空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

mixiが長く続いたことで生じたと思われるコミュニティ停滞

このようなエントリーが。

■コデラノブログ4 : mixiに受けた「いやァな感じ」 - ライブドアブログ

ここでmixiがクローズドな環境であり、それが故に(全てオープンであることを嫌う)ユーザーから需要があったということ、そして数日前にちょっとだけ実装されてそしてすぐ廃止されたメアド検索は、そのクローズドな環境のセキュアを壊すということが書かれています(乱暴な要約なので、実際に読まれることをオススメします)。

■参考:mixi、メアド検索の仕様変更を撤回 -INTERNET Watch

さて、それを読んで、mixiについて自分でもちょっと思うことがあったので、書いてみようと思います。
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mixi人口の頭打ち

さて、そもそも何故mixiがこのようにクローズドなところを壊すようなメアド検索を実装したのか、というのが疑問となります。ただFacebookをマネただけ、というのではそこで終わってしまうので、もうちょっと考えてみようと思います。

自分で考えた結論から言うと、おそらく非アクティブユーザー、すなわちアカウントは持ってるけど、長期間ログインしてないようなユーザーを引き戻すための試みではないでしょうか。おそらくmixiにおける非アクティブユーザーはかなり増加しているのではないかと考えられるのです。それは、mixiのコミュニティ(ここでいうコミュニティはmixiの機能としてあるものだけではなく、ユーザーの集まりといった広い意味)の変化が限界に達しているのだと思われます。

mixiが登場したのは2004年、ブレイクしたのがだいたい2005年頃だったと記憶しています。そして現在、それから5年経ちます。おそらくmixiを使う人は、この5年の間にいろいろなコミュニティに参加したり、いろいろな人をマイミクにしたことでしょう。しかし、それが5年経ち、すでに限界値に達してしまったのではないでしょうか。つまり、もう参加し得るような人の集まりにはすべて参加してしまい、新しい交流が生まれなくなってしまったと。


現在のmixiのユーザー数は2000万人(との発表)、そして日本でのインターネット利用者は9000万人。すでに1/4近くが入っていることになります。
ここまで増えると、もはや新規のユーザーを莫大に増やすことはなかなか望めません。しかもmixiの場合、マイミクは承認制ですので、Twitterのように軽い気持ちで相手とのつながりを持つことが難しくなっています。となると、すでにマイミクの増加が個人の中で止まってしまい、同時にそういったコミュニティも固まってしまったのではないでしょうか。おそらく、mixiユーザーにおけるマイミクの増加率は、昔に比べるとかなり下がっているのではないかと予測できます(利益目的とか出会い目的を除くとして)。

さらに、Twitterのフォローの気軽さに慣れた結果、断られる可能性のあるマイミク申請がさらに重くなってしまった可能性もありますね。

mixiにおけるコミュニティーの経年劣化

それでも2000万人もいるのですから、mixi内でそれまで構築されたコミュニティの大半において交流が続けられているのなら問題はないでしょう。しかしながら人間関係は変わるものです。5年という月日は人によっては長くもあり、人によっては短くも感じるものでしょうが、その中で人間関係が大きく変わった人がいても全く不思議ではありません。実生活でも学校に入学して卒業するくらいですし、仕事でも配属先が変わったり、転職してもおかしくない月日ですから。もちろん周辺の変化だけでhわなく、心情の変化により距離が出来ることもあります。そしてそれにより、人と人との関係が変わるのは自然でしょう

それはネットでも同じです。たとえば興味の対象が変わっていたりすると、人間関係が変わっていたりすることは珍しくありません。しかしながら、クローズドなmixiではそれは固定してしまっています。故に今までのクローズドな関係の出来ているところ、すなわち誰かのマイミクに新しい人を入れると、既存の人は不自然に思えることがありますし、また新しい人も入っていきにくいでしょう。
しかし、新しいコミュニティを作るにしても、mixiは原則1人1IDなので、それができないことになります。

また、既存のコミュニティからフェードアウトしたいという人も出てくるでしょう(まあたしかにマイミクの分類機能とかは出来てますが、それでは不十分だと思われます)。しかしmixiでは、一度マイミクにした人を切り離すことが非常に難しいものとなっています。マイミク切りというのがありますが、アレは受け取る人からだと、Twitterにおけるリムーブなんかよりもかなり強い絶縁宣言みたいに思われがちですので。そうなると、その人やそのコミュニティから距離を置くには、mixi自体から距離を置く、すなわちログインしなくなるということが起きているのではないかと思われるのです(とはいえmixiしか交流のない人との連絡手段がなくなると困るということで、退会する人はわりと少ないとは思いますが)。

まあそこまでとは言いませんが、今の仲間での交流が忙しくなれば、昔の仲間はおろそかになってしまいますよね。おそらくですが、mixiでは作れないそういった新しいコミュニティの受け皿となっている場所(SNS)もあるのではないでしょうか。


そろそろ複数IDを認めたらどうか

このように、mixiでは人の流れが止まってしまい、結果として非アクティブユーザーというか、全く放置しているユーザーが増加しているのではないかと。故に、その人を動かす仕組みがもう一度望まれていて、それがmixiアプリにおける人を交流させるゲームだったり、今回のメールアドレス検索だったのではないかと思われるのです。しかし、それによって根本的なクローズド部分まで壊すことになってしまい、停止となったという感じで。

総じて、SNSというのは人の交流が重要なのに、それが停滞しているが故に袋小路に陥っているといえますね。クローズドな利点とのジレンマですね。とはいえクローズドな文化で広がっていったSNSは、そのうち似たようなジレンマを抱えると思えます。

とはいえ、これの打開には方法があると思えるのですけどね。それは前々から書いている複数アカウントの公認。
■参考
nakamorikzs.net
つまり、新しいIDを作ることで、新たなコミュニティを構築できるようにすれば、またそっちのIDでアクティブとなる人が増えるのではないかと。せめてはてなみたいに、ひとりに3つまでのIDを認めるとか。まあ、一義性を保つことでのメリットや、本人確認の問題もありますが、それでも価値はあると思うのですけどね。過去〜未来のほかにも、仕事用仲間のIDと趣味用IDとかにも分けられるのですし。


でも考えてみると、日本におけるインターネットのコミュニティサービスにおいて、2chみたいに匿名ではなく本人のパーソナリティが出ているものでは、たぶんmixiの約6年が最長なのですよね(IDつきの掲示板もあるにはありますがSNS程発展はしてませんし)。そう考えると、mixiがいつまで一定の利用者を保ち続けるのか、注目すべきところではあるでしょう。