S.H.フィギュアーツ(S.H.Figuarts)としては比較的初期に発売された、仮面ライダーカブトを
紹介します。
初期?であるが故か、ちょっとした悩みも抱えているのがカブトシリーズでして・・・
平成ライダーとしては7人目、発売時期としては前々年度のライダーがS.H.F.に登場した事に
なります。
S.H.F.は映画『仮面ライダー THE NEXT』のV3から始まり、私も直ぐに購入しました。
しかし、その後しばらくはメインライダーの発売が無く、このカブトが発売されて時でも
個人的にはどうなるシリーズが分からなかったので、買い控えていました。
まだ装着変身が存在していた頃ですし、実はNEXT系のライダーにちょっとした不満があったのも
その理由です。
造型やその可動範囲等は満足するものだったのですが、関節部がふにゃふにゃで
遊び辛かったんですよね。
可動部ではなく、本来曲がる必要の無い、横方向へふにゃふにゃと曲がってしまうのです。
これは、装着変身のキバにもその傾向があるのですが、NEXT系は更に酷い状態でした。
また機会があればNEXT系のレビュー時にでも説明したいと思います。
そんな事がありながら、S.H.F.を本格的に集めようと思ったのは、NEW電王、クウガの発売が
決め手でしょうか?これらもまだレビューしていないのでいつかしてみたいと思います。
そして、割と最近になってこのカブトを入手したのですが、段々と店頭から姿を消し始めたので、
レビューは控えていました。
が、どうやら10月再販が決まったようで、ネット通販でも再販分の予約を受け付けているようです。
と言う事で、丁度良い機会なので、問題点も踏まえてレビューをしてみようと思います(^^)
パッケージです。
セット内容です。
本体には握り拳が付けられており、他に手首が5個、カブトクナイガンが2種付属します。
手首は、開き手、武器握り手が両手首分と、人差し指を伸ばした右手首(おばあちゃんが
言っていた・・・用)が付属します。
カブトクナイガンは、上がクナイモード、下がガン(兼アックス)モードです。
造型的にはアックスモード寄りでしょうか?
もちろん、カブトクナイガンはいつも通りのプラ製のシャープな造りで、特に問題はありません。
細かな省略を言ってしまうとキリがありませんが、丁寧に塗装されていて良い感じです。
カブト本体です。
・・・パッと見は特に問題無い様にも見えるのですが・・・
S.H.F.のカブトシリーズをレビューする上で、ある意味避けて通れない問題があります。
とりあえず、基本部分がほぼ同じのガッタクと並べてみます。
どうでしょうか?
微妙ではありますが、ガタックと比べてカブト、特に下半身が変に見えませんでしょうか?
実は、左のガタックに関しては、これから説明する『ある処置』、つまり製品版に手を入れた
状態になっています。
とりあえず、ガッタクの膝裏部分を見て下さい。
ちょっと解り難い画像になってしまって申し訳ありません。青い丸で囲った部分を見て頂くと
解り易いと思いますが、関節部のパーツが外へ曲がっているのが確認出来るでしょうか?
これは私がわざと曲げた状態なのですが、実はS.H.F.の関節には微妙な問題がありまして、
特にカブト系ライダーの膝関節部に顕著に現れています。
上の処置後のガタックと比べると、製品版のカブトの方が明らかにO脚(おーきゃく)になっているのが
分かると思います。いわゆるガニマタですね。
何故こうなってしまっているのかは、順番に説明していきたいと思います。
但し、最初にお断りしておきますが、以下に紹介する、分解、改造方法の全てに関して、
あくまで参考程度にお考えください。
一応、私が行った方法を説明しますが、同じ様に上手く行くとは限りませんし、最悪の場合には
破損や怪我等の恐れもあります。又、破損が無くても、バンダイでの修理等の対応が不可能に
なる場合もあります。
以上の事を十分理解した上で続きをお読み下さい。読みたくない方は、下の画像を5枚飛ばして
カブト本体の画像まで進めて下さい。
それでは、まずは分解してみました。
膝当てのパーツは普通に差し込まれているだけなので、先に外しています。
腿、脛部分はPVCで、関節部のパーツはPOM製です。
接着されている訳ではありませんので、普通に引っ張って外す事も可能です。
ですが、そのままの状態ではパーツを傷める可能性がありますので、パーツ周辺を温めて外します。
今回の場合は、1200Wのドライヤーで吹き出し口から2~3cm程離し、約10秒程温風を当てました。
当てすぎると本体が溶けてしまう場合もあるので、硬くて外れない場合には慎重に再度温風を
当てます。
昔、ソフトビニールの製品に穴を開けてしまった事もあるので、ここは本当に慎重に。
自分も火傷をしない様に注意しなければならないので大変です。
PVCの方が柔らかいので、腿と脛を持って引っ張れば、まずは2つに分かれます。
残った方を手に持ち、関節部のパーツを引っ張るのですが、上手く行けばそのまま外れます。
ですが、関節部は小さく持ち難いので、ペンチ等で挟んで引っ張った方が楽な場合があります。
その場合は間にティッシュ等を挟んで、パーツを傷つけない様にします。
パーツには、LR(左右)の表記が大体されているので、後で間違う事は少ないと思います。
そして、改造後のガタックと、改造前のカブトの左膝関節部のパーツです。
改造前のカブトのパーツが少し内側に曲がっているのが分かりますでしょうか?
これがO脚の要因の一つです。
設計上は、この様にならない様に正確に成型されているはずです。
では何故内側に曲がってしまうのか?
それは関節部の構造に有り、簡単に言うと2枚の板を1箇所で接続している為に起こっています。
絵が描ければ良かったのですが、このまま文章のみの説明をお許し下さい。
例えば関節を作る時に、1枚の板を2枚で挟む様にする構造であれば、どちらかへ傾く可能性は
かなり低くなります。ロボット魂の関節部は、私の知る限りでは全てそうなっています。
しかし、S.H.F.の場合は挟み込む構造になっていないので、どうしても傾く可能性が高くなります。
関節の保持には、接続をしている金属のハトメ部分との摩擦では無く、2枚の板、つまりPOM同士の
摩擦で行われます。その為、必然的に接続部を密着度を高める為にその部分が圧迫され、反対側が
離れようとします。これが、僅かにですが内側へと曲がる原因になっています。
メカではなく人型が基本のS.H.F.なので、パーツ数を少なくすることによって余計な分割線を減らし、
関節部の違和感を少なくする為にこの様な構造になったのではないかと思います。
ですから、基本的にはこの関節パーツを使っている物は全て、つまりS.H.F.自体、O脚になる
要素を最初から常に含んでいます。
確かに、他のS.H.F.においても僅かにO脚気味な物は存在します。
しかし、カブト系ライダーに関しては明らかにその角度が大きくなっています。再び、何故か?
ハッキリと示す画像は用意出来なかったのですが、どうやら腿と脛のパーツの凹部の形状自体も
歪んで設計されているようです。又、O脚はデザイン上の問題もある様に思えます。
ですから、膝関節部の改良と言うよりも、腿、脛のどちらかを作り直さない限り、カブト系の
ライダーでO脚が直った製品は出てこないと思われます。
所詮おもちゃ、少し位曲がっていた所で多少見栄えが悪いだけです。
実際、脚を揃えようとすると変な感じですが、少し開けばそれ程おかしくは見えない場合もあります。
メーカー側がそれだけの為に修正をする事はまず無いでしょう。
となると、後は破損覚悟で改造をするしかありません。
私の場合は、直接部品を変形させました。
この様に、両側をペンチで挟んで曲げたい方向に曲げただけです。
曲げたいのは両端のパーツではなく、真ん中の、正に膝のパーツなので、根元まで
きちんと挟んで曲げます。
もちろん、この時もドライヤーで温めながら曲げています。
温めながらゆっくりと110度近くまで曲げて約10秒、そのままの角度を保って温風から離し、
約10秒。実際は、曲げる角度も時間ももう少し適当でしたが(笑)
少しは復元するのですが、POMは硬いのである程度曲げてしまえば元の形にまでは戻りません。
ですから、リスクは伴いますが、切った貼ったをする訳では無いので、後でメンテナンスが
必要な事も無く、その効果も高いと思います。
以上、ここまでの両脚分の調整に10分もかかっていない事を付け加えておきます。
ちなみに、O脚ならばX脚になる様に、膝関節部のみを交換すれば良いのでは?
と言う疑問も浮かびますが・・・
この様に膝当てパーツの位置がおかしくなります。
それでも良ければ、もしくは膝当てパーツの左右を気にしないのであれば・・・。
さて、以降、と言うか今後のカブト系ライダーの全ては改造後の状態の画像です。
ですからO脚も直って真っ直ぐな脚のはずなのですが・・・デザイン上も、と言いましたが、
その点も注意してみると面白いかも知れません(^^)
あらためてカブト本体です。
細身なのは最早S.H.F.の特徴と言っても良いでしょう。
カブトで私が一番残念に思っているのは、肩アーマーの形状です。
大きいのはまあ良いのですが、末広がりになってしまっているので、腕を真っ直ぐ下ろした時に
浮いてしまうんですね。ディケイドは上手く処理していたので・・・初期製品の宿命ですね。
頭部アップです。
実は、カブトが出た頃はまだS.H.F.独特のアレンジを受け入れられず、変な顔だと思っていました。
もう少し太目の顔の方が似ると思うのですが、前後に長めになっているので、眼が前面ではなく、
どちらかというと側面にある感じになってしまっています。
その為、真正面から見た時にクリア部分の厚さが影になって、眼の形そのものが実際とは
違う形に見えてしまう事が多々あります。クウガ等も似たような症状がありますね。
今回の真正面からの画像は、何故か奇跡的に綺麗に撮れてしまいましたが、実際には
もう少し違った感じに見える場合もあります。
但し、出来るだけ実際の環境で手元にある状態を再現したいので、基本的に特別な光源やセットを
特に用意しないで撮影をしている事も、念の為にお断りしておきます。
後は、首が少し長めでしょうか。前後左右にグリグリと動くのは良いのですが、
もう少し短くても良かったと思います。
腹部です。
胸アーマー部分が小さ目なので、前後左右共に可動範囲は狭い方です。特に、赤い部分が
一体なので、前屈はキツイです。
その"赤"は、クウガの色とも違うメタリックレッドでとても綺麗です。
股関節は引き出し式で、この画像では両脚とも引き出した状態です。
靴底です。
毎度、シリーズ毎にきちんと変更して造型されているのには感心します。
ブーツの形状が違うので、ついでと言えばそうなのでしょうが。
気になるのは、555系と昭和ライダーですね。もちろん、出てくれないと話になりませんが;^^)
さて、ここからはいつもの様に好きにポーズを取らせて頂きます。
初っ端は、コレ、いわゆるS字立ちから。
最近のS.H.F.は無理なのですが、膝を逆関節にする事が出来る物があります。
カブトは綺麗に決まってしまうんですよね。実際の"人"の関節では不可能なのですが。
ちなみに、カーソルを画像に合わせると出てくる別名は・・・伝説と言っても良い?
と思いますので、特撮ファン、特に戦隊ファンならば知っておいて損は無い!です(笑)
変身前をイメージして・・・
カブトゼクターの代わりにカブトクナイガンなのですが;^^)
実際、変身した状態なので変身前を再現する必要等は無いのですが、カブトゼクターが外れるとか、
カブトホーンが可動するとか、そう言った小技がS.H.F.には意外と少ないですね。
ディケイドのブックモードなどはかなり良かったのですが、今後は可動だけでなく、
そういった面でも楽しめるシリーズになって欲しいと思います。
『キャストオフ』
なんですが、パーツ交換で可動範囲が狭くなっても良いから、これに被せる形のマスクドパーツ
を期待しているのは私だけでしょうか?
カブトクナイガン、ガンモードです。
持つ場所を変えて、アックスモードへ。
なりきりのカブトクナイガンは、ガンモードの形状を優先したのか、斧の刃部分は小さ目でした。
S.H.F.はアックスモード優先の形状ですね。
そして、クナイモード。
カブトは、平成ライダーの中でもベスト3に軽く入るくらい好きで、変身ベルトのギミックとしても
1、2を争うほどカブトゼクターが好きです。
が、基本装備のカブトクナイガンが、どこからともなく沸いて出てくる事だけがどうしても
好きになれません。なりきりではベルトに下げる事が出来ましたが、映像中では無いのが・・・。
『おばあちゃんが言っていた・・・』
トップにも使ったポーズの別角度版です。
天道が変身前に使う以外にも、戦闘後にもこのポーズを取る事がありました。
正に、カブトの世界を表す台詞とポーズですね。お年寄りを大切に思うのは良い事です(^^)
『クロックアップ』
ベルトの右腰の部分を叩いて発動するこのモードは、なりきりでは再現出来ない事でも当時は
話題になりました。まあ、難しいとは思っていましたが。
ただ、ハイパー化する為のハイパーゼクターの追加で『ハイパークロックアップ』の音声を
玩具でも再現する事が出来ました。ちょうどディケイドのコンプリートフォームと似た感じですね。
いつか、動画にしたいと思ってはいるのですが・・・;^^)
オープニングから。
何だかんだで、何とかこのポーズも再現出来ました。
もう少し腰が動くと、もっと良かったですが。
それと、こうして見ると手首の小ささと腕の短さがハッキリしてきます。
脚が長いから?でしょうか。
こういったヒーロー体型、架空の体型のバランスは難しいですね。
片膝立ちを。
パンチを溜めで。
『ライダーキック』
カブトのキックは、基本的にはジャンプをしないで、回し蹴りで止めを刺します。
相手が来るのを待つような形になるので、実戦ではどうかと思いますが、カッコ好いです(^^)
その直前の『1、2、3、(ガチャ)』のつもりで(クナイガンを持ってますが;^^)
トップに使うか迷ったのでこの位置に。
カブトは、どちらかと言うとおとなしい"静"のポーズが似合いますね。
以上、『S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーカブト』でした。
実は、既にガタックの撮影もカブトと一緒に済ませています。
当初は、一緒のレビューにしようかとも思っていたのですが、やはり別の物なので
きちんとしたレビューを直ぐに続けてする予定だったのですが・・・
まとめるだけでこんな時間(現在午前3時32分、ディケイド最終回まであと数時間)に;^^)
更に続けてディエンドもしたかったのですが、幸か不幸か、未だ手元に無い状態。
とりあえず、ガタックを行くと思います。
何だかんだと、動かしているとやっぱり楽しいS.H.F.です。
ガタック編で少しだけカブトと絡めているのですが、ここまで動くとそういった事も楽しい!
カブトはもう直ぐ再販されますし、サブライダーもほぼ全て発売予定に入っています。
早く、他の主役ライダー達も揃って欲しいですね(^^)
メーカー:バンダイ
商品名:S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーカブト
定価(税込):2,625円
電池:電池不要
発売:2008年10月25日
- 2009/08/30(日) 03:41:49|
- S.H.Figuarts
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