インタビュー:北川景子「自分の中身を見てくれる人が好きです」
――まずは、「ハンサム★スーツ」の台本を読んだ時の率直な感想を聞かせて下さい。
北川景子(以下、北川):もちろん、鈴木おさむさんが面白い脚本を書く方だっていうのは分かってたんですけど、本当に最初の1、2ページを読んですぐに惹きこまれてしまって。読み終わって、笑えたと同時にすごく感動して。こういう笑って泣ける映画って最近、日本に無かったかなって思ったので、是非やらせて頂きたいと思いましたね。――北川さんが演じている、寛子に共感する部分は何かありますか?
北川:寛子のセリフで一番共感したのが、「私は自分の中身を見てくれる人が好きです」っていうセリフがあって、私もすごくそう思うんですよ。わがままなのかもしれないですけど、外見で判断されるのは嫌だし、中身を見た上でファンだとか、好きだとか言ってくれる人がやっぱり好きなんですよね。寛子ちゃんって自分がそういう人だからこそ、人のことも外見で判断せず真っ直ぐにちゃんと中身を見て、自分が会って話してみて、その人がいい人かどうかを判断してるから、そういう所も一緒だなって思いました。――逆に、寛子に共感できない所はありましたか?
北川:全く無かったです。今までやった作品の中で一番自分に似てると思うんですよ。――寛子の代わりに“ブサイク”だけど仕事は完璧で、一緒にいると落ち着く本江が登場しますが、本江に共感する部分はありましたか?
北川:本江さんだったら共感っていうか、私がそういう風に出来るとかじゃないんですけど、「小さな幸せ探しをしましょう」って言って、小さなことでも幸せに思える心を本江さんは持ってるじゃないですか。これは鈴木おさむさんが言ってたことなんですけど、「仕事に行く途中にちょっと車が混んでるとイラっとしたり、注文した商品がちょっと出てくるのが遅いとイラっとしたり。日常の中で、そういうちょっとしたことでイラっとすることはいっぱいあっても、ちょっとしたことを幸せに思えることって無いし、そう思える人ってすごく心が広くて素晴らしいんじゃないかな? だから、そういうキャラクターを『ハンサム★スーツ』の中に入れたかった」って言っていて。それで、私が映画の中で一番感動したのが、あの幸せ探しのシーンなんです。「こうやって思える人っていいなぁ」って思ったし、「自分もこうありたいなぁ」って本江さんを見て思いました。そうであるように、心掛けてもいます。