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イル・トロヴァトーレ @ メトロポリタン・オペラ 〜 美声の饗宴

この日のメットヴェルディの傑作、イル・トロヴァトーレ

 Trovatore 01

2009年から続くデイヴィッド・マクヴィカーの舞台で、共同制作としてサンフランシスコ・オペラシカゴリリック・オペラでも使われているもの。今シーズンは主要キャストに中堅どころを起用した上演。

     Trovatore 02

マンリーコ役はアメリカのテナーでメットでもお馴染みのマイケル・ファビアーノ。安定した歌唱で、ここぞという時の高声域の伸びもまずまず。第3幕の聴かせどころ「見よ、恐ろしい炎を」も無難に歌いこなしていた。

 Trovatore 03
 Trovatore 04

レオノーラ役は、これもアメリカのソプラノ、レイチェル・ウィリス=ソレンセンメットでのフィガロの伯爵夫人役で2度ほど聴いて好印象だった歌手。低声域での歌声が少し聴き取りにくく、高聖域との繋がりがスムーズではない点があったものの、高音での声の豊かさと迫力が素晴らしく、満足の行く歌唱だった。もっとメットに出てほしいソプラノ。

 Trovatore 05
 Trovatore 06

アズチェーナ役はベテラン、ジェイミー・バートン。高声域は細身ながら美しいのだが、低声域では老婆らしい声色を出してと、ギャップが感じられ、どういうアズチェーナ像をイメージしているのか分かりにくかった。

 Trovatore 07
 Trovatore 08

ルーナ伯爵役はロシアのバリトン、イーゴル・ゴロヴァテンコで豊かな声量で朗々と歌っていて好印象。これで全域にわたって声のつながりがスムーズだと言うことない。

 Trovatore 09
 Trovatore 10

指揮のダニエレ・カッレガーリは、中庸のテンポでイタリアの指揮者らしく、手の内に入ったサポートぶり。ゴヤの絵画を思わせるマクヴィカーの演出はこの作品のイメージに合ったもの。

 Trovatore 11
 Trovatore 12

筋の荒唐無稽さは愛嬌として、これぞイタリアオペラという美声の饗宴に酔ったひととき。

 Trovatore 13

Il Trovatore (1853年、ローマ・アポロ劇場にて初演)
演出: David McVicar
指揮: Daniele Callegari
Manrico: Michael Fabiano
Leonora: Rachel Willis-Sørensen
Azucena: Jamie Barton
Il Conte di Luna: Igor Golovatenko
Ferrando: Ryan Speedo Green ほか
2024年10月26日、メトロポリタン歌劇場


⇒ 2018年2月のメット「イル・トロヴァトーレ」感想

⇒ マクヴィカー演出のメット「トスカ」感想

⇒ カッレガーリ指揮のメット「ナブッコ」感想

⇒ ファビアーノ出演のメット「メフィストーフェレ」感想

⇒ ソレンセン出演のメット「フィガロの結婚」感想

⇒ バートン出演のメット「カルメル派修道女の対話」感想

⇒ ゴロヴァテンコ出演のメット「運命の力」感想
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テーマ : オペラ
ジャンル : 音楽

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