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August 12, 2016

「インフラエンジニアの教科書2 スキルアップに効く技術と知識」という本を書きました

2016年8月26日に「インフラエンジニアの教科書2 スキルアップに効く技術と知識」という本が出版されますので、ご紹介させていただければと存じます。


自分が若かりし頃に、こういった内容の本があったら良かったのになあ、という内容を詰め込みました。この本に書かれている内容はどれも日常業務に必要なものばかりなんですが、ネットもくまなく検索してみても、未だにまとまって整理されているものをほとんど見かけないんですよねえ。。。

 

 

■章立て
CHAPTER-01 プロトコル
CHAPTER-02 OS
CHAPTER-03 ネットワーク
CHAPTER-04 データベース
CHAPTER-05 WEBのサーバサイド開発言語
CHAPTER-06 共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式
CHAPTER-07 障害対策と障害対応
CHAPTER-08 よく知られたセキュリティ攻撃
CHAPTER-09 インターネットの運用と発展をつかさどる組織や団体
CHAPTER-10 RFCの読み方と作られ方
CHAPTER-11 世界規模のインターネットサービス運営
CHAPTER-12 インフラエンジニアとして目指す方向



■アピールポイント 
・障害対応時に重要なOSの仕組みについて、ものすごく丁寧に書きました。OS上のプロセスがCPU、メモリ、ディスクなどのハードウェアとどのように連携しながら動作しているのかがわかるようになると思います。このあたりインフラ運用上すごく重要な基礎知識なんですが、最近はこういった内容が書かれた本をあまり見なくなりましたね。開発者の方にもこの章だけはインフラエンジニアだけでなくとも是非読んでいただきたいです。

 

・ネットワークに苦手意識を持っている人が多いので、最低限これだけ押さえておけば業務上困らないのではないか、という内容を書いてみました。

 

・データベースは、DBA視点ではなくてインフラエンジニア視点で書いてみました。ちょっと他の本とは書き方が違います。

 

・RFCの読み方を日本語で説明している本って意外とないので今回書いてみました。

 

・開発言語とWEBサーバ(Apache/Nginx/IISなど)の間をつなぐものについて、整理された情報があまりなくて今回整理してみました。この切り口で書かれた本は意外と他にない気がします。

 

・Javaの世界をインフラエンジニア視点で必要最小限に簡略化した上でわかりやすく説明しました。(開発者向けJava本だとインフラエンジニア視点で余分な情報がほとんどですから)

 

・SSL証明書の世界がどんどん変化していっていますが、昔勉強したきりで最新状況を押さえていない人も多いかとおもって、中間証明書、クロスルート証明書、EV証明書、ワイルドカード証明書などの内容を含めて書いてみました。

 

・インターネット関連組織であるISOC,IAB,IETFなどについても意外と日本では知られていないので今回書いてみました。

 

・WEB系企業に勤めるインフラエンジニアは概してWindowsに弱い人が多い(と思う)ので、普段あまり聞くことがないだろう内容(MFT、ファイル名文字コードの動的変化など)を書いてみました。

 

・世界規模のインターネットサービス運営に関わっている中で日々感じていることや実際に体験したことなどをまとめてみました。他であまり書かれない内容なので、面白く読んでいただけると思います。

 

■裏話
・前作「インフラエンジニアの教科書」が出版されるまで、インフラエンジニアというカテゴリーで出版された本がほとんどなかったと聞きます。結果的に前作がそれなりに多くの方に買っていただけたことで、結果的に各社からインフラエンジニアというカテゴリーの本が出されるようになった、らしいです。

 

・続編を書くことは全く考えてなかったですが、今回多くの読者の方や、各書店の店員さんからも名指しで続編の要望があったと聞きました。こういうことは珍しいらしく、結果的に引き受けることになりました。

 

・当初半年くらいで書き上げるつもりが、かなり丁寧に書いたために、1年近くかかりました。

 

・出版社のほうから「副題がないと売りにくいので副題つけてください」と言われて印刷所に入れるぎりぎりまで議論が続いてました。たしかに「インフラエンジニアの教科書2」だけだと前作との違いが購買を検討される方にとってもわかりづらいですよね。



■最後に
普段、新人インフラエンジニアを教育したり他部署から質問を受けたりしている中でいつも感じるのが、コンピュータの基本的な知識が不足しているので悩んでしまうのかな、ということです。そんな経験を踏まえつつ、他の本ではさらっと流されてしまう内容を丁寧に書いていたり、もしくは他の多くの本で書かれているような内容は省略したりとメリハリをつけながら、図を増やしたり文章を読みやすくしたりして極力理解してもらえるように丁寧に書きました。

 

これまで関わってきた本の中でもっとも愛着があり、また苦労した本でもあるので是非多くの方々に読んでいただければと思います。

 

どうぞよろしくお願いいたします。

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