2023.03.29
2023.03.12
Cosmo-Z 64の改良
お客様からCosmo-Z 64が戻ってきたので、背面パネルを取り換えたり、中身のUSB HUBを基板型のものに取り換えたりしました。
USBとイーサのコネクタはパネルマウントのものにして、内部でケーブル配線をしています。
あまりスマートじゃないですね。
機器内の配線をスマートにする方法を考えないといけないですね。
やはり、基板を作ってコネクタは上向きに出るコネクタを使って、背面パネルにがっちり固定するのがいいのでしょうか。
あと、箱に納めると放熱が難しくなります。
箱の中でいくら空気を循環させても温度が下がりません。
一晩つけっぱなしにしたら68℃まで上がっていました。
やっぱり箱の外と中で空気を循環させないとだめですね。
2023.03.10
コード39のエラーが出てドライバがインストールできない
最近、特電製品をお使いのお客様からデバイスドライバのインストールができないという問い合わせが増えています。
対象商品は、MITOUJTAG(Pocket JTAG Cable)と、Spartan-6、Spartan-7評価ボードです。
これらの商品はCypressのCY7C68013(通称EZ-USB FX2)を使用しているのですが、そのドライバとしては非常に古いものをベースに使用しています。
「このハードウェアのデバイスドライバーを読み込むことができません。ドライバーが構成されているか、ドライバーがない可能性があります(コード39)」
と表示されてしまいます。
この原因ですが、Windowsのセキュリティのコア分離というものが関係しているようです。詳しいことはよくわからないのですが、カーネルモードに入ってしまうと他のカーネルモードのプログラムのデータを読んだりできる(というか物理メモリ上のすべての領域に自由にアクセスできる)ので、そういうことができないようにカーネル内(?)を分離するということなのでしょう。
それに対応していない古いドライバはインストールをさせてもらえないようです。
Windows11ではデフォルトでONになっていて、Windows10では有効化することができるというものだそうです。
コード39のエラーが出てドライバがインストールできない場合は以下の手順で無効化できます。(あるいはWindows10でコード分離を有効化できます)
まず、Windowsの「更新とセキュリティ」から「Windowsセキュリティ」を開きます。そして、デバイスセキュリティを開きます。
デバイスセキュリティの中にコア分離があります。
コア分離の詳細を押して中に入ります。
このメモリ整合性をオンにすればセキュリティは高まり、オフにすれば旧式のドライバもインストールできるようになります。
Windows10で有効化できるかと思い、「再スキャン」を押してみると・・・
と怒られてしまいました。
互換性のないドライバを確認する、を押してみると、
全部、特電の製品じゃん!
これはいかんですね。
EZ-USB周りのドライバをそろそろCYUSBベースに置き換えないといけないようです。
結論を言うと、
コード39のエラーが出た場合は、上記の「メモリの整合性」をオフにすればよい
ということです。
2023.03.09
2023.03.04
2023.03.03
差動信号のフィルタ回路
あるお客様から、差動ラインのフィルタを以下の図のように変形できないかという問い合わせがありました。
差動のそれぞれのラインに入っているコンデンサをまとめてしまって2倍の容量にできないかということです。
これらの回路の特性をシミュレーションしてみました。
使っているシミュレータの都合上、電圧源から2つのトランスを使って正負のバランスが取れた差動信号を作っています。
① 最初は正と負のラインに個別にフィルタが入っている場合を解析します。
この回路は、CR時定数以上ではCが小さくなってRが支配的になるため、50Ωと50Ωで分圧されて半分になった電圧が届きます。つまり、LPFとして働きます。
② 真ん中の部分を導通させた場合、差動信号ですから、真ん中の部分は正と負の電圧が釣り合って常に0Vになります。
33pFのコンデンサの両端は0Vになるので存在していないのと同じとなり、フィルタとしての機能は失われます。
周波数によらず電圧を1/2します。
③ 差動の線間にCRを挿入した場合、
これはLPFとして働きます。
つまり、①と③の場合はLPFとして働き、②の場合はスルーします。
次に、コモンモードノイズに対する特性を見てみましょう。
④ 最初の回路に戻ってコイルのつなぎ方を変え、信号源から同相信号として伝わるようにします。
周波数特性を見るとLPFとして働きます。
⑤ 真ん中の部分をショートさせた場合
今度は同相信号なので、真ん中の部分の電圧は0Vになりません。そのため、通常通りLPFとして働きます。
⑥ 最後は線間にCRをつけた場合。
CRのフィルタ間の電圧は、同相信号ですから0Vなので、このフィルタは存在していないのと同じになります。
そのため、フィルタとしては働かずフラットな特性になります。
まとめると、
① GNDとつながるフィルタは同相ノイズに効き、差動成分にも効く
② 中央でいったんまとめるフィルタは同相ノイズに効き、差動成分には効かない
③ 差動ラインを横切るフィルタは同相成分には効かず、差動成分に聞く
ということになります。
このことはCRフィルタだけではなく、LCフィルタやLCRフィルタにも言えます。上手に使えば差動信号に対する周波数特性や、同相信号の対する周波数特性を別々に設定することができます。こういった回路は、差動信号をケーブルで伝送するパルストランスの周辺や、ADコンバータの入力端子などで見ることがあります。
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