新しいハイボルを作った
今日、光電子増倍管用の新しいハイボル(高電圧電源)用の基板と部品が届いたので、早速作りました。
完成の写真です。約1000Vが安定して出ていて、ピンセットを近づけるとちゃんと放電します。
このハイボル基板は電圧モニタ用のOPアンプ(上の写真の右下の8ピンパッケージの)が乗っていて、出力電圧を1000分の1にしてモニタ出力してくれます。電圧を測ってみると、1.000Vでした。白い半固定抵抗を回すと900~1500Vくらいまで調整できます。
※電源が5Vのときは1200Vくらいまで。12Vのときには1500Vくらい出せるようだ。
また、OPアンプの入力をコンデンサで切って、ゲインを100倍にしてオシロで測ってみたところ、20mV以下でした。つまり、高電圧の部分のノイズが0.2mV以下ということになります。
これはすごいことで、1000V出ているのに0.2mVのノイズしかないのです。出力電圧に対してノイズが500万分の1しかないのです。なんて低ノイズなのでしょう!
さっそく、光電子増倍管につなげてみました
まずは古いハイボルの実力を確かめる
まずは、古いハイボルをフォトマルにつないでCosmo-Zで見てみました。古いハイボルというのは下の写真のものです。aitendoのインバータに倍電圧整流回路をつないで1400Vくらいを作り出しています。
実は、このハイボルは15Vくらいのノイズを出しているのです。
Cosmo-Zで見た光電子増倍管からのシグナルは・・
- 上の図はADCの値を計算で10倍して表示している
- ハイボルに起因するノイズは、20mVppくらいである
ハイボルのノイズが光電子増倍管の信号に出ています。フォトマルの信号と同じくらいのノイズが出ているため、小さな信号は検出できません。
新しいハイボルの実力を確かめる
新しいハイボルを試してみました。
旧ハイボルと比べて電圧が低いのか、フォトマルの出力も少し小さめです。
でも、ノイズが全くない。
計算のゲインは100倍にして測ったところ、ADCの量子化された1LSBがギザギザして見えてきました。通常動作時には±1LSB(約500μV)のノイズしかなく、ハイボルをつないでもノイズは出ていません。
それゆえ、フォトマルの信号が出た場合、どんな小さな信号であっても見ることができるようになりました。2mVくらいのパルスもしっかりと計測できます。
結論
新しいハイボルのノイズは0.2mV以下(測定困難)で、フォトマルの出すより小さな信号まで見られるようになりました。古いハイボルでは20~30mVくらいの信号が限度だったのですが、新しいハイボルでは2mVの信号も見えます。感度が10倍以上よくなりました。
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