これ切るわよ。ミユキちゃんもおいで。」
いつの間にか現れたミユキと、浴衣姿の少年と少女が俺の屋台の裏にまわる。この少年は、ミゾレの子だな。
メロンを半分に切って、その半分を六等分。種を取って、横に切れ目を入れて、氷のカップに乗せて串を刺す。てきぱきと巫女の姿でメロンを分けるユミ。手際がいいねぇ。っと、そのメロンは
「はい、タケシ君もどうぞ。」
目の前のメロンを食べる。うまいなこれ。
「このメロンをね、この子がぶら下げて、お守り買いに来たの。目の前にメロンがあるじゃない?そこにさ、へたくそな文字が彫られてて、YUMIな んて書いてある。あら、これどこで買ったのって聞いたら」
「もらったんス」
と少年が言う。スポーツ刈りの少年は素直そうだ。
「っていうから、そんな気前のいい屋台ってどこって聞くとね」
「かき氷屋さん」
浴衣の似合う少女は、よく見ると美少女だったりする。
「ははぁ、なにかの手違いなんだろうなぁって思ってると、社務所の裏からミユキちゃんの声が聞こえてくるじゃない」
「あ、さっきのメロン。そんなの彫ってあったんだ。」
「でね、ちょっと休憩もらって、話、みんなから聞いたのよ。」
「ごめんなさい、メロンとメロン味のシロップ間違えたみたい」
ミユキが頭を下げる。ま、説明が足りなかったんだよな。
「説明が足りなかったんだよな。俺が悪い」
「見つけてよかったわよね。私が。ま、メロン程度だからよかったけどねぇ。」
いや、そうじゃないんだ。メロン程度じゃ
幼稚園児が、ユミの袴を引っ張ってる。
「アい、こエ」
プラスチックでできた先の丸い白いフォークの先に、何か挟まっている。
「あら、何?これ」
さあて、なんて言おうか。予定してたシチュエーションと違いすぎて。ええい、出たとこ勝負だ。
指輪のサイズが合っていることを祈ろう。
なんとなく、推敲不足とか言ってしまえば、推敲の鬼に対して失礼にあたるような
あたらないような。
見抜かれますねぇ。
正当派のSFですね。面白かったです。
勢いでベストアンーにしそうになりました。
「お待たせ。緑川くん、早いねー」
「いや、オレもさっき来たばっかりだよ」
「だって、約束の時間まで、まだ一時間もあるよ」
「うん、家に居たって、平和サミットがどうとか、つまんないニュースしかやってないしさ、それに、お祭りだと思ったらさ、なんか、もう、うずうずしちゃってさ」
「うん、私も」
もしかしたら、陽佳(はるか)が来ているかもしれない、とか思ったなんてことは、絶対に言わない。
朝顔の柄の浴衣に、アップした髪がとてもよく似合っている。まぶしいのは、提灯の明かりで逆光になっているだけじゃなさそうだ。いつのまに、こいつはこんなに女っぽくなったんだろう。
「まだ、みんなが来るまでには、しばらくあるね」
「どうせ、弘(ひろし)なんて、がっつり遅れてくるんだろ。いやー、わりぃわりぃ、電車が脱線しちゃってさー、とか言いながら」
「ふふっ。弘くん、小学校のころから、言い訳がおんなじだもんね」
「せっかくだから、夜店の方でも、ちょっと覗いてこようか」
なるべく、さりげない風を装って、陽佳の手を引く。
声は震えてなかったろうか。
手は汗ばんでないだろうか。
やべ、緊張してきた。後ろを振り向けない。
「慌てなくったって、夜店は逃げないよ」足がもつれそうになってたオレの横に陽佳が並ぶ。手はつないだままだ。
「ふたりっきりでしゃべるの、久しぶりだね」
「そうだなあ。小っちゃいときは、いつも一緒だったのにな」
「中学に入ってから、お父さんの仕事を手伝ってるんだっけ。学校もよく休むもんね」
「中学生には、中学生にしかできない仕事がある、んだと」
「いいなー、わたしも仕事してみたーい」やっぱり、言うことは、まだ子供だ。同い年のオレが言うのも何だけど。
「ちょっと、腹へらね? 陽佳、焼きそば好きだったよな」
「軽く食べてきちゃったんだよね。私、かき氷が良いな」
「良いね、かき氷。やっぱり、ミゾレ?」
「もち!」
陽佳を待たせておいて、かき氷の屋台へ向かう。
「おじさん、ミゾレをひとつと、えーと、ブルーハワイをひとつお願い」
「あいよ。ミゾレとブルーハワイ、ひとつずつ!」
かき氷ができあがるのを待ちながら、後ろを振り返る。
こっちを見ていた陽佳と目があい、こっちに向かって小さく手を振ってくる。なんとなく照れくさい感じがしたが、オレも小さく手を振りかえす。
親父の仕事に引きずり込まれ、自分だけが変わってしまったと思っていたけど、何も変わっちゃあいないんだ。で、みんなもちょっとずつ大人になっているんだ。祭りの提灯に照らされている陽佳を見ながら、こいつのことが好きなんだろうか、などということを考えていた。
「ほい、かき氷二つ、お待ち! 人が多いから、こぼすんじゃねえぞ」
屋台のおっさんの声で我に返り、オレは両手を伸ばして、かき氷を一つずつ受け取る。
「ぼうず、ごっつい腕時計してるじゃねえか。かっこいいねえ」
「おじさん、オレが頼んだの、ミゾレのやつだよ。これ、メロ……」
「ん?」
「いや、何でもないや。ありがとう、おじさん」
大人の世界が、無粋だ、ということを、あらためて思い出した。
人混みを離れ、腕時計をカードリーダモードに変更して、紙コップの底に当てる。思った通り、反応がある。イヤホンを耳にはめ、PIN を打ち込んで読み取りを開始する。
「Hello Mr. Green. Your mission, if you accept it ...」
ちぇっ、やっぱり呼び出しか。
あーあ、もうすぐ花火が始まるってのに……
(続く?)
旨い展開。伏線も良し。 タイトルとか登場人物の名前とかもいい感じで、
なんだか、ベストアンサーの気分です。
で、けちょんけちょんにけなされたいんですか?
逃げに走った気がしますね。ちょっとあっさりしすぎかな? と。
あと、賛美歌13番みたいに、緑イコール依頼の合図みたいなのを
ほのめかせていればもっと良かったとおもいまふ。
そいから、おっさんが腕時計に触れたのは余計かな?
まあ、それなりにめんどくさくて長いのを2作読んだあとってのもあって、
結構なプラス査定です。
まあ、それなりにめんどくさくて長いのを2作読んだあとってのもあって、
運も実力のうち、かな?
最近は、自分が書き込む前には、他の人の回答を読まないようにしてます。
心が折れちゃうことがあるので(グラスハート)。
で、けちょんけちょんにけなされたいんですか?
愛が感じられれば、耐えられるような気がしなくもない...
自分でも、もう少し盛れただろう、とは思うんですけどね。
旨い展開。伏線も良し。 タイトルとか登場人物の名前とかもいい感じで、
2012/08/09 00:18:40なんだか、ベストアンサーの気分です。
で、けちょんけちょんにけなされたいんですか?
逃げに走った気がしますね。ちょっとあっさりしすぎかな? と。
あと、賛美歌13番みたいに、緑イコール依頼の合図みたいなのを
ほのめかせていればもっと良かったとおもいまふ。
そいから、おっさんが腕時計に触れたのは余計かな?
まあ、それなりにめんどくさくて長いのを2作読んだあとってのもあって、
結構なプラス査定です。
運も実力のうち、かな?
最近は、自分が書き込む前には、他の人の回答を読まないようにしてます。
心が折れちゃうことがあるので(グラスハート)。
愛が感じられれば、耐えられるような気がしなくもない...
2012/08/09 00:49:02自分でも、もう少し盛れただろう、とは思うんですけどね。