novtanの日常

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IT屋と業務知識について

年末年始にかけて読んだブログの内容をいまいち飲み込めなかったので噛み砕きも含めて考えてみることにする。

以下、2エントリからの引用であります。

kawaguti.hateblo.jp

私はSIerにいたことがないので、そのあたりどうも疎いのですが、私としては「業務知識といえば、業務実現に必要な知識すべて」のことで、それは担当する業務によって変わってくる、ということではないかな、と思っております。そういう筋で前回のエントリを書きました。

うーむ、となる。業務実現に必要な知識全て、とは一体何か。全てとは。まずここから引っかかる。というのも、僕らIT屋というのはシステムは手段であり、業務とはビジネスそのものである、と思っているからではある。んでもって、業務のうち、ITじゃないシステムの部分をITを使ってよりよくしましょう、というのが僕らの仕事だと思ってるんだよね。だから、「全て」のうちビジネスそのもののことはお客さんにしか知りえないことがたくさんある。もちろん、それが「企業毎の秘密の飯のタネ」であるからだ。だから僕らが「全て」を知りうるのは全てが要件化されている場合だけであって、仮にシステムを作ったとしてもその先に横たわっているものがなにか、というのを覗くことができないことだってある。

なので

もちろん、SIerの業務であるところの「ユーザー企業から発注をもらってシステム開発をする業務」においては、業務知識といえばお客様が実現したい業務に関する知識ということになろうかなと思います。ドメイン知識とも言ったりしますね。

ということはまあまあ正しいんだけど、「お客様が実現したい業務に関する知識」と言ってしまうとちょっとオーバーで、実際には「~における一般論」だったり、ずっとそのお客さんの担当をしていると「~でのお作法」だったりするものではあります。僕は金融システム屋なのである程度金融の法制についても知っているわけですが、実際のところお客さんがそれダメじゃね?みたいな要件出してきたあとで「いやー法務に言ったら駄目だって言われたよ」って言ってくることだってありますし、こういうのがいわゆる業務知識と言っても全部をカバーすることは難しいわけで、勘所を知っていることと全てを知っていることには大きな違いがあると思うんですよね。もちろん、後者の人間は存在しません。

で、そう考えると、マネジメント層にとっての業務知識は、部下や組織をマネジメントするために必要な知識、という感じではないかなと思います。前回のエントリで参照した米Microsoftの河野さんの話でも、マネージャーにとっての主たる業務はそこにあるようです。

となると、こういう話はなんだか目的がどこにあるのかわからなくなります。なぜマネジメントするのか。ただマネジメントするのか。それは「全て」なのか。

全ての業務にITが入り込んできているので、もはやITと業務を明確に分解することが難しく、業務知識の範疇にITの基本的な理解が入り込んできている、ということです。

この件は同感で、お客さんがよく「自分はITの専門家じゃないのでよくわからないんだけど」といい出しますから、そりゃちょっと待てよと思いますけどね。

ということを踏まえた上で

っていうことで、「業務知識の一部となったITがわからない経営層やマネジメント層のままで大丈夫か?」というのがエントリでの核となる問いでした。

というのがやっぱりわからない。最初に書いたとおり、僕の感覚においてはシステムはあくまで手段であり、その手段をどう使うかというのを考える役目の人がIT屋であり、経営層の中にCTOがいるというのはビジネスとITをきっちり融合させる役割があるからでしょう。CEOがITを知っていなくて良い、というつもりはないですけど、自社のビジネスとITが不可分であることが現実である場合にそれが理解できれば十分なのではないかと思います。これはビジネスそのものがITであるマイクロソフトの事例を元に話されていることへの違和感でもあります(だってねえ)。

日本でも2013年に創業したメルカリや、AIで躍進するPreferred Networks(2014創業)などは、同じように経営陣までその言語で通じる人たち、な感じがします。もはや業務知識とIT知識を分けるというマインドはかけらも持ってないんじゃないかと思います。

後者はわかりませんけど、メルカリは単にITをうまく手段として使っているだけではあると思いますよ(十分すごいことですが)。

蛇足ではありますが、金融とかはそうじゃない...とおっしゃる方がいるかもしれませんが、AIでトレーダーが激減してみたり、当の金融機関の方はそんな悠長なことは考えてないと思います。

金融システム屋なんであれですが、僕らIT屋だってITを端から端まで理解しているわけじゃないのに金融機関の人が端から端まで理解するのは無理で、彼らもきちんと手段として使いこなそうとしているだけだと思いますよ。彼らの能力は餅を正しく餅屋に搗かせることに発揮されるんです。

んで、全くわからないのがこの一文

ああそうでした。それは多いでしょうね。でも必要な知識だと思います。持たなくても食っていけるっていうのは、SIerの非常に限られた世界の常識に過ぎず、しかも、そもそもそれすら間違いなのではないかと思いました。

どちらかというと逆で持ってないと食えないけど持つには大変時間がかかるって話をしているんだと思いますよ?
ということも踏まえると

業務とITはもうとっくに切り離せないのだとすると、「こっから先は学ばなくてもよい」と言っていた領域がいろいろ言い訳できなくなってきてしまうなぁ、と言う感じがします。すくなくとも、相手と話せるくらいの理解がある方が、仕事が進めやすそうです。小学生向けにプログラミングを教える時代です。教材はたくさんあります。

この文章もいまいち何を言いたいのかわからないんだけど、ビジネス側がITを勉強せい、ということなのかな?それは正しいと思うけど、先の文章とつなげて考えると有限な時間をどう使えばたどり着けるのかわからない話をしているようにも思えてしまいます。

で、続きのエントリから。
kawaguti.hateblo.jp

ナデラ氏や岩田さんを社長に据えたバルマー氏や山内さんの選球眼が鋭かったことに反論の余地はないと思います。そして彼らは、もともとコンピュータ技術者であったわけではありません。エンジニア出身のリーダーを、彼らが引き上げていなければ、エンジニア出身者が社長になることは、なかったわけです。

これもよくわからないんだけど、MSや任天堂に「エンジニア出身者は社長には成れない」という文化があった場合ならともかく、そんなものがなければその場で最適な人間が選ばれるだけなんじゃなかろうか、と思いました。

ところで業界には「ITに明るくない人に上手に説明する、そこそこITがわかっている人」というのが大勢いらっしゃいます。プロジェクトマネージャーとか副部門長とかをされてたりするかもしれません。コンサルタントさんかもしれません。パワポが上手で、細かいところをさっと端折って、AかBか選べば経営判断下せる感じにしてくれる人たち。ITがわからない経営陣にとっては手放せない存在であることでしょう。

一見、優秀そうな方々なのですが、経営やマネジメントを任せた途端にボロを出してしまう方もいるようです。たとえばこんなような理由が思い浮かびます(実例ではないです)。

この話もちょっと唐突で、そりゃそういう方もいるでしょうよ経営やマネジメントの能力を評価しないで任せたら。

うーん、こっちのエントリは総体的に何を言いたいのかよくわかりませんでした。

結局、全体的に大事なことがわからない話だったということで。