ラブライブ! School idol project 12、13話+まとめ
ラブライブ出場辞退とことりの留学、鬱な穂乃果。
学園祭で穂乃果が倒れたことで、μ'sは特定のメンバーに過度な負担をかけていたことに気づき、ラブライブ出場を辞退する。
けれど、穂乃果はそれを自分が体調管理を怠ったせいだと自分を責める。
「遅らせれば遅らせるほど、辛いだけですよ」
「でも、決める前に穂乃果ちゃんに相談できてたらなんて言ってくれたのかなって……それを思うと、うまく言えなくて……」
さらに、大切な親友が悩んでいたのに、相談にも乗ることができなかった。
――私がもう少し周りを見ていれば、こんなことにはならなかった。自分がなにもしなければ、こんなことにはならなかった!
ことりがいなくなるまでにはまだ時間があるし、ラブライブは来年だってある。
他のメンバーは、そう慰めようとする。しかし穂乃果は――
「――出場してどうするの」
「学校は存続できたんだから、出たってしょうがないよ。それに無理だよ、A-RISEみたいになんて、いくら練習したってなれっこない」
「あんたそれ、本気で言ってる? 本気だったら許さないわよ」
「――許さないって言ってるでしょ!? にこはね、あんたが本気だと思ったから――本気でアイドルやりたいんだって思ったから、μ'sに入ったのよ! ここに賭けようって思ったのよ! それを――こんなことくらいで諦めるの!? こんなことくらいで、やる気をなくすの!?」
いつもおとぼけキャラだったにこの、奥底に眠る情熱には、正直ぐっときてしまった。
しかし、そんな真摯な想いの丈をぶつけられても、穂乃果の心は揺らぐことはない。
無垢だったヒロインをさいなむは、無力感。
今となっては、自分がなにもしなくとも、学園は存続できたような気さえする。
むしろ、ことりと海未との三人の、未来の思い出を守ろうとしてがんばってきた。
それを欠いてしまったのは自分で、それなら、自分の努力の価値は……?
「――やめます」
「私、スクールアイドル、やめます」
穂乃果の気持ちはわかる。あれで自分を責めるなっていうほうが酷だと思う。
けれど、ここまでダークな内面に堕ちていくメインヒロインも珍しいよね。
今までの穂乃果は、みんなを引っぱるリーダーだった。
それは、言わばわがままで、自分がそんなこと言わなければ……。
そうして、彼女のまっすぐな心は、ぽっきり折れてしまったのだった。
「――あなたがそんな人だとは思いませんでした……最低です……」
「あなたは……あなたは最低です!」
13話 μ'sミュージックスタート!
最終話。活動を休止するμ'sと、本当にやりたいこと。
12話ラストの確執は解けず、穂乃果は鬱屈を抱えたままで、海未はことりを引き留められず、ことりは別れを言えずに日本を発とうとしていた。
μ'sは穂乃果が言い出さなくとも、いずれ壁にぶつかっていた。
ラブライブのため、ひいては学園存続のためにはじめた活動だった。
いずれの目標も過ぎ去ってしまった今、新たに目標を見つけなければならなかったのだから。
今度は誰も悲しませないことをやりたいな。自分勝手にならずに済んで、でも楽しくて、たくさんの人を笑顔にするためにがんばることができて――
「……そんなもの、あるのかな……」
そう言う穂乃果は、なんだか一回り大人になったようで、でも、あまり似合っていなかった。
そうして日常に戻ったように見えた穂乃果。
けれど、彼女の中には、たしかにあの輝いていた時間が息づいていて、そのきらめきが彼女を誘うのだ。
――楽しいことが、ここにあるよ。
μ'sのメンバーは、みんな少し臆病で、自分のやりたいことへとまっすぐ向かっていくことができない女の子たちだった。
そんな彼女たちを引っぱっていけるのは、穂乃果だけ。
6話、リーダーを決める回での海未ちゃんのセリフから、もう一度。
「なんにも囚われないで、一番やりたいこと、一番面白そうなことにひるまず真っ直ぐに向かって行く。それは、穂乃果にしかないものかもしれません」
「穂乃果に振り回されるのは、もう慣れっこなんです。だからその代わりに連れていってください――私たちの知らない世界へ!」
気の利かない猪突猛進な性格を、自分の欠点だと思っていた。
けれど、親友は、それを長所だと――オンリーワンなすばらしいところだと認めてくれる。
そして、もう一人の親友も、そんな彼女を待っているはずなのだ。
「小鳥ちゃん、ダメ! 私、スクールアイドルやりたいの! 小鳥ちゃんと一緒にやりたいの! いつか別の夢に向かうときが来るとしても!」「――行かないで!」
「ううん……私のほうこそごめん……! 私、自分の気持ち、わかってたのに……!」
そうして、9人は再びステージへと立つ。
高坂穂乃果の見た夢を、みんなで掴むために。
--- まとめ ---
まず、作画――というか、動画がすばらしい。
ライブシーンの3Dのぬるぬる感がハンパない。
さすがガンダムのサンライズだ。新時代の幕開けか。
脚本は、後半に入ってその傾向はあったけれど、最終2話は特に、駆け足な展開。
最後のライブが、なんのライブなのか伏線がまったくなかったもの。
おそらくにこりんぱながやろうとしてたステージだったんだろうけど。
そういった、いささかご都合主義とも言えるものが垣間見える。
そんな重箱の隅をつついている時間がなかったのかもしれない。
設定的には、もう1話分くらい時間が欲しかったかもしれないなぁ。
ただ、そうすると話の勢いやテンポといったものが削がれてしまうのかもしれない。難しい
一方、物語のテーマは、アイドルもののキャラ萌えアニメかと思いきや、意外としっかりしている。
「やりたいこと」と「やらなきゃいけないこと」の間で揺れる、多感な年頃の少女たち。
人生で一番必要なものはなにか?
彼女たちには、それがはっきりと目に見える形で与えられたのだ。
同じアイドルものである「THE IDOLM@STER」と比べ、キャラクターは声優も含め、ややクセがあるかも。
ただ、10話くらい観てると「これじゃなきゃ!」って感じになってくるから不思議。
私はこれを「ひぐらし現象」と名付けようと思う。指は5本もいらないのだ。
逆に、曲はアイマスよりポップ寄りの、素直なものが多い気がする。
そしてPVの完成度が異常。一見の価値あり。
もしこのアニメを観ようか迷っているのなら、まず1話を観て、それから判断してほしい。
1話の完成度はとても高い。
全体では★3つ、良作評価です。
個人的には、アイマスのほうがお気に入りキャラが多いので、微妙に高評価。
ただ、アニメーション単体で比較すれば、ラブライブのほうが完成度高し
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